6回
2020/01 訪問
季節を彩るしのはらの料理
2020年1月の夜です.
今夜は半年ぶりの訪問となったしのはらさんです.
前回は7月で天然鰻など夏の風味を堪能しましたが今回は冬. 1月という季節に来たのは初めてなので楽しみです.
地下のお店は11席. 昨今のお店からすると席数は多いほうだと思いますが、若いスタッフが多く活気あるのと席の端から端まで気を配る大将の心遣いゆえ、どこに座っても楽しく過ごせます. 席の間隔も程よい.
この日のコースは以下のとおり.
◇香煎茶
◇亀甲芋と小豆の白味噌椀
◇柚子釜 水前寺海苔 子持ち昆布 車海老 鮑 芽甘草
◇お椀 うずらミンチ 焼麩
◇お造り 鮃 玄海 鮪 大間
◇唐墨餅
◇鮪べったら漬け手巻
◇八寸 鴨ロース 雲子 蓮根酢漬け 蛸 堀川牛蒡 金柑...
◇フォアグラ最中 あんぽ柿
◇虎河豚白子焼(追加)
◇鼈焼 下仁田ネギ
◇松葉蟹ご飯
◇半田煮麺 伊勢海老出汁
◇紅白きんとん
◇抹茶
亀甲芋の白味噌仕立ては大寒を迎えたこの季節にふさわしく体が温まる優しい味.
お椀はうずらを骨ごとミンチにしているのでコリッとした歯ごたえとともに噛みしめると旨味が滲み出てきます. この季節だけという唐墨餅は初めて食べましたが絶妙な塩気と餅のじんわりとした甘さのバランスが素晴らしい. このお餅を思いついた人は素晴らしい.
八寸はいつものように彩り鮮やかで見ても食べても楽しめるものでした. ご飯は松葉蟹が一匹丸ごとのった見事な見栄え. あっという間に解体されて身がほぐされていきます. これはもっと蟹の味が染み込んでいて欲しかった.
半年ぶりですがやはり季節を見た目にも盛り込んだ料理はここならでは. そうそう予約が取れるお店ではないですがまた来たいお店です.
ごちそうさまでした.
2020/02/20 更新
2019/06 訪問
夏越の祓のしのはら
2019年6月の夜です。
約半年ぶりのしのはらさん。銀座にあって味はもちろん食いしん坊のお腹を満たす量、さらに堅苦しさのない程よい接客と雰囲気が良く半年に1回くらい伺っています。
最近某予約サイトで予約が始まりました。元々半年先の予約まで取っているお店ですが、1人であればそんなに先でなくともポロっと空席があるようです。
さて今回は1回転目の席。この季節の5時といえば外はまだかなりの明るさ。この時間帯から美味しい食事が味わえるのは幸せ以外の何物でもありません。
半年もするとお店にも変化を感じることができます。スタッフに女性が入られたのもそうですし、韓国から勉強に来られている方もお2人いました。
さて満席の中でこの日のコースが始まりました。
頂いたものは以下の通りです。
◇香仙茶
◇胡麻豆腐 氷室仕立て 岩茸
◇賀茂茄子と白木耳のお椀
◇お造り(鮪 長崎の伊勢海老 竹岡の鮃 泥障烏賊)
◇八寸 鼈焼き 鯛笹巻き鮨 じゅん菜 ばちこ フルーツトマト 水牛チーズ 蛸 うるい
蓮根 そら豆真薯 トウモロコシの揚げ物 鰹漬け
◇フォアグラマンゴー最中
◇鮪べったら巻
◇天然鮎塩焼き 郡上八幡
◇冬瓜の炊きもの 玉味噌で
◇天然鰻蒲焼 球磨川(オプション追加)
◇鱧 蛤 新玉葱の鍋
◇新生姜ご飯
◇もずく雑炊
◇金団 紫陽花をあしらって
◇抹茶
季節の行事を盛り付けに反映させるのはいつもt変わらず。今回は夏越の祓の茅の輪くぐりから茅の輪が八寸の皿に載って登場。和食で食材や調理以外で季節を意識させるプレゼンテーションはさすがだなといつも思います。
料理面で言えば八寸の美味しさや彩の良さはいつも通りですし、鮎の焼き物や冬瓜の炊いたものも美味しかったですが、今回は各料理の満足度になんとなくばらつきがあった印象。今回は偶然でしょうか。12席を毎日2回転させるのはかなり大変だと思いますが踏みとどまっていただきたいです。
