名家跡で味わう二八蕎麦は富豪の気分 : 手打ちそば 二八

　皆さん、突然ですがブラックモンブランはご存知でしょうか？そう、アレは佐賀が誇る老舗、佐賀県小城市に本社を持つ竹下製菓株式会社の大ヒット商品なのでありますよ。その竹下一族はその昔大地主でありまして、佐賀市内に居を構えておいででした…。

　さて、今回お邪魔したのは４月のとある日曜日。県庁前を東西にツーツラツー（スイスイ進むの意）と貫通するという、通称貫通道路を通って森林公園まで歩いてみようと思い立ち、のどかな風を感じながらお散歩していました。何気に左前方に何やら見慣れぬ「二八蕎麦」の文字。

　こんなところにお蕎麦屋さんがいつの間に出来たんでしょう？食べログやってなかったら絶対気にも留めなかったでしょうね。前述の大富豪竹下邸跡地の辺りであります。どう見ても民家なのでありますが、丁度お昼時だったこともあり覗いてみることに。

　裏側から入ってしまった形になったのですが、表に出ると門構えからして何やら昔の趣のある佇まい。あれ？佐賀市都市景観賞を受賞し、都市景観重要建築物等とプレートが打ってありますね。こ、こんなの見た日には当然入店するべしでありましょう！

　店内は旧邸宅を改造したレトロ感満載で感涙ものの佇まいであります！非常に落ち着いた雰囲気ですし、これは食べロガー必殺の撮影タ～イムっ！？…先客が数組いらっしゃいますし、歓談の最中でありますので超お邪魔虫であります。泣く泣く撮影は断念。
　
　お座敷に通して頂き、温かいお茶を啜りながらメニューを眺めます。今回戴いたのは、二八膳1360円であります。ちなみに、以前は630円で提供されていたらしい温そばは、おかめそば、とろろそば、地鶏そばは940円。冷そばとして、ざるそば730円、大盛りは940円、おろし、とろろ、ざるそばごはん漬物付きは940円と、約100円程度…だいぶお高くなっていますね。

○二八膳（1360円也）

≡　めかぶ　≡
　きっちりしっかりと刻まれた海藻は、トロリンとした独特の艶やかさに加え、この佇まいとともに一昔前の我が家を回想させるに十分な一品。酢醤油に柚子が添えられており、目を瞑ると仄かな柚子の香りがまたいとをかし。

≡　ハリハリ漬け　≡
　しっとりとした切り干し大根と思いきや、難くかみ応えがあり、甘さが絶妙であります。言わずと知れた切り干し大根。結構な量があり、これだけでご飯が何杯も進みそうな感じです。　

≡　川島豆腐さんのざる豆腐　≡
　川島豆腐と言えば、佐賀県唐津市にある有名なお豆腐屋さん。濃厚なコクに大豆本来の薫りが十二分に堪能できるお豆腐であります。唐津時代は川島豆腐しか食べなかったまきまきでありますが、やっぱり美味しい。少量だっのが残念…。まぁ、しかし、一膳の量としては適量でありますね。

≡　銀だらの西京漬け　≡
　お味噌に漬けられたお魚さんは、その身を柔らかく解されながらもまろやかなお味噌の風味を引き立て合うという松浦漬けの技法であります。ちなみに、佐賀県の松浦漬本舗さんは粕漬けが有名でありますが、この味噌漬けを通販でも販売されています。実は密かにこちらの大将が考案して有名百貨店でも取り扱いされているという、是非一度はご賞味頂きたい逸品。お酒のつまみに最高なのであります！

≡　古代米　≡
　阿蘇産の古代米を炒れて炊いたご飯はほんのりピンク色。桜の季節にお邪魔したこともあってなんとも風情を感じさせるじゃありませんか。炊き具合も分量も適量ですね。お上品に戴きましょう♪

≡　二八蕎麦　≡
　言わずと知れた二八蕎麦。二八というくらいですから、蕎麦粉の割合が八割なのであります。このところ十割蕎麦しか食べていなかったこともあり、やや細めの、しかしコシのあるお蕎麦はある意味新鮮であります。もう少し分量が多いと嬉しいのですが、贅沢は言えません…？なんせ、本日は佇まいからしてお上品に振る舞わなければなりません。当然、この後はそば湯も戴きました。

≡　デザート　≡
　ブラックモンブラン…ではありませんでした。バニラアイスにお米がトッピングされており、このお米がまたクリスピーのような独特の食感を出しており、濃厚なバニラアイスに合うじゃありませんか。

≡　珈琲　≡
　何故にお蕎麦屋さんなのにコーヒーが…。どう考えてもお蕎麦の後はお茶でしょう。お茶は確かに出てきましたが…。コーヒーをサイフォンで淹れるとかトコトン拘っておいでならば嬉しい逸品ですが、コーヒーメーカーからのものですから、やや興ざめであります。この分、お値段を落として頂いてもいいのでは？

　なんだかんだ言って、この日は落ち着いた時間を過ごすことが出来ましたし、お腹を満たしながら庭園の桜を眺めつつ、心も充電することができました。もう少し価格的にお安ければ通い決定なのですが。ちなみに、営業時間は11時～15時ですから、お昼行動される方のみがこれを堪能できる。

　本日はお上品にまとめてしまいましたが、そんな私はこの優雅な膳と佇まいに感動であります。そんな私の服装は…場違いなジャージ（滝汗）だって、ウォーキングの途中だったんだから仕方ないじゃないですか！？（泣）