天春/My Angel : 天ぷら処 天春

このお店は休業期間が未確定、移転・閉店の事実確認が出来ないなど、店舗の運営状況の確認が出来ておらず、掲載保留しております。店舗の掲載情報に関して

この口コミは、Jackie_mさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.0

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
2022/05訪問10回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/My Angel

またまた四谷三丁目でメトロを這い出した。
天気はすこぶる良好だが、交差点を渡ったところのきしめん屋さんは今日も営っていない。フロンティアを求めてなるたけ早い段階で靖国通りに出てみたが、分かっていたことながら、この大通り沿いは飲食店の密度がことさら希薄で、ならば好天にまかせて新宿三丁目まで一気に距離を詰めるべく、ギヤを一段上げていくぼく

※ なんてふざけて言ってみたけど、エンヂン吹け切ってない状態でギヤ上げたって、逆に加速は鈍ってしまうのです。流して走ってるところへこれから十分な加速を得ようというのなら、逆にシフトダウンしないと。
「ギヤを一段下げて、いや、それだけでは足りないので二段下げてアクセル全開でいきます !」ってゆ~ふうに使うんですよ、小池さん ♪

<R4.5.3>

「天春」

久々の天春。
相変わらず営っているのかいないのか、地上からではまったく判断がつかない為、階段を途中まで下りていって、明かりの灯った看板を見つけて初めてそこで安堵する、というのがいつものルーティン。そしてまた自動化された引き戸を抜けてお母さんがしばらく気付いてくれないということも、これもいつものこと。
つったって(東京弁で「と言っても」の意味)そうしなければご飯にありつけないのだから、これはもう仕方ない。

「お時間が掛かりますがよろしいですか ?」
「はい」

とやって、今日は珍しくカウンターの最奥へと着く。時間が掛かるという言葉通りにテーブル席は家族チームで埋まっており、幼い子供の声が、でもぼくの耳に心地よく鳴り響いていた

“中天丼” @2,400也。

ぼく 「“ちゅう”天丼ください」
揚げ場にそれを通すお母さん 「“なか”丼ひとつ !」
揚げ場の職人さん、ぼくに向かって 「なか丼すみません、ちょっとお待ちくださいねぇ」

今ぼくの中で、エンゲル係数が鮮やかにAngel係数へと変わった(笑)。
それは希望とは言えないし、それをヤケクソとも言いたくない。ただ平日ランチ天丼が出来ない今日とあっては仕方ないと言い聞かせつつ、新宿最高峰のbowlの出来上がりを黙って待つぼく。
雰囲気的にその“ちょっと”がけっこう待たされそうだなと覚悟を決めていたが、心の準備が整っていたからかどうかは分からないけど、思ったよりはスムースに、それは舞い降りた

これが2,400円のbowlか ……
走馬灯のように流れはじめた我が人生を眺めつつ箸を抜き、その人生をリセットするように箸を割っていく

―― 沖田圭介54才と6ヶ月の春。このbowlがたとえ800円であってもこのように2,400円であっても、そしてまたそれを男体山から吹き降ろす突風の中でもこの凪いだ新宿の地下にあっても、そんな環境には左右されず、料理だけをひたすら純粋に評価することのできる理性というものだけを、私は自分のものにしたい

しかしこちらの上天丼の車海老に対し、私の中天丼の名もなき海老は(笑)、少なくとも本陣坊グループ一番の売り、“大海老”を足元にも寄せ付けぬ素性の良さを見せつけ、イカの食感も心地好いかき揚げとともに、兎に角うまい !

「すごくおいしいです ♪」

磨かれた油跳ね防止の為の銅のcoverが、何か近未来的な、まるでアンディ・ウォーホルのポップアートのようにこの地階の空間に映えている。
カウンタ手前に陣取って瓶ビールをやっていたアベックの女性が若き大将に向かい、今忙しいってゆ~のに、「すごくおいしいです !」と絡んでいった。もしかしたら、こ~ゆ~人たちが、食べグロってやつをやってる人たちなのだろうか ?
食べグロで、職人さんとの楽しい会話を楽しみました ♪ また来ます ! なんて言っちゃってる、でも向こうからしたらただ迷惑なだけっつ~ ……
(と誇張してしまいましたが、実際にはお店の方はまったく迷惑そうではなく、必要十分ながらもサーヴィス精神に溢れる対応をなされていました)

と、やおら大将が目の前で、海苔を敷いた上に、冷蔵庫からとり出した「吉池」さんのよりも上等そうな赤い文字が書かれた筏(いかだ)にのった雲丹を盛り付け、そこへ大葉を被せていった。
シャリはどうするのかと本気で考えて、ここが鮨屋ではなく天ぷら屋さんだったことをハッ !と思い出すのとほぼ同時に、その雲丹のsandwichが鍋にキャッチ&リリースされ、乾いて粒だった上質なsoundが立ち上ったならばもう、雲丹はウニ煎餅くらいしか許容できない私からしたって、さぞかし美味しいんだろうなぁって、俄然興味が湧いてくる

―― そ~いえばぼく、アイスクリームの天ぷらってまだ食べたことないんだけど、やってくれるのかなぁ ? 300円で出してくれれば迷わず注文するんだけど、おそらくレディボーデンを使って最低1,200円はいっちゃうと思うから、今日はやめとく。おそらく白くまくんでも900円はするだろうからね ……

※ ここで白くまくんが出てきた自分を褒めてあげたい

  • 天ぷら処 天春 - こんな感じなので、営ってるか分からないんですよ

    こんな感じなので、営ってるか分からないんですよ

  • 天ぷら処 天春 - だから階段下りかけて、看板ついてるか覗いて見るしかないのです

    だから階段下りかけて、看板ついてるか覗いて見るしかないのです

  • 天ぷら処 天春 - そしてこのヒエラルキーへの屈服から、こちらのご飯がはじまります

    そしてこのヒエラルキーへの屈服から、こちらのご飯がはじまります

  • 天ぷら処 天春 - 全景

    全景

  • 天ぷら処 天春 - 名もなき海老たちの反逆

    名もなき海老たちの反逆

  • 天ぷら処 天春 - ゴールデンウィークただ中の白昼のゴールデン街は

    ゴールデンウィークただ中の白昼のゴールデン街は

  • 天ぷら処 天春 - 骸骨もようやく一休みできる貴重な時間です

    骸骨もようやく一休みできる貴重な時間です

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2021/12訪問9回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人
2021/12訪問8回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/小春の小は小さいの小

