【家庭的な温かいサービスと最上のお料理。麻布に佇む、居心地のいいお店】 : タストゥー

地下鉄・高輪白金の駅、麻布十番の駅からも10分ほど、マンション１Ｆさりげなく看板を掲げるかわいらしいお店。
扉を開けますと、セルヴールさんが紳士的な笑顔でお出迎えしてくださいました。
明るく、清潔感に富む店内を、シェフとセルヴール・サービス兼ソムリエさんの二人で切り盛りされています。

ムニュ　デクーヴェール・前菜、本日の無農薬野菜のスープ、メイン、デセール、カフェの構成。

アントレは「スモークサーモン」メインは「黒毛和牛内腿肉のポアレ」
ご一緒はアントレ「エゾ鹿のテリーヌ」メインは「本日の鮮魚のポアレ（イトヨリ）」

【ドリンク】
「自家製洋梨のソルベと葡萄のトニック割り・ノンアルコール」
洋梨の赤ワイン煮をイメージしたひんやりソーダ。

【前菜】
「タスマニア産サーモンの自家製燻製とビオ野菜　ビーツのソース」
これはどうみてもスモークサーモン、のミキュイ。じっくり燻製させた厚い身のサーモンは、脂がほど良く乗り、燻製香をまとって生のようにとろける。プリプリ。真っ赤なソースは苺ではなくてビーツ。添えにはたっぷりの種類の長野大島農園の無農薬野菜。どれも味が濃ゆい。

ご一緒の【前菜】
「エゾ鹿のテリーヌとサラダ」
フランスの伝統的な田舎風パテ。蝦夷鹿の荒いミンチ、硬い部位も残して練り合わせた肉。黒胡椒の味と鹿肉の旨味が詰まった肉ニクしいテリーヌ。きりっとしたペッパーらしい香りの中に、野生強い肉の味は鹿ならではの由来でしょうか。付け合せの酸味の強いコルニッション（ピクルス）が引き締め役で、粒マスタードと一緒に食べると、パテの肉感を引き立てます。

【パン】
『バゲット』
クラストはやや薄めで、ふわふわと軽く柔らかな口当たり。ザックリリッチ系ではないのですが、この生地のしっとり滑らかな食感、癖になる不思議な強さがある。

☆伺うと白金5丁目にあるオーガニック素材にこだわったパンと焼き菓子・女性シェフパティシエールのお店「ラトリエ コッコ」、作り手の優しい想いがパンに出ていると思います。たぶん、五個いただいた。感謝。

【スープ】
「有機ニンジンのポタージュ」
真ん中にはホイップクリームとクルトンをのせて、セルフィーユを飾っています。かぼちゃかと思うほどの濃い色と濃ゆい甘さの有機ニンジン。シェフにはそれ以上の下ごしらえとお気持ちが入って更に美味しいのです。

【メイン】
【黒毛和牛内腿のポワレ　マデラとマスタードのソース】
部位は旨味の強い内腿肉を使用し、表面をウェルダン中はレアに仕上げた一品。
大きな塊でカットされています。ロゼに焼けた断面を、目で見て味わう事が出来、調理も柔らかくジューシーになると思います。脂の少ない部位の内腿肉は味も濃くて程よい噛みごたえも有ります。ワイルドなニクの旨みに合わせるソースは、フランス料理の王道のボルドレーズソース。マデイラ酒をベースに、粒入りマスタードで酸味を加える事で、より深みのあるソースにしています。大人のノーブルな甘味も加わります。
付け合わせのお野菜たっぷりで花畑のように色鮮やか。芽キャベツ、さつまいも、ブロッコリー、紅芯大根等ビタミンもたっぷり摂取。

ご一緒の【メイン】
「イトヨリのポアレ　下仁田葱のソース」
皮目をパリパリに焼き上げたイトヨリと片面焼き色をつけたブロッコリーなど多種のガルニ。ソースは下仁田葱のソースとカブのピューレ。イトヨリはもともと皮が硬めなので皮目をしっかり焼いて香ばしくぱりっとした食感に。身は水分が多く淡白なので、パサつきのないよう丁寧な加熱、しっとりと柔らかく仕上げてあって技術が必要です。オリーブオイルでソテーした野菜の香ばしいことに感激。

【デザート】
「苺とパンデピスのヴェリーヌ」
「Pain d’épices」のエピスは香辛料の意味、スパイスたっぷりで、蜂蜜の入った濃厚な味わいのお菓子。パンデピス、フレッシュな苺、クレームシャンティ、フランボアーズのソルベの層に、黒蜜のソースをガラスのグラスに流し込んでいます。薄く焼いたラングドシャ・テュイルを組み合わせて作りたてのデザート、アラミニッツです。生地の風合いが素晴らしいパンデピス。効かせた香辛料とフルーツが爽やかにマッチしていました。

ご一緒の【デザート】
「焼きたて金柑のカスタード入パイ包み　マロンのアイス　温かいチョコレートソース添え」
焼き立てで香ばしいサクサクとしたパイ生地には、カスタードが入り、飾りに新鮮で瑞々しく香り高い旬の金柑。添えには濃厚なモンブランクリームのようなマロンアイス。さいごにこれでもかと、仕上げに温かいチョコレートソースをトローリかけて完成。お持ち帰りの出来ないレストランのデザート。

【飲み物】
「ホットコーヒー」
良い豆の香りがします。

【ミニヤルデイース】
『ハート形マカロン』
「シェフからの贈り物、スペシャルマカロン」マカロンは日向夏のガナッシュクリームを挟んだもので、表面はツルツルのリスタイプ。

“Tastous”という美しいネーミングの意味、黒トリュフの名産地フランス・カオールのスペシャリテ、「黒トリュフのカナッペ」。当然、お店のスペシャリテにもなっていました。
フランス料理の基礎を忠実にしていながらも、フランス片田舎の郷土料理の心が和む素朴さを持ち合わせたような味わい深さのお料理。雪ちらつく本日でさえ、近所のご常連客が次々と現れみんな笑顔の休日。そしてなによりも、暖かいセルヴールさんの笑顔の対応も、このお店の魅力です。