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リニューアル後始めて訪れる。昼でも一杯のスタイルは存続
遊び心が楽しいが、仕事の基本は江戸前を貫く佳店
雨模様の肌寒いこの日。
足を運んだのは王子に在るこちらの蕎麦屋。
場所は本郷通りを音無橋を渡って北に500m程進んだ辺りで、駅からは10分以上は歩くやや不便な所。
しかしもう少し進むと「名主の滝公園」が在り、飛鳥山から続くこの一帯は江戸時代からの景勝地であり、かつては庶民の行楽地として知られた所。
王子には越後屋と名乗る蕎麦屋はこちらの他に何軒か在り、先月訪れた吉祥寺の「越後屋」もその中の一軒が移転した店のようだ。
その中ではこちらが最も有名で、創業は明治41年と言うから100年を超える歴史を誇る老舗である。
明治の末と言えばちょうど製麺機が広まる頃であり、当初は機械打ちであったと思われるが、現在は時流に則り手打ちに回帰しており、メニューに変わり蕎麦を含む何種類かが載っているところから一茶庵系の色合いが感じられる。
またこちらでは店の2階で定期的に噺家を招いて「越後屋寄席」なるイベントを催しており、そちらでも知られている。
店内も江戸情緒が漂う雰囲気でまとまっている。
11時半の開店から間の無い時刻に入店したため初客で、奥の方の2人掛けのテーブルに通された。
まずは「角ハイボール」で始める。
専用のジョッキで出されたが、結構ウイスキーが濃い。
品書きは実に豊富。
蕎麦には江戸前伝統の品々の他、オリジナリティー溢れる種物、丼物とセットにしたランチメニューなども用意されている。
肴も多彩で定番に加え季節ものも魅力的で、少し悩むが次の2品を注文。
「牡蠣のかえし焼き」:7.8粒の炒め焼きされた牡蠣に'かえし'が絡められている。
やや火の通り過ぎで味も濃い目だが、牡蠣の旨味は凝縮されており酒の肴には好適。
「ミックスかき揚げ天」:具材は小海老と小柱で、やや扁平の直径15㎝ほどの円形に纏められており、中心部の火通りが少し甘いがまずまずの出来。
濃い目の天つゆで食べることで味が引き立ち、おろし入りのつゆを吸って潤びた衣が冷酒に良く合う。
酒の追加は「浦霞 純米」を一合。
洒落た片口で供され、これらでじっくりと蕎麦前を楽しむ。
12時過ぎになると近くの北区役所関係や近隣の常連と思しき方々で、次々とテーブルが埋まっていく。
早く入店したことも幸いし居心地が悪いことも無く、周囲の皆さんを横目にのんびりと過ごさせてもらった。
そろそろ蕎麦をと改めて品書きを眺めると、「王子シリーズ」と記されたコーナーが面白そう。
「王子のたぬき」は蒟蒻や牛蒡・茸の甘辛煮が乗り、「王子のきつね」は通常の油揚げの代わりに湯葉を使ったもの、「星の王子様」はオクラの断面の5角形を星に見立てたネバネバ系。
これらの中から「王子のもぐら」を選択。
近くを通る地下鉄の南北線の開通に因んだネーミングで、実態は'辛味大根のおろしそば'とのこと。
一式が角盆で登場したが、簀の子の上に盛られた蕎麦に辛味大根おろしの小鉢と葱の薬味、別に玉子焼きが2切れ、つゆは別途徳利で供されるスタイルで、ネーミングの割には余りひねりは無かった。
蕎麦は細めに打たれた江戸前伝統の'二八'で、香りも有り食感・のど越しも良好。
小鉢に注いだつゆを最初に味わってみるが、こちらもバランスの取れた慣れ親しんだ仕上がり。
おろしを少量ずつ加えて啜り始めるが、極端な辛味が無いため快調に箸が進む。
箸休め的な玉子焼きも、東京風の仕事が好ましい。
蕎麦湯は一切の小細工の無い、釜湯のままの自然体。
熱々が提供されるため大根の辛味が甘さに転じ、つゆの美味さと相俟って実に美味しい。
流行りもののドロドロでは、この満足感は得られない。
なかなか快適な蕎麦屋酒が楽しめた。
昼は食事客が主体だが、違和感無く一杯やれるのは江戸前蕎麦屋ならではのこと。
それに応え得る体制が出来ているには嬉しい限り。
帰りは道筋に在る、江戸十社の1つに数えられる「王子神社(王子権現)」に詣で、さらにかつての石神井川の流れの痕跡を利用した「音無親水公園」を抜けて駅まで戻ってきた。
次回はもっと陽気の良い頃に出掛けて、この辺りを散策のついでに寄ってみたいと思う。
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蓼喰人
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店舗情報の編集
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店名 |
