かつ丼欲を満たすのには、必要十分 : やぶそば

今日の昼はかつ丼、と決めたら、大抵此方に行くかな。近いし、手頃だし。
多少混んでてもわりと早く出していただけるし、多くを求めなければ不満もなく。

此方のランチのセットは、かつ丼は一応ミニサイズになるが、
茶碗のサイズは丼まではいかずとも大きめなので、十分食べたという気になる。
ちなみに蕎麦は一人前。これだけあれば、普通ならお腹は十分満たされるハズ。

こういうお蕎麦屋さんのクラシカルな中華そばをいつかは、と思っているが、
注文の段になるといつも忘れている。
自らの食いっ気に我ながら恥じ入るばかりだけど、次回こそは、中華そば。
あるいは、チャーシュウーメン。ん？ウーメン？？
これは、チャーシューメンのことなのか、チャーシュー＋温麺（ウーメン）のことなのか？
いずれにせよ、中華そばプラス450円増しのチャーシュウーメンも気になる。
やはり更なる調査が必要な様子ネ。

梅雨が明けた途端、ドカッと本格の夏が押し寄せて面食らう今日この頃。
当たり前といえば当たり前だけど、この急激な変化は体にも辛い。
こういう日の昼は、こう、ガツン！とスタミナをつけたい。

スタミナの代表格といえばやっぱり焼肉なんだろうけど、
ビールも飲めないのに焼肉はやはり辛い。
ああでもないこうでもないと考え、歩いていると、やぶそばが。
そうね、カツ丼セットも悪くないか、と思い、暖簾をくぐる。
フェイスガードを付けたおカミさんが、「いらっしゃい」。

注文を告げると、手慣れた感じで厨房が動き出す。
よく見ると、お年を召した方ばかりだ。大変だねぇ。
ものの5分もしないうちに、カツ丼と冷やしたぬきそばの登場。
ヤー、結構なボリューム。

カツ丼のカツは、正しく揚げ置きのカツ。閉じの玉子は多め。
カツにしみたツユの味が、実にイイのよね。
サイズのわりにアタマが大きいから、ガツガツいけるのが又好し。
冷やしたぬきそばは、いわゆる冷やしのぶっかけ。
刻んだ胡瓜が、シャキシャキと嬉しいじゃないの。
冷奴も、涼を呼ぶ感じで、夏らしくてイイよねぇ。

味的には、街の蕎麦屋さんの領域を超えるものではありませんが、
こういう街の蕎麦屋さんは、インフラとしてとても重要ですよ。
夏の間に、もう一度寄ってみましょうかね。
今度は、まぐろ丼と冷やしたぬきそばをいただきに。

どうもね、蕎麦屋のかつ丼が食べたくなる時があるんですよネ。
蕎麦屋のかえしを使った甘辛いツユでかつを煮て、卵でとじる。
でも、こういう脳の中枢に訴えかける食べ物を出す店が、此処外苑前には少ない。
あっても、増田屋の1,100円のかつ丼セットとか。
タケーヨ！蕎麦屋のかつ丼の値段じゃネーヨ！
そうなると、やはり此処。赤坂消防署近くの当店か、
支店であるCIプラザの此処でしょう。

親子丼/かつ丼 のたぬきそば/うどんのセットが、950円。
まあこれでもやはり高めだなと感じずにはいられませんが、
かつ丼と真っ当な蕎麦がセットで食べられることを考慮すると、
まあこのぐらいが近隣の実勢価格として妥当なのではないかと。

たぬきそばは、具こそ葱と揚げ玉しかありませんが、
葱の薄切りと小口切りとを合わせることで、食感に変化をつけたもの。
汁も、ちゃんとしていてウマい。
かつ丼は、蕎麦屋らしく、由緒正しき「莫」の手法のカツ。
揚げたてジャナイ？これでいいのです。これがいいのです。

かつ丼とたぬきそばとのセット、界隈では十分にして不足なし、と思います。

入る前からある程度想像はしていたが、店に入ると正にショーワの蕎麦屋。
広めの部屋に、4人掛けのテーブルがずらり。
老舗風情とはまた違う趣の、升本とか翁庵に近しい雰囲気。
面白いのはソバだけでなく、中華そばなんかも置いているところか。
どんな味なのか、気にはなる。

こういう風情なら、夕方のゆっくりした時間に来て、カツ丼のアタマとか
鳥を焼いたので一杯いきたくなる。昼は界隈の勤め人や馴染み客で満席になるが、
食事をとる客ばかりで、場所柄なのか杯をつかっている客は見かけない。

このときは昼だったので、ランチのカツ丼とたぬき蕎麦のセットを。
カツ丼のご飯は軽くして、とお願いした。
カツ丼は、まあこんなものだろうという、想像に違わぬもの。
ご飯は軽くしてもらってちょうどよかった。
蕎麦はなるほど、細く喉ごしのよい蕎麦屋らしい蕎麦。
汁はほんのりと甘さを感じる、バランス重視の汁。

棚の上に置いてある緑色の1合壜がなんともいえずいい。
銘柄は、金陵かと思ったら、金婚という文字が。調べると、東村山で醸している酒らしい。
CIプラザにも店があり、そちらには宴会に呼ばれて一度訪ねたことがあるが、
畳の小上がりがあって、夜はまさしく宴会場。

こちらの店は、宵の口にこじんまりとやるのがよさそうだ。

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そして、夜の部。
さすがに昼の喧騒はなく、落ち着いている。
つまみはタネものを使った蕎麦屋らしいものがごく自然に並んでいるが、
たいていの皿は2人前程度の量があるので、一人だとちょっと持て余し気味になる。

玉子焼きは固めに仕上げた出汁巻で、甘さがホワッと香るもののしつこくはなく、
値段にしてはみっしりどっしりしている。
添えてあるおろし大根に七味と醤油をかけて食べると、キリッと締まって美味。

品書きをよく読むと巣篭もりなんかもあったりして、
たまには巣篭もりで一杯なんていうのもいいかナ、なんて今からニヤニヤしている次第。

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どうしてもカツ煮が食べたくなって。
マグロ刺身はヨコワともう一つ（キハダだったかナ？失念）があり、値段が違う。
安い方にしたのだが、赤身と腹身で、結構イイ。
そして本日のメイン・イベントのかつ煮。
うやうやしく、器に入れられてやってきました。湯気がモーモー。
一面に広がる玉子によってとじられて見えにくいが、結構厚みのあるカツが中央に鎮座している。
一切れつまんでは齧り、猪口を使い、さらに齧る。
このささやかな贅沢感がたまらないね、満足。

深酒はせず、ほろ酔いで青山通りに出て歩く。
職場から近いので、衝動的に“蕎麦屋酒”を愉しみたいときに重宝する。
飲んでる分には、悪い店とは思わないけどね。