どこかホッとする、近づきやすさも魅力 : シャントレル

気軽に行けるけど、しっかりとフレンチ。
しっかりフレンチだけど、気軽に行ける。

そんなシャントレルさんに、今年もお邪魔する季節です♫
別に、秋限定にしているわけではないのですが、なんとなくそんな風物詩的なレストランがあってもいいかなと思っています。


この日のコースは、↓の通りです。

■ アミューズ
■ 茸のスープ　カボチャのマカロン
■ 鰆のマリネ
■ カマスの瞬間燻製　ゴルゴンゾーラ
■ セップ茸
■ 牡蠣　里芋
■ モン・サン・ミシェル産のムール貝　ポロネギのポタージュ
■ 蝦夷鹿
■ 栗のスフレ
■ お茶菓子（栗きんとん）

中田シェフのスペシャリテ、「カマスとゴルゴンゾーラ」のお皿も素晴らしかったですが、今宵は「ムール貝のポタージュ」が秀逸でした♪

「なんてことない普通の料理」と謙遜されますが、ムール貝を邪魔しない優しく甘いポロネギを合わせた、温かいポタージュが、とてもほっこりさせてくれます。

フレンチの一皿からは、なかなか感じられない癒しですね〜。


昨今は、特に高級店での価格高騰が顕著な気がするので、こちらの善良さが際立ちますね。

「あれもこれも食べてほしい」というシェフの熱意が乗ったお皿を、たっぷりいただくには、ホント良心的です♪
ごちそうさまでした！

茸のお店という訳ではないのですが、店名が店名だけに秋の季節に無性に恋しくなる「シャントレル」。
2021年7月で、10周年を迎えたそう。おめでとうございます！

10年経った今も、魚介と野菜中心のコンセプトは変わらず。
この日も、それ自体は重くない食材に味付けの濃淡で楽しめるコースを満喫しました。


いただいたコースは、↓の通り。

・ 茸のクロックムッシュ　サーモンのリエット
・ フォワグラのマカロン　茸のお茶
・ ワカサギと舞茸のベニエ
・ 鰹　鰤
・ カマスの瞬間燻製　ロックフォール　ジロール茸　茄子
・ シャントレルのスクランブルエッグ　アルバ産白トリュフ
・ ムール貝のビシソワーズ仕立て　じゃがいものピュレ
・ ヘレフォード牛のロース　賀茂茄子　きのこ
・ 舞茸ごはん
・ 洋梨のデザート
・ 栗金団

特に、旨さがギュッと濃縮された鰹、ロックフォールのソースが抜群に美味しいシェフのスペシャリテのカマス、味の濃い〜ノルマンディのムール貝は、大満足でした。

今年はやたらと高騰しているというアルバ産の白トリュフを追加したので、この日はいつもよりは少しお高めでしたが、普段からホントにお値打ちのコースをご用意いただいています。
ご常連が多いのも納得ですね。

落ち着きつつも洒落た店内で、近隣の方の日常使いからデートまで、幅広いシチュエーションに応えてくれそうなフレンチレストランの「シャントレル」。

メイン以外は魚介やキノコ、野菜が中心で、結構軽やかにいただけます。
そして、もちろん一つ星のちゃんとフレンチながら、家庭料理のようなどこかホッとできる味わいも魅力ですね。


10,000円のコースでいただいたランチは、↓の通り。

●スモークサーモンのリエット　茸のクロックムッシュ
●枝豆のマカロン　キノコのお茶
●メヒカリ　トマトのガスパチョ
●魚介盛り合わせ　イワシ　サンマ　鰆　新イカなど
●カマス　瞬間燻製　冷やし茄子　ロックフォールのソース
●キノコのムース　シャントレル
●黒ムツのポワレ　賀茂茄子　万願寺とうがらし
●シャラン産鴨
●無花果のコンポート

ソムリエさんはいないのか、ペアリングやサービスに少し改善の余地もありそうですが、かしこまり過ぎないのもこちらの居心地の良さとも言えるのでは。

フランクな中田シェフとカウンター越しに時々会話しつつ、肩肘張らずに、フレンチを楽しめる。
いろいろと「ちょうど良い」レストランです。

店名にゆかりのあるキノコの旬である秋に訪れた前回、その美味しさと共に「それ以外の季節はどんな料理を提供してくれるのかな」との興味が高まっていたので、今回は春にお邪魔してみました。

その時々の旬を無視する料理人の方はあまりいないと思いますが、シャントレルの春も見事に季節の高揚感が感じられました！
まず、見た目から変わりますよね。キノコなどが中心で茶系が濃くなる秋と比べると、一気に明るい印象になります。


