熱い思いそのままから揚げに。「神のからあげ」本蓮沼本店。 : 神のからあげ 本蓮沼本店

　中をのぞけばいつものように社長が一生懸命仕込みをしています。さて今日はどうしましょうか…前回は塩から揚げだったので、醤油から揚げにしてみましょうか。

　こちらで使用している醤油は、秋田県角館にある「安藤醸造」さんの醤油です。実はもう20年近く前のことですが、秋田縦貫鉄道に乗りに行った際に角館の安藤醸造に直接訪問したことがあって、今でもたまに通信販売で購入しています。美味しいんですよ、これが。こんなところでこの醤油とお逢いできるとは。社長もイチ推しらしく、ゆくゆくはこの醤油も販売したいと考えているそうです。良質の食品を地域に広める、という社長の飽くなき野望は果てません。


●「醤油 ミックス むね3個・モモ3個」¥842 税込
●「自家製タルタルソース」¥198 税込

　受け取るときにいつも火傷しそうになります。アッツアツなんです。社長の思いそのものなんです。
　むねとももは、食べ比べても舌と歯では見極めが難しいです。買った時のパックい貼ってあるシールで確認して覚えておかなければなりません。ただ、差はわずかなのですが、私はももの方が好みかもしれません。ジューシーさや歯応えの柔らかさなどを感じ取れました。でもまあ優劣はなく、どちらも美味しいです。ご飯にもビールにもよく合います。醤油味、いいですね。

　これにタルタルを載せて。そういえばタルタルソースも特筆ものです。具材がしっかりしています。ダルが主材です。豆と卵のタルタル、という商品名になりますでしょうか。タルタルだけをつまみに酒やご飯をいただくこともできる、おかずのようなタルタルソースです。
　今日はあの辛いタルタルの購入は見送りました。辛いですからね。お店のクーラーに在庫されていなかった気もしますが。

　乱立する唐揚げ屋の中では廉価とはいえませんが、チェーン店にはない、肉、油、醤油、塩、その他食材のクオリティの高さ。価格相当です。地域への思いを強く感じるから揚げショップです。
　ごちそうさまでした。そろそろ丸一羽揚げを食べなければ…。

　北海道の天然昆布とアゴ出汁を使った、特製の塩だれ。10年かけて編み出した黄金比率ブレンドのからあげ粉。鶏は「築地 鳥広」からの仕入れです。「築地 鳥広」は鮮度が命という信念に基づく処理と流通を行っている、場外市場の老舗だそうです。この触れ込み、チェーン展開の唐揚げ屋とは一線を画します。

　こちらは板橋拠点の居酒屋経営「（株）AIYOクリエーション」のとっておきの業務形態「からあげ専門店 神のからあげ」本店です。社長の意気込み、こだわりがひしひしと伝わってくるお店です。あれ？ 店頭で唐揚げを揚げているのは、おそらくその社長ではないかと。

　待つ間いろいろ話をしました。まず、このテーマソング。ずっとBGMで「神のからあげのテーマ」が流れています。耳に残る曲です。ちゃんとレコーディングしてるので聞いてみると、やはりプロの方に作ってもらったそうです。
　曲はCM曲を多く手がける福島節さん、唄はシンガーソングライターの中村友美さん。ちょっと、マジっすね。社長、気合いを感じますよ。

　厨房のクーラーケースの中に、タルタルソースのカップの山が見えます。それは単品購入できるのか聞くと、いいですよ、とのこと。ではひとつ。
「普通のと、辛いの、どっちにします？」だって。ま、迷うわー。「プラス○○で辛い方もつけるよ」といわれ、ノックダウン。では両方下さい。
　辛味の正体は、これもオリジナルだそうで、社長のご親族が伊豆大島の方で、特産として注目される大島のレモンを使って、「ゆずこしょう」ならぬ「レモンハバネロ」を作ったそうです。かなり辛いそうで、ドヤ顔で渡してくれました。

　店頭メニュー限定で「辛いからあげ」がありました。これに掛かっている紅いやつも「レモンハバネロ」かと聞くと、またドヤ顔で、違うんです、と。こちらは七味ベースで、山椒・ごまなど多くの食材をミックスしたやはり特製の香辛料だそうです。ど、どれだけこだわるのか…脱帽です。


「ミックスセット 塩だれ もも3ヶ×むね3ヶ」¥810（税込）
「タルタルソース」¥172（税込）

　でかい！ そしていい香り。家の中が唐揚げの香りで支配されます。ああ、これ美味しいですね。鶏の質、ころも、脂の香り。すべてに社長のこだわりが現れています。ビール1本冷蔵庫へ追加です。すごいボリュームですが、見た目よりさっぱりしていて全然バクバク食べられます。

　タルタルは、豆が入った独特なタルタルです。これも美味しいです。タルタルとしては決して単品価格は安くありませんが、それ相当の研究と工夫と結果が見られます。
　そして辛いタルタルは…辛い！ これは辛いぞ。レモンハバネロをナメるなよ、文字通り。ナメたら辛いぜよ。気をつけなはれ。でもいろいろな料理に展開できそうなのでチビチビいただくことにします。これは辛い。

　今、板橋には唐揚げ専門店が乱立しています。その中で、話題先行ではなくクオリティと地域貢献の姿勢で勝負する、本格から揚げ専門店です。他のチェーン系はいいとして、こういうお店を地域は応援しなければなりません。
　美味しい唐揚げでした。（おそらく）社長、ごちそうさまでした。みんなに愛される料理を提供するために、作り手の精神について訥々と語ってくれました。
　コロナが収束してまた「さぶろく」「かんろく」で楽しめる日を待ち望んでいます。