俊太朗さんのマイ★ベストレストラン 2017

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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あっという間に2017年も残すところあと1日。今年もたくさんのお店、そして食べログさんにはお世話になりました。
新たな出会いもあれば再発見もありましたが、沢山の学びと、素晴らしい感動をいただき、心より感謝しています。
まだまだ投稿した口コミや評価を自分の中ですらきちんと整理できていませんので、ベストレストランを選ぶにはまだ早いかとも思いましたが、何事もスタートしなければと思いこちらの10軒を選ばせていただきました。
どのお店にいっても感じるのは、料理人の方々の真摯な姿勢と熱い思い、たゆまぬ努力です。
来年こそはそれらをきちんと整理してそれをお伝えできるよう、料理人の方々の努力に負けずに頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

マイ★ベストレストラン

1位

京味 (新橋、内幸町、汐留 / 日本料理)

4回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥50,000~¥59,999 ¥40,000~¥49,999

2019/10訪問 2019/10/29

食べ手と作り手の思いは一つ。ある意味今が一番なのかもしれません。

とっても貴重な『京味』さんのお席。
最初はアナゴ飯蒸し。
ウズラの玉子とウニを使った柿見立てを中心に、ゆり根のごまあえ、カマス、蒸しアワビ、銀杏。
季節ですからやっぱり焼き松茸。
ハモを梅肉と醤油で。
アナゴの湯葉巻き。
タイのお造りとネギと塩がのったカツオ。
ハモ松茸鍋。
どれも京味さんらしさがピシッと出ていて素晴らしいお料理です。
松茸ごはん、そしてハラスご飯をゆっくりと噛み締めて味わいます。
最後はわらび餅。
考えれば考えるほど寂しくもなりますが、感謝の気持ちと感動、何より大切なお言葉の数々を忘れずに、これからも食を楽しみたいと思います。

体調が回復され、また西さんのお話をゆっくりお伺いすることができました。
キスの幽庵焼き、タイちまき、サンドマメ胡麻和えから始まり
後は素材しか並べませんが
ジュンサイ
アワビ
トリガイ
タイ
小柱
一寸マメ
タイ
アユ
トリ貝
トリ貝
トリ貝
トリ貝
トリ貝
トリ貝
スッポン
干しナマコ
フカヒレ
やっぱりすごいお料理です。
〆の豆ごはん一つとっても込められた思いと手間のレベルgあ違います。
いつものハラスご飯もしっかりいただきました。



この日の『京味』さんは、冬らしく海鼠腸の飯蒸しからスタート。
先付けは干し柿、アワビ、ゴボウ
これぞ冬の京味、芋茎の吉野煮
カニ
焼いたフグの白子
揚げた海老芋
お造りはタイ
蛤の肌煮は昔の仕事を再現してくださった、何とも心温まるお料理でした。
外連や派手さを求めるのではなく、旬の美味しい食材の美味しさを引き出すための細かな手間。
お父様の代から続く料理への真摯な姿勢。
毎回お姿を拝見しお話を聞かせていただけるだけで、感謝の気持ちでいっぱいになります。
特別にご用意してくださった素材で焼き物とお鍋をいただいた後は、いつものハラスご飯。
最後は葛切りとわらび餅。
一年の終わりを飾るに相応しい、感動の時間でした。
2017/03
少し時間がが空きましたが、京味さん。
春の食材は地味だし、他の季節に比べるとわざわざ出かけるだけの理由が少し希薄な様にも感じられますが、私はこの季節の味がとっても好きです。旨味たっぶりな冬の食材に慣れて鈍感になってしまった体を、優しく自然に目覚めさせてくれるかのような、ほろ苦さ。新しい生命の誕生を感じさせる、淡い甘さと瑞々しさ。日本人だからこそ理解できるそんな複雑な味わいを、とても愛おしく感じます。
でも、そんな淡い春の味覚でさえも、京味さんは旨さの極限と季節の力を最大限に発揮した料理へと作り変えてくれます。先付けにあった蕗味噌。私の言葉では伝えることが不可能であろうエンドウ豆。タラの芽の天ぷら。筍のはさみ揚げ。湯葉とワラビの炊き合わせ。筍豆腐。なんといってもお椀。
やっぱり頂点の味。食べる度にその凄さをとことん感じさせられてしまうことは、今回も同じでした。
あの味をすべて受け止めるには、まだまだたくさんの修行が必要みたいです⁉
感謝と幸せな気持ちでいっぱいにしていただき、自然と深く首を垂れお店を後にしました。

2015/2016
このお店の事を書けるほど、私はまだまだ食の経験が深くありません。
最初は美味しくてビックリするお店でも、何度か行くうちに誰でも感動は薄れるものですし、
料理の好みもあります。
ある時、和食の有名店を連日順番に食べてみたことがありました。
美味しさもそれぞれですし感動にも違いがありますが、
どのお店も感想を述べるのも恐れ多い有名店です。
そんな中で最後に訪れたのがこのお店。
そして、その時はじめて、このお店の凄さを実感しました。

しばらく修行を続けます。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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2位

日本橋蛎殻町 すぎた (水天宮前、人形町、茅場町 / 寿司)

10回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 ¥20,000~¥29,999

2023/09訪問 2023/09/19

自然と協調してこその江戸前

ようやく直近のすぎたさん
蒸しアワビから
ヒラメとミルガイ
新イカのゲソの粕漬け
キンメの茶碗蒸しと、いつものようにどんどん日本酒が進みます
あん肝、アワビのキモの味噌漬け
そしてタコ柔らか煮と筋子味噌漬けで一区切り

にぎりに移り、コハダ、新イカ、タイ
アジ、カスゴ、マグロ赤身の漬け、そしてこんな季節なのに美味しいトロ
イワシ、本アラの昆布締め、イクラ、クルマエビ
天草のウニ、いつもの方のマグロの赤身の漬け
ホッキ貝、キンメ、アナゴそして玉子焼きで終了
異常な暑さで仕入れも思うようにいかない中、変わらぬ感性と努力あっての安定の満足感
最高の週末でした

ビールが美味しくなる季節
この日もすぎたさんでは
食感の心地よいもずくをつまみながらビールでスタート
いつものようにアオリイカとヒラメで悶絶し
メヒカリの粕漬けあたりから日本酒へ
隠岐島の岩牡蠣
イワシ巻き
あん肝、ホタルイカ
タコ柔らか煮
太刀魚
アナゴ白焼
と絶品のツマミを楽しみました

握りはコハダから、イサキ、タイ、マスノスケ、カスゴ
赤身の漬け、トロ、アジ、鳥貝
車海老とウニをいただき、追加で2カン
アナゴをタレでいただき玉子焼きで終了
本当に幸せです

この日の『日本橋蛎殻町 すぎた 』さん。
いつもながら凛とした設えながら、杉田さんはじめスタッフ全員の柔らかな雰囲気に癒されながら、そら豆をつまみにアウグスビールでのどを潤します。
そして提供される悶絶のお刺身。この日は北海道のホタテと千葉のヒラメでした。
タコの柔らか煮、タイの白子、そして
ホタルイカ、島エビ頭、ウニと絶品の酒のあてが続きます
もちろんアン肝に貴醸酒もいただきます。
焼いたタチウオまででこの日はつまみを終了

コハダからタイ、サワラ、カスゴ
マグロの赤身とトロ
アジ、子持ちヤリイカ、炙ったキンメ
エビ、ウニまでで一通り
追加でシメサバと御前崎産カツオの漬けを福井の地辛子でいただき、
お椀に、アナゴ、玉子で終了
この日も本当に幸せな気持ちにさせていただきました。
いつもありがとうございます。

緊急事態宣言に翻弄されてしまいましたが、久しぶりに『日本橋蛎殻町すぎた』さんのカウンター席に着く事が出来ました。
毎度の事ながら、最初のアオリイカとマコガレイに悶絶させられます。
焼いたアナゴ
キンメの茶碗蒸し
ホタルイカと子持ちシャコの味噌漬け
マナガツオ幽庵焼き
タコの柔らか煮
ホタテ磯辺焼き
ノンアルコールですが、ツマミを十二分に堪能させていただきました。

握りのスタートはもちろんコハダ
タイ
ミルガイ
マグロの赤身の漬け
カスゴ
トロ
アジ
子持ちヤリイカ
車海老
アオヤギ
キンメ
バフンウニ
煮ハマグリ
サバ
アナゴ
玉子焼きで一通り
季節と気候の心配なんて微塵も感じさせない
この時期ならではのすぎたさんのお鮨の旨さ
幸せな気持ちでいっぱいです


こちらも新型コロナウィルスの影響で大混乱だった頃の『日本橋蛎殻町すぎた』さん。
枝豆をつまみながらビールを飲み、最初に出していただいたのが舞鶴産の鳥貝と三陸のマコガレイ
毎度のことですが、この最初のお刺身の旨さに悶絶です
小樽のシャコ
イワシ巻き
タコの柔らか煮そして
アンキモ、ウニの西京漬け、塩ウニ…と吞兵衛にはたまらないつまみが続きます
どこまでも飲みたい所ですが、自粛のためにツマミも早めに切り上げました。

握りはもちろんコハダから
この日はオボロが使われていました
しっかり昆布でシメたヒラメ
真鯛
愛媛県八幡浜のマグロの漬け
すぎたさんのお鮨のために仕込んだ日高見の吟醸酒がよく合います
軽い昆布シメのカスゴ
佐、の定着の中トロはザ・夏の味わい
まだ小さく、ドンチッチと呼ばれる前の島根産アジ 
エビ
煮ハマ
キンメ炙り
利尻のバフン
アラ
ミル貝
余韻が長く最高に美味しかったイサキ
アナゴと玉で終了
この日も最高に幸せでした

