鹿肉にノックアウトされました : レーヌ デ プレ

この口コミは、キドカラーさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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4.3

¥8,000~¥9,9991人
  • 料理・味4.4
  • サービス4.4
  • 雰囲気4.3
  • CP4.1
  • 酒・ドリンク-
2020/03訪問1回目

4.3

  • 料理・味4.4
  • サービス4.4
  • 雰囲気4.3
  • CP4.1
  • 酒・ドリンク-
¥8,000~¥9,9991人

鹿肉にノックアウトされました

京都に行く機会に美味しいランチをいただこうと、レーヌ・デ・プレさんに予約を入れたのが10日ほど前でした。そして今日、急に降りしきる雪の中を突っ切って予約の時間までに京都に到着。そこは、2人がけテーブル三つの本当に小さなフランス料理店でした。

予備のテーブルも2つありましたから、それらを組み合わせて4人がけにも対応できるようですが、それでも最大10席でしょう。一度に料理を提供できる数がこれぐらい、ということなのかもしれません。期待が膨らみます。

我々がテーブルにつくのをじっくり待って下さった、シェフの奥さんと思われる、給仕担当の方のメニューの説明があります。「うーん、早くてついていけない。」と口にすると「もちろん、お料理をお出しするときに一つ一つ詳しくご説明しますから。今は全体を通して食べられない食材などないか確認していただくだけなので。」というお気遣い。

メニュー表にはない一品目は、ウェルカムスープとして出された鮮やかな緑色のスープ。「抹茶の茶碗を使ってますから、そのまま口をつけてお召し上がりください」とのこと。確かに見た目はほとんど抹茶です。スープの正体はホウレン草とハマグリの旨味を煮詰めたものでした。見た目と全く違って、まず感じる味は塩味、そして強烈なハマグリの香りでした。最初にこの旨味でグッと食欲を高められます。

メニュー表の一品目「師へのオマージュ」は、玉子でした。温泉卵の卵黄の上にナツメグやジンジャーを加えたクリームとメープルシロップがかかったもので、卵の殻を容器にしてあります。卵黄の甘みに、ジンジャーのピリッとした辛さや苦味、ナツメグの香り、メープルの甘さや塩味も混ざった不思議な味わい。グラタンの焦げた部分を食べた時の味がしたかと思うと、酸っぱい味もする。今まで食べたことのない、この料理の名前を質問すると、シェフのパリで修行をした師匠のオリジナル料理で、師匠のお店アルページョでは「小宇宙」と呼んでいる、人が感じる5味を一度に味わえる一品、とのこと。(てことは、師匠のお名前はアラン・パッサールですね。)お弟子さんたちはそれぞれに料理の名前をつけて提供されているとのことです。私たちは一言、美味しかった!

続いてメニュー表では「シェフの、遊びゴコロ・・・」となっています。出て来たのは、これも抹茶の茶碗にウニ、その上にエビのジュレをかけ、スィートアリッサムという小さな甘い花が散らしてある物です。当然ながら消毒臭さのないサクッとした歯応えのウニを噛み締めると甘さと潮の香り、それをエビの香りが包み込む。日本料理店で出ても不思議ではない一品に驚きが重なります。ウニは北海道産だそうです。

このタイミングでパンが出て来ます。おひつのような木箱の底に熱い焼き石が置いてあり、パンが冷めないようになっている。木箱の蓋を開けるとパン屋さんの前を通った時の香りがふわっと立ち上って来ます。パン自体は特に味のある感じはしないシンプルなものでした。

続いて「青森産本鱒」。ここまでの小さな一品とは異なり、鱒やホワイトアスパラ、セリ、食べられる花が大皿に絵のように盛り付けられているカラフルで華やかな一皿です。鱒は低温でコンフィされており、生のようですがしっかりと火が通っていると言う不思議な食感。ぶ厚い生の鱒切り身を食べているかのような味と香りは初めての体験です。火を通したホワイトアスパラの上には薄く削いで白髪葱のような見た目の生のホワイトアスパラがあしらわれています。味付けのアクセントに、フキノトウと黒オリーブ、アンチョビで作ったタプナードが添えられていて、フキノトウのほろ苦さが春の訪れを感じさせてくれます。

いよいよ中原シェフの低温調理の真骨頂が現れて来ました。次の「真鯛」は、皮カリカリ、中の身はレアという見事な火入れ。付け合わせは、やはり春の野菜の西洋菜の花とワサビの葉っぱ。緑のハーブオイルがソースとして散らしてあるのですが、更に仕上げにホタテとバターの温かい白いソースをかけていただきます。真鯛の強い甘味をレアの中の身が伝えてくれます。真鯛を食べ終わって残ったソースに色々なエキスが溶け込んでますから、パンにしみ込ませて食べてしまいましょう。おっ、このパン、料理と合わせるとすごいおいしい。

そして今日のメイン「美作産鹿の低温ロースト」です。もうメニュー表にはっきりと低温ローストと表示されている、鹿のロースのローストです。表面はこんがり焼かれていますが、中の真っ赤なレアの肉も赤ワインソースの向こうに見えてます。付け合わせはカボロネロ(黒キャベツ)、ピリッと辛味を刻んだチョリソで付け加え、ペリゴール産トリュフ(今シーズンはこれが最後、ということでした)をとろろ昆布状にスライスしてたっぷりかけてある。このお皿が運ばれたときにこのトリュフの香りが私の鼻を引きつけてしまいました。

さあ、鹿肉を実食、おっ柔らかい。そして肉の味がじゅわっと口に広がる。脂身もなく牛肉のような臭みのない赤身主体の肉が、噛む幸せを堪能させてくれます。妻はこの鹿肉にノックアウトされてしまいました。改めて鹿肉について質問すると、美作の産地では普通に山の産物を食べて生活した鹿を、そのまま大きなオリで囲んで捉え、1〜2時間のうちにその場所で絞めて血抜きをしたので、銃で打った鹿のようなストレスを受けていないのが味に反映しているのだと説明されました。後で中原シェフがご挨拶に来られた時も、鹿の取り方や絞め方を詳しく説明していただき、シェフ自身がその味に強い自信を感じておられるのがよくわかりました。これは大満足の一皿でした!

