魚郎は魚郎。 : せたが屋

魚郎らーめん（にんにく少し別皿）+のり増し+あおさのり（クーポン利用）+生ビールグラス。

とある夜にお邪魔した。

世田谷区野沢の有名店。かつての環七ラーメン戦争を生き抜いたお店。
どちらかと云うと、魚介の旨味が効いたラーメンと云うイメージが強いのではないか。
しかし、知っている方は知っている。魚郎らーめんと云うのがある事を。

自分と魚郎らーめんとの出会いを語れば、ヘソでお茶が湧く位の時間とクオリティになるので割愛するが、ともかく大好きなんである。
そもそもが、せたが屋の魚介が効いたラーメン自体も好きなのだけど、魚郎に出会ってからは魚郎一択。
メニュー名が魚「郎」とあるように、一般的には二郎系インスパイアと云われているが、いやいや、これはインスパイア等ではない。間違いなくせたが屋オリジナルのラーメンだ。
二郎系と云われる所以は、チャーシューの量やもやしの盛り付け、麺、背脂だと思われる。
しかし魚郎はスープが全然違う。もう、魚介がドカンである。
背脂があることでこってりはしているが、魚介ドカンなので、旨さの方向性がまるで違う。
「ああ、魚郎食べたいな」って時には、全く以て代えが利かないメニューだ。
自分的には、二郎系を食べていると云うよりは、燕三条系の背脂煮干しを食べている感覚に近い。
トッピングには海苔やあおさ海苔がとても合うし、もやしの水分で味が薄まったならカエシ風調味料の「ガツン汁」を足したり、クドくなって来たなら卓上の一味を振ったり、無料の「玉ねぎ」をお願いすれば、さっぱりと美味しく食べられる。
注文時にんにくの有無を聞かれるが、あった方が旨い。
だけど、最初から乗っているのが嫌ならば「別皿」と云う手もある。

これは本当に名作だと思う。こってりしているのに、それを超える魚介の旨味。しかもその旨味は、なんだか胃腸をほっとさせてくれてる気もする。

最後に。
超個人的な要望だが、最後に残ったスープを漉して、背脂を抜いたスープだけを飲みたい。
どうか有料で構わないので、茶漉しとスープを受けるお椀を用意して貰えないものだろうか。
いつも最後の最後に残ったスープを、レンゲで背脂を拾わないようにスープを飲んでいるのである。
恐らく、一部の「たぬきそば」好きな方にはこの気持ちが分かってくれるのではないかと思っている。


ご馳走様でした。

チャーシューひららーめん+あおさのり+生ビール(小)。

相方が実家に泊まりに行ったので、時間と胃袋を自由に使うことにした。

時間は深夜1時過ぎ。人様の食べ歩きを拝見していたら、どうしても「せたが屋」の魚郎らーめんが食べたくなった。
家から徒歩で20分程を季節外れの寒さの中、急ぎ足で向かった。
連休前なので並んでたりするかな？と思いきや、そんな事はなくスムーズに入店。
これはラッキーだとホクホクして券売機を前にすると、お目当ての魚郎らーめんは売り切れと云う現実が待っていた。
しかし、ここまで来て食べないでは帰れない。
確か平打ちの美味しいラーメンがあったと思い直し、チャーシューを付けて注文。
魚郎がなかったのはかなり残念だけど、15年程前に食べて感銘を受けた此方のラーメンにも久し振りに出会えるチャンスだと思い直し戴きます。
スープは茶色が強いもの。元々が煮干と節系に動物性の出汁を合わせているので旨味自体はかなり強め。
実際に味わってみると、トリプルスープのバランスはかなり高い。
それぞれ尖っている所が無く、正に円相。
そして平打ち麺。加水率高めなつるつる麺。喉ごしは抜群だが、若干もちもち感には劣るかも。と云うよりは好みの問題で、自分にとってこの手の麺は柔らかめが好みなのかもしれない。
秀逸なのがチャーシュー。一方向に繊維が走っている肉質のチャーシューは、しっとりしていて崩れない。脂身の甘さで食べさせるものではなく、肉の旨味で食べさせてくれる。
あおさのりはトッピングにするならもっと量が欲しかったなあ。
久し振りに食べたせたが屋のラーメンはとても美味しかった。
夜中にラーメンなんて学生みたいな事をしてしまったけど、深夜の帰り道に「こうやっていつも歩いたなあ。」なんて思い出しながら歩くのは悪くはない。
ポケットに手を突っ込みながら、沢田研二の「立ち止まるな振り向くな」を呟いて帰路に着く。
コートの襟を立てて歩くのだ。
でもこんな行為は一年に一度くらいにしておこう。
ご馳走さまでした。

魚郎ラーメン+生ビール。
環七のせたが屋。環七がラーメン激戦区と云われた頃の生き残りの有名店。
魚介の汁物が食べたくなったので訪問。
何度も通っているが、この「魚郎」というものを食べてから他のメニューが選べなくなった。
本当はあれこれ食べたいのだけど。
せたが屋独特の魚介スープに背油、濃いめの醤油、そして好みでにんにくを入れる事が出来る。
もちろんにんにくをお願いしてビールを飲んで待つ。
ラーメン到着。目の前にとても良い香りの湯気が立つ。先ににんにくが混ざっていないスープを一口。
見た目とは裏腹にとても優しいが魚介の主張が絶妙なスープ。
上品なのはここまでにしておいて、取り敢えずにんにくを混ぜる。麺を啜る。具を食べて麺を啜る。
スープを飲んでは一味を入れてまたスープ。
あ～、腹一杯でご馳走さま。
なかなか忘れられない味のラーメンだった。