今回も、おまかせ10,000円コースでいただいた内容は↓な感じです。

●「キノコのお茶 フォワグラのマカロン」…
旬以外の季節は、乾燥キノコをふんだんに使って。濃厚な旨みです。

●「メヒカリ タラの芽」…
こんなに大きなメヒカリは初めてです。「メインの魚です」と言われても納得しちゃうぐらいのサイズ感。外は香ばしく身はフワフワ。

●「淡路島の玉ねぎ ウニ トマト」…
透明なのに、ちゃんとトマトが効いてる。名産地淡路の玉ねぎの瑞々しさもいいですね。

●「気仙沼のカツオ パクチー アイオリ 」…
意外と合います、パクチー。程よくニンニクが効いたアイオリ もいいアクセント。

●「ヤリイカ トマト ウド」…
このヤリイカもホントに柔らかく、ウドの苦味も美味しい。

●「サクラマスの瞬間燻製 ロワールのホワイトアスパラ ホタルイカ」…
シェフのスペシャリテ。主役はアスパラ？と感じるほどの存在感。マスも美しいピンク色で、コース後半にもかかわらず燻製の香りが食欲を刺激します。

●「アイナメのスープ仕立て」…
濃いめに仕上がったスープとアイナメを一緒に。

●「乳飲み仔牛 モリーユ茸 筍 グリーンピース」…
これぞ、春メイン。珍しく春に旬を迎えるキノコのモリーユ、灰汁を抜かず風味を残してある筍、グリーンピースなどが、主張が控えめな仔牛を盛り上げます。

●「いちご ヴェルヴェンヌ はちみつのグラニテ」…
苺の季節ももう終わりですね。酸味と蜂蜜の甘さがちょうどいい。

ワインは…
シャンパーニュ、ラングドックのグルナッシュ・ブラン、アルザスのピノ、ブルゴーニュのシャルドネ&ピノなどをいただきました。


どのテーブルにも気配りがあって、気さくなシェフの正直な人柄が出ている、丁寧なお皿が印象的です。

価格帯もとても良心的なので、普段使いにまた気軽に訪ねたいレストランですね。

代々木上原と代々木八幡の間ぐらいにある、とても温かみのある一つ星フレンチの「シャントレル」。

店内も家庭的で、まさに「おじゃましま～す」な雰囲気です。
中田シェフはとてもフランク。初めての来店客もすべて名前を覚えていて、「〇〇さん、ワインはどのぐらい飲めそう？」みたいに心地よく目配り気配りしてくれます。
　
「シャントレル」という、フランスのキノコの名前を店名にも用いていることもあって「こちらへお邪魔するなら秋かな」と、この度の訪問になりました。
そして、それが大正解！

店内には、いろんなキノコの絵柄のトランプが小さな額縁で飾ってあってかわいらしいですね。
そして！
その中の一枚「シャントレル」には、中田シェフが以前に修業したフランスはオーベルニュ地方の三ツ星重鎮シェフであり「キノコの魔術師」といわれるレジス・マルコンさんのサインが！
また「ハートの１」というのが洒落てるじゃないですか。


膨らむ期待とともに、今回いただいたのは10,000円のコース。
完全なお任せではなくて、前菜とメインは数種類からチョイスができます。これもいい！

●「フォワグラのマカロン　きのこのお茶」・・・
お茶といっても、きのこで取ったブイヨン。コクがあって美味しい

●「舞茸のフリチュール」・・・
●「北海道余市産のブリ　カブのマリネと」・・・
軽く火を通したブリが美味しい。カブや大根おろしと一緒にさっぱりいただける。

●「シャントレル　海老と一緒に」・・・
店名のキノコはビネガーと一緒に温かく火を通して、海老の入った冷たいムースと一緒に。温度の違いも楽しい。

●「カマスの燻製と茄子　ロックフォールのソース」・・・
シェフのスペシャリテの一つ。これは美味しい！カマスは燻製にすることで弾力が増していて、香りも立っていることでロックフォールのソースともしっかり共存しています。
樽の効いたコート・ド・ボーヌ・ブランといただいたのですが、相性バッチリですね。

●「セップのソテー」・・・
極上のセップですね。セップ史上No.1の美味しさです。
歯ごたえといい、香りや味といい、やっぱりフレッシュに勝るものはないな。

●「甘鯛　赤ワインとビネガーのソースで」・・・
ビネガーの酸味とピノ・ノワールの酸も相性がよく、魚ですが赤でまったく問題なしです。

●「シャラン産の鴨　はちみつのソース　ジロール茸を添えて」・・・
こちらも素晴らしいメイン。鴨はさすがのピンク色。皮目は香ばしく肉は柔らかに仕上がっていて、鴨のジュに、甘さと爽やかさを備えたソースもいいですね。

●「モンブラン」・・・
完全な和栗で作ったモンブラン。どちらかというと和菓子のイメージです。


多くのお皿にキノコが活躍していて、その名に恥じぬ美味しさであり、楽しさでした。
「キノコ料理屋じゃないんだけどね（笑）」とはシェフのお話ですが、こんな特徴のお店があってもいい。

もちろん、キノコの季節以外は魚介や野菜にも自信を持っていて、通年で楽しませてくれるレストランなのは間違いないでしょうけど。
今回は「秋」を存分に満喫しましたので、今度は違う顔の料理を覗きに来たいお店です。