無識庵 越後屋(えちごや)
|
---|---|
ジャンル | そば |
予約・ お問い合わせ |
03-3900-5904 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
地下鉄南北線王子駅親水公園口から 徒歩5分 王子駅前駅から520m |
営業時間 | |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
64席 (2階座敷を含む) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 (50人以上可) |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
お子様連れ |
子供可 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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昨年末にリニューアルオープンし、綺麗な店になったと聞いて一度伺いたいと思っていた。
平日の13時過ぎ、王子の駅から7.8分の距離を向かう。
以前の店も歴史を感じさせる趣が有ったが、今回の構えは粋で清々しい。
萌黄色の暖簾がはためく一方、一升瓶が多数並べられている点に'呑ませる蕎麦屋'のスタイルが窺える。
格子戸に手を掛けると、木を多用した店内も明るく清潔感が漂っている。
整然と並んだテーブルに30席余りがゆったりと配されている。
この時点で先客は2組で、何処でもどうぞの花番さんの声に、奥の方のガラス張りの打ち場の前の4人掛けの卓を使わせてもらう。
品書きには季節の種物やランチ向けのセットメニューが並び、こちらオリジナルの'王子シリーズ'も復活している。
まずはビール(クラシックラガー中瓶)をもらう。
肴類も全て注文可能とのことで、その中から2品を選択。
「ゆば刺」:幾重にも層を成した生湯葉の刺身で、海藻から作られたつまが添えられており、上に散らされているのは山椒の葉。
山葵醤油で食べるが、甘みも感じられて美味しい。
「うなぎの肝天」:花番さんに訊くとうなぎの肝を普通に天麩羅にしたものとのことで、珍しいので頼んでみた。
事実5.6個のうなぎの肝がそのまま揚げられており、ひねりはないが添えられたピンク岩塩で食べれば、歯応え良く噛みしめると味が深い。
酒の品書きは卓上に無かったが、所望するとおすすめが記されたボードが登場。
「墨廼江」を頼むと奥からご主人自ら一升瓶を持って現れ、独特の片口に注がれた。
すっきりした口当たりながら味わい深く、これらで暫しの蕎麦前を楽しむ。
蕎麦はやはり面白いネーミングの、こちらのオリジナルに目が向く。
'王子シリーズ'も気になるが、今回は時節柄「七夕そば」を選択。
注釈には'えび・やさい天、かまぼこ、おろしetc'となっている。
運ばれた広口の丼の景色は、中々壮観。
茹で上げた蕎麦の上に、海老天2尾・野菜天(椎茸・茄子・ピーマン)、繊切りの蒲鉾・貝割れ菜・大根おろし・葱が盛られ、つゆは徳利で添えられている。
食べ方を訊くと、ぶっかけスタイルでも添えられた猪口につゆを注いで浸けても、どちらでもお好みでとのこと。
私はつゆを直接回し掛ける、ぶっかけ方式で頂く。
蕎麦はこちらでは江戸前伝統の'二八'に拘っており、手繰った蕎麦は細打ちだがくっきりとしたした歯応えで、香りもきちんと感じられる。
天ぷらは上手な揚げ上がりで、海老はやや小ぶりだが食感も旨味もしっかり、野菜もそれぞれの持ち味が生きている。
つゆも相変わらずのバランスの取れた味わい。
「七夕そば」の謂れは、蕎麦:牽牛、天ぷら:織女になぞらえ、両者の相性を楽しませることが所以ではないかと推察する。
事実つゆが仲立ちになって天ぷらのコクが蕎麦に絡まり、完成度の高さを見せている。
結構なボリュームながら、スルスルと完食。
蕎麦湯はさらっとした釜湯のままの自然体。
天ぷらの旨味が溶け込んだ丼のつゆに注ぎ、さらに徳利の残しておいたつゆも割って全てを飲み干す。
さらりと伸びるためすっきりとした後味で、気持ち良く〆られた。
期待通りの満足度の高い蕎麦屋酒が楽しめた。
少し時間をずらしたため、ゆるりとした時間が過ごせたのも良かった。
リニューアル後も良心的な価格設定は変わらず、勘定の4千円ちょっとは満足度に照らせばリーズナブル。
昼でも一杯のスタイルが維持されているのは嬉しい限り。
下町的な気さくなサービスも好印象。
これからも定期的に訪れたい。