”「すし」神髄”の発刊、そして「情熱大陸」への出演と最近話題に事欠かない『日本橋蛎殻町すぎた』さん。
ギンナンをつまみながらアウグスビールを飲み、続いて出されたのはアメ色に光るカワハギとブリの漬け。カワハギはキモ醤油でいただくのですが、いつもの通りこのお刺身の凄さに悶絶してしまいます。
続いてカツオの漬け
人気のシメサバ巻き
白子ポン酢
アン肝と「陽乃鳥」
アワビのキモの味噌漬け
ネギマ焼き
ホッキ貝生姜焼き
筋子
いつもの様に日本酒がどんどん進みます

握りはもちろんコハダから
ようやく漁れだしたサンマ
サワラ
カスゴ
三厩の背トロ
イワシ
車海老
ブリ
イクラ
シャコ
カツオのハラ
アナゴは今回塩で
コハダ巻き
アサリのお味噌汁
玉子で終了
この日も幸せいっぱいで家路につきました


いつも幸せいっぱいにしてくれる『日本橋蛎殻町すぎた』さん。
”先月”も最高に幸せでした(遅れ遅れで申し訳ありません)
どうしてこんなに美味しいのだろう!っていつも驚かされる最初のお刺身
今回は大原産雌貝の蒸しアワビ
そして北海道様似産のツブ貝
いよいよ登場イワシ巻き
穴子の茶碗蒸し
日本酒が止まらなくなる
アワビのキモの味噌漬け
筋子
タチウオ焼き
塩ウニ
タコ柔らか煮

握りはいつもの通り
コハダから
イサキ
アジ
青森県尻労、定置マグロ赤身の漬け
岩手県久慈定置メジのセトロ
イワシ
車海老
ホッキ貝
利尻山バフンウニ
新イカ
煮ハマ
穴子
玉で終了



愛する『日本橋蛎殻町 すぎた』さん。
この日は、海老芋をカラスミと白ごまで仕立てたものからおつまみがスタート。
寒い季節ならではの気遣いなのでしょうか、いつもなら少し後半に出るアナゴの茶碗蒸しが次に出され、身体を温めてくれます。
カンヌキサイズのサヨリ。野付の天然ホタテ。カワハギと肝醤油。白子ポン酢、あん肝、牡蠣、数の子......と日本酒好きにはたまらないメニューが続きます。
一つ一つ手のかかった美味しいおつまみで飲み続けたいところですが、一方で握りの世界もどこまでも行きたい気分。
いつものようにコハダから、タイ、サワラ、カスゴとすぎたさんらしい味わい深い握りが続きます。トロ、カツオ、クルマエビ、子持ちヤリイカ、キンメダイ。赤身とシマエビを追加でお願いし、アナゴとタマゴで終了。
すぎたさん、スタッフの皆さんの笑顔に送られ、最高に幸せな気分でお店を後にしました。
何と表現するのが良いのかといつも考えるのですが、最高に幸せな気持ちにしてくれる、大好きな場所。
日本橋橘町時代ももちろん素晴らしかったのですが、ご縁の深い新店舗に移られてからのご活躍には目を見張るものがあります。
酒飲みの心をぐいっと掴むつまみとお酒。いつもコハダからスタートする握り。季節の変化を感じるとともに、あっという間に杉田さんの世界に引き込まれてしまいます。
素材の良さは当然として、それをはるかに超える仕事と愛情が旨さに表れています。
そして何より、大将と女将さんのお人柄の素晴らしさが感動を作り出してくれます。

*大寒波の影響で仕入れが大変であろうはずですが、そんなことはみじんも感じさせない、あまりの美味しさに驚きの連続。大将は素材の力が上のようで不本意だと謙遜されていましたが、冬のお寿司の美味しさを堪能しました。

*新店舗に移転してから早いものでもう1年
最近は美味しさに凄みが加わってきたように感じます。つまみも握りも感動の連続でした。

*実はあまり興味のない新子ですが、すぎたさんの手にかかると見事に美味しくなります。
その美味しさに驚いているところであえて続けて出すコハダは、超絶の旨さ!
夏のすぎたさんは、その凄さが一層際立ちます。

*普段は使わない個室からのスタート。ちょっと違う雰囲気を楽しませていただきました。今回もツマミの楽しさは変わりませんが、いつものサバでなく三重のイワシを使った巻き物が新しく、たっぷり山盛りにのせる山葵との組み合わせが最高でした。
宍道湖の天然ウナギの白焼きはさわやかな味、日本酒との相性もばっちりです。
さごちやかます等、お寿司には珍しいネタを美味しくいただけるのも、すぎたさんならではです。

*熊本を応援する赤茄子でスタートし、塩釜のマコガレイ、塩〆した鰹の漬け、と最初の3品ですでにうっとり。京都舞鶴のとり貝、あん肝と貴醸酒、ふくよかに仕上げられたくちこ……と絶品のつまみとそれに合わせた日本酒を並べられたらもうたまりません。
いつものようにコハダで始まり貝類、爽やかな香りと味わいの鮪、鯵と、握りもすぎたさんのお寿司にぴったりな季節なのかもしれません。
心からの感謝の気持ちでいっぱいになってお店を後にできるのは、何ともきもちが良いものです。

  • 2016/08
  • 2016/08
  • 2016/06

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3位

日本料理 たかむら (秋田、泉外旭川 / 日本料理)

11回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2024/02訪問 2024/03/03

こんなに環境が厳しくなっても、素晴らしさを維持する凄いお店

毎年楽しみにしている秋田のスキー&『たかむら』さん。
スタートはいつもの八寸で、玉子焼き、バイ貝旨煮、丹波黒豆、浅利と春菊の胡麻寄せ、菜の花昆布〆、椎茸南蛮漬け、バチコの炙り、柳葉魚、隠元豆お浸し、そして珍しい手作りの分厚い唐墨
続いて秋田産鮟肝旨煮ペーストの花山葵醤油漬け
ハツの琥珀揚げ 黄ニラのお浸し 葱だれ
週末のイベント用の佐島産鯛の握りもだしていただき
お椀は、こごみと焼いたドンコそしてひろっこの入った鮟鱇の薄氷仕立て
お造りは、佐島産鯛の塩水〆と秋田産水蛸に秋田産本鮪のカマトロ
すっかり名物として定着しながらも進化を続ける秋田産比内地鶏の首皮包み焼きには山葵と有馬山椒、山桃、蓮根甘酢漬けを添えて
新玉葱のすり流しに知床地鶏の炙り
秋田産毛蟹とクラゲの酢の物の柚子釜
小ぶりだからこそ美味しい天然トラフグの白子の磯辺揚げ
この日の〆はたかむら特製つけ
宮城やもとのとちおとめを使った特製苺大福
そして生チョコ蒟蒻で終了
活躍の幅を広げるたかむらさんとのお話も合わせてとても楽しい時間です。


冬の『日本料理たかむら』さん。
いつもながら最高の素材とお料理、そしてお酒と笑顔で迎えていただきました。
八寸は数の子、茶ぶり海鼠、チシャトウの味噌漬け、大黒しめじ、本ししゃも、玉子焼き、丹波黒豆、あさりと春菊のごま寄せ
風呂吹き大根
立派な天然虎フグの白子の塩焼きにベステルキャビアと花わさび
秋田産あん肝の薄氷仕立てのお椀
メジマグロ、サヨリ、キジハタのお造り
比内地鶏首皮包み焼き 南蛮味噌
新玉ねぎと飛来幸地鶏のオニオングラタンスープ
ズワイガニとうるいの酢の物の柚子釜
ズワイガニの刺身
甘鯛とタラの芽の天ぷら
スッポン雑炊
デザートはやもと紅ほっぺに、なんと生チョココンニャク!
わざわざ行く価値のある、大スキなおみせで最高に幸せな時間を過ごすことができました。

初夏の『日本料理たかむら』さんは、いつも通りに季節の八寸からスタート。
地元の枝豆、きぬかつぎ、車海老、アサリと春菊のゴマよせ、玉子焼き、大黒しめじ、そしてつぶ貝
もちろん温泉とサウナでしっかり整えた上での訪問でしたから、冷えたビールも最高です。
続いて、貴重な黒モズクと紫ウニ
嫌味なところが全くない三陸産真牡蠣の白煮
この季節のたかむらさんならでは、とうもろこしのスリ流しにジュンサイ
サラッと書いていますが、とにかく美味しくて最高に幸せな気持ちになります。
お造りは アオリイカ、マコガレイ、そしてイシガキガイ
この日の焼き物は鹿児島県泰正養鰻の鰻
季節柄鰻をいただく機会も多いのですが、やはりたかむらさんの鰻は地焼きなのにふわふわで香りよく、とても印象に残ります。
相性なのでしょうか、抜群に旨い加茂ナスとスッポンの吉野煮。
舌と脳をリフレッシュしてくれる男鹿産の塩蒸しアワビと夏野菜をはさみ
ハマグリの磯辺揚げ
そして秋田錦牛をメンチカツにした小丼
どのお料理も考え抜かれていて、美味しいだけではない素晴らしさにあふれています。
この日の〆は暑い日にぴったり、たかむら麺の美味しさを楽しめる冷やしタヌキでした。