また各自のお腹具合に合わせてオプションで鰻、牛肉を追加できたのですが、追加の有無を聞かれるのがコースが始まる前。準備の都合があるのはわかるのですが、お腹具合もまだ予想できないしコースのどの辺りに出てくるのかもよく分からない状態で聞かれてもという気がします。そうは言っても結局食べてしまうんですけど。
そうは言ってもまた季節を変えて来たいなと思わせるところがこのお店のいいところです。
ごちそうさまでした。
2019/07/12 更新
2018/11 訪問
季節の食材を多彩な技で魅せる
2018年11月の夜です。
今夜は銀座に来ました「銀座しのはら」の席が運良く確保でき、晩秋の味を味わいに来ました。
17時からの1回転目のお席についてコースが始まりました。
前回・前々回は夏のお席でしたので食材もメニューも全く違ったしのはらを楽しみました。
旬の食材をふんだんに使い、時には豪快に時には繊細な調理で素材の魅力を引き出す料理は、「何料理っていうんですか?」の問いに「当てはまるものはあまりないんじゃないですかね」と答えが返ってくるほどしのはら流を貫いています。
変わらずカウンター内で若手と掛け合いを見せたり、カウンターの端から端までの12席のお客さんにくまなく声をかけてくれたりと楽しい空間を作り出しています。一人で行っても気を使わずに楽しめるのは嬉しい限りです。
この日いただいたのは以下の通りです。
◇香煎茶
◇蕪を炊いたもの 大徳寺納豆
◇穴子の藁苞蒸し 明石の伝助穴子
◇お造り(鰆(玄界灘) 鮪(三厩) 鯛 ハリイカ(明石))
◇蒸し鮑
◇お椀(紅ズワイ蟹真薯 松茸 汲み上げ湯葉)
◇八寸(菊の花ととんぶりの酢の物 枝豆紹興酒漬け トマトの浅漬け 鯖寿司 鱈の子 毛蟹など)
◇海老芋揚げ
◇フォアグラ最中 あんぽ柿
◇鮪とべったら漬け手巻き寿司
◇焼き鼈 骨つき
◇イチジク胡麻味噌焼き
◇鴨鍋(合鴨 うずら 鴨餡 春菊 7種のきのこ)
◇子持ち鮎唐揚
◇土鍋ご飯 上海蟹にフカヒレ餡かけ
◇葛焼き 百合根
充実の内容でしたが盛りだくさんすぎて最後は少し食べ疲れしてしまったのは私の鍛錬が足りないせいでしょうか。
それでも季節を変えてまた来たいと思います。
ごちそうさまでした。
2018/11/16 更新
2018/07 訪問
季節行事も感じさせる料理
2018年7月の夜です。
銀座しのはらさんに1年ぶりの訪問です。
まだ暑い夕方、伊東屋の裏手のビルを地下1階におります。
この日は夕方5時からの早い回でお邪魔しました。当然のことながら満席でのスタートです。
ここの料理は盛り付けや内容が季節行事を想像させてくれるところがいいですね。
◇先付(自家製胡麻豆腐、浜防風、岩茸)
「迎え盆」を過ぎたところですので肉魚を排した精進料理。
これもまた美味。
◇蒸し鮑
塩や酒を一切使わずじっくりと蒸しあげていますが鮑の旨味が凝縮されたシンプルながら素晴らしい味。
◇お椀(毛蟹の真薯、冬瓜あぶら煮、ささげ)
◇向付(鮪、伊勢海老)
◇八寸(天然蓴菜にトマトの酢の物、茗荷とアコウの小袖寿司、玉子真薯、山桃のワイン漬け、鴨のロースト、佐島の蛸の柔らか煮、とうもろこしと枝豆のかき揚げ、オクラ、道後椎茸、生ばちこ)
お盆ですので蓮の葉が敷かれています。丁寧に味付けされたどの品もお酒を進めるいい料理
◇フォアグラマンゴー最中
八寸の最中に手渡しされる最中。フォアグラの脂とマンゴーの甘味のフュージョン。
◇鮪、烏賊、べったら漬けの手巻き
◇天然鮎食べ比べ(四万十川と天竜川)
2匹の鮎、人数分串に刺したものを見せてもらいましたがスイカの香りがほのかに漂ってきました。
