うどん版俵飯といっても過言ではない : 豚や

今回の口コミは長文だから気をつけてね！


いきなりタイトルに俵飯なんて書かれても、俵飯って何なん？と疑問に思う輩が一人くらいは出てくる可能性もあるから簡潔に説明すると、東京都の西部地方にはそう言う名前の爆盛り中華屋があるのだ、興味を持った方は行ってみて、中の小盛りの丼メニューを食べたらいいだろう。食後、間違いなく腹が爆発してしまうだろうから。
まあそれはともかく今回行った店は「豚や」と言う名のうどん屋だ。
武蔵野うどんが楽しめる店なのだが、武蔵野うどんには共通した特徴がある
一つ目はうどんがとにかく極太なのだ。もはやうどんと言うよりもすいとんの長い奴を想像してもらえれば良いだろう。
二つ目はうどんの量の基準が世間一般からズレてる点だ。
ちなみにこの店の並盛りは500グラム、大盛りで750グラム、ダブルだと1キロ。。キロ、、だとッ！
料理の量でキロが許されるのはフードファイターという選ばれしフリークス集団だけだ。
一般人は決して触れてはならない基準だと思うのだが、
ここではそれが許される。
ここだけが異世界なわけではなく、他の武蔵野系うどんの店もだいたいそんな感じの量が出てくる。
例外はない、いやむしろ例外だったら多分客は怒り出すかもしれない。
そんな猛者たちの集う世界なのだ。
そんな理由から武蔵野うどんを嫌う人も少なくはない
讃岐系もっちりつるりんな饂飩や、稲庭系の様な繊細な饂飩などが大好きな人は特に苦手意識を持つ傾向がある。
そんな個性的なご当地饂飩の店に久し振りに行ってみた
豚やに関しては、食べログ始める前から通ってるから随分長い付き合いになる店だ。
この店の昼時はとにかく激混みになり、店の中に置かれたベンチに待ち客が並び、店外にも行列が出来る
この日、開店直後に行ったら結構ガラガラだった。
席の間隔を広く取り、待ち客用のベンチも撤去していたにもかかわらず、外の行列な無く、先客は3人だった。
これもコロナ禍の影響なのかな、ちょっと心配だ。
店員は接客厨房全ての人がマスクを着用し
カウンター席の席数を半分に減らし、客との距離を取ったレイアウトになっていた。
気持ち的に安心出来るだけでなく、広々とした席間は開放感を生み、精神的に寛いで食事が出来るのがいい。背後にあった待ち客用のベンチシートも無くなってるのが開放感に輪をかけていた。
お冷ポットや箸箱などのテーブルセットも1人1セットとなっていて、しっかりと対策してるなと思った。
これで感染したらもう運が悪かったと思うしかないと思える程にだ。

今回食べたのは豚釜玉うどん1150円に豚1・5倍150円、うどんはノーマルなうどんと黒うどんが選べるが、黒うどんを指定した。熱盛りと冷や盛りが選べるが、冷や盛りにした。
5、6分くらいで着丼
来た瞬間思ったのは、あ〜これはヤバイ食い切れねぇでも残したくないしあ〜ど〜しよ〜ってな感じだった。
それくらいボリューム半端なかった。
まず器がデカイ、直径が銭湯に置いてあるケロリンのプラスチック桶みたいだ。そこにたっぷりと盛られたうどんと具材
豚肉は1・5倍にしたから半端ない量で、丼の表面積半分を支配していた。残り半分は油揚げとネギが領土を分け合っっていて、世界の中心に生卵が神のごとく君臨していた。これはうどん料理と言うよりも、2人前の鍋を思わせる見た目だ。うどんには味が付けられてるからそのままでも食べれるが、薄かったら付属の醤油タレで味の調整をしてねと店員に言われたが
僕には分かっていた
それをやったら多分全部食べきれないと言うことが。。
過去の経験上、味付けが濃いものは決して大食いには向かない。
あっさりした味の方がたくさん食べれる、これは一般論ではなく、僕個人の感覚の話だ。
あと、いくつか上げると
とにかく早く食べて逃げ切る！水は極力飲むな、考えるな！感じろ！逃げちゃダメだ！まあそんなところだ

