本格的な西安料理が食べられます！ : 凡記 西安肉夾モー 池袋本店

池袋にはチャイナタウンと言われる一角があるんですね。
場所は、駅北口を中心にして、その北方向に向けて東西に広がる一角。
正確な店舗数は分かりませんが、一説によると、1980年代以降に来日した新華僑の経営する店舗が約200店はあるとも言われています。

先日利用した蘭州拉麺の「極」は、平和通りと呼ばれる商店街にあり、その周辺にも中華料理店が目立ったのですが、そこもチャイナタウンの一角にあたるようですね。

この日やって来たのは、極を利用したあとに偶然見かけてチェックしていた当店。やはり平和通り商店街にあるお店です。

こちらは、元々北京の和食レストランでシェフとして働いていた李凡さんが経営するお店です。
その後、奥さんの親戚が住んでいた日本からの誘いで日本の中華レストランに勤めて経験を積みます。
そこで貯めた資金で浅草近郊に中華料理店を開業。
それを発展させる形で2017年に李さんの故郷である西安料理の専門店である当店をオープンするに至りました。

西安料理店を開こうと思ったのは、日本では大陸系の中華料理店が増えてきているとは言うものの、やはりその中心は広東料理料理、上海料理、北京料理、福建料理など。
最近は四川料理なども目立つようにはなってきていますが、西安料理と言えば、まだまだマイナーな料理。
日本に浸透していない美味しい西安料理も多々あることからそれらを広めることに商機有りと睨んだようですね。

11時オープンのお店なので、オープン10分後に伺いました。
店頭にはメニューの写真が看板や貼り紙の形で掲示されていますが、いわゆるランチメニューのようなものはありません。
一般的な大陸系中華だと必ず日本人の好みに合うようにとランチメニューを掲げているものですが、当店は、そんなものに迎合しない姿勢が見えるようで、むしろ好感を持ちました。

手動の扉を開けて入店します。
店内には先客はおらず、私が一番乗りのようでした。
テーブル席が見た目で20席くらいの店内ですが、一番入口に近いテーブル席に座りました。

席に着くと店主らしい人がメニューを持ってきてくれます。
パラパラとメニューをめくって感じたのは、これは本当に本場の料理に近そうだということ。
メニューには日本語も書かれているのですが、そこに手作り感が感じられ、悪く言えばたどたどしいのですが、変に洗練されていません。

西安料理ということで、鴨料理が目立つ他、刀削麺もあります。
ランチなのであれこれ頼むわけにもいかず、元来刀削麺好きということもあって刀削麺は頼もうと考えたのですが、今やどこにでもある麻辣刀削麺や坦々刀削麺では面白くないと思い、これまで見たことのなかった油のかけら麺@900円を注文しました。
店主さんらしき人に伝えると、「おー！それ、おすすめね。西安料理！」と片言の日本語で応じてくれ、注文が的を得ていたことが確認できました。

それと、各種ある一品料理、おつまみ系の料理の中から腐竹@300円を注文しました。
この腐竹、メニュー写真では何なのかよく分からなかったので、店主さんらしき人にお聞きしてもすぐにお答えが出ず。
厨房にいる人に確認してくれて、ようやく「ゆばです。」との返事をいただきました。
ただ、店内に飾ってある有名人とのツーショット写真（例えば、小栗旬などがありました。）などから見て、やはり私の聞いた相手が店主さんであることは間違いないようです。

ただ、調理は、この店主さんらしき人は関わっていないようで、厨房の人任せのようです。

待つこと13分ほどかかって、油のかけら麺と腐竹が同時に提供されました。
油のかけら麺は、刀削麺の上に油のかけららしき天かす、刻んだにんにく、ねぎ、そして唐辛子のような赤い調味料がかかっています。
店主さんからよくかき混ぜてから食べるように言われたので、軽く混ぜて食べ始めると、店主さんが近づいてきて、「ちょっと貸して」と。
丼を渡すと納豆を混ぜるように勢いよくかき混ぜてくれます。
出来上がったものは、私が食べていたものとは別物のようなビジュアルです。
しかし、これは美味しい！
刀削麺の食感もいいですが、油のかけらとにんにく、調味料の競演は他では味わったことのない奥深い味わい。
旨みもたっぷりです。
辛さも見た目ほどはなく、辛さ耐性中程度の私でも難なく食べられる範囲内。
つい食べながら、「うんうん」とうなずいてしまいました。

腐竹は、良くも悪くもゆばなのですが、こちらも絶妙の香辛料を加えてあり、食欲増進効果があります。
シャキッとした歯ごたえも良く、副菜として美味しくいただけました。

当店、メニューを見て感じた通り、本格派の西安料理を提供してくれるお店です。
なかなか他店では味わえない貴重な味。
お腹の具合と懐具合もあって、これ以上の追加注文はしませんでしたが、できればもっと色々と試したいところでした。

記憶している限り、当店で３店目になるのですが、池袋のチャイナタウンはなかなか奥深そうですね。
夜は怖くて近寄れないエリアですが、またランチタイムにでも一層の深耕を試みてみたいですね。