最後にパッションフルーツの美味しさを存分に生かされたアイスクリームですが、これがまた凄い!
以前いただいたものより格段にレベルが上がったように感じました。

毎回のことながら、すぐにでも戻ってきたいと思った夜でした。



1月の『日本料理たかむら』さんのお料理はお正月の名残
八寸は、あさりと春菊のゴマ寄せ、ちしゃとうの西京漬け、菜の花に卵黄の塩漬け、本シシャモ、スケコ、車海老、黒豆、卵焼き、ツクバネの酢漬け
美しく脂ののった甘鯛を炙った棒寿司
雑穀米やとろろ昆布など甘鯛の奇麗な脂の活かし方が最高です
あん肝の旨煮のペースト
お吸い物は薄氷仕立て
アンコウにウルイ、むくろじ大根 京にんじん ゴボウが使われています
お造りは、八森のマグロ、小ぶりで刺身に最高な象潟のクエ、吊した上に包丁を入れて旨味と食感を整えた水蛸
三陸産の焼きアナゴはもちろん太古八のタレで仕上げられています
1月だけの料理、鶏大福
お目出たい事はもちろん、鶏の丸とお餅にベステルキャビアのバランスが最高です
柚子釜の中には三関のセリ、秋田産の毛ガニそしてくみ上げ湯葉のお浸し
大ぶりでムチっと旨い噛みごたえもたまらない宍道湖産の白魚の天ぷらにカラスミ
そして今回の〆は、楽しみにしていた「江戸中華そば」
比内地鶏と飛来幸地鶏のスープに牛タンのスープ、さらにたかむらのお出汁を合わせて太古八伝統のかえしで仕上げたスープ。そのままメインディッシュになれる叉焼、博多ストレート麺に煮玉子と小松菜、細かく刻んだネギがのせられています。
これはもう単品で行列のできるお店になること間違いなしの旨さです。
水菓子は小豆餅、シャインマスカット、紅ほっぺ
一つ一つのお料理への取り組みのお話をずっと書きたいところですが、この辺りで。



コロナの影響でなかなか行けなかった秋田の『日本料理たかむら』さん。
いつもの前菜は、湯上り娘(枝豆)、里芋錦ゴマ、新銀杏、たまごやき、余市の数の子、バイ貝、あさりと春菊の胡麻寄せ
続いて赤イカのごまだれイカソーメン
かぶらもちにモルドバ産ベステルキャビア
お椀は秋田県産たけきみのすり流しに枝豆、カツオ出汁ジュレ、じゅん菜
お造りは秋田産ハタ、イシガキ貝 ハガツオに花丸胡瓜をそえて
比内地鶏首皮包み焼き
小松菜、モチ、ネギの入ったスッポンの吉野煮 
男鹿産アワビの塩蒸しに黒皮カボチャ、アメーラトマト ミニオクラ
キノコとウニのクリームコロッケにたかむら特製タルタルソース
どれも感動のお料理が続くのですが、この日驚いたのが〆の網走産の白魚ご飯とつみれ汁
白魚をホントに美味しいと思っていただいたのは初めてかもしれない、絶品のご飯
そしてねっとりと仕上がった旨いツミレにシンプルなたかむらさんならではのお出汁が最高の組み合わせ
まさに江戸料理の粋を体験させていただきました
デザートには、この時期ならではの蟠桃に黒蜜、そして小豆モチ。
毎度のことながら素晴らしかったです。


楽しみにしていた秋の『日本料理たかむら』さん。
いつもの通り八寸からのスタート。今回は数の子、銀杏、卵焼き、アサリと春菊のゴマよせ、きぬかつぎ
モロコ木の芽焼きです。
運よく初物が手に入った秋田産タラの白子は寅ちゃん葱と黒酢をつかった甘酢餡で。
リンゴ、百合根 キュウリ、京人参、椎茸等を丁寧な江戸料理お仕事がされた白和え。ベスデルキャビアの使い方も抜群です。
この季節ならでは、野菜の沢煮椀。セリ、人参、松茸等今回は9種類の野菜がミリ単位の精度で刻みあわされ、豚の背脂でコクを、吸い口に胡椒を、唯一昆布出汁で仕上げられています。
お造りは全て秋田産のサバとアイナメ、アオリイカ。コースの流れを邪魔しない、でもしっかり美味しいお造りです。
驚くほどジューシーかつ香ばしく仕上がったマナガツオの祐庵焼き。
カキの味噌漬けで間を取ってから、金茸、椎茸、白シメジ等見事なキノコにウズラとセリのお鍋。
見た目の印象とは違い旨さ抜群なのに清らかな味。本当に最高です!
京都産合鴨の胸肉のローストにはトマト、式部草とカボチャ。
アナゴのフライは、白神山地産の小麦を使ったパンに自家製のタルタルソースでいただきました。
〆のご飯はつくね芋のとろろと男鹿産のイクラ。
今回実は一番楽しみにしていたのが食後のお菓子、秋田産西明寺栗のシーズンだけつくる「たかむらモンブラン」です。栗好きで栗のスイーツを食べ歩く私がNo.1に選ぶ、一番好きな栗のデザートです。今回もしっかりおかわりさせていただきました

週末食べ歩き。今回は東北、となればもちろん行先は『日本料理たかむら』さん。
八寸は、浅蜊と春菊の胡麻寄せ、祖父江のギンナン、男鹿の姫サザエ、衣かつぎにはシンプルに和辛子、枝豆、海老、卵焼き。
続いて子ヤリイカの柔らか煮。令和天皇お気に入りの品だそうです。
驚いたのが次のカブラ餅。今回はカラスミではなく、モルドバ産ベステルキャビアがのせられているのですが、このキャビアのクオリティと使う量の塩梅がまさに絶妙。前後のお料理とのバランスも崩さず、美味しさだけがきっちりプラスされています。安易にキャビアやウニを使うことには全く賛成できないのですが、『松川』さんと『たかむら』さんは次元が違います。
お椀の新しいチャレンジも素晴らしかったです。170年物の輪島塗の器の蓋をとってその景色にまずびっくり。秋田県産ゴールドラッシュ の冷たいすり流しの黄色に枝豆のグリーン、カツオ出汁ジュレ、じゅん菜。その見事な組み合わせを口にしてまたビックリ。本当にすごい方です。
お造りは秋田産ハタ、イシガキ貝 大船渡 産120キロのマグロ。はなまるキュウリと水前寺ノリが添えらえれています。
比内地鶏の首皮詰めは、太古八さんから受け継がれた江戸時代の火鉢を使って仕上げ。
同じく太古八さんから受け継がれた風格のある土鍋を使ってさらに進化した秋田錦牛タンの吉野煮 。
松茸、ナスそしてマッシュポテトとの相性もばっちりです。
タコ佐島白煮 、キュウリと薄焼き卵そして錦ゴマがアクセントになったシャコの磯辺巻き、そして出色のハモザク。
トリュフ ソース餡のかかったメンチカツはスープの様に滑らかな食感と味わい。
〆は秋田産甘鯛のお茶漬け。
デザートは氷豆腐で終了。
毎回毎回私たちのためにストーリーを考え、新しさ、チャレンジ、発展、驚き等次々と感動が盛り込まれたお料理。洗練された設えに選りすぐられた器とそれを活かす美しい盛り付け。何より温かく心のこもったサービス。
今回も感動で心もいっぱいになりました。
本当にいつもありがとうございます。


世界一のフーディーがスペイン遠征中なので、今回は単独行動。バックカントリースキーのデビューに合わせて『たかむら』さんにやってきました。
連絡を入れていた時間より早く到着してしまい、満席のたかむらさんにご迷惑をおかけしてしまったのですが、そんなことは関係なくさっと出して下さった先付。
いつものように浅蜊と春菊の胡麻寄せと卵焼き。千社唐、黒豆、スッポンの卵、茶ぶりナマコ、バイガイ等が美しく盛り付けてあったのですが、真ん中にあったのがしょっつるで仕上げたメヒカリ。メヒカリ…なんて想像を遥かにこえた驚きの美味しさ。いきなり先付けから驚かされました。
それに合わせる最初のお酒はもちろん、新政酒造がたかむらさんのために特別に作った「日本料理たかむら別誂袋吊り」の佐藤卯兵衛。この日隣には新政酒造の佐藤社長が座っていらっしゃっいましたので、さらに美味しさが増したような気分になります。
続いてのお料理は、身体に染みる秋田産タラの白子の甘酢餡。
予定の時間より早く来た上に、お腹がペコペコでやたら食べるペースも速い我々を落ち着かせようと出して下さったのが、アン肝のペースト。これがまた、お皿まで舐めたくなる旨さ。
今回一番のチャレンジが、今までならお浸し等に使っていた黄ニラを使い、大根や昆布締めにした菜の花等野菜がタップリ入った薄氷仕立てのお椀。
何と比内地鶏とスッポンのお出汁が使われています。
疲れた身体にスッとはいる優しさと旨さが上手にバランスしていて、たかむらさんならではの進化系のお椀です。
お造りは、男鹿のヒラメとマスのルイベ。三陸渡波町の赤貝。三者三様の楽しみ方ができるよう、過度に主張しすぎないようきちんと計算されています。
意外だったのが、次の焼き物。
真冬なのに鰻。
鹿児島県泰正養鰻の鰻を使い、そのまま地焼きしていつものたかむらさんの鰻のタレをかけただけなのに、身はふんわり、味はしっかり。感動の美味しさです。添え物には、山椒の実、蓮根、山桃。
秋田錦牛の吉野煮は、カブラもち インカの目覚めのマッシュポテト、イタリア産冬トリュフと合わせてさらに味わい深くなっています。
炊き合わせは、五島産アワビの塩蒸し、カボチャ、三関のセリ、アメーラトマト。上に鮪節削りが
諫早湾の牡蠣を丁寧な仕事で牡蠣の姿そのままフライにした、究極牡蠣フライ&タルタルソース。
秋田産ズワイガニタップリのご飯。
浜名湖産青ノリのお味噌汁。
水菓子はサラっと、とちおとめと梅酒のゼリー。
その後は日本酒伝道師のまりえさんが新政のお酒を使って即興のペアリングをして下さったのですが、これがまた凄い!
とても貴重な体験をさせていただきました。
毎月でも通いたい『日本料理たかむら』さん。
今回もまるで八寸のように美しく完成された先付からスタート。
横手の寒モロコの山椒焼き。浅蜊と春菊の胡麻寄せ。祖父江のギンナン。男鹿のサザエ。里芋にワサビと錦ゴマ。卵焼き。
これに合わせるのが、新政酒造がたかむらさんのために特別に作ったお酒、「日本料理たかむら別誂袋吊り」の佐藤卯兵衛。今回これを飲むのを楽しみにしていたお酒です。佐藤卯兵衛の良さと新政独特のニュアンスは残しながら、酸やアタックがたかむらさんのお料理に合うよう粋に仕上がった、とっても好きなタイプのお酒でした。

