甘味とうま味のどちらに寄せるか⁈ : 肉汁麺ススム

【 (340) メガ盛行脚レビュー その244】

こちらの品を、『メガ盛』として扱っていいものかどうか、少々迷うのであるが、「白飯 特」100円（税込）との合せ技であれば、何とか、個人的『メガ盛』基準の 1.5kg にはぎりぎり届く〔1,710g〕ので、「メガ盛行脚レビュー」として、ここに掲載するに至った次第だ。量的にはやや役不足の感が否めない品ではあるが、ご容赦戴きたい。。。(・。・;


『肉汁麺ススム 秋葉原本店』
東京都千代田区外神田3-7-12 イサミヤ第8ビル 1F
03-6811-1139

X 公式アカウント : https://twitter.com/nikujiru_susumu


東京都文京区本郷の「サッカーミュージアム入口」交差点から、千代田区、台東区、墨田区、江東区、葛飾区を経由し、江戸川区の 市川橋 手前となる、R14〔千葉街道〕との交点、「江戸川」交差点に至る「蔵前橋通り」と、「昌平橋通り」〔起点「神田明神下」交差点、終点「池之端一丁目」交差点〕との交点となっている、東京都千代田区外神田6丁目の「妻恋坂」交差点から、東進すること 80m 余りとなる 秋葉原ジャンク通り へと南折し、そのまま南進すること50m程で、道路右手（西側）に『肉汁麺ススム秋葉原本店』はある。秋葉原ジャンク通り は、蔵前橋通りを北端とし、神田明神通り を南端とする、電気街、秋葉原にある PC 周辺機器の販売店が密集するユニークな裏道であるが、JR秋葉原駅 電気街口 から 中央通り〔「外神田5丁目」交差点から「万世橋」交差点までの間、約 570m が歩行者天国〕を御徒町方面に向かって北進し、『ベルサール秋葉原』〔東京都千代田区外神田3-12-8 住友不動産秋葉原ビル〕の裏側（北側）に左折（西折）して入れば、簡単に辿り着ける通りである。


この日は、ぬいぐるみクリエイター、ばんばぱえりあ〔Official Website :「ぬいぐるみの BanMof」https://banmof.net/〕として活躍している、長男の可愛い伴侶の書籍「はじめてでも作れるどうぶつぬいぐるみ もふもふの家族」出版記念個展、『もふもふの家族展』へ差し入れを持参するべく、家の奥さんと二人、はるばる群馬県前橋市から、東京都府中市へと出向いたのであるが、京王線 府中駅 南口に直結する複合商業施設、『くるる〔kururu〕』4F で催された個展会場には、常連のファン層の来訪はもとより、一般客の入場も多数あって、なかなかの盛況であった。もちろんのこと、愛する我が初孫も、長男が連れて会場入り。まだ生まれて八ヶ月ながら、久し振りに顔を合わせた祖父〔もちろん、この私〕の顔を見て、すぐにそれと気づき、にこっと笑って迎えてくれたのであった。
その重大イベント終了後、家の奥さんは、東京ドームで行われている『KinKi Kids Concert 2023-2024』へと向かい、その待ち時間に、私は『メガ盛』堪能と言う流れでこちらを訪れた次第だ。本来であれば、もっとデカいものをと考えもしたのであるが、適宜な品の提供店は、通し営業をしておらず何処も中休み中。。。家の奥さんとの待ち合わせ場所となっている 東京駅 近辺という条件下で、そこそこの『メガ盛』店をと、個人的に調査した中、こちらがまあ妥当だろうと言うことになり、選択したのであった。

「肉は男のロマンです。」、、、このキャッチフレーズの下、「新鮮・良質な豚肉と野菜をたっぷりのせたラーメンに新鮮なこだわり卵を絡めて食べる『肉汁麺』専門店」として名を馳せる、こちら『肉汁麺ススム@秋葉原の肉盛りラーメン店』は、「早い、安い、多いは男のロマン」と、X 公式アカウント でも掲げている通り、トッピングである肉の盛り量には、相当な拘りがある。4段階の区分けがあって、好みに応じて選べる仕組みになっているのだが、特に、レベル MAX〔800g〕は圧巻の量で、『肉汁麺ススム』ならではと言うか、大抵の方が、その肉量に大満足出来るであろう搭載量なのである。その肉搭載量の区分けは以下になる。

