やはり満足感が違いますね！ : 鮨 こう介

新宿、あいにくの雨、前職時代からお世話になっている社長と久しぶりの会食。

以前伺って美味しかった鮨こう介さんを紹介、1年振りと思ったら2年振り、時の経つ早さを実感。

ビールで乾杯、アサヒ熟撰はきめ細かくてシャープな苦味がいいビールですね。

ガリが2種類、赤酢のものは酸味も辛味もあり、鰹節酢漬けのものはマイルドで使い分けしやすく良かったです。

▼前菜
・長芋と叩きオクラ、糸もずくの酢の物
糸もずくのプリッとした食感と長芋のサクッとした食感が良く、酸味控えめで食べやすかったです。

・クリームチーズ味噌漬け、トリュフ
しっかり味噌の風味があり、トリュフの香りも引き立っていて美味しかったです。

・ホタルイカの時雨煮
甘辛く煮付けられていて生姜の風味もよく、ホタルイカの食感も煮込みで損なわずにいい塩梅に仕上がってました。

▼握り
・大トロ
和歌山那智勝浦産190kg、裏表に50の包丁を入れている仕事ぶりが凄いです。口に入れた瞬間から溶け始めてるんじゃないかと思うほど滑らかで、大トロの脂の旨みとシャリの酸味の融合が素晴らしいく、大トロを更に進化させてます。

・のどぐろの昆布締めの炙り
フワッと口どけが素晴らしく一気にのどぐろの脂が口いっぱいに広がります。サイズもこのサイズを出すところはなかなか無いと思います。昆布締めだけでなく炙りの香りも立っていてスタートから凄い。

・お寿司のミルフィーユ
シュー生地の上にシャリ、漬け甘海老、マグロ中落ち、雲丹、いくら、キャビアと豪華な創作寿司。シュー生地のサクッととろけていく中で具材の融合が面白いです。フレンチを思わせる1品。

▼お椀
・ホッキ貝と焼き筍
ホッキ貝が大きく最初の食感から噛むほどに味わい深く素晴らしいです。旬の筍は丁寧にな下処理で臭みもなく食感も抜群です。木の芽とワカメの餡が山椒の香りが立っていてめちゃめちゃ美味しいです。

▼握り
・アオリイカ
厚みに驚きましたが、口どけは更に驚きます。甘みがすごく感じられて、これはなかなかいただくことができない美味しさだと思います。やはり職人さんは凄いと思わせる一品。

・鰹
中心部を使い、薄く2枚にスライスして重ねているそうです。そのため鰹ですが口どけがかなりいいです。玉葱醤油に漬けており玉葱の甘みと香りが凄く合ってます。

▼焼物
・太刀魚
大ぶりな太刀魚でふっくらと丁寧な火入れで今までで1番美味しいと思いました。脂も充分で酢橘と大根おろしでさっぱりといただけます。

▼握り
・赤身(漬け)
脱水具合も素晴らしく醤油の染み具合も抜群でした。

・金目鯛の昆布締め
ねっとり良い食感で金目鯛昆布締めにしてなおこの厚みはさすがです。

・小肌
こちらもこのサイズはなかなか出会えないですね。酢締めもほどほどに酸味が効きすぎないように、身の脱水バランスもよくかなり美味しかったです。

▼お椀
・キンキ酒蒸し
厚みのあるキンキをふっくら仕上げ、湯葉と菜の花が添えてあり季節感もバッチリです。湯葉は甘みが良く、菜の花は苦味と食感が良く、全体バランスも素晴らしかったです。和出汁の餡の優しさと柚子の香りが引き立ててました。

▼握り
・車海老
ミディアムレアでの仕上げがかなり良いです。火が入ったものと生とのちょうど中間でどっちの食感も味わいもあります。中には海老味噌が入っており海老の濃厚さを引き上げてます。かなり美味しいです。