では頂きます。

まずはうどん、先程書いた様に超ゴンブトな饂飩だ
食感はもうゴムみたいにゴワゴワ、太くて硬い、これが何を産むかと言うと、食べ難さだ。
太いから一気に啜り込むと喉が詰まって窒息してしまいそうになる。その為に短く噛み切りながら食べなきゃいけないんだけど、この饂飩なかなか噛み切れない、無理矢理口の中に押し込んでもちょっと気を抜くと饂飩の弾力で唇から饂飩が飛び出してくる。とにかくちょーめんどくさいのだ。結局地道に愚直にひたすら咀嚼を繰り返しながら嚥下するしかなくて
食べるペースはみるみる下がっていく。
饂飩自体の味は素晴らしい。小麦の甘みや香りが噛み締める度に口一杯に広がっていき、小麦大好き人なら立ち上がって拍手してしまうだろう。
だけど、それを楽しんでたのは最初だけ、
とにかくこのひたすら噛んでないと食事が進まない状況はとにかく辛い。
だんだん顎が疲れてくるし、
食事ペースの低下が招く、満腹信号の迫る危機感たるや！
もうこうなると食事を楽しむ事が、
いつのまにかこの料理をなんとしてでも食べ切る事が最重要課題にすり変わってしまい。
訳が分からなくなってしまった。
豚肉やネギ、生卵を溶かし込んだりと、必死に気分を変えようとしても
小麦粉の塊を噛み続ける行動に変化は無かった。

豚肉は1・５倍にしなければよかった。。。

麺は並盛りの半分にしとけばよかった。。。（注釈：並盛り半分の注文は可能です。）

そんな後悔が頭の中を駆け巡ったが既に後の祭り
顔面から玉の汗を流しながらひたすら太麺を噛み続け
何とか完食した。
呆然とした頭で会計を済ませ
店を出て驚いた。
店の外、青梅街道沿いにズラ〜っと長蛇の列が出来ていたのだ。超過密状態やんけ！
僕は何も見なかった事にしてその場からスタコラサッサするのであった。

加齢は食を確実に細くする、寂しいけど避けられない事実だと言う事を痛感する食事となった。

ご馳走様でした。

久しぶりの豚やだ
開店時間を少し過ぎた頃訪れたのだが
店内はすでに満席で、店内待ち用に用意されたベンチに戻る人が溢れていた。
ここのうどんはいわゆる武蔵野うどんの流れを汲んでいて極太だ
なので茹で時間もそれなりに長い
にも関わらずここはそれほど待たずに席に着けるのが良い
今回は豚肉うどん玉子入り１１５０円を肉増し二倍２５０円を頼んだ。豚肉うどんはスープを関西風（塩味）と関東風（醤油味）とで選べる
以前関西風を食べてたから今回は関東風にした。

着丼された一杯

相変わらず迫力満点な見た目だ
肉の盛りも凄いけど、ここのはうどんの量も多い
並盛りで500グラムあるのだ
５００グラムも小麦粉を摂取する機会なんてそうない
ラーメン二郎でも小サイズなら３００グラム程度だろう
麺はやや平打ち気味の極太麺
勢いよく啜るって感じではなく
よく噛んで食べましょう的な攻め方しか出来ない感じだ
故に小麦の旨味とか風味などを思う存分堪能できる
豚しゃぶ用みたいな薄切りバラ肉がてんこ盛りだ
それらに絡む出汁はやや強めの醤油味
濃かったら薄めますと言ってたが
確かに塩分は強い
その塩気の強い出汁に豚肉やうどんを絡めて食べるととてつもなくジャンキーな食べ物を食べてる気になる
卵黄を崩して麺と具に絡めて食べてもその凶暴と言える塩辛さに太刀打ちできない
でも、箸が止まらないんだよね
不思議な中毒性があるんだ、このうどん
肉増し二倍はやり過ぎたかな
食べても食べても肉が減らない
ありふれた表現なんだけど嘘じゃない
正直飽きてきた
後半はややや苦しみながらなんとか完食
もう歳なのかな。。３００グラム位が丁度いい
そんな気がした
これも老いか…

ご馳走様でした！

２０１６年７月３日(日曜)

この日は荻窪にある味噌ラーメン専門店に行ったのだが
なんと臨時休業だった
落胆し、青梅街道を爆走してたら豚やが見えてきた
しかも空いてる
もう行くしかない
ラーメン屋にフラれたから自棄食いだ
爆食してデプになって健診で「お前はもう死んでいる」と、胸に七つの傷を負った医者に言わせてみせるぜ
と、謎過ぎるハイテンションで入店
豚肉汁うどんスペシャル(１３５０円)を下さいと高らかに宣言したのであります
麺の量は並盛にしときました
並盛？このchicken野郎がッ！
と仰るそこの御仁
ここは並盛でも麺量が５００グラムあるのですぞ！
しかもスペシャルだと生卵と油揚げが増量され
豚肉に至っては２倍の量となる
何を基準にして２倍なのかわからないが
兎に角恐ろしい量に違いない
なんて意気込んでたら
先に食べてた客が会計時に何やらもめていた
どうやら財布を忘れたらしい
お前はどら猫追っかけたサザエさんかッッ！
と、突っ込み入れたかったが
グッと我慢した
店員の可愛らしいお姉さん
笑顔でお支払は後で構いませんと
千年に一度みたいな笑顔で神対応していた
これは間違いなく全日本人が泣くレベルな場面だと私は確信致しました
それはさておきウドンである
大量に盛られた真っ白い極太なウドン
つけ汁には大量の豚肉と油揚げとネギがドサドサと盛られ、その中心に卵黄がギロリと僕を睨み付けていた
隣でウドン食べてたオッサンも
まじまじと僕のウドンを凝視し
隣の奥さんらしき人に何やら小声で話し
再び覗いてはオーバーアクションで奥さんらしき人に熱く説明していた
くそッ！何だか食べにくいな
でも、気にせず食べてやる
オッサンに俺の食い様を見せつけてやるぜッ！
頂きますっっ！！

