赤馬関ふくをつまみて福を待ち : 三枡

H27.05

　福岡での仕事を終え下関に着いた。新幹線と在来線で僅か40分。早い…。
10年以上前に出張で小倉に来た時、他の人に付き合って門司観光から、面白半分、連絡船で下関に連絡船で渡って結局10分ほどぶらついてまた門司に帰った記憶があるだけで、まともに上陸したのは今回が初めてです。
（こっちは本州、東京と地続きなんだから「上陸」は変か？）
　本当は小倉に泊まるはずだったのだが、ふと「下関のふぐ」が脳裏をよぎり調べると在来線で2駅で着くことを知り、今回泊まってみることにしました。
　下関に着いてまずチェックイン前に事前に勉強していたこちらのお店に寄ってみます。
　ふく刺し（地元に敬意を表し「ふく」と言わせていただく。が、途中で濁点が入ったらゴメンナサイ！）は事前に電話でお願いした方が早いとのことだったので、福岡を出る時に、それだけお願いしておきました。
　時刻はちょうど5時予約した時間につきました。年季の入ったビルの奥。ドアを開けると２階の宴会場を示す階段には灯りは灯っていません。昔はそれこそ接待などで大賑わいであったろう痕跡がそこかしこに残っています。

　店に入ると先客は小上がりに一人。厨房には予約の際に話をさせていただいた女将さんと息子さんと思われる男性一名
　常連さんが多いであろうことは容易に想像がつくのでカウンターの入り口近くに座らせていただきます。
　目の前のショーケースにはすでに作り置きされたお刺身類とその上に惣菜などが置かれています。注文を受けてから作ることはあまりせず、用意したものを売っていくスタイルのようです。
　ビールを少しだけいただき、ふく刺しにあわせて日本酒をお願いします。
「長門 菊川」下関市　児玉酒造
「山頭火」山口市　金光酒造
があるというので、まずは「長門 菊川」からお願いした。「山口＝○○」のような観光客が喜びそうなTOPブランドでは無いところがうれしい。

■天然とらふく刺し（5,400円）
　（この旬を疾うに過ぎた時期に食べて云々言うなど、そもそも的外れではあることは初下関に免じて読み飛ばしていただき）予めひかれていたせいか若干すこし時間が経っている感はありますが、その歯応えは方の良い物に比べると若干劣るものの、まさに天然物のそれです。
　身は小ぶりですが量も一人で楽しむにはちょうど良いかもしれません。

「長門 菊川」が空いたところで、一方の「山頭火」を頂きます。この頃にはカウンターにお座敷が次々と地元の諸先輩たちで埋まっていきます。観光客だけじゃなくやっぱ地元のお客さんが多いんですね。
地元の方は勝手知ったる物で、あらためて頼むと時間がかかるのが、わかっているらしく、ショーケースから好みのものを頼んでおられます。自分もそれに倣って黒板のメニューは諦め、ショーケースから物色。

■月日貝
　左殻は赤橙色、右殻は淡黄白色。名はこれを太陽と月に見立てたことが名前の由来とか。これも予めお造りとして盛られているものだが、お店の女将さんのトークにのっていただいてみた。
　ボイルされており、食感はホタテ貝とかヒオウギ貝のそれに近いがホタテよりみは柔らかく淡泊な味。西日本沿岸にいるようだが、食したことが無い人は食べてみる価値はあるかもしれません。

■鯨煮（500円）
　食べた瞬間「これだわ」って思いました。何がこれって、子供の頃に食べさせられた「あの味」がしました。昔大嫌いだった鯨なのに、最近、鯨刺しを食べて「美味い！」と思ったのは大人になったせいだろうか？なんてなんとなく思っていたけど、「鯨」は今も昔もやっぱり「鯨」なんだって再認識しました。懐かしい味。どうにか完食しました（笑）

　なるほど食べログのおかげでこのお店にたどり着けましたが、激安！ってわけじゃないけど、駅から近いし、手ごろな値段で地元の味を楽しめるのでお勧めできます。
　ただ、混み過ぎるとちょっと時間がかかってしまうみたいです（笑）女将さんもご常連さんも仰ってましたが、この日は私をはじめ観光客も多くてほぼ満席。日頃そんなに混まないので、みな色々頼まれるので、てんやわんや。料理など時間がかかっちゃっていたようです。日頃ゆったり楽しんでおられるご常連も勝手が違って、落ち着かなかったみたいですね。
　なので、そんなときは少し時間にゆとりを持っていくか、事前に予約の時に食べるものを決めて伝えておくのが良いかもしれません。

　そのあと知ったのですが随分と出張ぽい人が多いなぁと自分も思っていたんですが、実は翌日から大規模な学会が下関で開催されそのせいで待ちもホテルもお店も人でごった返していたようです。
　それでホテルも異常に高かったのかよー！