仕事納めの火曜日。
おばけ階段を上ってここのところシャッターが下りっ放しなのかな、と私には見受けられたそば屋にお母さんの生存確認にいったら無事営っていて、お母さんも元気にしていてくださって一安心。
今年の湯島最後のおそばを堪能させていただくことが出来た。

と、Y~ちゃんから「今日休み」、とのLINEが届いてshock !!
十条界隈の居酒屋も(田舎をもたない地元客たちの期待を一手に背負うお店も)とうとう、一般の会社よりも早く正月休みに入る時代になったのかと寂しさを覚えると同時に、おれなんかこうして教えてもらえるから良いけど、とりあえず、今夜までは自分の身の振り方が繋がると安心しているであろうお客さんたちの期待を平気で裏切れるその根性に腹が立つ

―― 根性を憎んで人を憎まないぼく

<その翌日/R3.12.29>

「天春」

運命のメトロを四谷で乗り換えて新宿入りするという方法を覚えつつあり、今日は新宿三丁目駅で這い上がる。
とそこはもういつもの場所だが、泣いても笑っても今年最後となろうからぼくの好きな地下へ下りてみようと、階段の上から覗きこまなければ営っているかどうかさえ判断のつかぬ天麩羅屋さんまで歩って来た。
階段を降りていって灯りのともる階段に、そこまで来て初めて安堵し、足を踏み込んでお母さんが背を向けたまんま気付いてくれないというこの流れこそが、こちらのいつもの手順なのだと、ようやく納得出来るようになってきたこの自分の器の大きさを自画自賛。
しなければやってけない ……

午後12時40分。
斜め前のテーブルに着く骨格逞しい大柄な女性が嬉しそうに銀杏を注文する姿が、それが女装の男性だったとしても不思議とチャーミングに映ってしまい、おかしいなと思ってメガネのレンズを入念に拭き直す、そんな平和で奇妙な年の瀬

“小春丼”

こんな小春日和のおだやかな日は、小春丼。
いつの瞬間か、この店では“ランチ天丼一択”と私は結論付けたのだが、その理由も忘れていた。が、細切りの大根のお新香とおつゆの後に舞い降りたそのどんぶりを観た瞬間 ! ああ、これだったか ! と腑に落ちてしまった。
いや、蓋がのった状態でも見るからにどんぶりが小さく、これは大人の男性一人分ののお昼ご飯ということよりも、寧ろ、お酒のあとの〆的料理ではなかろうか、ということに。
やおら鞄からメジャーをとり出してあててみれば、その径φ125。底に向かって懐のあるテーパーを持つ形状ということがせめてもの救いであろうか

―― なんでいちいちメジャー持ち歩いてんの ? ということだが、ノギス持ち歩くよりはマシでしょ。で、こんなとき「お稲荷さんひとつ !」と言えないことが天ぷら屋さんのシビアなところ

ガタイの良い女性に銀杏が届くと、その人はもうほんとうに目を丸くして喜んで、その姿がまたまた可愛らしく思えてしまったら、も~メガネをいくら拭いてもダメだと観念するぼく ……

そしてこのかき揚げの天どんはおいしい。
おいしすぎて一気にやってしまって、あとから、かんまして食べるとさらにおいしかったのに ! ということを思い出したってあとの祭り。
このめくるめく官能の時間の終わりをどうしても認めたくなく、せめてもの抵抗で蓋をあけっ放し、ぼくの時間はまだ続くのだということをお店にアッピールしつつ、下りてきた階段をふたたび上っていく

  • 天ぷら処 天春 - おつゆ

    おつゆ

  • 天ぷら処 天春 - ふた

    ふた

  • 天ぷら処 天春 - をとったら

    をとったら

  • 天ぷら処 天春 - 今年も働いたわよ

    今年も働いたわよ

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2021/10訪問7回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/誰が為の鳴り

台風一家という家族(分かんないけど、おそらくビッグダディ一家のような感じ ?)が過ぎ去って、天気もすこぶる良好。
そして今日は土曜日。となれば「志な乃」さんの“合盛り”か「天春」さんの“天どん”が出来る日。ならばと四谷方面へと向けて新宿通りをフル加速していったが、明治通りから直線的にオフセットしてくる広い通りを渡る手前で心変わりしフルブレーキング。やっぱり天どんにしようと三丁目に滲みいった。

いつものように階段を下りてみないと営ってるんだか営ってないんだか分かんない、お昼の部には(かといって夜に来たことはないけど)商売っ気のないようにも思える天麩羅屋さん。
今日もお母さんに気付かれずに居たたまれぬ思いをしたら嫌だなと思いながらオートマティックに更新された戸をくぐれば、珍しく客席に陣取っていたお父さんと目が合って、無事お母さんにとり次いでもらうことが出来た

<R3.10.2>

「天春」

「どうぞ、こちらへ」
テーブル席へと促され、謙虚に二人掛けの卓へと陣取りかけた私にお母さんが、広いほうをお使いくださいと声を掛けてくれたのだがそ~ゆ~わけにもいかない。
「大丈夫です。ランチの天どんください」
と、畳み掛けるように自分の庶民性をアッピールし、お母さんの母性本能をくすぐる作戦に出る。いや、べつにこの時間、ふつうに天どんと言ってもランチ価格のものがやってくると分かっていつつも。