続いて賀茂茄子の揚げ浸し。
そして秋田産タラの白子の甘酢餡 。こうしたさりげない品の塩梅の良さにも、高村さんの気遣いが現れています

野菜の沢煮椀。
せり 人参 松茸等10種類の野菜がミリ単位の精度で刻みあわされた絶妙なバランスがあって成り立つ、実は難しいお料理だそうです。
豚の背脂でコクを、吸い口に胡椒を、たかむらさんには珍しい昆布出汁で仕上げられています。

向付は男鹿のボタン海老、ヒラメそしてヒレナガカンパチ。

焼き物には今やすっかり名物となった比内地鶏の首皮詰め。 ガスで火を通して炭で仕上げられたものを今回は丸々1本いただくことができました。

秋田錦牛のタンにマッシュポテトとカブラモチ。仕上げにイタリア産秋トリュフが使われていますが、単に贅沢感を演出するためにトリュフをスライスしたのではなく、この季節のトリュフの良さをしっかり引き出し、しっかり江戸料理として成立させている見事な品です。

続いてもすっかり定番となった北海道イワシの酢の物、すぎたさんへのオマージュ。
コースの中でしっかりと役割を持った品へとまた進化していました。

イクラの醤油漬けの春巻きと海老芋。
適度に温度が加わりトロっとしてチーズのような旨さを楽しめるイクラのお料理。イクラを天ぷらではいただいたことがありますが、それともまた一段違うお料理に仕上がっています。

〆は三陸の穴子をつかったアナゴご飯。フワフワトロトロの卵との相性が抜群です。
しっかり量もいただけるメンバーでしたので〆をもう一品、冷やし坦々麺を追加。

さて、今回の訪問でもう一つ楽しみにしていたのが、「たかむらモンブラン」。
横手の黒イチヂクの甘露煮を和栗で包んだお菓子なのですが、昨年いただいてその旨さに悶絶し、今年もシーズンを待ち焦がれていたデザートです。
新しくできたナスのパイと一緒に、お土産の折にも入れていただきました。

美味しくて楽しくて幸せなのは当たり前。訪問する度に新たな驚きと感動を与えてくれる『日本料理たかむら』さん。今回もまた特別な時間を過ごすことができました。

さて、『たかむら』さんの夜は、ジュンサイショットからスタートしました。
シンプルですがジュンサイの良さを一番実感できる食べ方です。

続いての品は、一見「飯蒸し」のようにも見えたのですが、
秋田の郷土料理であるワラビタタキがたかむらさんのお料理へと進化した物。
花穂紫蘇がちらされた見た目の美しさといい、 白えびとの相性といい、何より季節のワラビの美味しさが引き立つ一品です。

男鹿のタコ柔らか煮、むかわのシシャモ、手前味噌ともろきゅう、バイ貝、卵焼き、そしてあん肝豆腐。
サラッと並んでいますが、一つ一つ手のかかった仕事がされていて、特にあん肝豆腐は、他では味わったことのない美味しさです。

きりっとした江戸前のお出汁が出色の高村さんのお椀ですが、今回はさらにその個性と美味しさが際立っていました。
淡路産のハモをそのまま使うのではなく、太古八のおでんからヒントを得た揚げハモしんじょと地元産のネマガリダケとシイタケにジュンサイを合わせてあります。そのための仕事についてはもちろん、このお椀だけで何ページでも語りたくて仕方がありませんが、江戸料理ならでは、そして高村さんならではの素晴らしいお椀でした。

お造りは2.5キロのアオリイカ、男鹿であがったハガツオ、江戸前のシマアジ。
焼き物は男鹿のマス。香ばしい脂にさわやかな木の芽酢が良くあいます。

さて、見ればわかるお皿にのった賀茂茄子。
もちろん中に期待をしますが、開けて?
でも一口食べてびっくり!!
スッポンと賀茂茄子の吉野煮なのですが、素材も調味料もシンプル極まりないその旨さに心から感動しました。引き算のお料理は、ホントに凄い。

続いては畝須とアスパラソバージュ。畝須をいただく機会もけっこうあるのですが、いつまででも噛んでいたい、そんな美味しさです。
黄色く丸い物はスッポン卵なのですが、殻になる直前の物なため、いつもいただくスッポンの卵とは色も大きさも味わいも、全く違ったものです。

今回も食運に感謝しなければいけないのが、鳥海山でとれた幻の山菜ショデコ。
しかも、めったに見られない立派なサイズ。
それを岡山産雄のシャコと合わせて磯辺揚げで出していただいたのですが、
パワーがあふれていながらも全くアクの無い、山菜の域を超えたショデコの美味しさが、
立つ素晴らしい物でした。

〆の一品は『たかむら』さんと八雲にある中華『わさ』さんとのある意味コラボ料理。
たかむら麺に感動してわささんが送ってくれた担々風ゴマスープの美味しさを、たかむらさん流に再アレンジした夏の一品。これだけでお店が出せる、美味しい麺でした。

デザートは、男鹿のメロン、一仕事したアメリカンチェリーにノンアルシャンパンゼリーでしたが、楽しい会話はまだまだ続きました。

2016/09-1
雨の羽田空港から向かった先は秋田市。
飛行機のドアが開いた瞬間から、名産の秋田杉が迎えてくれます。
秋田では、空港や新幹線の駅はもちろん、在来線からバス停まで建築物には必ず秋田杉が使われています。
しっかりと印象に残る個性を発揮し、人に優しく地元の経済と産業を発展させる秋田県の取り組みは、本当に素晴らしいと思います。
食の世界も同じですが、どこでも同じ物を安く手に入れることばかりを求めていることが、結果として自分自身を貧しく不健康にしている現実を、何とか変えたいものですね。
さて、準備万端で出陣した先は、地元の豊かな素材を中心に江戸料理の技法を使って唯一無二の世界へと作り上げる、「日本料理たかむら」さんです。
今回もまるで八寸のような先付からスタート。
姫サザエ、ばちこ、こいもにカラスミ、銀杏、男鹿半島の天然車海老、栗豆腐、そして卵焼き。
続いて出されたのは、ホロホロ鳥を使い香茸の餡をはった茶碗蒸し。
秋田産アジ 握りと酒肴豆。
新しい刺激が料理に反映され、一品一品を楽しくいただけます。
そして、天然舞茸と生木耳の土瓶蒸し。天然舞茸の香りと味の良さはもちろんですが、それが心まで癒やしてくれるお出汁と土瓶の中で優しく調和して、たかむらさんでしか味わえない世界に連れて行ってくれます。
向付は男鹿半島 の真鯛と、八森であがった本鮪、そして水蛸。
焼き物はヤナギガレイですが、骨は外して改めて火を入れてだしてくれます。
今回一番驚いたのが、秋田産牛タンに技を駆使して仕上げた和風タンシチュー。作る過程を聞いて納得の美味しさですし、使われる器についてのストーリーもまた高村さんのお人柄をあらわす素敵なものでした。
日本料理にしては濃い味の後のお口直しに、シンプルな板皿に盛られた噴火湾の毛蟹、大曲のフェアリーテール茄子、菊、子持ち鮎に凍らせたシャインマスカットを添えて。
またその後には、三陸産ウニの塩むしと嶽きみ、トリュフ、グラナパダーノの旨味を凝縮して詰め込んだコロッケ。
最後は宍道湖の天然鰻丼。
最後は江戸料理らしく玲瓏(こおり)とうふ。
どの品をとってもたっぷり語りたい、感動いっぱいの夜でした。


2016/02-2
昨日に続いてたかむらさんの江戸料理に完全にノックアウトされました。
最初のお皿から最後の甘味まで、卓越したアイデアと技で最高の素材を緩急つけた絶妙な流れでいただく事ができました。
江戸に来て欲しいような、秋田にあって世界に有名になってほしいような、悩ましい気持ちです。
食事の後は、たかむらさんに案内していただき、男鹿半島の突端にある入道崎へ。立っているのがやっとな程の強い冬の雪混じりの風を通してみる日本海は、とても荘厳な雰囲気で、モヤモヤしたものを全て吹っ飛ばしてくれます。