・トロたくキャビア
使用しているマグロからレベルが違いますね。海苔の風味も段違いで最高のトロたくだと思います。キャビアの塩味がアクセントにも良かったです。

▼お椀
・帆立茶碗蒸し
出汁が凄いです。きめ細かい茶碗蒸しはあえて具を入れていないのでしょう。最上級の出汁をいただくための茶碗蒸し。

▼握り
・バフン雲丹
濃厚でありながら臭みもなくスッキリいただける上品な雲丹でした。また海苔も良かったです。

・煮穴子
これまたサイズがすごいですね。しっかり煮付けられていてギリギリ形を留めているのではないかという柔らかさです。味付けも大味すぎず穴子にしてはさっぱり目の味付けかな。口いっぱいになる穴子は格別です。

▼お椀
・お味噌汁
鰹、しじみ、のどぐろの出汁が効きまくってます。味噌は控えめでスッキリ美味しくFinish。

▼デザート
赤紫蘇のソルベ、ノルアルコールシャンパンゼリー、生姜のブランマンジェ、苺、林檎。赤紫蘇のソルベが格別ですね。全体を牽引してます。生姜は想像より効いていないので苦手な方でも全然大丈夫そうです。林檎の甘みと苺の酸味と全体のバランスが素晴らしかったです。

▼日本酒
・みむろ杉
純米吟醸辛口、切子での提供も嬉しいですね。みむろ杉は個人的に好きで結構のみフルーティーな感じを残しつつ、キレを増していてかなりスッキリいただけます。

大トロから始まりのどぐろ、雲丹、いくら、海老など要所を抑えつつ、それぞれのサイズが大きく満足感が違いますね。

お椀や焼物なども充実して、デザートもしっかりこだわり死角なしでした。ご馳走さまでした。

取引先の社長さんに連れていただいた鮨こう介さん。新宿の喧騒からひっそりと佇める異空間のようでした。

女将さんに荷物を預かっていただきカウンターに着座。苦手なもののお伺いがあり、ビールをオーダー。熟撰はやはり味わいがありきめ細かく美味い。4月から新部署の開設を任されて疲弊した身体に沁み渡ります。

ガリは甘酢と赤酢の2種類、ちょっと酸っぱめとちょっと甘めの使い分けが嬉しい。

▼先付け4種
・糸もずく
沖縄産で細かい繊維で食感も良く、甘酢もさっぱりとしていて食欲増進にもよかったです。

・キンキの肝の煮付け
初めて食べましたがプリプリで濃厚、甘辛い味付けも濃厚さに負けていなくてバランスよかったと思います。

・ズワイガニの味噌和え
言わずとも美味いやつです。ほぐし身ながら蟹の繊維をしっかり感じられるいい蟹で味噌も濃厚そのものでずっと手元に置いておきたい1品。

・岩手産牡蠣のオイル煮
プリプリに仕上げられた牡蠣、味も濃縮していて美味。牡蠣とは異なるパプリカのフレッシュな苦味の二重奏にきゅうりの清涼感も良かったです。

▼握り
・大トロ
千葉勝浦産の150kgのマグロ、筋と血栓など取り除き50の隠し包丁が入っているそう。まさにトロけるような食感でトロが舌に絡みます。最初からすごかった。

・のどぐろの昆布締め
サッと炙られたのどぐろは脂が引き上げられて甘みがすごいです。しかも肉厚でこれだけ食べ応えのあるのどぐろは素晴らしいです。

・お鮨のミルフィーユ
シュー生地にシャリ、海苔、漬けマグロ、甘海老、雲丹、いくら、キャビアが乗ってます。甘海老の甘味から雲丹といくらの濃厚な味が押し寄せ、シュー生地のサクサク感がアクセントとなり、キャビアの塩味が全体を締めます。お鮨じゃない様でお鮨なのも不思議。

▼蛍烏賊と帆立の茶碗蒸し
鶏、しじみ、帆立を20kgから取ったの出汁が効きすぎています。茶碗蒸し自体も卵の味も感じる繊細さ。蛍烏賊は味噌の濃厚な味が活きていて、柚子も香りもすごく良かったです。

・鰹
鹿児島産の鰹で皮目の方は取り除き中心部分のみを薄く切り分け3枚重ねで味付けは玉ねぎ醤油の漬け。ねっとりとしていて柔らかいですが身の感じもあり絶妙。臭さは全くないですが鰹の味は濃かったです。