続いてデザートは、まず「焼きリンゴ」。焼いた「クレープ」のようなものの間に焼きリンゴのシャーベットが挟んであります。パイ生地のように層をなしてパリッパリの「クレープ」とシャーベットについたシナモンの味の組み合わせに、妻が思わず「八橋をイメージされたのですか?」と奥さんに質問をぶつけると、「実は、、ぶっちゃけ、、、「クレープ」じゃなくて春巻きの皮なんですよ。春巻きの皮を何枚も層にして薄くして、焼いたものなんです」という種明かしが聞けてしまいました。片手でつまんで食べ終わってしまうお菓子に、シェフの創意工夫や試行錯誤が詰まっていたことに我々はさらにびっくり。ヒンヤリとして香りも良く、とても美味しかったです。

デザート二品目は「天使の苺」。愛媛産「レッドパール」というブランド苺を極薄にスライスしたものとフレッシュな半分を一皿に、クレームダンジュがつけられてます。あまおうほど甘くはないけれど、全方位にバランスが取れた大きな粒の苺です。奥さんから「生産されている農家さんが1軒だけなので、なかなか出回らないと思います」という説明も加わります。もちろんクレームダンジュもとても美味しい。

最後にお茶。理科実験で使う試験管立てに試験管に入った6種のお茶のサンプルを並べて持ってこられて一つ一つの説明を受けた後、実際に葉っぱの香りを自分で確かめて、どのお茶にするかを決めます。私はグリーンルイボス、妻はこのお店の名前の元である西洋雪見草(レーヌ・デ・プレ)のハーブティーにしました。お茶請け「ミニャルディーズ」として一緒に出されたのは、生チョコレート。小さな卵形の器の底まで詰まった生チョコをスプーンでかき出して食べます。トロトロでいて濃厚。

お茶を飲み終えた頃、中原シェフが出てこられ、ご挨拶をしていかれました。シェフの火入れに対する情熱がひしひしと伝わり、鹿の説明では食材に対する真摯な姿勢をしっかりと感じ取れました。

ただ、新型コロナウィルス流行の影響から、我々と同時にランチを食べるはずだったシンガポールからのお客さまが今朝キャンセルされるなど、色々な影響が京都でも広がっています。帰国されたお客さまの事情は仕方がないとはいえ、食材の準備など様々なことに影響が出てくるので、深刻な問題だなと感じました。流行に負けず頑張っていただきたいです。

お会計は、税・サービス料込みで7,800円に、飲み物代(私はジンジャエール、妻はブラッドオレンジジュース)を加えて、2人で17,520円でした。シェフもおられましたので、今回も並んで写真を撮っていただきました。

美味しいものでお腹がいっぱいになって、満腹になって店を後にすると、シェフと奥さんは、我々が曲がり角を曲がるまでずっとお見送りして下さいました。ご馳走様でした。またいつか食べに来ます。

  • レーヌ デ プレ -
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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
レーヌ デ プレ(Reine des pres)
受賞・選出歴
フレンチ 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ WEST 百名店 2023 選出店

フレンチ 百名店 2021 選出店

食べログ フレンチ WEST 百名店 2021 選出店

ジャンル フレンチ、創作料理、イノベーティブ
予約・
お問い合わせ

050-5593-2392

予約可否

完全予約制

Reservations for international visitors

Please see the website
You can make reservations in English from the website

住所

京都府京都市上京区中町通丸太町下ル駒之町537-1

交通手段

京阪・神宮丸太町から徒歩3分

神宮丸太町駅から240m

営業時間
  • 月・火・木・金・土・日・祝日・祝前日・祝後日

    • 11:30 - 13:00
    • 18:00 - 19:00
    • 定休日
  • 定休日は水曜日

    営業時間、入店時間
    11:30〜13:00(closed15:00)
    18:00〜19:00(closed23:00)

予算

¥15,000~¥19,999

¥8,000~¥9,999

予算(口コミ集計)
¥20,000~¥29,999 ¥10,000~¥14,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(AMEX、JCB、Diners、VISA、Master)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

サービス料10%

席・設備

席数

6席

最大予約可能人数

着席時 8人

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣にコインパーキングあり

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、カウンター席あり、車椅子で入店可

メニュー

ドリンク

ワインあり、ワインにこだわる

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

サービス

ソムリエがいる

お子様連れ

中学生以上

ドレスコード

お客様のお召し物も空間、雰囲気をつくる大事な要素です。カジュアルスマートで構いませんが、他のお客様が不愉快になるような格好はご遠慮ください。
(短パン、ふくらはぎより短いパンツ、ビーチサンダル等)

ホームページ

https://reine-des-pres.com/reserve/

オープン日

2012年11月26日

電話番号

075-223-2337

備考

※ネット予約は2日前までの受付ですが、キャンセル等でお席がご用意できる場合もございます。お電話でご確認くださいませ。

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

くぴぷちくぴぷち(1748)

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