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丁寧な仕事で昼でも気持ちの良い「蕎麦屋酒」を堪能
早稲田の神田川沿いに注目店が誕生
2か月ほど前に、早稲田に新たな蕎麦屋が誕生したという情報が入ってきていた。
場所は新目白通りを越えて、神田川の南側の道に沿った所。
住所が新宿区ではなく文京区関口なのは、かつて神田川が蛇行して流れていた頃の名残である。
そのためか食べログの登録上の地区分けが「高田馬場・早稲田」ではなく、機械的にかなり離れた「大塚」に括られてしまっているのは釈然としない。
この辺りは昔から小さな印刷屋や製本工場などが点在しており、商店も疎らなちょっと寂しい所。
店の前から神田川の対岸を見上げれば、椿山荘や芭蕉庵、永青文庫も在る細川庭園などの鬱蒼と茂る木々が視界に広がっている。
ちなみにこの間を抜けて旧目白通りに向かう急坂は「胸突坂」と呼ばれ、私が学生時代に良く上り下りした懐かしい道筋である。
2週間ほど前、昼に一度寄って蕎麦の出来を確認したが、味もさることながら雰囲気や接客も好ましかった。
その時にこちらの前身は、渋谷の桜丘町に在った「多心」だと伺った。
「多心」には一度訪れたことが有り好印象が残っていたが、一年ほど前に閉店したと聞いて消息を案じていたが、こちらに移り店名も変えて再スタートしたとのこと。
昼でもきちんと「蕎麦屋酒」が楽しめることも分かり、この近くにオフィスのある友人を誘って再訪した。
小さめなマンションの一階で、入口も見過ごしてしまいそうな控えめな佇まい。
店内も清楚で、手前に壁に向かったカウンター、右手にちょっとした会合にも使える個室、奥にテーブルが3卓、合わせて15席ほどのこじんまりとした造りである。
ご主人と女将さんの、ご夫妻2人で営まれている。
一応席の予約を入れておいた我々には、2人掛けのテーブルが用意されていた。
昼は単品の蕎麦メニューもあるが、2種類のセットが用意されており、他に簡単な肴類も品書きに並んでいる。
まずは生ビール(サントリープレモル)をもらう。
お通しとして「昆布の煮物」が付いた。
注文は2人とも、2種のセットのうち「小鉢2品・本日の天ぷら・蕎麦」(1,350円)を選択。
それに単品で「出汁巻きたまご」を頼む。
先に出汁巻きが登場したが、焦げ目を付けない綺麗な焼き上がり。
断面を見ると半熟状態に仕上がっており、醤油を垂らした染めおろしを添えて口に運べば、なかなかの美味しさ。
次いでセットの小鉢が登場。
「自家製豆腐」は大豆の甘みと、滑らかな舌触りが秀逸。
「芯とり菜のお浸し」には「ひたし豆」も添えられており、両者の食感の対比と出汁を含ませた滋味が印象的。
「本日の天ぷら」は、海老・鯛の切り身・ヤングコーン・オクラ・空豆・インゲン・パプリカと盛り沢山。
からっとした上手な揚げ上がり。
塩とレモンで食べさせるが、海老も鯛もしっかり旨味が有り、野菜もそれぞれの持ち味が感じられる。
酒に私は'復興の酒蔵'として知られる岩手の「赤武」を、お相手は「自家製梅酒 ブランデー仕込み」をロックでもらう。
女将さんは'お蕎麦は少し遅らせてお出ししましょう'と言ってくれた。
おかげで暫し寛いで蕎麦前を楽しめた。
酒も尽きたころ、'声かけ'で蕎麦をお願いする。
「ざるそば」が文字通り、深めの笊に盛られて登場。
挽きぐるみが細目に打たれているため、ややつながりが悪く切れ切れな部分もあるが、香りはしっかり。
つゆは幾分'かえし'が強めに感じるが、決して悪くない。
薬味の仕事も丁寧で、山葵も上質。
蕎麦湯は自然体で、気持ちよく〆られた。
お相手もこの日はゆっくりできるので、メニューに載る「甘味」について訊いてみた。
昼でも提供可能で、しかも2種類が用意されているとのこと。
折角なので別々に、私は「無花果のゼリー寄せ」を、お相手は「蕎麦の実のアイスクリーム」をもらう。
両方とも甘さが控えめの上品な味わいで器も洒落ており、最後まで満足できた。
この日はご近所と思われる方々が、ぽつりぽつりと来店。
我々と同じように「蕎麦屋酒」を楽しんでいる方も居り、存在が周知され始めていることが窺える。
「多心」同様に、料理も蕎麦も水準以上の仕事が認められる。
ご主人夫妻の、穏やかな応対ぶりも好印象。
夜にはより凝った料理が品書きに並ぶとのこと。
我が家からは比較的便も良いため、近いうちに是非再訪したいと思う。
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蓼喰人
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蕎麦 きょうじや(本所吾妻橋、錦糸町 / そば、居酒屋)
店名 |
蕎麦 高しま
|
---|---|
ジャンル | そば、日本料理、居酒屋 |
予約・ お問い合わせ |