・鰯
三重県産で小骨を取り除き朝締めした鰯。肉厚で脂が凄い強くまるで縞鯵のような雰囲気すらあります。頬張るとますますサイズに驚き、噛むほどに鮮度の良い鰯の味わいが広がり、朝締めの身のねっとりした感じも良かったです。

▼のどぐろの湯葉包み
のどぐろ、大葉、チーズが入った湯葉揚げ。ソースは牡蠣の出汁を濃縮させた自家製のオイスターソース。のどぐろのふわふわ感と大葉の清涼感もそうですが、ソースが凄い。牡蠣の旨味を出し尽くしてます。最後はシャリを入れてソースを堪能できます。

・アオリイカ
青森県産、こちらも50の隠し包丁が入っています。サクッといくような軽さもありつつ、ねっとり味わいを感じさせる部分もあり、特に後半がねっとり感とイカの味がしっかりしていてめちゃめちゃ美味かったです。

・炙り〆鯖の棒寿司
締めに3日間、水分抜きで1日の仕込みらしいです。干瓢、ガリ、大葉が中に入っており、干瓢の甘さと食感にガリの酸味と食感が凄い良い融合です。

▼真魚鰹の蟹餡掛け
少しレアに仕上げた幽庵焼きに蛤と蟹の出汁が最高レベルに抽出されており旨味しかないです。幽庵焼きの香りの良さを生かしてあるので餡に負けない真魚鰹がちゃんと主役になってます。

・車海老
沖縄県産、引いて撮らないと画角に入らないほど大きく、1口でいただきましたが口の中が海老1色。火入れも素晴らしく海老の旨味、特に甘味が強く感じられ素材を活かしています。

▼キンキと白魚の蒸し物
キンキはふっくらとギリギリ火が入る程度の絶妙な加減、白魚は軽く揚げてあります。しじみと鰹と帆立、キンキ50匹くらいの出汁がちょっと表し難いくらいの美味さです。その出汁が絡むこと絡むこと。絶品です。

・トロたくキャビアの軍艦
たくあんの小気味良い食感にトロの味がしっかり乗ってます。キャビアを弾くといい塩味が加わり味に奥行きが出ます。海苔の香りも中盤から後半に抜け、最後はたくあんの風味でさっぱりいただけました。

・穴子
煮詰めて蒸すことで相当ふっくらした穴子になってます。きっちり煮付けられていて味もしっかり入ってます。ツメも甘すぎず程よい量なので大味ではなく繊細でもあります。

▼甘鯛の鱗焼き
身は肉厚でふっくら、鱗がパリパリで食感がすごく良く、合わせてある鰹出汁がすごく利いていて上品な和食。スナップえんどうも鱗とは違った良い食感でよかったです。

・赤身の漬け
しっかり浸かっていて鮪の味を更に引き上げてます。鮪好きな人にはたまらない握りでした。

・塩水雲丹軍艦
鮮度はさすがな塩水雲丹、臭みなく雲丹の濃厚な味がしっとり感じられました。海苔も美味しいんですよね。

▼蟹出汁お椀
お味噌は控えめに蟹が前面に出てます。一般的に赤だしが多い気もしますが魚介出汁の効いた上級なあら汁の様でこれまた素晴らしかったです。

▼デザート
ブランマンジェとシャンパンのゼリー、金箔で夢と書かれた氷？も印象的。ちなみにこちらはお客様と店舗両方の夢が込められているそうです。それぞれ単体でいただくより一緒にいただいた方が甘味酸味コクが混ざり美味でした。

▼日本酒
・杉勇(山形)
料理に合わせてオススメいただきました。香りがフルーティで若干酸味を感じる日本酒らしい1杯。甘味辛味のバランスも良く、後半まで余韻があり重厚です。またお猪口の切子が嬉しいですね。

タイトルにも書きましたが、あのふじながさんにメニューを見ていただいているだけあり、素材もさることながら圧巻の手間と内容で満足度が凄かったです。これだけ出てくるコースも珍しく、男性でもかなりお腹いっぱいになるかなと思います。またお世話になっている人とお伺いしたいと思います。ご馳走さまでした。