「肉汁麺」「辛い肉汁麺」「肉汁つけ麺」

レベル 1〔130g〕……………… 980円（税込）
レベル 2〔200g〕…………… 1,080円（税込）
レベル 3〔270g〕…………… 1,180円（税込）
レベル MAX〔800g〕…………2,180円（税込）

2023.12.現在、70g 増量につき、100円（税込）プラスの計算となるが、レベルMAX は、670g 増量で、1,200円（税込）のプラスと割高感が否めない。計算上、240円 損をする勘定となるが、、、ううむ、不可思議 ⁇⁇?

2016年4月19日（火）にオープン、秋葉原ジャンク通りにあるこちら『肉汁麺ススム 秋葉原本店』であるが、そのジャンクな味わいを、かっては、『下北沢店』、『三田店』、『新橋店』、『高田馬場店』でも味わえたのであるが、現在は各店ともに閉店。こちら『秋葉原本店』のみがその命脈を保っている。


それでは早速に実食へと移っていこう。

当日の現着は、14:55。JR 総武線 水道橋駅で、家の奥さんとは一旦お別れ、その足でこちらへと向かったのであるが、通し営業というものは、実際に有り難い。こんな時間であっても存分に戴ける幸せを、思う様、噛み締めたいところだ。
店内は満席にて、外待ち客三名、その後に続くと 5分 余りでカウンター席に着くことが出来た。予め購入しておいた食券をカウンター越しに渡し配膳を待つ。食券手交から約 8分、眼前に肉の塔が聳え立った。が、高さ的には思っていた程ではない。。。と感じた私なのだが、それは大いなる勘違いであったと、後に気づくのであった。。。


「肉汁麺レベルMAX」2,180円（税込）


配膳されるや否や、大量の豚バラ肉に、油たっぷりの漆黒のスープ、、、見るからに、青天井的な背徳感が身を過る。

その幅 5cm、10cm 近い長さを有する豚バラ肉を、片栗粉を塗した上でカラリと油で揚げ、更に、中華鍋で炒めながら、その揚げた豚バラ肉に甘辛い特製だれを絡める。そして、最後はバーナーで表面を炙って仕上げるという念の入った品である。肉の表面には焦げ目である小さな黒い斑点が見え、調理の丁寧さを感じさせてくれる仕様だ。
肉に片栗粉を塗すと、肉汁やうま味が閉じ込められ、味わいの深みと湿潤感が弥増しとなる上に、余分な肉汁をスープに染み出させないようにする効果もある。こちら『肉汁麺ススム』、見た目のジャンク感とは、ある意味、二律背反的な繊細さを有する調理法を取っているあたり、なかなかの拘りを感じさせてくれる。

豚バラ肉の他には、緑鮮やかな青ネギと、際立つ白さのもやしが一緒にトッピングされ、卵１個も無料で提供され、全体的な色目も悪くない仕上がりだ。

別皿で提供される卵は、別皿で溶くか、そのまま丼に落とし込むか、通常であれば悩むところだが、こちら『肉汁麺ススム』では、卵の黄身だけを取り分ける金属製のエッグセパレータがついている。ここは迷わず、黄身単品をセンタートッピングすることに、悩むことなく即決だった。


生姜が利いた甘口のスープ、片栗粉が徐々にスープに溶け出してきて、とろみがじわじわと感じられれてくるのが面白い。背脂が浮き、ジャンク感を存分に感じさせてくれる漆黒の濃口醤油のスープは、見た目のパンチ感とは裏腹に、全体として兎に角、甘い。かなり甘めに仕上げられた「酢豚」の味わいをイメージすれば、お分かり戴けるだろうか。確かに、これはこれで、味わいとして完結しており、先ず先ずの仕上がりと思えるところもあるのだが、如何せん、その見た目のジャンク感を強くイメージする余り、この甘さが、個人的にはしっくりこない。これはこれで悪くないのに、何となく物足りなさを思ってしまったのであった。何れにせよ、個人的な感想であって、この味わいに対する批判ではないので、ご容赦戴きたい。。。


