「能登の食材の魅力をたっぷりの品数で堪能！」 : Installation Table ENSO L'asymetrie du calme

初訪問のInstallation Table ENSO L'asymetrie du calmeさん
今回は2023年7月のレビューです。

洋裁学校をリノベーションして作られたお店。
タクシーの運転手さんが「ここでいいの？」と聞いてくるような住宅街ど真ん中の立地ですが、そこはGoogleマップ様を信じて「間違いありません！」と答えて、いざ訪問です。

明治・大正感を醸す趣ある入り口を潜るとサービスの方が席まで案内して下さります。
木目と白で作られる空間にオープンキッチンが映える店内はモダンながら、ぺぴどんのようなおじさんでも場違い感に縮み上がることなく木の雰囲気が落ち着いた空気を醸してくれています。

ランチコースは11000円と22000円の二つがあり、22000円のコースをチョイス。

お料理金沢の地の食材もふんだんに使ったイノベーティブフレンチ。
1-2口サイズのアミューズ3種と、前菜のお皿が7種、メインのお魚とお肉がそれぞれと、デザート2種にお茶菓子と中々ボリューミー。

旨味を軸に味わいや香りを重ね、複雑味を持たせたしっかりした味わいのものが多いのですが、食感の豊かさや素材を多用することで重たさを感じさせず飽きさせないコースで、能登のフレンチを堪能させて頂きました。

ご馳走さまでした。

▪️料金▪️
コース22000円
ノンアルコールドリンクペアリング7700円

▪️コース所要時間▪️
約3時間

▪️頂いたもの▪️
【金沢スイカのスープ】★★
【馬肉のタルタル】★
【メロン】★★
【横田の牡蠣】★★★★
【とうもろこし】★★
【雲丹】★★★★
【稚鮎のフリット】★★
【鰯】
【マッシュルーム】★★★
【アスパラガス】★★★★
【真魚鰹】★★★
【ほろほろ鶏】★★★★
【デザート】★★
①パッションフルーツ
②ゴルゴンゾーラ・クリームチーズ　★★
【小菓子】

●ペアリングドリンク●
①ノンアルコールスパークリング
②林檎柚子山菜のドリンク
③てんちゃにオレンジピールとハーブ
④生姜レモン、スパイスの炭酸割り
⑤番茶
⑥緑茶に洋梨とレモンバーム
⑦カカオとスパイスのスパークリング


▪️以下詳細です▪️
【金沢スイカのスープ】★★
蓴菜・サワークリームと葉山葵・レモンバーム

スイカのすっきりした甘味とレモンバームの香りが爽やかな夏の甘味で味わいのベースとなり、サワークリームの酸味と甘みと葉山葵の香りが溶け出し、表情を変え複雑味が増して行く。


【馬肉のタルタル】★
米と青さ海苔のチップスに乗せて。
タルタルの旨味を胡麻油のコクと山科唐辛子の辛味と青みが引き立てる。


【メロン】★★
福井のブランドメロン・恐竜のたまごを使って。
タルト生地にいぶりがっこ・酒粕に漬けたクリームチーズ、メロンの果肉、柑橘のピュレとカモミール。

パリパリとコリコリ、ジューシーさと、一口で感じる豊かな食感。
いぶりがっこの塩味とチーズのコクとメロンの甘味。そしてしっかりした果実感からくる苦味。爽やかに五味を刺激する美味しさでした。


【横田の岩牡蠣】★★★★
60度ほどの低温で火入れした牡蠣と牡蠣のマカロン。

牡蠣にはサワークリームとりんご・牡蠣のジュースのソース。キウイのピュレ、レモンのオイル。

マカロンはフレッシュな牡蠣の裏漉してオイルと混ぜたクリームを挟んで。

マカロンの、食感から牡蠣の香りと風味がぐわーーっと溢れる！
食感と香りとのギャップに衝撃！

そして牡蠣は艶かしくミルキーで、クリームの酸味とシームレスに馴染み、牡蠣の魅力を感じさせつつ、お料理のおいしさを伝えてくれる！
めちゃくちゃ好み！


【ポレンタ】★★
フォアグラととうもろこしのムース、ヤングコーンのマリネ、ブラックオリーブのピュレ、とうもろこしの生地で包んで

一口でパクりと。粒感とクリーム感のつくる食感のコントラストが心地よく。
青みと香りの広がりに、フォアグラの旨味が味に深みを出しらオリーブの塩味と深い香りが締まりを出し抑揚がある味わいに。


