完璧と言われれば完璧なんですが値段が : 支那そば かつみ

なかなか評価は高めながら、入るのを躊躇っちゃうお店ってあるもんです。

同店『かつみ』さんはそんなとこで、まず着くなり、横の専用駐車場に一台もいなかったし、まあ、それはそれで駐めやすかったから良かったものの、たいへん失礼ながら外観はくたびれた喫茶店のようで、なんとなく二の足を踏んじゃう要素だらけだったんです。

しかも屋号が『かつみ』って、個人的な印象に過ぎないんでしょうが、こういう『〜み』みたいな下手したら女性に間違えられそうな名前の男性って、やたら強面が多くないですか？

女性っぽく見られたくないから故意と虚勢を張ってるのかもしれませんが、異様に男らしい、ならまだしも、そのベクトルが反社っぽくなる人、かなり出会ったことあります。

その昔、事前に気遣って喋れない性格の同級生のＳ君が、強面で喧嘩っ早いことで名の知れてた◯◯あけみ先輩に

「あけみって、なんかスナックの名前みたいっすね？」

と口走り、ボテくり回されたの、よく憶えてます。

ですから、さすがに強面云々でビビりはしなくなったものの、かつみという名の妙なこだわりを持った大将だったら面倒くさいなあと躊躇ったわけで、しかも先客ゼロなのも居心地がという不安があったんです。

とはいえ、扉を開けるなりビックリ！

どこから湧いて出たのか先客で一杯、空き２席のみでギリ座れたほどです。

11時開店、平日の11時半でそんな入りですから、まあまあ人気店でしょう。

といって、Ｌ字型カウンターのみ全部で10席弱ですから、まあ、それでまた気後れすることなきよう。

他のレビュアーさんの投稿を読むに、先の専用Ｐは駐めにくく、近くに大型モールがある関係上、どうやら買い物がてら寄ってるような感じでしょう。

なるほどワタシは誰もいなかったからＰ内で切り返しできたけど、やや昭和っぽい狭さ、しかも僅かに変形してるんで、一台でも駐まってたら気を遣うかもしれません。

且つ、お店は『くにびき通り』という片側２車線の広い道路沿いにあるものの、確か駅側から右折進入は出来ず、先の信号をＵターンしなきゃならなかったはずなんで、お気をつけ下さい。

ご主人の名前が『かつみ』云々か定かではありませんが、それほど強面でも頑固そうにも見えませんでしたから、その点もご安心ください。

逆に、写真のように消費税増税に伴う値上げのお詫び記載してるところに、真摯さを感じざるを得ません。

『エビ ワンタン麺 ３ヶ入 白 960円』

デフォっぽい同メニューをオーダー、待たれてる先客の半分近くが未だ提供されてなかったんで多少なりとも不安になりましたが、10分近くで供され、まずはスープを一口。

〝ううっ、美味い〟

塩ラーメンというか、薄口醤油仕立てなのか、なんとも淡麗な味わい、違うのかもしれませんけど、清湯スープに近いと思います。

おかしな話、バカ舌だからでしょう、わずかに煮干しかカツオか魚介っぽささえ感じられました。

絶妙な点滴と言えるほどの塩加減で、しっかりした旨味があるスープです。

ほぼストレート麺ながら、ほんの少し自然なちぢれがある中細で、喉ごしも悪くなく、チャーシューも薄めながらしっかり底味がある見事な仕上がり。

メンマも太めでジャキっとした歯応えで、逆に白髪ネギはシャキっと軽く、そうした変化も愉しい。

看板なんでしょうワンタンは、表面はトゥルツュル、中身の海老もびっちり入ってて、これで満足できなかったらどうかしてるかもしれません。

しかも中身の海老じたい結構な品だと思われ、ジワっと旨味が広がります。

ここまでの完成度を保つとは、非常に失礼ながら山陰の片田舎にしては信じられないぐらいでしたが、それもそのはず、同店のご主人、東京の『八雲』という名店の出身だそうで、池尻大橋にあるらしく、以前ワタシはすぐ傍に住んでたものの全く存じませんでしたが、『たんたん亭』の流れを組むそうで、そこは浜田山のワンタンが有名で店名だけ耳にしたことがあったから、なんとなく納得できました。

それだけ完璧と言われれば完璧なんですが、前述したご主人がお詫びされてるように、いかんせん値段が高いのが最大のネックで、たぶん良い素材を使ってるんでしょうけど、ラーメン一杯1000円近くは、あまりにも高すぎると思います。

生来セコい性格なんで、独り細かいんでしょうが、最低限、まあ、学生さんも食べられる値段設定にしてほしいと思うのはワタシだけでしょうか？


● 個人的 食べログ 評価点・・・4.1