2016/02-1
1泊2日で秋田食べ歩き。2日とも たかむらさんで食べるので、歩きではないかも!?
「日本料理 たかむら」は、江戸料理の目白「太古八」で料理長を務めた高村さんが、秋田に戻り開かれたお店です。
玉子焼き、蝦蛄、バイ貝、浅蜊と春菊の胡麻寄せ、鮟肝、スタートの一皿目からの高村さんの世界に完全にやられました。
美味しい和食屋さんは数多くありますが、京料理の流れをくむお店が現在の主流。
そんななかにあって江戸料理の技法を使い進化を続ける高村さんの世界は凄い!
しっかりと個性のある、ここでしか食べられない、世界に誇れるお料理です。

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4位

鮨 さいとう (六本木一丁目、神谷町、虎ノ門ヒルズ / 寿司)

6回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999

2023/04訪問 2023/08/11

懐の深さが違います

緊急事態宣言の影響で定点観測も予定が狂いまくっていますが、この日のさいとうさんは凄かった!
旬ではあるけど普段は使わないホウボウからスタート
ヒラメの昆布締め、サワラの漬けそしてコハダへとつなげる心憎い展開
なかなか良い個体に当たらない昨今のマグロですが、この日の下田産はすばらしく、絶妙な赤身漬けから中トロそして大トロへとウットリする流れ
スミイカ、車海老、白エビといったネタがどれも旨く、
最後のアナゴ、珍しく炙ったサバ寿司、トロタク巻きでしっかり満足感も高まり
いつものように太巻、玉子で終了
流石としか言いようがありません


最寄りのお寿司屋さんで、美味しいテイクアウトが調達できるなんて、幸せです。
毎度の定点観測。
季節の変化はもちろんですが、海、市場、従業員、お客様等々その日の状況による味の変化がとても勉強になります。
そしてこの日はまた新たな変化がありました。
スタートはマコガレイ
銚子のキンメ
さいとうさんには珍しいカンパチは個体の良さが出るようにゆっくり見極めて漬けで
和歌山那智勝浦産168キロのマグロは、漬け、中トロ、大トロ
アオリイカ
エビ
三重産のトリ貝は軽く湯引きして
白エビ
この日一番驚かされたのが岩手産のサクラマス
弟子の俊治さんが研究した漬けを初めて握られたのですが、これが完璧な仕上がり
やはり師匠の腕は凄かったです
美味しくなってきた煮ハマ
青森産のウニ
穴子はまだまだの季節ですが
ざく切り風にされたトロたく巻きがまたたまりませんでした


冬のピークを過ぎ、お魚の変化も中途半端でお寿司をいただくには少し難しい季節。そんな時でもこちらの安定感は抜群です。
白魚から始まり、白子、子持ちヤリイカ......とテンポよく進み、つまみはノドグロの焼き物で終了
握りはヒラメ昆布締めからスタート。続いてブリ、コハダ。
季節のわりにはとっても味わいの深いマグロは下田産。赤身の漬け、中トロ、大トロ。
イカ、エビ、アジ、サバの棒ずし、ウニ、アナゴ、太巻き、そして卵焼きで終了。
味もテンポもトークも美しい、さいとうさんでした。

全国に24,000店舗以上あるというお寿司屋さん。
回転寿司から超高級店まで多様なお店がありますので序列などつけようもないかと思いますが、ミシュランはもちろんこの食べログ等、好き好きだけでは片付かない関心があるのもまたお寿司というジャンルなのかもしれません。
「鮨 さいとう」さんに行くたびに感じるのは、その研ぎ澄まされた完成度の高さにあるように感じます。
好きなものを自由につまむお寿司屋さんとは対極にありますが、握りがスタートしてからのリズムとハーモニー、ノーブルな美しさなど、卓越したミュージシャンのと同じ種類の感動を得られるのが、さいとうさんならでは、唯一無二の世界です。

*今年は鰹の不漁が伝えられていますが、こちらの鰹はいつも変わらず別世界の美味しさ。
臭みもえぐみも一切無い、爽やかな味と香りにうっとりさせられます。

*いよいよ寿司の美味しい季節
魚のパワーが上がってきました
パーフェクトな握りが引き立ちます

*つまみに水貝なんてちょっと新鮮な感じ。
鹿児島と愛媛の赤ウニの食べ比べもたまりません。

*ツマミに出た唐津の赤ウニ、先月に続いて鯛の酒盗は酒飲みにはたまりません。
何て事無いはずのイサキやシマアジの握りがびっくりするほど旨く、技で時期の悪さをカバーしてむしろ印象に残るコハダ。
そして、いつもの様に全てが美しい。

*さいとうさんには珍しい、マグロの炙りがつまみに。
夏の素材の旨さ爆発なのは当然として、マグロのヅケが印象的な夜でした。

*冬の黄金期からはすっかりお寿司の季節も変わり、花が散った桜の若芽のような淡い味わいを想像して出かけたのですが、そんな浅はかな私の想像などあっさり蹴散らされ、凄いお寿司の連続でした。
季節の魚が旨いのはもちろん、ビックリするくらいの鮪、まだまだ季節が早いはずの蛤や鯵の凄さ、最初から最後まで今日一!って言わされ続けでした。

*季節の変化に合わせた技の凄さを、見せつけられました
マグロは高知で上がった300キロ
部位の違いと寝かせ具合に合わせて繊細な包丁を入れられ、赤身、中トロ、大トロそれそれが、全く別の味わいに変わっていました。
コハダが更に美味しく感じたのは気のせいで、今日の天気のためかもしれません

*季節それぞれ日々刻々と変化する最高の素材を、繊細な香りや味わいを生かしながら研ぎ澄まされた味へと変え、
ぎりぎりの強さをもつシャリと合わせ凛として美しく握り、最高の流れで楽しませてくれます。
木枯らし一番の吹いた今週、冬に向かってピークを登り始めた魚の旨さを感じました。

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5位

本湖月 (大阪難波、日本橋、近鉄日本橋 / 日本料理)

11回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 -

2021/09訪問 2021/11/11

凛とした経験と学びの場所

緊急事態宣言下、かつての喧騒が嘘のように静かになってしまった道頓堀、そして法善寺横丁。そんな変化とは関係なく『本湖月』さんは変わらず凛とした空気の中、お月見の設えで迎えてくださいました。

だだ茶豆に白ズイキ、アカウニからスタート
煮えばなのお米に合わせた鮎、そしてその鮎の骨煎餅
お椀はトウモロコシとハモのしんじょを月に見立て、モズクを雲にお出汁はスッポン
今年も本物の日月椀でいただきました
お造りはアマテガレイ
焼いた伊勢海老
八寸には黄身酢を入れたミョウガ、生バチコ、生麩の味噌漬け、ワタリガニ、山芋、銀杏、キヌカツギにヘシコ

スッポンのつけ焼き
まだまだ立派なハモ
アワビの酒煎りにモヤシとキニラ
胡麻豆腐
松茸のひろうすの揚げ出汁

御飯にはイクラの親子和え
フル漬けの香の物

水菓子はサルナシにシャインマスカットとサイダーゼリー
栗と丹波のあずきのきんとん
お抹茶で終了

今回も沢山勉強させていただき
静かな通りを歩いてホテルに向かいました

まだ5月だというのに夏日の暑さ。ますますアジア化が進む道頓堀を歩いた何とも言えないねっとりした嫌な感覚を、柑橘のソーダがまずはスッキリさせてくれます。
今月の『本湖月』さん。皐月のストーリーはもちろん端午の節句がテーマです。
邪気を払う菖蒲の葉に健康のための蓬の葉で作られた飾りと共に食事が始まりました。
十代旦入作の器には噴火湾の毛ガニ、たたいたワラビとモズクが入っています。
続いての品はご自宅からお持ちになる柏の葉に覆われた穴子の飯蒸しと粽。
お椀はアイナメと蓬を練りこんだ胡麻豆腐。焼いたアイナメの皮の香ばしさとゼラチン質の食感も楽しめます。
お造りは永楽笹皿にアマテガレイとそのキモ、9代了入の梅器に淡路産ウニ。
舞鶴産のトリ貝は軽く焼いて。
八寸はジュンサイ、一寸豆、ウナギの八幡巻き、筍かす漬け、エビに塩ウニ、バチコ。
勢いを伝えるために一匹一匹の表情にまで拘って丁寧に焼かれた琵琶湖の稚鮎。
花山椒鍋に山ウドの食感と香りを加えるのは変わりませんが、今回は使うお肉が進化し、素晴らしい物となっていました!
コシアブラの 天ぷらと辛味大根をのせた冷たい手打ち蕎麦で舌を休めてから、
シオデとイタドリ、飛竜頭の冷たい炊き合わせ。
ご飯おかずはカツオのゴマだれ。最初はそのまま、後でお茶漬けにしていただきます。
デザートがまた何とも心憎い、菖蒲湯を模した演出で供されるうすい豆の生麩饅頭。
見た目の楽しさだけでなく、お豆に塩味とやわらかな和三盆の蜜の味がたまりません。
続いて袴腰盆にローゼンタールのクープ。中には路地物のサクランボと三ツ矢サイダーのゼリー、ヨーグルトアイスで終了。
今回も穴見さんのトークは絶好調。
美味しいだけならXXXXX。
ストーリー、歳時記、メッセージがあってこその料理屋というお言葉が印象的でした。