三丁目の地階の静寂。そこへおもむろに、息子さんの奏でる天ぷら油のパーカッシヴなsoundが加わった。
(息子さんかは知らないけど、そう信じたい)
一瞬チャーチオルガンのように、もしかしたらこの空間そのものが楽器の造りとなっているのかも知れないと錯覚させられる。
優れたコンサートホールとこちらとの違いは、コンサートホールではお客が入ったときにベストな音響が得られるようディザインされると思うのだけれど、こちらは今先客一人と私だけの状態であって、しかしだからこそ“鳴って”いるのではなかろうか ? と思われること

“天丼” @1,320也。

先ずお茶の渋みに堪らぬ懐かしさを覚え、そしてマッチ棒よりも多少太く切られた大根の浅漬けがオトコの食欲を掻き立てる !
経済的事情に依り椀をしじみ汁へとchange出来ないことだけが不服であったが(それは実に700円オーヴァ)、それほど大きくないどんぶり、そこにマウントされる黒く枯れたタレを纏う黄金を見た瞬間、心が躍る。

なんて言うんだろう、どんつゆあとかけ系天丼として、ヴァランスのとれた隙なき美味しい天丼。
澄んだ椀の底に沈んだ豆腐をサルベージし、それが玉子焼きだと気付いたら ! なんとも言えぬ和みのような感覚に包まれたんだけど、いや、こういう平和に安穏と微睡んでいては男の野生も鈍化すると、もう慌ててご飯を掻きこみ立ち上がるしかなかった


【以下映画の話】
2021年 104分 韓国

「殺人鬼から逃げる夜」

私のInstagramで虫眼鏡マークをクリックすると、何故かサイズの合っていないようなちっちゃい水着を着け、身体の一部を部分的にはみ出させるようにしたした吉岡里帆さんがいっぱい出てくるのだけれど、これってスマホの故障 ? それともそ~ゆ~の見過ぎて先回りされてるのかなぁ ?
その吉岡里帆さん主演の「見えない目撃者」という、失明してしまった主人公が事件に巻き込まれ、そして事件に迫っていくという映画も、実は下敷きとなった韓国映画があったとのこと。
今回はその、聞こえない版韓国映画である。

凶悪とハンディキャップとの対比ということで、必然的により弱者である女性が主人公としてマッチするのだろうけれど、そういえば、網膜剥離で盲目となった元世界チャンプが謀略に徒手空拳で立ち向かうという印象的な小説もあったよなぁ、と ……
(香納諒一著「梟の拳」かな ?)
まあ映画としては、襲われるのはチャーミングな女の子に越したことはないけどね ♪

そのストーリーは、快楽殺人鬼の犯行現場にニアミスしてしまったことに依り、殺人鬼のターゲットとなってしまった聾唖の母娘の一晩の逃亡劇、そこへ先に襲われていた女の子の海兵隊上がりの兄の妹救助劇を絡めるという分かり易いものだが、これは映画の出来栄えは別として、序盤、中盤と、もうどうしようもなくイライラが募った。

お互い聾唖としたって、長く同居している母娘がこうもコミュニケイションがすれ違うものなのか ? とか、揉み合っている男同士を見て、その殺人鬼と、一方妹を救おうとしている兄との善悪を、プロである警官たちがこうも簡単に見誤ってお兄ちゃんのほうをテーザー銃で感電させてしまうのか ? とか、繁華街に逃げ込んで殺人鬼に追い詰められた女の子が必死でナイフで反撃しようとしているのに、それを兄妹喧嘩だからと叫べばこうも容易(たやす)く、内輪揉めならそっとしておくか、という気持ちに民衆を誘導できるものなのか ? とか ……

それもこれも聴覚障害、言葉というコミュニケイション手段の欠落に依って生ずるものなのだが、先ほど作品の出来栄えは別としてと言ってしまった私だが、そのことに本気で頭にきている自分を見つけてしまったとき、それは作品として、少なくともどこかの部分が明らかに優れているからだろうと言われたら、それはそのとおりだと思う。

実は私の育った団地の向かいのドアには聾唖の夫婦がおり、昔の事なのでその夫婦の親戚筋には私の家の電話番号が教えられていて、私の母がずいぶんと頻繁に、電話をとり次いでいたものだった。
そのやりとりを見ていた子供の頃の私は、耳が聞こえない、口がきけなくとも気持ちさえあれば十分にコミュニケイションがとれるじゃないか ! と高を括っていたが、いざ母親がいないときに自分がその役を果たすことになったとき、とてもじゃないがそう簡単には電話一本の中継など出来ないぞ ! と徹底的に打ちひしがれることになる ……
だから私は、聾唖者の思いをそう簡単に我々健常者が読み解くことは出来ないぞ、と、身に滲みて分かっているはずなんだけど、そんな私でもイライラしたくらいなんだから ……

そしてまた演出について、韓国映画は邦画と同じような道をたどり、例えば北野映画のようなショッキングな暴力を行きつくところまで行きつかせたと思ったら、これも社会から制限を受けてしまったのであろうか徐々に表現がマイルドになってきたような感があり、邦画共々観ていて淋しさが募るのだけれど ……

しかしながら、この部分はセット撮影ではないとみたのだが、劇中の交通量の多い大通りをクルマの流れに揉まれながら女の子と犯人が突っ切るシーンを観ると、未だ日本よりは韓国のほうが撮影の自由があるようにも見える。
往年の「太陽にほえろ」なんかでは当たり前であった、そこらへんの町中でのクルマと人間との全力疾走でのシンプルな追いかけっこはリアルを醸すが、(我が日本においては)その手段を封じられてしまうとちょっとキツいよなぁ、と思うと同時に、韓国映画はそんな演出を完全に確立しているようで、観ていて安定感すら感じられるほど

そして私の募りに募ったイライラだが、しかしラストシーン、主人公の女の子の捻りの体当たりに依って鮮やかにどこかへ消し飛ぶことになる。
連想したのは、イーストウッドの「グラン・トリノ」。

