2回
2020/03 訪問
難波大将の描く、“ストーリーのある鮨”とは?
お昼ごはん
※3月半ばに訪問、時間差投稿失礼します。
☆食べログゴールド2019
■おまかせ ¥33,000(税込)
最寄駅:日比谷駅
ネタとシャリの温度に徹底的にこだわり、“ストーリーのある鮨”をコンセプトとする、難波英史大将の言わずと知れたスーパー人気店。
予約サイト「OMAKASE」で、死に物狂いでプレミアチケットをGETし、いざ平日の12時にミッドタウン日比谷に訪問。平日の真昼間に『鮨なんば』へ行けるなんて、、なぞの背徳感と高揚感が押し寄せる。
12時にお店が開き、さっそく難波大将がカウンター越しにお出迎え。いや、オーラハンパない笑。一見圧がすごそうだが、そんな心配は杞憂に終わる。嫌いなものや苦手な食材はもちろんのこと、わからないことがあればなんでも質問してくださいと温かいお言葉。もちろん写真もOKだ。まずはつみまから、さっそくスタート。
【つまみ】
・佐島のタコ
湯引きした佐島産のタコからスタート。味付けは塩のみ。いたってシンプルな料理だが、タコの柔らかさ、旨味が凝縮。湯引きタコってこんなに美味かったっけ笑?
・ボタン海老
味噌と殻のペーストが添えられたボタン海老。
・子持ちのヤリイカ
ねっとりした食感に甘いタレ。
・ホッキ貝のスープ
リゾットのような一品。ミルクが入っており、酢飯でとろみがつけられている。
・あん肝
あん肝の中でも、使用されているのは芯の部分だけ。まわりの部分は切り取られ、雑味は皆無。甘めのつゆとも合い、めちゃくちゃ美味い。今まで食べてきたあん肝は、どうやらあん肝じゃなかったみたいだ笑。
・キンキの煮付け
お出汁は白醤油とみりんで。キンキの脂がぎゅっと詰まっている。
・あん肝レバーパテ
先述のあん肝をパテ状に。
・穴子
穴子を甘露煮で。
・碗もの
おつまみで十二分に胃を刺激し、いよいよ握りのスタート。本日の握りのお品書きが配られる。大将からの口上説明。それぞれに、ネタとシャリの温度が記された徹底ぶり。「必ずしもこの温度ではないこともあるが、この温度を常に目指している」と、なんて粋な心構え。もう感動モードだ。言葉通り、シャリは都度炊かれており、シャリの温度に対する徹底ぶりが窺える。
以降ネタに記載する温度は、左がシャリの温度であり、右がタネの温度だ。
【握り】
・白烏賊 36℃/19℃
細かく隠し包丁の入った白烏賊はねっとりとした食感で舌に絡まる絡まる。
・鳥貝 36℃/16℃
兵庫産の鳥貝。
・真子鰈 36℃/20℃
さっぱりした白身。
・鰆 37℃/21℃
これは大将曰く“男寿司”だそう。確かにシャリがどっしりと多めで、食べ応えがある。
・鰹 37℃/22℃
美しいピンクが印象的。
・北寄貝 36℃/15℃
北海道産。脂が乗っていて美味いなー。
・かすご 38℃/21℃
あえて握りを甘めに。口の中に入れた途端、ぶわーっとシャリがほぐれ、引き締まったネタとのコントラストが味わえる。
・鯖 37℃/20℃
三重県産。絶妙な締め具合で雑味やエグみは皆無。新鮮だ。
・アラ 37℃/20℃
こちらは8日間の熟成寿司。
・雲丹 36℃/20℃
青森県産の紫雲丹。海苔に巻かず、ぷりっと大ぶりでいただく。
・マグロ 38℃/22℃
ついに真打ち登場。仲卸『やま幸』の本日のマグロはなんと、ニュージーランド産! こういう固定概念ぶち壊してくる感じたまらん。ニュージーランドのマグロって。繊細で、普通にめちゃくちゃ美味い。
・トロ 40℃/24℃
40℃が示す通り、炊きあがりのシャリでいただく。酸味がまだ残り、トロの甘みとのバランスで
・コハダ 37℃/20℃
ここで締めたコハダでお口直し。上はえびのおぼろ。
・炙りトロ
もう一度大トロ。今度はさっと炙りで。大量のわさびを添えて。トロの甘み、脂で絶妙なバランスに。
・ハマグリ 36℃/20℃
約65度でじっくり低温調理したハマグリ。