立春大吉の『本湖月』さんは、キンコ、バチコ、コノワタの入ったユリ根のすり流しからスタートしました。
毎度の事ながら、一口いただいた瞬間から外の喧騒も移動や仕事の事もすべて忘れさせ、日本料理の世界へと引き込まれてしまいます。
恵方巻きに見立てた三つ葉、穴子、海老そぼろの入った蕎麦寿司。北北東を向いて無言でいただきました。
オコゼ、金時人参、カブラみぞれで仕立てて蕗の薹を散らしたお椀は言葉にするのがもったいない位の美味しさ。梅にウグイスの図柄が美しい明治時代の器にも見とれてしまいます。
永楽のお皿にのせられたオコゼの皮、胃袋などを使った煮こごり。
塩麹とお酢との相性がおいったりな白甘鯛の昆布締め
細かい包丁でねっとりした味わいの甲イカは、昆布締めしたウニと一緒にいただきます。
立春大吉ということで7つの運を込めた八寸には、ニシンと生数の子のきずし、ダイコン、ニンジン、インゲン、レンコン、ナンキン、キンカン。
甘エビの麹漬け、蕗の薹みそ、あん肝そしてクワイせんべい。いつまでも日本酒が楽しめそうです。
津居山のカニは炭火で殻の面を焼いてから反対側を松葉で炙り、食べやすく目の前で仕上げてくださいます。
今の時期しか食べられないワケギの新芽が美味しいブリシャブはチリ酢で。
箕面の水菜とクジラさえずりの芥子和え。
カニご飯。
丹波産白小豆ときんかんの入った椿餅 。
晩白柚の白皮炊き、晩白柚、せとかに三ツ矢サイダーのジュレとカルピスシャーベット。
食べログアワードのシェフズチョイスに選ばれたトロフィーを見せてくださりながらのお話も、また楽しかったです。

卯月の『本湖月』さんは、お花見。
始めに一寸豆とカタクリ、ミル貝にウドと芽吹きのエネルギーを感じさせる山菜からスタート。
続いて出されたこの季節ならではの木の芽田楽は、このためだけに作られた11代の楽の器と削りたてで瑞々しい青竹の串とのコントラストが絶妙です。
夜桜が浮かぶ外蒔絵のお椀の蓋をとると、そこには桜の花びら。中には甘鯛の生地にコノコとハマグリをしのばせたしんじょうに松露とウド。
お造りは花筏のお皿に明石の鯛と淡路のウニ。格調高く春蘭が添えられています。
イイダコの焼き物の横には小皿にのったイイダコの卵。木の芽味噌と合わせていただくと、見事な乾山の桜が現れます。
華やかな金の船に乗った八寸。
鼓のお皿に桜餅の見立てたホタテとサヨリ。
それに合わせて酒器も13代楽の鼓の盃に代わります。
三色団子に見立てた3本の串には、エビ・湯葉・長芋、鯛の子・きゅうり・アナゴ、マスやこんにゃく、
行燈の器の中には白エビ。
朝採れの筍は、貝塚木積産。今年も美味しい筍をいくつもいただきましたが、間違いなくNo.1の美味しさでした。
イセエビの焼き物に蓬豆腐。
舌も身体も清められるようなたたき蕨をのせた手打ちそばをはさんで、筍ご飯。鯛の身とアラを炒ったものがふりかけられて旨味倍増です。
能登の新モズクの赤出汁と香の物。
黄色い器とコントラストも鮮やかなエンドウ豆と丹波の白小豆のきんとん。
お薄。
サイダーの寒天とあまおうで終了。
花入れの桜を愛でながら、一番贅沢なお花見を満喫することができました。
『本湖月』さん。今月のおもてなしは端午の節句がテーマです。
お店の入り口にも飾ってあった邪気を払う菖蒲の葉と、健康のための蓬の葉で作られた兜のお飾りと共に出された品は、毛蟹とモズクと長薯にコシアブラを添えたもの。蕨粉独特の食感でまとめられた味わいを楽しみながら、皐月のストーリーが始まりました。
お料理にも使う蓬は、一枚一枚選りすぐって大将自らが摘んできた物だそうです。
続いての品は柏餅と粽。
柏の葉の下には穴子の飯蒸し、粽の中にはの鯛のお寿司が入っています。
金の蝶が控え目に描かれた黒漆のお椀の蓋を取ると、澄んだお出汁の香りと共に、白牡丹に見立てたアイナメと鮮やかな緑色のウスイエンドウ、そして言葉としては知っていましたが初めて口にする松露が目にも鮮やかに飛び込んできます。
食べ終わった後には季節感たっぷりの見事な細工が現れ、お椀一つだけでもお芝居を一幕楽しんだかのような感動がありました。
最初のお造りは、炙ったノドグロ。
口の中でとろける食感と旨さだけでも驚いたのですが、力強い文様と形、緑色の美しい器は楽家10代旦入の作品。東博か近代美術館にでもいる気分になります。
二皿目のお造りは、シーズンがスタートした淡路のウニとアオリイカ。
八寸は、ジュンサイに海藤花、一寸豆、タイの白子、鰻、海老、そして貝塚の筍を3年寝かせた鄙願のもろみと味噌に漬けたもの。もちろんお酒は鄙願を合わせます。
香ばしく焼かれた琵琶湖の稚鮎を楽しんでいると見過ごしそうになりますが、手の込んだ造りの笹皿は永楽でした。
余興と言うには勿体ない体験ですが、まるでお濃茶のようにビールを一つの器ので楽しませていただのは、大将が13年待って手に入れた魯山人の赤志野ビアジョッキでした。その存在感だけでなく、口当たりの何とも言えない優しさが、とても印象的でした。
すっかり有名になった花山椒鍋ですが、このお店では珍しい山形牛のヒレ肉は、とても丁寧にカットされ、山ウドの食感と香りも加わった味わい深い品となっています。
イタドリとニシン、南関揚げの炊き合わせの後は、いつもの通り輝く白御飯。
カツオのゴマだれとお漬け物がおかずですが、お代わりを止めるには、勇気と決断が必要です。
サクランボの水菓子は、いつもとは違って袴腰盆にのせられたローゼンタールのシャンパンクープに可愛らしく収まっています。
続いて丹波芋と小豆がつかわれた蓬のキントン。白樺の樹液を寒天で固めたものがキラキラと光り、蓬の苦味と緑に美しさと清らかな甘さが加わり、とても印象的でした。
いつものようにお薄をいただきコースは終了。
穴見さんの作り出す日本料理の素晴らしさに、ますますはまってしまいました。

2017/03
京割烹とは一線を画す日本料理の世界を知ってから1年がたちました。
3月の本湖月さんは、雛の節句がテーマ。
同じテーマで同じ時期の食材をどう扱うのかがとても興味深かったのですが、それは見事に、日本料理の楽しさを満喫させてただきました。
最初の一品は、貝合わせを思わせる永楽妙前の器に、ウド、ミル貝と芽甘草。昨年は、宍道湖の白魚、サヨリ、ウニに芽甘草を合わせてありました。
続いての品も、昨年はヨモギ餅にバチコとコノワタでしたが、今年は秋田の一番海苔を使った磯辺巻き。
お椀はほぼ同じですが、昨年が桑名のハマグリに対して今年は宍道湖の白魚。
見事な蒔絵が施された大きな御膳に、蝋燭と貝尽くしのお造りが盛り付けられて登場する雛祭りならではの演出は同じながらも、シジミのエキスをゼリーにしてアサリの中に閉じ込めた物が加わり、蛤の中にも山葵が入っていたり、楽しさをも味も必ず進化しています。
春ならでは、そして日本人だからこそ楽しめる苦味のある旬菜を味わい、苺とシャンパンの水菓子に相好を崩し、昨夜も法善寺横町を後にしました。
2017/02
今月の本湖月さんは、赤い短冊に書かれた立春大吉の金文字でスタート。
続いて大阪らしく恵方巻。
梅と鶯が輝くお椀に続いて出された、オコゼ煮のこごりを食べると器には福の文字。
シロアマダイ、タチイカ、昆布締めにした塩水ウニのお造りに通いて出された八寸のお盆には、初午にちなんで狐のお面が被せられています。クワイだんご、鮟肝、ふきのとう、甘エビ 塩麹合え。そして生の数の子とニシンの生鮨の上には、全て運(ん)のつく七つの素材が御目出度くのっていました。
マナガツオの西京焼き。ぶりしゃぶ に続いては、
貴重なナガスクジラのさえずりと水菜。
〆は蟹ごはんと赤だし、お漬け物でした。
水菓子に晩白柚 。
丹波白小豆 と金柑を求肥で包んだ物とお薄で終了です。
お正月と桃の節句に挟まれた2月は、いつもより見た目は地味だったかもしれませんが、福と運がいっぱいな仕立てでした。誕生月に沢山の福と運をいただき、この1年、また沢山良いことがありそうな気持ちです。