劇中他にもキューブリックの超有名なホラーシーンなど、これはパクりということではなくオマージュという形で印象的なシーンを挿入させるが、その最後のアイディアも、何かのパクりというわけではなく、独自のfreshさを感じさせ、くれぐれも韓国映画として突き抜けた作品でもないのだけれど(そこは言っておきたい/笑)、まあまあの秀作だったのかな、と

Fine

  • 天ぷら処 天春 - 黄金

    黄金

  • 天ぷら処 天春 - おつゆ

    おつゆ

  • 天ぷら処 天春 - 良い天気になりましたよ

    良い天気になりましたよ

  • 天ぷら処 天春 - この韓国版ポスターは恰好良く、そして作品の内容をうまく物語っていると思う

    この韓国版ポスターは恰好良く、そして作品の内容をうまく物語っていると思う

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2021/01訪問6回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/虚空の茉莉子

「千の風の宴」の個室。
シーザーサラダを無心でかんましていた。コドナがまた異常な速度でglassを空けていくので、もうついていくのはやめにして、自分なりの巡行速度をキープ。
時短営業の中の、ジムビーム、ボトル一本。二人に与えられた時間は、最初からもう二時間を少し切っている。その半分ほどのタイミング、7時で「お酒の提供がラストになりますが追加はよろしいでしょうか ?」 と問われたって、殺す気 ? って感じでしょ ?

そして食べもののラストオーダーとなります、とのこと。
案の定、コドナが失速しはじめ何かを熱く語り始めるんだけど、話はいいから飲めと言った。二人で協力すれば、もうちょっとでボトルを空けられるのに、しかし「俺はもう飲まない !」 と逆に開き直るコドナ !
彼をこんなふうに育てた覚えはなく、正直ショックだった。スローインファストアウトというコーナーリングの基本を守れない酒飲み特有の失速である。
なのでもう仕方なく、最後は一気飲みに近い恰好でボトルを空けざるを得なかった ……

―― 食べものを注文して残すのは一番いけないこと !

<その翌日 R3.1.30>

「天春」

今日のところはフロンティア・スピリッツは封印し、食べたいものを食べようと思ったことは、こないだペペロンチーノにまさか1,890円払ってしまった悪夢に依ることも大きいと思う。
となればスパゲッティの「COOKIN'」、新宿御苑付近まで歩いてうどん、そばの「志な乃」、そして天丼のこちらと話は決まる。洋食の「あづま」は、及第点ながら、未だ私の中で銀座の「あづま」には達していない。
遠巻き、「COOKIN'」 にはテラス席までお客が着いており、中の様子の分からないままにスルー。そのまま例の階段を堕ちた。

「すみません !」

午後一時過ぎにしてお客さんはテーブル席に女性お一人様のみ。その状態の中でお母さんは今日もマイペース。入店した私に背を向け続けていたので、堪らずに声を掛けさせていただいた。
こないだ透明のアクリル遮蔽板置き場となっていた二人掛けのテーブル席が今日は使えそうであったので、そこに陣取った途端、お母さんは今日も広いほうをお使いください、となったのだが、ここが良いです、と、謙虚な人間を、いちお装ってみたりして ……

ランチタイムメニュー
“天丼” @1,320也。

揚げ場から軽やかなスタッカート鳴り響いてくる。
対してカウンターが無人なことがなんとも物悲しい。ほんとうはお客さんがある程度入った状態でそのsoundが最適となるように音響designされている空間であろうに。
「ランチ天丼もやっていますよ」 とのお母さんのあたたかい御言葉に、今日は素直に従った。やはりお昼はこのランチの天丼が、経済性においてパフォーマンスが最も高いと言い切って間違いないと思う。

日本蕎麦、四川料理、新橋のラーメン屋(つっても直近ほとんど入れ替わってしまっているが)、及びデパ地下を専門とする私なので、天丼となると途端に弱っちくなってしまうが、イカのかき揚げ、小海老のパラレルtwin、鱚、という素材的には江戸前、ながら丼つゆの“どぶ漬け”という工程を経ていないこの相反のどんぶりはしかし、それとして最高次元でヴァランスしていると思う。またそういう設計思想が故、フタされていないことも理解ができた。

加えてしっかり味のおつゆとお新香が最低限、且つ最大限に相乗すれば ! サイコロ状のイカの弾力がまたとりわけ、私を夢見心地の世界へと容易く誘ってくれる ……

隣の四人掛けに着いた男性が、注文後堪らずにお酒を頼み、そしてそれでも飽き足らず瓶ビールをチェイサーとして注文したようである。

新宿の、メインストリームにほど近いが、しかしちょっと逸れたところの地階には到底些か似つかわしくない静謐。それはあたかも、動物園に猿山の狂騒を見物に行ったところ、予想に反してサルたちが皆英国紳士であったかのように。
海老と鱚の尻尾を丼に残し、果たして私のテーブルマナーはこれで良いのでしょうか ? と虚空の茉莉子に問うたとて、永遠に帰らぬ答え。
もう堪らず地上に這い出して尚疾走するボクの孤独に、冷えた蒼空から、お日様が優しく手を差し伸べてくれた気がする午後

  • 天ぷら処 天春 - “ランチ”の天丼。ちょい屈辱的だけど

    “ランチ”の天丼。ちょい屈辱的だけど

  • 天ぷら処 天春 - でもボク、このおつゆが好きなんです

    でもボク、このおつゆが好きなんです

  • 天ぷら処 天春 - 茉莉子 ……

    茉莉子 ……

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2020/11訪問5回目

4.0

  • 料理・味4.5
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/久々、生板の鯉

<R2.11.14 新宿>

「天春」

私が気が付かなかっただけかも知れないが、地上に看板が出ておらず、しかし地下へと続く階段にはポジションランプのような灯りは点(とも)っていて、それでも半信半疑だったが、随分と商売っ気がないなぁと訝りながら階段を下りかけて水底を覗き込めば、しっかりと営業されているよう。
一見手動に思わせておいて実は自動の引き戸が稼働し、暖簾を割って入店してみれば、いつものようにお母さんは私に気付かず(笑)。揚げ場の職人さんの「いらっしゃいませ !」 の掛け声に、お母さんがようやくリブート(再起動)する。
午後1時。店内はカウンター2組とテーブル席2組で、ラッシュタイムを外した昼の部しか知らない私の知るこちらの状況としては、この日の稼働率は高いほうだろうと思った。