麺は、機械打ち角刃麺、角がほとんどない丸麺仕様の中太麺である。加水率はやや低めな上に、更に、固めに茹で上げられており、圧倒的な肉の存在感に押し出された感はあるものの、大胆なごわっとした歯応えを残しつつ、スープの吸い上げも悪くない。圧倒的な肉量と、全体的な甘味に対抗するべく、その存在感はそれなりに示していたように思われる。
麺量に関しては不明、、、茹で前麺量で 200g まではなさそうなイメージで、180g 余りと予想した。その麺量と比較すると、800gとされる肉量の圧倒的な存在感は半端でなく、どんぶりを埋め尽くすのは正に肉の山だ。埋もれている麺を、肉の山の直下から引っ張り出すのは、実に至難の技であった。(@_@) 笑


「白飯 特」100円（税込）× 2


「肉汁麺レベルMAX」、その肉量 800g !!
兎に角、肉量は豊富なので、おかずとして足りないと言うレベルには決してない。
こちら『肉汁麺ススム』では、「白飯 特」一杯当たり 400g だと考えられるが、その量は、通常、茶碗一杯 のご飯が、炊き上がりで 150g〔0.4合〕、大盛 200〜240g とされる中、ほぼ「大盛」の倍量が提供されるので、正しく「特盛」に値する量だと言えよう。そんな中、「レベルMAX」の肉量 800g !! 「白飯 特」一杯では、とても食べ尽くせない量が盛られているのである。
正にふんだんな肉量搭載！ そうして、麺完食後に、更にその思いを強くする。

「おお！まだ、これ程に肉があるのか♪」

これは確かに嬉しい誤算であった。盛り高としては、「左程でも。。。」と思い込んでいた私であったが、何とまあ、食べても食べても肉があるのだ。途中からは、もう、嬉しさに震える私であった♪

そこで、「白飯」のお代わりが欲しくなり、カウンター席の面前にいた店員に、現金で対応可能か否かを伺ってみた。現金不可であれば、足を運んで食券購入のつもりでいたが、「大丈夫です」とのことであったので、そのままオーダー、お代わりの配膳を数分待った。

そんな流れで、二杯目としてお代わり依頼した「白飯」だが、配膳時、明らかに、一杯目と比べて量が少ないのが、見た目から即座に分かった。計量してみると、30g = 全体量の一割分 も量が少なかったのには流石に驚いた。現金で対応可能か否かを伺った際に、無表情の対応だったのであるが、「面倒くさい客」。。。そんな認識でも抱かれたのか、その店員の態度は、木で鼻を括ったような素っ気ない印象であったのも確かだ。
全体的には、接客におけるサービス精神を心地良く感じられる店舗であったのだが、最後のこの一点、、、お代わりの「白飯」に対応したたった一人の店員の態度で、ちょいとがっかりさせられてしまった私なのであった。。。(-.-)


さて、今回の実測値は、

「肉汁麺レベルMAX」2,180円（税込）
総重量（実測値）1,313g
うち麺・具材重量 1,124g 、うちスープ重量（麺・具材等完食後）189g
器サイズ
直径 19.5cm、高さ 7cm、器重量 526g
「白飯 特」100円（税込）× 2
総重量（実測値）767g〔1杯目 397g、2杯目 365g〕
器サイズ
直径 13.5cm、高さ 6cm、器重量 1杯目 213g、2杯目 227g