これが噂に聞く香りなのかと簡単。まさに香魚ですね。
小さめの天竜川産と大振りの四万十川産、味も食感も微妙に違うのがよくわかりました。
◇スッポン唐揚げ
唐揚げにしてもスッポンのゼラチン質は健在。ぷるんとして美味しい。
◇鱧と蛤、原木キクラゲの鍋
鱧、蛤のエキスが染み出したスープは最高
◇牛ヒレ炭火焼
炊き込み御飯のおかずとしてミディアムレアのお肉を頬張ります。
◇新生姜炊き込み御飯
◇煮麺
いろいろな出汁が出たスープで煮込んだ煮麺。スープだけでなく麺もコシが強く最後の1本、最後の1滴まで飲み干しました。
◇長芋羹
1年ぶりの訪問となりましたが前回同様味も量も大満足の1日でした。
次回は違った季節に訪問したいと思います。
ごちそうさまでした。
2018/07/27 更新
2017/08 訪問
ライブ感満載で楽しい時間を過ごせます
2017年8月の夜です。
もう私が述べるまでもない超有名店かつ超人気店です。
昨年銀座にオープンしてから瞬く間に予約が取れない人気店となりました。滋賀時代からその人気は確立されていたようなので当然のことかもしれません。
私も一度はお伺いしたいと思い予約を取ってから待つこと数ヶ月、ようやくその日がやってきて友人とともに楽しんできました。
場所は銀座の中央通りから1本東に入った通り、文具の伊東屋の隣のおしゃれビルの地下1階です。
ちょっと静かな通りに面した場所にありますが、入居するビルからして高級な雰囲気が漂います。
さてこの日は5時の1巡目。エレベーターで地下に降りるとすでに戸の前には開店を待つ数名の先客がいらっしゃいます。
5時きっかりになってお店の戸が開いて中に入ると奥に長く横が短いL字型カウンターがあり、我々は真ん中ほどに通されました。左前方には炭火焼用の囲炉裏があり炭がパチパチと音を立てています。
素敵な3時間を過ごしましたが、カウンターならではのライブ感を最大限利用し、ご主人の快活な篠原氏はもちろんのことスタッフ全員が客席とのコミュニケーションを大事にしていることが楽しい時間を過ごせた大きな要因でしょう。
香煎茶が振る舞われた後に若いスタッフの方がこの日提供される生きた鮎を入れた器を持って回って見せていきます。器の中で大きく跳ねようとする鮎を見て、この後食べる鮎の味に期待を高めたりカウンター越しに中を見せながら渡されるフォアグラマンゴー最中も楽しい演出でした。
料理ももちろん素晴らしいものでした。
旬の食材が惜しげもなく使われていますが、産地ごとの違いを楽しむ鮎の食べ比べや鼈の出汁によるリゾットはもっと食べたいと思う一品でしたし、あんかけご飯、雑炊と趣向を変えて楽しめる鮎ご飯には驚きです。
また他のレニュアーの方も言及されていますが八寸の楽しげな盛り付けや、先付が入る釣瓶水指といった演出もお見事。
まだ開店して1年、まだまだやりたいことが一杯あるとおっしゃるご主人の言葉から、これからも目が離せないお店だということを実感してお店を後にしました。
この日頂いたコースは以下の通りです。
◇食前:香煎茶
◇先付:鮑・雲丹・鼈のコンソメジュレ掛け
◇お椀:あこう鯛と冬瓜のお椀
◇造り:石垣貝・鱧(鱧子のせ)・真子鰈・鮪のお造り
◇凌ぎ:鮑と鼈スープのリゾット
◇八寸:鼈唐揚げ、とうもろこしのかき揚げ、猪肉、毛蟹とイチジク、出し巻き卵、車海老、煮タコ、庄内腑チーズ博多、鬼灯
◇口取:フォアグラマンゴー最中
◇焼物:天然鮎食べ比べ(琵琶湖と奥長良)
◇進肴:賀茂茄子、合鴨、オマールブルー
◇炊合:鱧と松茸の飛饅頭
◇御飯:鮎ご飯と鰻の唐揚げ(二膳目はフカヒレと鼈出汁のあんかけ御飯、三膳目は雑炊で)
◇甘味:むぎこがし
ごちそうさまでした。
2017/08/16 更新
2020年8月の夜です.
