熊鍋、猪、鹿、名物ジビエづくし : 柚木元

長野県飯田市の飯田駅からすぐの立地。
飯田駅は東京から電車でアクセスはできないため車で4時間程度の場所。
故にはるばる行くことも楽しみの一つ。
大将の萩原さんは招福楼で修行され実家の柚木元を継がれここまでのお店に昇華させた。
とても温かく迎えて下さるご夫婦の接客も柚木元も魅力でまた訪れたくなる。
秋口には旧店舗を宿泊施設に改装されるそうで非常に楽しみ。
季節ごとにここでしか味わえないコンテンツが用意されており訪れる人を飽きさせない。
今回は一番目玉のジビエコースを頂く。

・熊の脳の唐揚げ
下には菊芋。
クリーミーでくせが無い。
最初から驚き。

・本州鹿の御椀☆☆
鹿の玉子豆腐と鹿のお出汁。
クリアな出汁の間に鹿の風味が香るのがたまらない。
玉子豆腐はしっとり滑らか。

・本州鹿の心臓☆☆
新玉ねぎのスライスとみさきキャベツと大葉。
ふわふわの心臓としゃきしゃきのキャベツの食感が素晴らしい。
とても印象に残る一品。

・猪のおやき☆☆
猪と林檎のおやき。
もちもちの生地がまず最高。
猪に林檎が絶妙に合い、さっぱりフルーティでまとまりがある味わい。

・本州鹿のもも肉☆☆
あぶらが少ないためむっちりした食感で噛むほどに溢れる風味がたまらない。
今まで焼いて提供することは無かったらしくチャレンジ料理とのことだがめちゃくちゃ美味しい。

・真鴨のむね肉☆
肝ソース。
肝ソースで砂肝とハツを炊いたものを添えて。
ソースの美味しさが秀逸。
きめ細かい繊維の食感がとても良い。

・綿内蓮根の酢煮
ねっとりしておりしゃきしゃき。

・熊のすね肉のハンバーグ☆
ゆべしという味噌。
香茸のポテト風。
すね肉のあぶらと味噌が最高に合う。
後味がいい香りでまとまりがある。

・大豆のすり流し

・猪のばら肉黒酢仕立て☆☆☆
あぶらがめちゃくちゃジューシーで溶ける。
餡の甘みと酸味のバランスが絶妙。
最高の猪料理。

・こんにゃくの胡桃和え

・熊鍋☆☆☆
冬限定の72時間煮込んだスープ。
スープがとにかくもの凄い旨い。
熊はあぶらが旨い。
クリアな風味で最高すぎる。

・熊のガーリックライス☆
香り高くすっきりしたあぶらの味わい。

・猪らーめん☆☆
猪の重い旨みが舌にへばりつく。
鼻から口から猪を味わいつくすらーめん。

・メイヤーレモン
ゼリーとババロア。

美味しいと一言では語ることができない。
せっかく訪れたくゲストに最高の食材を提供される姿勢、ストーリーが本当に素晴らしく最高の体験ができるお店。

飯田から3分くらいの立地。
緑が豊かは玄関までのアプローチも体験価値を上げる。
庭が見える広い個室でゆったりとお食事を頂ける。
お料理は季節ごとにかなり内容を変えるそうで今回は春から初夏と季節の移り変わりを感じられるコース。
お料理の説明は丁寧で気遣いも行き届いている。
大将は招福樓出身。
地の食材をバリエーションに富んだ調理法で頂く楽しいコース。

・先付け☆
ズッキーニの素麺仕立て、生ハムとヤングコーン、おから、野蕗、新じゃがいものお豆腐仕立。

・天竜鮎のすりながし
たでのペーストと天竜鮎の身。

・サフォークのうちももたたき☆☆☆
わさびと山塩で頂く。
燻製香が非常に良くお肉の味わいの深さとしっとりした食感が素晴らしい。

・おやき☆
サフォークのカレー、セミドライトマト。
もちもちの薄皮おやきにほんのりカレー風味でサフォークの風味がしっかりする。

・塩いか☆
貯蔵用の塩漬けの烏賊。
昔ながらのご馳走。
土佐酢のジュレとたたきオクラ。
オクラの粘りが凄くてたたきはふわふわ。
凄いさっぱりしながら深いお皿。

・花豆の飯蒸し☆
甘いお赤飯。
甘みの程よい和菓子の様なお料理。

・ぎたろう軍鶏☆☆☆
胸肉ともも肉。
大葉とラッキョを刻んだもの。
胸肉はきめ細かくしっとりしている。
もも肉は皮のパリパリ感が尋常じゃなくあぶらがぷるぷるで味わいが濃い。

・アカヤマドリタケのコロッケ☆☆
黄色いポルチーニのようなきのこ。
アカヤマドリタケのソースとフィンガーライム。
きのこの深い味わい。フィンガーライムの酸味と香りがマイルドにする。
衣のサクサク感も抜群に良い。

・トマトの最中☆
トマト、葉わさびのクリームチーズ和え。
トマトの歯応えがある食感と甘みが素晴らしく最高。

・鍋☆☆
熊の雲呑、猪、花山椒。
雲呑は熊の旨みが強く花山椒、お出汁と相性が抜群に良い。
猪はあぶらが美味しく味わいも濃くて最高。

・お雑炊☆
熊と猪の旨みと花山椒の美味すぎる雑炊。

・水羊羹☆
白あんの水羊羹。
信じられないくらいみずみずしくクリア。

・山羊のフレッシュチーズのアイスときんかんライム
口溶けの良いフレッシュチーズと苦味が程よいきんかんライムのバランスが良い。

大将と女将さんのお人柄も素晴らしく感動が止まらないコース。
お料理の解像度が高く相当メニューには研究を感じる。
季節ごとにかなり内容が変わるので年間何度も訪れてみたいお店。