・虎河豚の白子
焼き上げた白子をその場でほぐし、酢飯と混ぜあわせていく。クリーミーで濃厚な白子リゾットだ。
・のどぐろの手巻き
炙ったのどぐろは、さっと手巻きで。
・玉
以上、締めて¥33,000。果たして“ストーリーのある鮨”か否か。答えはもちろん、YESだろう。食材・構成・調理法・温度管理、そこにはすべて大将の“意図”がある。その意図が文脈となり、ストーリーと描かれていく。そのストーリーに我々は感動する。これだけの感動を与えてくれるのであれば、死に物狂いでチケットを手に入れるのも報われるというものだ笑。
2020/05/24 更新
お疲れ様です! アダログです。
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■昼おまかせ¥34000(税込)
「一流のオーラがない」。
かつて、クチコミサイトの心ないひと言に、難波大将は落ち込んだ、そんなエピソードが先日放送の『情熱大陸』では紹介されていた。いやいや。いまや難波大将も、大将が握る鮨も、言わずもがな「一流のオーラ」でしかない。
入店すると、お出迎えしてくれる難波大将のオーラに、相変わらず圧倒される笑。とはいえ、実はとても気さくで柔らかい難波大将。今回はありがたいことに、なんと『情熱大陸』放送日前日というタイムリーなタイミング(!?)。密着の裏側を明かしてくれるなど、とても楽しい時間となった。ただ、客層は港区然とした面々が多く、よくなかったな〜笑。
放送でクローズアップされていた北寄貝もお見事。私が改まって言うことでもないが、今回のつまみも握りも最高であった。シャリは、コシヒカリ7・ササニシキ3の配分に変えたという。長野のコシヒカリを新たに取り入れたと。日本のトップとも言える鮨屋が、まだまだシャリについて研究、検証を続ける。その飽くなき探究心に頭が下がります。
①イクラ
今回は、イクラの手巻きからスタート。
②煮タコ
三陸産の煮タコ。タコの常識を覆す、しっとりとした柔らかな食感が心地いい。
③穴子の白焼き
対馬産の穴子の白焼き。
④ボタンエビ
こちらも定番のひと品。相変わらず激旨。
⑤キンキの煮付け
⑥あん肝
くさみも雑味もない、もはやスイーツのようなあん肝。相変わらず恐ろしいほどに旨く、なんばのあん肝に今回も感動。
⑦鰯の太巻き
鰯とガリとみょうがと大葉の巻物。
⑧椀物
※ここから握りがスタート
1.白烏賊
2.平目
横須賀産。厚めに切って
3.小柱
なんばの小柱は、食感を楽しむために小柱を細かくカットされているのが特徴。
4.細魚
淡路産のサヨリ。なんと美しい見た目。
5.カツオ
壱岐産
6.車海老
二尾ずつしかボイルしない徹底した調理法。
7.春子
8.北寄貝
北寄貝を干して、旨味を抽出。そのお出汁に再度漬け込んで
9.しまあじ
10.鯖
鯖に関しては、あえて2日冷凍。そうすることで、旨味を閉じ込めるのだという。臭みなどない、本当にクリアな味わい。
11.赤身
漬け。この日のマグロは大間産。当たり前に旨い。
12.トロ
ネタはもちろんのこと、トロの脂とのバランスを考えた、温かなシャリが印象的。
13.コハダ
14.カマトロ
普通の鮨店ではネタとして扱われることのないカマトロ。当店は、薄く切ったカマトロを58度〜62度で火入れ。火入れされているとは到底思えぬ味と口当たり。
15.煮蛤
旨味と甘味、シャリの塩味とバランスごいい
16.雲丹
北海道昆布森産の雲丹。馬糞雲丹に比べ味が薄いということで、こんもりと盛る。これでようやく雲丹の甘みが伝わるのだという。
17.穴子
18.玉
締めて、ひとり¥34,000。決して安価ではないが、鮨なんばの仕込みや料理を考えれば、ケチな私でさえ笑、もはや安いのではと思える。次の予約は6月。数少ない、予約枠を手放したくないお店のひとつ。翌日の情熱大陸の放送を観て、すぐに行きたくなったのは言うまでもない。