物静かな魚屋さんで、ごく上品に魚介定食をいただく。地元人向けの隠れ家的存在。 : 飛鳥

［静岡県沼津市］［来訪回数：4回］
2022/2/9（木）
JR沼津駅南口にある、魚屋 兼 海鮮料理店。

場所は… 南口からロータリーを右奥へ出て、イーラde前の横断歩道を渡る。
正面に仲見世商店街、その左手にラーメン屋、さらに左側にあるのが「魚屋飛鳥」。
駅から徒歩3分。駐車場なし。火曜定休。

名前通り、魚屋としても営業しているので、
店頭に並ぶ魚を "ご指名" して、調理をお願いすることも可能。

客席は2人掛けテーブル×5卓。
全席禁煙。BGMは洋楽。

広くはない空間に、等間隔にテーブルが並ぶシンプルな店内。
先行レビューにある通り、ホールのお姉さんは本当に物静かな感じで、"魚屋" 的な威勢のよさとは無縁（笑）
日によっては、私以外の4卓をおじいちゃん・おばあちゃん（いずれも一人客）が独占。
ご高齢の常連さんに愛される店のようだ。

お品書きの一部を紹介すると…
〔海鮮丼〕海鮮丼、アジ丼、鉄火丼、うな丼
〔刺身〕　刺身定食、日替わり刺身定食（金目鯛・地アジ・イワシ・カワハギ・カンパチ etc.）
〔塩焼等〕イワシ塩焼定食、地魚塩焼定食、日替わり焼魚定食、飛鳥定食
〔煮魚〕　金目鯛煮付け定食、日替わり煮付け定食

刺身・焼魚・煮魚はあるが、揚げ物は扱わないようだ。
夕方17時までの営業だが、ビール・ハイボール・日本酒・焼酎など
お酒も一通り揃っており、昼飲みも可能な仕様になっている（飲んでいる人を見たことはないが…）

そういえば、閉店時まで定食が食べられるので、遅いお昼には使い勝手が良さそう。
提供には、結構時間が掛かる場合あり。

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■飛鳥定食（￥1400）※税込10％
魚貝のホイル蒸しに加え、塩焼・刺身三点盛が付く豪華なセット。
小鉢・味噌汁・漬物つき。蒸し物なので、提供には15分近くかかる。

まずは冷めないうちに、ホイル蒸しから。
サイズは小さめだが、ホイル蒸しなんて普段食べない料理なので期待が高まる。
太刀魚・イカ・あさりを、しんなりしたキャベツ・えのきと一緒に味わう趣向。
バターなど油分は使われておらず、うす塩だけでさっぱり仕上げてある。
和風アクアパッツァといったら、言い過ぎだろうか。

イワシの塩焼き、こちらも大きなサイズではないが、ちょうど良い塩加減でごはんが進む。
刺身はマグロ赤身・ハタ・太刀魚の三種盛り。
小さくて薄めのカット。漁港的な豪快さはないが、良くいえば上品。
小鉢は、がんもどき・大根・人参の煮物。味の染みた がんもどきは、白飯の相棒として申し分なし。

全体的に上品なボリュームだが、蒸物・焼物・刺身と3種類の調理で魚を味わう趣向には、
他の店にないオリジナリティが感じられる。

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■赤羽太煮付け定食（￥1200）
「あかばね」かと思って注文したら「アカハタ」とのこと。
東京の地名ではないようだ…　ちょっと読みにくいお品書きも、チャームポイント。

アカハタは小振り、薄味で上品に仕上げてある。
小骨の多い魚だが、注意深く取り除き、繊細な白身を味わう。
小鉢の切干大根、カブのぬか漬、味噌汁でごはんをかき込む。
酸味強めの味噌汁が独特で、慣れるとクセになるかも？

こじんまりとしたボリューム、かつ上品な味で、お年寄りの常連客が多いのも頷ける。
それは良いと思うが、値段がちょっと高めに感じてしまうかな…

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■鉄火丼（￥2000）
メニューの中ではダントツの最高値、興味を持って注文。小鉢2品・味噌汁・漬物つき。
漁港によくある豪快な丼とは対照的に、こじんまりと上品な器。
その上に、マグロ赤身14切れがぎっしりと並び、ごはんが見えないほど。
赤身はむっちりとした肉質で、旨味が感じられる。酢飯ではなく、普通のごはん。

ひたすら赤身が続くので、箸休めとしての小鉢が重要になる。
しらたきの明太子和えは、甘辛くて上品な味わい。小品ながら、これは非常に美味。
菜の花のお浸しは、やや醤油が強いが、季節感があって良いと思う。

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■アジ丼（￥1100）
ボリューム感は鉄火丼と同様。こちらも酢飯ではなく、白いごはん。
アジはやや薄めにカットされているが、枚数の多さでカバーしている。
魚屋っぽい豪快さは皆無だが、年配の方でも食べやすい仕様と言えそうだ。
小鉢は、ほうれん草のお浸し。菜っ葉の甘みを感じさせて、なかなか上質。
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お会計は現金のみ。
物静かなホールのお姉さんは、一見客に対して、もうちょっと愛想があると良いなぁ…

ちなみに地元BAR店主によると、常連さんから頼まれたときに作る
予約制の「昆布巻」が絶品とのこと。いつか機会があれば試してみたい。