人差し指を一本建てる。
お母さんが四人掛けのテーブルを指してくれた。が、私は一人客なので、そこの二人掛けのテーブルのほうが良いのではないか ? しかしその二人掛けの卓は今この瞬間、新型ウィルス対策の為の透明アクリル板置き場となっているようで、私がそこに着いてしまったら、今度はお母さんはその卓をセットし直さなければならなくなるだろうと、葛藤しつつも素直に4人掛けの席に陣取らさせていただくことに ……

「ランチの天丼やってます ♪」 とのお母さんの第一声に、ミシュラン潜入捜査官としてのプライドがとつとして鎌首をもたげたか、「中天丼(ちゅうてんどん)ってゆ~んですか ?」 、と、恐る恐る未知の領域、“未体験ゾーン”に踏み込んでみることに ……

「なかどんお願いしま~す !」

と揚げ場に注文が通ってしまったらもう Point of no return ! 生板の鯉で料理を待つことにする。
追って身分の高そうな年嵩のご夫婦が来店。旦那さんが腰を据える前に天丼と小春丼(芝エビと貝柱のかき揚げ丼)と告げて、そして「しじみ汁 !」 と強調しつつ席に着き、自分たちはほんとうに、外食については、これまで良い店を選定し、食について人生を謳歌してきたよね、と、半生を振り返るやりとりを(主に私に)これ見よがしに語られているようで、それを右から左へ受け流す。
何故ご夫婦がブルジョワジーだと分かったかというと、奥様が屋内、というかもはや地下にあっても色メガネを外さずにいること(笑)

―― これは相当地位の高い家の奥様か、またはカトリーヌ・ドヌーヴか野際陽子さんか、そのどれか ! ふつうは色メガネは外すからね ♪

“中天丼” @2,400也。
海老2尾・いかと海老のかき揚げ

私の人工知能がとうとう過ちを犯してしまった !
ふぅ~ ! あと100円玉一つで、封切り映画IMAXで観れるわよ !
“IMAXレーザー/GTスクリーン”で観れるわ ! 何しちゃってくれてんだよ、おれ !
そしてこのことを私は今まで気にしたことはなかったが、食べグロで私がフォローさせていただいている御方に依れば、江戸前天丼というのは丼に蓋を被せて供し、タネとご飯とどんつゆを調和させる過程を経るものこそが真っ当 ! とのことだが、2,400円もするのに蓋が被さっていないとは、これはいったいどういう了見か !
(笑/人に影響され易いタイプなもので。今まで何も気にしてなかったくせに)

半ばあきらめていた御付けは、ランチタイムだからか、しじみ汁ではないがお吸い物がつくよう。しじみ汁をやってしまうと3,000円超となってしまうので、それだけは、もうどうすることも I can not ! とあきらめたのだがしかし、このおつゆもうまい !!
天丼仕様の小粒なご飯との、久々の再会。その炊きあがりに寸分の狂いなし !
とつとして、お吸い物、お新香、ご飯、つゆ、そして天ぷらのタネたちとの相乗が、この上なくシンプルなくせ、まるで分厚いフルオーケストラのように私に襲い掛かってくる !

花川戸の「金泉」さんなきあと、こちらは私のフェイバリット天丼屋さんに間違いない。
先述させていただいていることであるが、兎に角品物の精度が凄いと思う。「愛の貧乏脱出大作戦」にて、一番ダメダメだった北海道のミナミちゃんが(笑)、修行中の身にも拘わらず偉そうに、「不味いものでも常に一定に出せるのがプロなんですよ !」 と宣ってひんしゅくを買ったが、こちらは“ハイレヴェルでの一定”ということが、いつ来ても難なく実現されているのだ !

目の前のdreamに暫し微睡んでいると、向こうのご夫婦の卓から、平民である私を嘲り笑うかのように、しじみの殻を外す音がカチッ、カチッと聴こえてくる。
どんなスゲ~大粒のしじみが使われているのだろうかと、愚民である私はそれをただ想像するだけで、真実は二人にしか分からないのであります ! (「砂の器」の丹波哲郎調で)
そのカチカチは左脳で聴けば単なるノイズだが、私の持つバイオフィードバックの技術で右脳へとスウィッチして聴けば、しかしそれもまた、オーケストラに華を添えるリズミカルなハイハットの刻みへと直ちに昇華するのだ !

そしてまた、実は向こうのご夫婦に丼が届けられた際、天丼は蓋無しであったが、およそかき揚げ丼である“小春丼”には蓋が被さっていたことを、私は見逃さなかった。
となれば、その“調和”をお店は決して無視してはいないということが伺えるのだが、果たしてこの蓋理論について、俺はまだまだ ……

  • 天ぷら処 天春 - クローズドフェイス

    クローズドフェイス

  • 天ぷら処 天春 - オープンセサミ

    オープンセサミ

  • 天ぷら処 天春 - 最初っからフルオープン

    最初っからフルオープン

  • 天ぷら処 天春 - このドレスをあなたに纏わせ、そしてわたしは、クローゼットの奥に永久に封印しようとしていたハーケンクロイツをふたたび引き摺りだして白日の下に躍り出る ! せめて最後くらい、親衛隊の誇りを持って逝きたいのだ

    このドレスをあなたに纏わせ、そしてわたしは、クローゼットの奥に永久に封印しようとしていたハーケンクロイツをふたたび引き摺りだして白日の下に躍り出る ! せめて最後くらい、親衛隊の誇りを持って逝きたいのだ

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2019/05訪問4回目

3.7

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気4.0
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/どんぶりの精度について