2016/10
最初の一献として出された杯の中には、花びらが1枚。
それで何となく今日の意図がわかる気もしますが、出てきたお料理は、渡り蟹と長芋を合わせたものにイクラをのせたもの。
次は鯖寿司。
もちろんとっても美味しいのですが、本湖月さんの設えとしては何だか地味な感じです。
続いて出てきたのも、ただ真っ黒ななお椀でした。
先月は、登場した瞬間から凄いオーラを放つ日月椀でしたので、『今日は松茸がメインだからそれに向かってストーリー展開するのかなぁ……』などと思いながら蓋をとって驚きました。
手に取った椀の中はまさに菊の園。花弁に囲まれた椀の真ん中には白い胡麻豆腐が、置いた蓋には菊の蒔絵が施されています。
フワフワに柔らかい胡麻豆腐を箸でスッと割ると、中からは絶命な温度のウニがでてきます。食べ進むに従って椀に施された見事な内蒔絵が現れ、感動と同時に箸使いに緊張します。
食べた終わればそこに今日のテーマ『菊』が、それは美しく輝いていました。
明石の鯛のお造りがのるのは、何と四代目一入作、菊の赤楽茶碗。
カワハギ がのるのは朝鮮青磁に見えましたが初期伊万里。
八寸が盛られるのは、菊の花と葉を模した小さな器たちでした。
メインを前に一息入れるために出されたのは、丁寧に仕事を施された子持ち鮎。
季節の変化と同時に時代を感じさせる、そんな一品でした。
また一気に舞台は転換し、魯山人の器に盛られて出てきたのは今夜の主役、高野山の松茸です。
大変貴重な物で、口に出来るのは初めての経験です。
鱧と合わせての鍋は、しっかりとしていながらも上品さを保ち、お出汁の最期の一滴を飲み干した瞬間に味の頂点を感じます。
高野豆腐と枝豆ムースをはさんで、仕上げは白いご飯。
おかずは鰹の胡麻だれとお漬け物。
梨とシャインマスカットと猿梨の水菓子。
栗の入った葛焼きのお菓子にお抹茶で献立が終了。
今回もとても勉強になりました。
2016/09
すすきと一緒におぼんにのっているのは、月に見立てた鏡と琵琶の形をした深草焼の器
アルプスで取れた岩茸、みずの実、車海老、淡路の雲丹からなる先附は、一つ一つの素材の滋味深さとともにハーモニーの素晴らしさも際立ち、これから始まる宴の序曲が聞こえてくるようです
由良川の鮎は、身の部分はお寿司、頭と尾は唐揚げにしあげられていました
続いて登場したお椀
あまりにも有名なそのお道具の存在感が凄くて思わず目を疑いましたが、美術館でガラス越しに見たことのあるお椀です
なんとも言えない落ち着いた質感のある蓋を取ると、鱧のすり身を使った玉子豆腐のお月様が浮かんでいます
合わせるお出汁がスッポンなのが、穴見さんの粋な世界
また話が盛り上がります
タマメのお造り、鯖の炭焼き、鱧の炙りと味わいも食感も違うお魚を楽しんだ後は、八寸
能登のモズク とノドグロのしゃぶしゃぶ
ゴマだれと揚げたお米のかかったイチヂクで口直しの後に出てきたのは、見事な朱塗りの大きな椀にひろうすが一つ
これがまた絶妙なバランスの美しさ、そしてたまらなく美味い
炊きたてのご飯に合わせてでてきたのは大きな銀の器に入ったイクラ
自制心が無ければおかわりをとめることができません
水菓子は、鳥取の新幹線、じゃなくて新甘泉とシャインマスカット
最後に栗きんとんとお薄
毎度の事ながら、写真でお見せできないのが本当に残念

2016/06
新幹線を降りた瞬間から少々雰囲気が変わり、地下鉄で異動し目的の駅で降り地上に出ると、そこにはアジアの喧噪が満ちあふれていました。
緊張しながら群衆をかき分け進むと、そこだけ古き良き日本の風情ある小路にたどり着きます。中程にあるお店の暖簾をくぐりカウンターに座れば、そこはまるで異空間。磨き込まれた見事な吉野檜のカウンターからは凄みと温かみが伝わり、目に入るもの全てから凜として美しい気配りが感じられます。
爽やかな山桃水で喉を潤し、日本酒を盃でいただいた後は、宮家と将軍家のみに許された氷の節句の仕立の料理。榊に守られた氷のドームを割ると、季節の水無月羹に見立てたお料理が現れます。
笹にまかれた和歌山の鯵寿司は薄い葛を纏い、
のど黒に梅干しを添えたオクラのすり流しは目にも鮮やかな緑色。
目の前で包丁で削った氷の上に盛られた鱧の焼き霜作りは、もちろん備長炭で『焼かれた』もので、決してバーナーで『焦がされた』物ではありません。
タチイカには、旨味がのる納豆醤油と甘味の引き立つ藻塩が添えられ、二つの味わいを楽しむ事ができます。
八寸は茅の輪くぐりの仕立てで夏越祓。
丁寧、そして完璧な火入れの琵琶湖の鮎にギネスビールを合わせて下さったのは、また新たな発見でした。
シーズン最後、京都舞鶴の鳥貝は能登のもずくとしゃぶしゃぶ。
兵庫三田の天然じゅん菜のお蕎麦でペースを変え、最後に
青干しぜんまい、さやえんどう、お揚げ、こんにゃく、ミョウガ の炊き合わせ。
とても貴重なぜんまいの滋味がしっかりと伝わります。
〆はとってもシンプルに、水ナスときゅうりの漬物に炊いたおじゃこ。
炊きたてのごはんの味が最高に引き立ちました。
水菓子はまず枇杷にヨーグルトアイスをはさみ、葡萄とサイダーゼリーをかけたもの。
続いて出された白樺樹液のゼリーは、どこまでも澄んだ清らかな味わいでした。
お薄を頂いて水無月の夜が終了です。

見事な器の数々とともに季節と文化を表現したお料理は、どれ一つとっても手間と志とプライドがタップリと込められた都会の日本料理です。
安易な和食に慣れた自分を見直し次回は何を学べるのか、今から楽しみでしかたがありません。


2016/03
前々からその評判を聞いて来たいと思っていた本湖月さん。今回は雛祭りの時期にあわせたお料理でした。
電気が消えたと思ったら、貝尽くしの蒔絵が施された大きな御膳に、蝋燭と貝尽くしのお造りが盛り付けられて登場したり、
楽しませるための演出だけでなく、毎月器が変わる美術館級の貴重な器の数々。美味しく、楽しく、勉強になる本当に素晴らしい時間を過ごす事が出来ました
和食屋さんイコール京都出身の割烹というぐらい現在はそのスタイルが主流になっていますが、本来あるべき日本料理をどこまでも追求し続ける姿に頭が下がります。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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6位

松川 (六本木一丁目、虎ノ門ヒルズ、神谷町 / 日本料理)

11回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥60,000~¥79,999 ¥50,000~¥59,999

2023/07訪問 2023/08/25

穏やかな気持ちで安心して美味しい物をいただける場所

水無月の『松川』さん。
蒸しアワビとウニにズイキ、肝酢もそえて
キスの飯蒸しにベルーガキャビア
アマテガレイと淡路赤ウニ ジュンサイを添えて
生姜がアクセントなウナギと冬瓜のお椀 
毛蟹とオクラにお酢のゼリー
ハモと揚げたとうもろこし バチコ
焼きナス
京都久多川と滋賀安曇川の焼き鮎
スッポンと新牛蒡
ハモと湯葉のしゃぶしゃぶ
笹を練り込んだ冷麦
ご飯おかずに宍道湖のウナギ 
ジュンサイの赤出汁
きゅうりとナスのお漬物
いつものご飯セットに続いて
ウナギの佃煮のお茶漬けもいただきました

水羊羹
スイカと宮崎マンゴー
お抹茶をいただいて終了


皐月の『松川』さんは、蒸しアワビとウニからスタート
続いてトゲクリ蟹の飯蒸し
お造りはアマテガレイと伊勢海老昆布締め
鴨茄子とオコゼのお椀
揚げたトウモロコシ、焼いたミルガイ、バチコ
焼き鮎
ウナギ
トマトとジュンサイ
サザエは立派なだけでなく、その美味しさに驚きました
冷たいオクラ蕎麦
甘鯛とアナゴのお鮓 
花山椒と熊、コゴミのお鍋をいただき
いつものご飯
水羊羹にマンゴー、サクランボをいただき
最後は永楽お茶碗でお薄をいただき終了
アンティークのラリックやバカラが、より一層涼しさと美しさを感じさせてくれました
新年の『松川 』さんのスタートは、お雑煮から。
続いて間人蟹を使った飯蒸し
焼き蟹
フグの白子とウニの柚子釜
お造りは伊勢海老昆布締めとタイ
お椀はホタテのシンジョにバチコ
フグの白子和え
カラスミ餅
焼いたモロコ
蟹の昆布締め
香ばしく焼いたグジに菜の花の餡
スッポン
鴨鍋から鴨南蛮蕎麦
小鴨
そしていつものご飯
デザートは大好きなイチゴ❤️
でした
晩春の『松川 』さん。
一つ一つのお料理が超弩級のスケールなのに、繊細でバランスが取れていているため最初から最後まで気持ちよく味わうことができます。
この日も立派としか言いようのないアワビに萩のウニからスタート
ワタリガニ飯蒸しにキャビア
伊勢海老とタイのお造りは、それぞれタイの白子醤油とエビ味噌を合わせていただきます
毎回心震えるお椀ですが、この日はナスとオコゼ
桜マス
炙ったミル貝とバチコに蕗の薹
筍に蛤、そして蕗
鮎、筍
近江牛のヒレに花山椒
この日の小鍋はアワビ(舞鶴)と新物のワカメ(淡路)
冷たいオクラ蕎麦をいただき
最後に熊肉と筍に花山椒
いつものご飯セットをいただき
水羊羹とお抹茶で終了
心からの感動とともにお店を後にしました

