才気ある若きシェフの最高峰への確かな歩み : 虎峰

4月でめでたくオープン1周年を迎えられたそうです。
今日はマイレビュア様夫婦と3人で。

1年前の訪問時はカウンター席を一人貸切りでシェフとあれこれ談笑したのも遠い昔。
今や雑誌でもよく見かけるようになり大人気。
本日も数日前に1名追加しようとしたら満席とのお返事。
大好きな店が満員御礼の大繁盛ですので複雑な思いはありますが（笑）、嬉しい限りです。

・槍烏賊と空豆のソース
・磯つぶ貝の烏龍茶蒸し
・フォアグラマンゴー
・白海老の1秒揚げ
・岩手産牡蠣のフリット　パクチー添え
・ピータン豆腐
・蛍烏賊の湯引き　棒棒鶏ソース
・マコモダケと豆苗
・鰆
・鮃のソテー
・四川風よだれ鶏
・和牛肩三角とジャガイモのソース
・金華ハムのスープ
・焼餃子
・春巻き（桜海老、筍、うるい、黄ニラ）
・叉焼
・ちまき
・海老とエノキダケの卵炒め　XO醤ソース
・焼きフカヒレ
・酢豚
・揚げ餅
・和牛ヒレ焼き
・土鍋フカヒレ煮
・麻婆豆腐
・デザート２種

全26皿で13000円。サ10%・消費税別。ウォーターペアリング込。
中国茶ペアリングで〆て20000円。

一時期マイレビュア様たちから「人気が出て混みはじめたから料理の提供が遅くなったよ」と聞くことがしばしばありました。約30皿に及ぶ料理を一斉スタートじゃなくサービスする大変さは容易に予想が付きますので、「あぁ、やっぱりなぁ」と。しかし若く才気溢れる山本シェフのこと。きっと過渡期を乗り越えて満足度を再び高めることに全力を注ぐはず。そう信じて疑いませんでした。という訳で1年ぶりの楽しみな再訪。

結果は・・・流石です。1年前に一人カウンター席で楽しんだ時よりも料理の質・サービス・そして危惧していたスピード、どれ１つを取っても申し分なし。

特に料理の美味しさの進化については1年空けてしまったのが悔やまれるほど。伝統的な中華に和洋を取り入れた独創的なスタイルも健在。更に磨きがかかっていました。何皿唸り声を上げたか分かりません（笑）。円卓を囲んでの中華も好きですが、1人で楽しめる中華という希少性は比類できないですね。今年辺りは☆がついてもおかしくありません。

若いスタッフが沢山増えたのでサービスのスピード・タイミングも絶妙。それもカウンター越しに時に緊迫して臨場感たっぷりの料理人の息遣いまで伝わってくるのですから楽しいですね。

ご一緒したマイレビュア様も初訪問にして絶対に再訪！と喜んでいたのでホッとしました。
次回は少し季節が涼しくなってから。

六本木駅3番出口から徒歩5分。

シェフは山本 雅 氏。マネージャーは菊地 広志 氏。
恵比寿の名店「MASA'S KITCHEN」で腕を揮われていた方です。

敬愛するクロダンボネさんのレビューで存在を知り即BM入り。
多くのマイレビ様方にも強く勧められて初訪問です。

店内はカウンター席のみ。
中華料理店では珍しく1人利用・予約可能なところが非常に有難いですね。

本日は満員御礼でしたが、遅い時間帯の予約でどうにか１席だけ滑り込ませて頂きました、感謝。
丁度、山本シェフが腕を揮う目の前の特等席でした♪

コースは12000円のおまかせのみ。
お酒ペアリング（6500円）をお願いしました。
お酒を飲めない方用に中国茶のペアリング（3500円）も用意しているのは素敵なサービスですね。