電車の中で私よりも少し若いくらいの男性と、年嵩の、恐らくお父さんだと思うんだけど親子ふたりが並んで立っていて、別の若いお母さんが座らせていた子供を立たせてそのお父さんに席を譲らせる光景を、遠巻きに見つめていた。
お父さんが座席に座って息子さんがその前に立つと、お父さんは今日これから鑑賞する映画の内容について息子さんに訪ね、息子さんは、やけに丁寧にと感じたんだけど、それに真正面から受け答えはじめる。

「日本で言えばゴジラとガメラとウルトラマンが一緒に力を合わせて地球を守るみたいなもんだよ」

―― ああ、俺が親父と一緒に劇場に「アベンジャーズ」観にいくなんて、想像すらできん。その前に口聞くところからはじめないとダメだし(笑) でもゴジラとガメラとウルトラマンが力を合わせたら相当強いだろうね(笑)。まあ結局一番強いのはドラえもんなんだろうけど …… だから最強のドラえもんが極悪非道になって地球を侵略してくるのを皆で迎え撃つっていうのも良いかもね …… またヒント与えちゃったかな ?

で、本日の予測最高気温32℃(笑)。
正午の前に家を出たんだけど、その予報どおりに既に暑いくらい。久々、線路寄りの建物地下の劇場の切符をとる。チケットカウンターのお兄さんが、スクリーン対し客席がかなり左へオフセットされていますのでと、この赤い破線がスクリーンの中心線なのだときちんと説明してくれたので、いつものように野郎独り、適切な位置取りを決めることができた

<R1.5.25>

「天春」

午後1時ほどか。こちらのお店への降り口は非常に分かりにくく、いつも迷ってしまう。
土曜日のこの時間であればまだ絶対に営業しているという確信があったからこそ、お店の前での右往左往を経てようやく階段を下りることが出来たものの、その自信がなければあっさりと余所へ移動してしまっただろう。
で、同地階フロアの、地上の看板に“ナポリタン”をみつけてしまった喫茶店のほうをいちおう覗いてみるも、いや、中の様子が垣間見えたわけではないんだけどどことなく怪しげだった為、初志貫徹でこちらの暖簾を割った次第

店内に足を踏み込んだ瞬間、客卓に座っていたご隠居 ? がカウンターへどうぞと促してくれたように聞こえたのだがしかし ! それに被せるように、お母さんからテーブル席へどうぞとの声が届いたので、家族経営かは知らないけど、お店の人たちの力関係をその雰囲気から即座に推し量り、お母さんに従うことに(笑/ごめんなさいお父さん !)。
注文を待つ間に目の前の卓へついた、お爺ちゃんとその息子さん。
お爺ちゃんが堂々「ランチじゃない天丼」と告げたとき、にわかに負けた気分に陥らさせられる ……

―― ご飯は勝ち負けじゃないって、いつも自分に言いきかせてる俺なんだけどね ……

“(ランチの)天丼” @1,300也

目の前のお父さんはフォウクをもらってお新香をやってる。
こないだ母の子があったと思ったが、冒頭の電車のことも頭を過ぎり、もしかして今日は父の日ということはないだろうなぁ …… 分かんないけど ……
(その夜ママに聞いてみたら、父の日はまだ来月とのこと)

そしていつもどうりの宝石のような天丼がやってきた。
イカの身が柔らかく、海老も海老の味がして、そしてメゴチだかキスだか分からないけど(ハゼじゃないと思うんですよね)、小アジとは違う尾っぽのついたまるで臭みを感じさせない白身魚は、ちゃんと魚のうま味を持っていて ……
このお店の天丼は、もしかしたら浅草の、というより花川戸の料亭「金泉」の天丼よりも上かも知れない。
(金泉の女将さんごめんなさい !/まあ金泉は天ぷら専門じゃないから)

何よりこちらの店でご飯が今日は固めだの柔らかめだの、今日はどんつゆが多めだの少ないだの、そういった品物(料理)に対する許容誤差を感じたことがないのだ。いつも針の糸を通すようにピンポイントが守られた料理を出して下さることには、非常に感心させられるばかりである。

―― いや、浅草の名だたるどんぶり一杯二千円超のお店を回ればもっと素晴らしいのに巡り逢えるかも知れないんだけど、そんなお店ふだん使いするの、私の身の丈では無理なので ……

目の前の親子にとどいた“ランチじゃない”天丼は、私のそれが小っちゃなものだったのに対し、大きい海老が同じ二尾つくことがその仕様の主な違いであろうか。
対して私の左手に着いた年嵩のご夫婦は、久しぶりだと非常に楽しみそうに私と同じくランチの天丼を注文。しかしこれは奥様のほうだろうか、値の張る“しじみ汁”を注文なさっていて、またしても水をあけられてしまう(笑)。

新宿三丁目の地階。揚げ場に立つ息子さん(かはほんとうのところ知らないですが)の丁寧にこしらえたまったく隙のない、まるで宝物のような丼が、語らうご夫婦、そして語らない親子、それぞれが醸す固有の距離感を、まるで小学校の理科室の棚の奥で草臥れて劣化したU形の永久磁石のように、しかしその絶妙に枯れた磁力で魔法のように紡がれゆく様を目のあたり、ああ、美味しいご飯って、斯くも巧みに人の心を紡ぐものなのかって。

―― しかもなんら出しゃばることなくそれを成すということが素晴らしい ……

  • 天ぷら処 天春 - “(ランチの)天丼”

    “(ランチの)天丼”

  • 天ぷら処 天春 - “(ランチの)おつゆ”

    “(ランチの)おつゆ”

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2018/12訪問3回目

3.7

  • 料理・味4.0
  • サービス3.3
  • 雰囲気3.5
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/補助パワー起動 !!