半年ぶりのしのはらさん. 予約は持っていませんでしたが、偶然スマホに飛び込んできたomakaseのキャンセル情報に反応できたおかげで席をゲットできました.
地下のお店に入ると今年の初めと比べて少しスタッフさんが入れ替わったのかなという印象. でも大将以下お馴染みの方も揃っていました.
8月に入って夜の2回転目の営業を取りやめてお昼の営業を始めたそうでこちらもomakaseでメールが出ていますね. 社会情勢が大きく変わる中でお店も対応が大変です.
この日頂いたコースは以下の通りです.
◇香煎茶
◇蓮根餅と雲丹
シャリっとした食感の蓮根餅. 繋ぎは使っていないみたいです. 蓮根に酢橘醤油がぴったり.
◇お椀 鮑と冬瓜 生姜を利かせた出汁
椀種は旬の鮑と冬瓜. そしてこの暑さに生姜を利かせた出汁が清々しい美味しさ.
◇鯒のあらい 伊勢海老の湯引き
お造りは鯒と伊勢海老. 鯒はやっぱり甘さが上品.
◇鮪太巻き
お凌ぎで鮪太巻き. 鮨屋さんみたいですが贅沢.
◇鮎塩焼き 長良川
この日の焼き物は岐阜長良川の鮎でした. 頭から丸ごとかぶりついてバリバリするのは最高. 個人的にはもう少しカリカリでも好み.
◇冷やし鉢 賀茂茄子油煮 石川小芋 オクラ
油を含んだ茄子は冷やしても旨い. 小芋と合わせて美味しい炊き合わせでした. 地味でもしっかり美味しい料理を出してくれます.
◇穴子
八寸の準備の合間に穴子.
◇八寸 鱧梅肉 穴子棒寿司 万願寺唐辛子にバチコ 鴨ロース 茗荷 枝豆紹興酒 蛸 丸十 卵焼き 無花果胡麻味噌焼
このお店で季節を感じるのはやはりこの八寸. もうすぐお盆と言うことで花まで出てきました. どれもお酒が進む味ですが穴子棒寿司と無花果胡麻味噌焼きが特に美味しかった.
◇スッポン
お馴染みスッポン漬け焼き. 手掴みで骨周囲までかじりつくのが楽しみ.
◇鱧しゃぶ 松茸
メインは鱧しゃぶになんと松茸と贅沢な組み合わせです. つるんとした鱧はもちろん、はしりでも松茸はやはり松茸でした.
◇鮎ご飯 琵琶湖
今度は琵琶湖の鮎をまぶしたご飯. ふっくらした鮎の身肉と香りが土鍋から立ち上るのがたまらないですね.
◇鱧松茸雑炊
ご飯もの第2弾は鱧と松茸の雑炊. カリッと焼いた鱧の旨味と松茸の香り. 思わずおかわりしました.
◇葛餅
◇抹茶
いつもの通り素材だけでなく盛り付けでも季節感を大事にするしのはらさんらしい料理でした. 暑い時期でしたがちょっと涼を感じた2時間半でした. 好きな炭水化物が最後に2品出るのも楽しいのですが、だいぶお腹が膨れましたね.
ごちそうさまでした.