ウドンは極太な奴で
前回と違い、水で締めてるから歯応えが強烈だ
簡単には噛みきれない
ズバズバ啜り込む食べ方だと危険だ
少しずつ口に押し込み
良く噛んで食べる
すると、小麦の旨味と香りが噛む度に口に広がり
武蔵野の大地に広がる麦畑がARみたいに目の前にひろがっていった
もし、此方のウドンに使用してる小麦粉の産地がオーストラリアや四国辺りだったらスミマセン(笑)
あくまでそんなイメージが浮かんだだけなのでございます
つけ汁は醤油の輪郭がしっかりした味付けで
魚介系の出汁に豚肉の旨味が溶け込み
ゴン太なウドンに負けてなかった
卵黄を突き崩し、豚肉に絡ませ
ウドンと一緒に頬張る
旨い！これは旨いぞ！
５００グラムのウドンは素早く消失し
つけ汁は割りスープで調整してゴクゴク飲み干した
店を出る前に、件の客が財布を掴んで店に入って来た
無銭飲食事案にならなくて良かったとホッとした

美味しかったです

御馳走様！


２０１６年3月１１日(金曜)

いきなり過去の話になる

食べログの存在すら知らなかった時代に、散歩の達人と言う雑誌の西荻窪特集を見て此方に訪れてみた

調理時間の遅さと、客の食べるスピードの遅さ所以の回転率の悪さも相まって
お店は店内店外人が並ぶと言う盛況ぶりだった

塩味の汁無しウドンを食べたのだが
あり得ない位に太く、固く、食べ難い麺だった
何も知らずに一気に啜り込んだら
直ぐには噛み切る事が出来ず
いつ迄も喉にウドンが詰まったままの状態となり
窒息するかと思った
これはウドンではない、スイトンだッ！
ウドンと同じ感覚で啜ったら駄目だッ！
そう、狼狽しながら思った
更に、ウドンに付けられた塩味が強く
具の豚肉の塩味もキツく
もう兎に角塩辛くて
何とか食べ切りほうほうのていでお店を出て
もう二度と来る事はないな
そう思ったまま長い年月が過ぎていった…

その間、お店は儲かってるのか改装して綺麗になった

客足も途絶える事なく相変わらずの盛況ぶりを見せていた

この並んでる客達と僕は好みが１８０度違うんだろうな

そう思いながらお店の前を通り過ぎる日々が続いた

そんなある日の事

どういった流れでと言った理由は長くなるので省くが、此方に伺う事になった
以前食べたメニューを避け
食べ方を工夫すれば何とかなるかも知れないと言う淡い期待を胸に抱きながら。。

開店したばかりの時間に行ったのだが
既に満席だった
店内に用意された長椅子で待ちながら
メニューを決めて店員さんに告げる
今回食べたのは、この店のウリであるつけウドン風の料理ではなく
温かいかけウドン風の料理にした
この日はちょっとだけ寒かったから
身体を温めたかったのだ

豚肉うどん卵入り(１０５０円)＋豚肉１.５倍増し(１００円)
豚肉うどんは出汁を関東風(醤油味)か関西風(塩味)かで選択出来る
僕は関西風を選んだ

着丼したうどん
深みのある丼になみなみと注がれた透明な出汁
その中にウドンや豚肉がみっちり詰まってる
見た目はとても美味そうだった
スープを啜ってみる…美味い！
これ全然イケます！
口当たりはサッパリしているのだが
豚肉や魚の旨味がしっかり感じられる
仄かに柚子のような柑橘系の香りも漂うではないか

ウドンを中から引っ張り出す
以前のような凶悪なごんぶと感などなく
きしめんのようなぴらぴらした麺だった
食感もゴリゴリした固さなどなく
もっちりとした適度な弾力と
ツルッツルな喉越しだった

豚肉は１.５倍増ししただけあって
食べても食べてもなくならないような
ボリュームある量だった

卵黄を崩し
豚肉に絡めたり、ウドンに絡めたり
出汁に混ぜたりして味の変化を楽しんだ

食べ終わった時
過去の経験から抱いていたトラウマが全て払拭され
あまつさえ、また再訪問したいと強く思っていた

多分ですけど、ここってウドンを水で〆ない
温かいメニューの方が良さげな気がします。

御馳走様でした！