実食総重量 2,080g
うち固形物重量 1,891g
完食時間 : 計測せず
支払額総額 1,550円（税込）
訪問日 : 2023.12.17（日）


甘味かうま味か、、、果たしてどちらを優先するか。うま味を優先する場合には、強い甘味は、それを抑えなくては、うま味は甘味に負けてしまう。
微妙な味わいである「うま味〔UMAMI〕」は、東京帝国大学理科大学（現・東京大学理学部）の教授であった 池田菊苗 博士 の発見〔1908年〕以前には、認識さえされておらず、世界的な認知自体も、2000年〔平成12年〕、舌の味蕾にある感覚細胞「グルタミン酸受容体（mGluR4）」の発見を待たねばならなかった。日本研究者の一大成果と言って良い、微妙な味わいであるこの「うま味〔UMAMI〕」、、、個人的には、各種の味わいの中心であると思うのだが、それを覆い隠すほどの四味〔甘味・苦味・酸味・塩味〕の突出は如何なものだろう。
こちらの品、圧倒的な肉量も含め、食べてみて美味いとは思った。しかし、じんわりと後づけで来る「旨い」に関しては、わずかに物足りなさを思ってしまった私なのである。


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「うま味」
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「うま味」物質として知られているものには、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸、アスパラギン酸等々があるが、「うま味」は 1908年〔明治41年〕以前、世界的には認識されておらず、同年、東京帝国大学理科大学（現・東京大学理学部）の教授であった 池田菊苗 博士 が、コンブ抽出液（昆布出汁）に含まれる「L-グルタミン酸塩」の特徴的な呈味を発見、翌年発表した論文『新調味料に就て』〔東京化学会誌 1909年〕の中で「うま味」と命名したことがその始まりとなっている。その後、1913年〔大正2年〕に、池田博士の高弟である 小玉新太郎 氏 が、鰹節から抽出した「イノシン酸」も「うま味」成分であることを確認、1957年〔昭和32年〕には、ヤマサ醤油研究所の 国中明 氏 が、核酸の 1 種 のグアニル酸が「うま味」を呈することを発見した。その後、グアニル酸が干し椎茸の「うま味」成分であることが確認されて いる。しかし、日本の学者の主張する「うま味」の存在は、多くの欧米の学者には懐疑的に受け止められ、「うま味」物質は風味増強剤（フレーバー増強剤）に過ぎないと考えられてきた流れがある。そんな中、「うま味」を国際的に認知させるべく、1985年〔昭和60年〕に「うま味研究会」がハワイで第1回国際シンポジウムを開催、「UMAMI」が国際的な学術用語として認められるようになる。更に、1997年の「第12回 ISOT 〔嗅覚・味覚国際シンポジウム（International Symposium on Olfaction and Taste）: うま味シンポジウム〕」がサンディエゴで開催され、「うま味」が従来の基本味とは異なる新しい基本味であることを裏付ける多くの発表が行われた。これが世界各国で大きく報道され、ニューヨークタイムス紙は、「従来、味は 4基本味 だけとみなされてきたが、UMAMI は第5番目の新しい基本味である」と大きく取り上げた。そうして、2000年〔平成12年〕には、舌にある味蕾の感覚細胞に「グルタミン酸受容体候補（mGluR4）」があることをマイアミ大学研究チームが発見した。更に、2002年〔平成14年〕には、「うま味」に最も感応する受容体として「T1R1/T1R3」がカリフォルニア大学の研究チームによって発見された。これによって、「うま味」は 池田菊苗 博士の主張した通り「甘（あまい）・酸（すっぱい）・鹹（しおからい）・苦（にがい）」と並ぶ基本味の一つであることが科学的に証明され、「うま味」の実在が世界的で広く認知されるに至った。

※ 一般的に「五味」と呼ばれるものは「甘酸鹹苦」に「辛（からい）」を加えたもので「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹（かん）」のことを指す。現在の五基本味は「甘味・苦味・酸味・塩味・うま味」である。

グルタミン酸
昆布、チーズ、緑茶、トマト、白菜
イノシン酸
鰹節、魚類、肉類（熟成後）
グアニル酸
干し椎茸、乾燥キノコ
コハク酸
貝類
アスパラギン酸
大豆食品
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