以下はコースの概要です。（基本的にメモを取らない性格なので、詳細はご勘弁下さい）

・桃のシャーベット
・冷製海老餃子
・山形産秘伝豆と卵白炒め　黄身ソースで
・富山産白海老揚げ
・トウモロコシのスープ
・牡丹海老　マスカルポーネ、カッテージチーズなど3種の冷凍チーズかけ
・ピータン豆腐　擦り胡麻ソースで
・四川風よだれ鶏（むね肉）
・うにの紹興酒漬け
・口直し　アイスクリーム　藁燻製の香り
・カリフラワー炒め
・甘鯛の鱗揚げ
・鮑と肝ソース・山椒添え
・金華ハムの上湯スープ　ヤングコーン入り
・マコモダケ炒め　山椒風味
・牡蠣と唐辛子の黒酢炒め
・上海餃子
・穴子春巻き
・叉焼
・豚トロ御飯
・フカヒレのXO醤炒め
・口休め　ザーサイなど盛り合わせ
・フォアグラとマンゴー
・子羊肉（？）のスパイシーロースト（新メニュー）
・酢豚
・大根餅
・フカヒレ煮とフカヒレリゾット
・麻婆豆腐（裏メニュー）
・杏仁豆腐もどき＆杏仁豆腐
・塩アイス

驚きました。噂に聞いていた以上に大満足です。
おひとりさまでこれだけ愉しめるということが嬉しいですね。
中華料理店は多人数大皿シェアが基本。最近では時代に即して2名でフレンチの如く楽しめる店も増えてきたとはいえです。
自分は一人外食がメインなので、中華料理店はどうしても敬遠してしまうジャンルでした。
ぼっち飯ウェルカムなカウンター中華というだけで、テンション上がりますよ♪

そして次に驚いたのがその品数。実にその数、約３０品。
少量多皿という時代の流れに即したものですが、需要があると分かってもその困難さから実際に出来る店はそうはありません。
これを一斉スタートではなく、バラバラな時間に訪れたゲストに一瞬も飽きさせることなくサービスし続けるのですから驚きです。
一人訪問でこちらが申し訳なく思うくらいでした。
ゲストにより多くの皿を楽しんでもらいたいという心からのサービス精神溢れる気持ちがカウンター越しに伝わってきましたね。
鮨屋の30品は暗記出来ても、中華の30品は覚えきれませんでしたが（笑）

さらに驚いたのは言うまでもなく味のセンスと30品に及ぶコース構成。
山本シェフは四川料理が得意だそうですが、序盤の流れは四川料理からは程遠い繊細な味付けの一品料理の数々。
所々に口直しを挟んでリセットしてくれるので、口の中がこってり一色になることなく、次々と繰り出されるお皿をを新鮮な食感で楽しめるのです。
ワインや時には紹興酒、日本酒、青島ビールなどをペアリングさせたりと、ソムリエさんの遊び心が随所にあって、終始飽きさせません。お酒だけではなく、様々なミネラルウォーターもペアリングするというのは初体験、面白い試みですね。
海老餃子や上海餃子、春巻きなどは1個じゃ物足りないくらい美味しかったですし、四川風よだれ鶏や酢豚などは皿一杯に定食で食べたいと本気で思いました（笑）。
3種の冷凍チーズをかけた牡丹海老やピータン豆腐、豚とろご飯、杏仁豆腐もどきと杏仁豆腐の食べ比べなど随所に遊び心あり。
フカヒレもリゾットで２度美味しいサプライズ。
裏メニューという（ちなみにメニューはありませんが。笑）シェフお得意の四川風麻婆豆腐はコースが終わってお腹に空きがある人のみ味わえる一品。自分は辛さマイルドでお願いしました。お腹一杯だったのでご飯も付けましょうかとの申し出を苦渋の思いで辞退。これも丼ぶりで食べたいくらい最高に旨かったですね。

山本シェフは若干シャイなようですが、とても人柄良く、他客が帰られた終盤は１人貸し切り状態で会話も楽しくあっという間の時間を過ごしました。
マネージャーの菊地さんは流石に気遣いサービスが素晴らしく、対照的にノリも良くてとても良いコンビですね(笑)。

当然ながら予約困難なお店の仲間入りを果たすのも時間の問題でしょう。
1人中華なら当店で間違いなし。デート使いにも間違いないと思いますが、食べるスピードが同じくらいじゃないとストレスに感じるかも・・・と本音を言ったらシェフもマネージャーさんも苦笑い。
しばらくは、ぼっち飯から抜け出せそうもありません(笑)