【能登雲丹】★★★★
能登雲丹の下には野草で出汁をとったフラン、山菜の泡、ディルのオイル。

ディルの華やかな香りと雲丹の濃い風味が馴染み、一口目から強烈なインパクト！
フランの柔らかさと雲丹がとろけるように口の中で一体化し、野草の柔らかな香りと雲丹の風味が見事に繋がる！
そしてなめこの滑らかな食感が馴染みつつ、繊維感が食感に凹凸を加わえ、噛む事でさらに美味しさを感じさせてくれる。


【能登の稚鮎のフリット】★★
花山椒のアイスを乗せて。
フリットから溢れる稚鮎の苦味と旨味、山椒の香りが溶けながら馴染み、口の中で美味しさが完成。


【能登鰯】
燻製鰯と

燻製鰯、下にパンとラタトゥイユ、鬼百合の蕾のソテー、荏胡麻で包んで赤紫蘇のパウダーをかけて。
鰯の香りと旨味を軸に、野菜の旨味、パンのほろ苦さが彩をだして、荏胡麻の香りが包む。

ほうれん草のチュイルに鰯とジャガイモのブランダード。こちらはジャガイモが鰯の旨味を包み、柔らかく味わいを広げる。
剛と柔の組み合わせ。


【マッシュルーム】★★★
大ぶりのマッシュルームに豚のミンチを詰めてクリーム煮にして。
下にリードボゥ、脇にカリフラワーのクリームを添え、リヨネーズソースをかけて。

香りと味わいの力強さあるマッシュルーム、ミンチのガツンとした旨味、リードボーのミルキーな旨味、そしてソースの濃さ、全てが旨さのベクトルで繋がり、味わいが重奏する深い美味しさに！


【アスパラガス】★★★★
アイオリソース、つぶ貝、ハーブ、自家製ドレッシング、卵黄パウダーをかけて。
バターのエスプーマクリームとスナップえんどう、金柑のピュレを添えて

青みと甘味を蓄えた能登のアスパラガス！
ソースの円やかな酸味を纏わせるとそのもの味わいが際立ち、柔らかく仕上がったつぶ貝はアスパラの世界観を壊すことなく旨味を添えて、ハーブが生き生きと香りと苦味を添える！
金沢の夏の畑が目に浮かぶような素晴らしい一皿。


【真魚鰹】★★★
ケッパーとベルモットのソース。
木の芽のオイル下に菊芋。

香りと綺麗な旨味のしっかりした真魚鰹。
ソースの角のない青みと苦味が味わいをぐんと引き出す。

ズッキーニの花の能登の真鯛と蟹のフォンダン詰め。
花のかおりがフワッーと広がり、鯛の旨味と蟹の甘みがその香りに乗って広がっていく。


【ホロホロ鶏】★★★★
ホロホロ鶏のロースト、ジュのソース。
もも肉のメンチカツ。
インゲン豆とホロホロ鶏のレバーペーストのタルト。

炭の香りを纏った鶏は、雑味ない鶏の旨味を端正に感じさせてくれる。
ジュのソースのコクと深み、
赤いペーストの甘味と仄かな辛味と合わせても美味しさが伸び、一口一口旨さに酔いしれる。
メンチカツのジューシーな旨さは鶏の魅力を別方向から伝え、舞茸の香りと味わいも素晴らしく、レバーペーストの香りとインゲンの青みがつくる相性よい美味しさと、
お皿全体が美味しい！


【デザート】★★
①パッションフルーツ
中をくり抜いてホワイトチョコのムースとパッションフルーツのクリーム、果肉、上にアーモンドミルクと甘酒の泡。

酸味とホワイトチョコの甘みが融合し、あまく酸味の効いた夏の味わいに。

②ゴルゴンゾーラのチーズケーキと巣蜜★★
チーズケーキの上に泡状のクリームチーズ。
地元の養蜂場の巣蜜と胡桃

ゴルゴンゾーラのガツンとしたかおりにクリームチーズの柔らかなコクと胡桃の香りが重なり、軽やかで深いデザートに。

巣蜜の濃くナチュラルなあまみと胡桃の香りとキャラメルの風味が纏まり、深いうまさに。

ご馳走さまでした！

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