東口で映画の切符をとってご飯を食べ、西口のNSビルってとこで催されるファミリーセールで洋品の買い出しに勤しみ、で、ふたたび東口に還ってロイ・シャイダー主演の映画を観る。それが本日自分に課した作業工程。

いつも土曜にシフトを入れるはずのSちゃんは、今日はBarには入らないとのことで、そうなると今夜は予定があるのだろうから、必然的に、お仕事前に一緒に軽く飲みつつのご飯、ということも叶わないだろう。
先週の銀座でもそう感じたけど、この季節のコンクリートジャングルの賑やか且つ無機質な雑踏が、私の孤独をとりわけ加速させる。そのはずみのついた孤独を減速させてくれるだけのストッピングパワーを今夜どこにもみつけられないということが予め分かってしまっているということが[注]、どうにもやるせなかった ……

注) 飲み屋のバイトの女の子何人かのスパイ化に成功し、詳細情報を掴んでいる、というよりももはやシフト表を持っている私であるので

<H30.12.8>

「天春」

午後一時半を回ってほっと気が抜けてしまっていたからであろうか、暖簾を割って帳場の前に立ち、持ち前のセックスアッピールを振りまいても暫し気付いてもらえず。“揚げ”に集中していた職人さんがいらっしゃいとやってくれて、お婆ちゃんもおもむろに補助パワー起動。突っ伏した状態から、胸にぶっ刺さっていた鉄パイプを残された片腕だけで引き抜いて立ち上がり、私を誘ってくれる(「ターミネーター2」ご参照のこと/笑)。
どちらでもとのことで、今日初めての(と思ったけど)テーブル席へ。着いてから二人掛けの席がひとつだけあることに気付いちゃったんだけど、お店も空いてることだし、まぁいっか~ ♪

で、ランチ天どんにするか迷ったんだけど、なにか新しいものをと思って、またはふつうの天どん以外のものでは何注文しても即座に二千円オーヴァとなってしまう為、それ以外に選択の余地がなかったというのがほんとうのところ

“小春丼” @1,400也。
芝海老と貝柱のミニかき揚げ

小春日和:晩秋から初冬にかけての暖かくおだやかな晴天

注文時、芝海老の何らかの天ぷらと、貝柱のミニかき揚げの載ったどんぶりか、或いは、芝海老と貝柱入りのミニかき揚げということか、ちょっと迷ったんだけど実物は完全に後者のようで、ということはつまり、ボリウム的には非常にささやかであった(笑)。
小春日和という、この季節のそんな日和を願ったネーミングと想像したんだけど、小春の“小”には小さいという意味も掛かっているようで、まんまとそれに引っ掛かってしまったわけである。

単品だと思っていたが、ランチタイムだけかは知らないけどお吸い物が付いてきたことは嬉しかったけど。
そして分かりきっていたことだけど、しっかり味のお吸い物含め、今日もまた天どんの仕上がりはすこぶる良い。芝海老は小さくっても、ちゃんと海老の食感と香りが立ち、帆立の貝柱のちゃんと散り嵌められた、真っ当なかき揚げを突き崩すという至福。
それもわずかの間のこととなろうことが泣けてくるけど ……

―― ああ、コンビニでパンでも買って食べるかな。おそらく飲み食い後の〆用のやつなんだろうなぁ、これって ……

「これでかき揚げまで出ましたので、あとはほかに何かございますか?」
「牡蛎ありますか ?」
「牡蛎ございます」

カウンターの御仁は一人まったりモードで、職人さんを独り占めしつつお酒を常温でやっている。
とくに羨ましいとも思わないが、それはただ自分が二日酔いを引き摺っているだけということもあるし、女子大生にちょっかいも出せないところで酔って何が面白いんだろう、ってこともある(嘘ですごめんなさい!)。
なんてまたしても余計な物思いに耽りつつ、お婆ちゃんに支払いを済ませ、下りてきた階段をふたたび上り地上に這い出して、この店ではランチ天丼しか頼まない、いや頼めないということを、自分の心に固く刻んだ(笑)。

―― でもこういうの、すぐに忘れちゃうからダメなんだよなぁ、俺ってヤツは ……

  • 天ぷら処 天春 -  “小春丼” @1,400

    “小春丼” @1,400

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2017/11訪問2回目

3.7

  • 料理・味4.0
  • サービス3.3
  • 雰囲気3.5
  • CP3.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

天春/地階のフレッシュ

快晴の東京。
ここ数日の寒さからも、これは昨日からだろうか、多少逃れられている気がする。新宿は相変わらずの人出だが、新宿だからまだ許せる。こないだの北千住でのまさかの人出は、無意識に北千住のくせ、と思ってしまうのか、ちょっと許せなかった。

道往く人々の顔は皆、倖せそう。
私も自分なりに、日々それなりに頑張っているつもりなんだけど、この往き交う多くの人たちのような倖せを手に入れるに、未だ至っていない。それは果たして私の頑張りがまだ足りないということなのか、或るいは自分の回路にどこか欠陥を抱えているのか、或いは神様が私を陥れようとしているのか、そのことを考えないということに、今はただ全力を注ぐしかなかった

<H29.11.25>

「天春」

暖簾の先の引き戸は自動ドア。
お母さんは私の入店に気付いてくれず、何やら入り口にお尻を向けて作業中。ちょっとの嫌な間を以て、カウンターの向こうの職人さんにようやく“発掘”され、無事カウンターの手前に陣取らさせていただく。

こちらへは二度目か三度目の来店となろうか。
料理には凄く満足していて、でも時間帯や混雑具合にもよるのかも知れないが、一人だと職人さんと向き合うカウンターとなっちゃうのが、私としてはちょっと腰が引けていたところ

ランチタイムメニュー
“天丼 (お新香・お吸い物付き)” @1,300也。

品書きを見ると、天丼はイカのかき揚げ *1、魚 *1、海老 *1となっているが、海老が小ぶりだからであろうか、二尾くっついている。他の丼をみると単価こそ、そんなにいきなりにはべらぼうにはならないんだけど、お吸い物が別となり、蜆汁が 700円、なめこ汁が 450円となってしまうので、まあ、なめこの苦手な一般庶民としては、このお店出血大サービスの一品に甘えてしまうしかないなと。