03-6882-3934 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東西線 早稲田駅から徒歩10分 早稲田駅(都電)から378m |
営業時間 |
|
予算 |
¥3,000~¥3,999 ¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席数 |
12席 (カウンター2席、テーブル席2名×3、4名×1) |
---|---|
個室 |
有 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 近くにコインパーキングあり |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、日本酒にこだわる |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
お子様連れ |
小学生以上可 |
公式アカウント | |
オープン日 |
2019年4月1日 |
備考 |
※お昼の予約は11時30分のご来店の方のみ承ります |
お店のPR |
お酒とお料理、〆の手打ち蕎麦
お酒の肴や季節の食材を使ったお料理をご用意しております。 |
初投稿者 |
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定期的に診察に出向いている、河田町の東京女子医大病院。
結構時間が掛かることもあるが、こんなご時世のせいか採血・診療・会計・調剤など全てが順調に運ぶ。
その後で食事をして帰るのが常だが、終わったのがまだ早い時刻で、小春日和の陽気に誘われて少し歩きたい気分。
北の方に進路を取り、坂を下って早稲田方向に歩き出す。
30分ほどブラブラした後でそろそろ食事処を決めようと、最初に向かったのは「汐見」だが、行ってみると12時開店で待つにも大分間がある。
そこで思いついたのが、少し先のこちらの蕎麦屋。
神田川に面した清楚な佇まいの店で、向かいには椿山荘や細川庭園の鬱蒼とした木々が、赤や黃を混じえて青空に映えている。
愛想の良い女将さんに迎え入れられて、間隔を空けて椅子が置かれたカウンター手前の席に通された。
まずはビール(ヱビス中瓶)をもらう。
お通しには、食感も味も柔らかな「煮昆布」が付いた。
ご夫妻二人でひっそりと営む店なので品数は多く無いが、昼でも肴類はきちんと用意されている。
目を引くのは2種類の'お昼のセット'で、「小鉢二品」に「炊き込みご飯」か「天ぷら」それに温・冷のどちらかの蕎麦が付く。
「天ぷらセット」(1,450円)を選ぶが、女将さんは私が呑むため'お蕎麦は後でお出し致しましょうね'という気遣いを見せてくれる。
小鉢は次の2品。
「自家製豆腐」は豆の旨味・甘味が濃く、実に美味しい。
「壬生菜のお浸し」は壬生菜の他にしめじやエノキタケなどの茸、三つ葉や黄菊が薄味の出汁に浸されている。
食感が心地良く、丁寧で上品な仕上がりが印象的。
「本日の天ぷら」の内容は、海老一尾に野菜5種(南瓜・蓮根・丸十・パプリカ・隠元)で、薄目の衣で軽い揚げ上がり。
海老は小振りだが車海老で味が濃く、野菜類も素材の持ち味が生きており塩だけで食べさせる手法も納得。
後の予定が有るので、酒には「木戸泉」を半合でもらう。
きちんと片口で供され、猪口を選べるスタイルも嬉しい。
穏やかな気分で、暫しの蕎麦前を楽しむ。
酒が尽きた頃、女将さんに声をかけて蕎麦をお願いする。
先につゆと薬味が出され、つゆは猪口に入っているが途中から足せるように小型のつゆ入れが添えられるのは好ましい。
少し含んでみると、かえしがやや強めだが以前に比べ円やかさも感じられる丁寧な仕上がり。
ランチのセットとは言え、本山葵の摺り下ろしが添えられるのもポイントが高い。
次いで文字通り竹笊に盛られた「ざる」が登場。
提供の際'北海道摩周産の牡丹でございます'の言葉が添えられた。
細目に揃っており、鼻を近づければ香りが芳しく歯触りも良好。
以前は切れ切れの部分も見られたが、今回は綺麗に繋がっている。
つゆは濃い目なので、先端を浸す程度で啜れば爽快な喉越しが楽しめた。
蕎麦湯は多少の白濁はあるが自然体で伸びは良く、気持ちよく〆られた。
手前の窓際の席だったので秋の陽が優しく差し込み、窓から望む木々も美しく実に快適なひと時を過ごせた。
昼のセットメニューは一杯やるにも好適で、トータル3,000円程度で楽しめるのは嬉しい限り。
女将さんのゆかしい応対ぶりも、居心地の良さの要因の一つ。
開店当初は立地の不利を心配していたが、この日も後客に途切れが無い。
夜の状況は分からないが、こんな時期でも近隣の方を中心に賑わっていることに安堵。
帰りは「肥後細川庭園」を散策の後、坂を上り目白通りまで出て帰途に就く。
わが家からバス一本で通える場所柄も有り難く、これからも定期的に足を運びたい。