で、お吸い物がまず美味くて美味くて ……
口の中火傷しそうなのにガッつく自分を止められない (子供か俺は)。天ぷらは、タネが絶対フレッシュなんだと思う。固めのご飯と相まって、非常に美味い。私は自分自身ハゲなので、伊勢丹会館の「ハゲ天」を応援したい気持ちでいっぱいであり、事実よく利用させていただいているのだが、でもそれはその実、「ハゲ天」が空いていていつでも座れるということに完全依存する話で、料理のクゥオリティは断然こちらが上だというしかない

満足して地上に這い出して、キャメラにPLフィルタを装着していると、ちょうどお店の方が出てきて昼の部の看板を引っ込めるところ。
そういえばここ、最近日曜営業していないのかなぁと思うことがあったが、ああ、自分の活動時間が遅め遅めとなってきたんで、通し営業じゃないこちらの準備の時間に引っ掛かっていただけなんだなと ……

  • 天ぷら処 天春 - “天丼”

    “天丼”

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2015/08訪問1回目

3.5

  • 料理・味4.0
  • サービス3.3
  • 雰囲気3.5
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク-

天春/その十人掛けなるパースペクティヴ

<H27.8.2>

初めての劇場のエントランスフロア。
無事切符を買うことが出来たはいいが、外へ出ると今日も容赦無く猛る酷暑。たしか先週末くらいで一旦の激暑はピークを過ぎるといつものお天気お兄さんが言っていたような気がするのだが ……

で、意識朦朧、いつもの如くその辺を徘徊するのだが、如何せん暑い。ふと背中に物悲しげに建っていたビルに縋るようにして振り返れば、“天ぷら”の看板が。
天ぷら ……。
カウンターで職人さんと対峙しなければならないような高級店だと私には完全にアンマッチであるが、お店そのものが地階のようで、また品書きや謳い文句の貼り紙などのデコラティヴな要素が皆無であったので、判断がつかない。

―― そしてランチ天丼をやってることが最低条件なのよ ……

「天春」

天丼はやっている模様。
なので階段を恐る恐る下りていった。恐る恐る暖簾を割った。おばちゃんに一人と告げたら、カウンターへとなった。
午後一時半。
テーブル席では日曜日の遅い午後、はんドンでリラックスし切った会社絡みのパーティであろうか、白昼の天ぷら屋さん呑みを存分に享受している模様。方やカウンターに独り身の私。十人掛けほどのストレートの天板に、途轍もない奥行きを感じるとともに、図らずも、職人さんと一対一で向かい合う形となってしまった ……

―― 慣れてね~、こういうの、俺。一目散に逃げ出したい、今すぐに ……

そんなこんな、引っ張っても仕方がないので涼しげな顔して熱々のお茶 !? を持ってきてくれたお母さんに、店頭の看板に見つけていたものを直ぐ様注文した。そうしてから品書きを横目で見ると天丼ファミリーは、上天丼 @3,400を筆頭に、一番安いもので @1,400からとなっている。
だから、ああ、ランチタイムって良いもんだなと沁み沁みと思った。
その時は ……

そして注文を終えると、映画館のカップル用プレミアムシート(そんな切符とったことないけど)、或いはディズニーランドのホーンテッドマンションの乗り物のような、背もたれが頭上までをもカヴァする(お客方向への油跳ね防止形)カッパーの天ぷら鍋に向かっておもむろに“仕事”をはじめる職人さん

“天丼” @1,600也。
(店頭の看板を見て、お会計時まで \1,300だと思っていた脳天気野郎ここにあり。今日が日曜日だということを計算に入れていませんでした)

あらためて品書きを見返すと、海老 *1尾、魚 *1尾とイカのかき揚げとなっているのがレギュラーの天丼、\1,600。
私の目の前に舞い降りたものと同内要だったので、ああ、三百円お得なんだな、と思った(看板にランチの天丼は @1,300と見えたような気がしていたからである)。

丼より前に、良く見る大根の爪楊枝よりちょっと太めの千切りのお新香(だからちゃんと言ってくださいよね、あなた)と、透き通ったお吸い物が供される。お吸い物が随分としっかり味で、ああ、こういう時代に流されない店って良いな、と心底思った

何でもない、はっとさせるような迫力も備えていなく、また奇を衒ったタネでデコレイトされているわけでもない丼。

―― そういえばこないだ、卵の天ぷらが載った天丼食ったけど、卵って天丼に合うのかな ……。お酒飲んでっときにはいいかも知んないけど、なんだかなあ ……

そういった意味では、鯵だかの白身魚と海老と、そしてイカのかき揚げという、すべてが白いご飯と協調するメンバーの少数精鋭。またそのご飯の、これは釜炊きか分かんないけど、適度に粘って、且つ密度の高いところとふっくらとしたところ、その具合良くグラデーション掛かった絶妙な仕上がり。そしてたれの甘辛さがそれらを尋常じゃなく引き立ててこの上なき至福 ……

―― ああ、久しぶりに食ったな、「てんや」より美味い天丼。これで外でたら富士山の五合目くらいに気温下がってくれてたら、もう何も言うことないんだけど ……

  • 天ぷら処 天春 - “天丼”

    “天丼”

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Jackie_m

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店舗基本情報

店名
掲載保留 天ぷら処 天春

このお店は休業期間が未確定、移転・閉店の事実確認が出来ないなど、店舗の運営状況の確認が出来ておらず、掲載保留しております。店舗の掲載情報に関して

ジャンル 天ぷら
住所

東京都新宿区新宿3-11-6 エクレ新宿ビル B1F

交通手段

丸の内線 新宿三丁目駅下車
徒歩2分

新宿三丁目駅から215m

営業時間
  • ■営業時間
    [火~日]
    11:45~14:30(LO 14:00)
    16:00~21:00(LO 20:30)


    ■定休日
    月曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
¥6,000~¥7,999 ¥1,000~¥1,999

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支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

個室

(8人可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり

メニュー

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ホームページ

http://www.yama.ne.jp/suehiro/shop/tenharu/index.html

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