秋の『松川』さん。
スタートは伊勢海老に松茸、ベルーガキャビアを添えて
アナゴの飯蒸しには栗と銀杏
タイとカワハギのお造り
もちろんキモ醤油もあります
毎回美味しくてため息が出るのをこらえられない松川さんのお椀ですが、この日は松茸と蟹しんじょ
続いてフグをポン酢で
カラスミとお餅に大根おろし
昆布締めにして塩焼きしたマナガツオ、車海老とムカゴ
スッポン、松茸のフライに続いて
炊いたカブにバチコ
冷たいおろし蕎麦
ごはんおかずは松茸と牛肉
松茸ご飯
赤出汁に庄内麩
いつものご飯セット
デザートは焼き栗、水羊羹、柿とグレープフルーツゼリー
お抹茶で終了。
この日は最高の夕食に相応しくパークハイアットのスパで整えてから出かけたこともあり、
本当に幸せでした。

冬の『松川』さんに欠かせないのが「間人蟹」です。
今やたった5隻しかない船がとる貴重な蟹を、シーズン中は欠かさず用意する苦労。
そして何よりいくら間人蟹とはいえ、港から遠く離れた赤坂のお店でいただくカニの美味しさにいつも感動させられます。
最初の品は、その間人蟹を使った飯蒸し
そして焼きガニ
白子とウにの柚子釜
どの和食屋さんでも出てくるメニューですが、やはり違いは歴然です
この日のお造りはオコゼと伊勢海老
通常ならタイにコノワタを合わせるのですが、この日のオコゼは状態が素晴らしく
お塩でいただき、コノワタはそのまま熱燗のツマミに
毎回書きますが、普段は興味のない伊勢海老のお造りもここは格別の美味しさ。ミソと一緒にいただきます
そして主役のお椀。この日はホタテのしんじょに炙ったバチコでしたが、ここで食事が終わってお金をお支払いしても良いと思えるくらい、心をガッチリ掴む完璧な美しさと美味しさです。
一旦ペースを変えるフグ白子和えの温度感と旨さ
さらにホッコリとさせる炙ったカラスミとお餅に大根のお出汁
再び間人蟹を使った何だか美味しくてたまらない昆布締め
見た目も鮮やかなグジと菜の花
モロコ
スッポンの付け焼きに揚げた堀川ゴボウ
さらっと並べていますが、どの品もメインをはれる旨さと美しさです
この日は鴨のしゃぶしゃぶ
そしてそのお出汁を使った蕎麦
ご飯おかずは白魚と蕗の薹の天ぷら
白菜の漬物
シジミの赤だし
そしていつものジャコ、生のカラスミ、イクラと海苔のセットでエンドレスなご飯となります。

黒豆の美味しさを丸ごと味わえる水羊羹
お抹茶
そしてイチゴ大好きな私が愛してやまない、コアントローを使ったゼリーとの相性が完璧なのイチゴのデザート
こうして文字に起こしていても美味しさと感動が甦ります

冷緑茶でさっぱりとした後、まずはアワビと唐津のウニ。この一品だけでも横綱級の旨さなのですが、そんなそぶりすら見せずサラッとお料理は続きます。
キスの飯蒸しにキャビア。キャビアを安易に使ったお料理は好みではありませんが、こちらは格が違います。
お造りはアマテカレイに淡路のウニ、続いてトリガイ
お椀はオコゼと鴨ナスでしたが、今回もただただうっとりとさせられてしまいます
クロモモズクに噴火湾の毛蟹
ハモにトウモロコシそしてバチコ
アユ
焼きナス
宍道湖のウナギに揚げたゴボウ
高知産トマトとジュンサイ
鱧鍋
オクラ蕎麦
ご飯おかずにはマグロ
ジュンサイの赤出汁
そしていつもの海苔、生カラスミ、イクラ、ジャコ

水羊羹
お抹茶
マンゴーに佐藤錦で終了

最高という言葉につきます

私の和食のメートル原器『松川』さんのお席。
スタートは蟹の飯蒸し
続いて焼き蟹
なぜ間人の蟹が間人で食べるより美味しいのか、いつも不思議でたまりません。
焼いたみる貝と蕗の薹の天ぷら
お造りは伊勢海老と鯛
伊勢海老を海老味噌でいただくのですが、これがまたイセエビとは思えぬ美味しさです。
お椀はホタテのしんじょ
生キクラゲのシャリシャリとした食感にバチコの塩味、鉄板のお出汁が至福の世界へ連れて行ってくれます。
フグの白子和え
竹の子にハマグリ
蟹の爪の昆布締め
焼いたモロコ
グジ と菜の花の餡掛け
鴨に白髪ネギ、空豆を添えて
アワビと生ワカメしゃぶしゃぶ
お出汁には焼いたフグの白子
白魚と蕗の薹の天ぷらの蕎麦
シジミ赤出しそしてご飯
デザートは水羊羹とイチゴのゼリー
お抹茶で終了
新橋の名店がルーティンから無くなった今年、『松川』さんの存在の重要さを改めて感じました。

夏の『松川』さん。
スタートは冷たく冷やされた淡路ウニとアワビ
相変わらず最初から凄いお料理をいとも簡単にだしてくださいます
続くキスの飯蒸しも次元の違う松川さんならではの旨さ。北カスピ海産ベルーガを使う意味がちゃんと存在しています。
お造りはタイと唐津産ウニ
そしてトリ貝
この日のお椀は宍道湖のうなぎと冬瓜
いつものことながら、松川さんのお椀を頂くたびに感動で言葉を失います
一転して涼しげな毛ガニと天然キクラゲにお酢のゼリー
揚げたトウモロコシ、バチコ、ハモの焼き霜
香ばしく焼かれた鮎
素直に美味しい焼きナス
いつもの焼いたスッポンに揚げたゴボウ
ハモしゃぶに宮城県産松茸
毎日でも食べたい笹の葉を練りこんだ冷麦
ご飯おかずに海鰻を焼いた物
ジュンサイの赤出汁とお漬物
そしていつもおかわりがとまらないカラスミ、イクラ、ジャコ、お海苔
究極の水羊羹とお薄で終了
例によって投稿が遅れていますが、どのお料理も突出したりエッジが効いたりしてはいないのに、
今も鮮明に味がよみがえります。
やっぱり凄い!

近いのにどんどん遠いところにいってしまう『松川』さん。
今回スタートは間人蟹の飯蒸しから。
緑のタグのついた蟹を見せてもらったとおもいきや、間髪入れず出される焼きガニ。
続く柚子釜にはフグの白子とウニ。
お造りはタイと伊勢海老。それぞれ海鼠腸と伊勢海老のミソを合わせていただきます。
お椀はホタテ真薯とバチコ。
そしてフグの白子和え。
怒涛の勢いでエース級のお料理が続くのですが、どれもが洗練されていて嫌みのかけらもない。それでいて切れ味抜群で印象深く凄みのあるお料理です。
焼きモロコ
カニ爪をそのままで。
焼いたグジを菜の花の餡で。
スッポンの付け焼き。
大根にカラスミ餅。
揚げた白魚と蕗の薹をのせた冷たいお蕎麦。
焼いたイノシシをご飯おかずに白いご飯。
いつもの、生カラスミ、イクラ、ジャコ山椒、海苔。
そしてシジミの赤だし。
お菓子はは丹波黒豆の水羊羹。
お抹茶。
最後に苺のゼリー寄せ。
どのお料理をいただいても、「やっぱりすごい!」そして「好きだな~、この感じ」という思いに満たされます。
素材の値段がどんどん上がる中、予約が殺到していてもこの値段とクオリティを維持されていることに、本当に感心します。
2017/04
季節柄気になるのは花山椒
牛肉を厚く切って焼いたものにたっぷりとのせた品が一つ。
もう一つは、いわゆる花山椒鍋風の仕上げで。
どちらもたまらない美味しさです。
筍をはじめ、日本人にしか感じられない春の味覚を満喫しました。

2017/03
お椀のお出汁を口にする度に、やっぱりこの味が好きだなぁって思います。
凜としていながら暖かい気持ちが伝わる、そんな感じです。
今回は、間人蟹もありながら春の味覚もちりばめられ、季節の変化を満喫しました。

2016/11
京都から戻って向かったのは松川さん。
コッペ蟹からスタートしたコースですが、その温度感といい味といい、やはりどこか違います。
たっぷり身のつまった間人蟹を焼いてもらった後、蛤の飯蒸しで完全に松川さんワールドに引き込まれ、松茸と間人蟹のしんじょのお椀に至っては、完全にノックアウトされました。
二種類のちがったカブをつかったお料理の控えめで滋味深い味わいもまたこの季節ならでは。
一方ぐじと九条ネギや近江牛に松茸をのせたものはぎゅっと旨さが凝縮しています 
連日の名店続きだからこそわかる松川さんの凄さ。輝きがさらに増したたように感じました。

2016/08
久しぶりの松川さん
研ぎ澄まされ、凜としたお料理
松川さんの優しい笑顔と遠慮がちな会話
和やかでありながら行き届いたサービス
美しい姿と風情のある食器の数々
今日も美術館にあってもおかしくないお椀が当たり前のようにでてきます
かとおもえば夏場の定番、氷の器などもあって、見ているだけでも飽きることがありません
どこをとっても大好きな要素であふれているお店です
そんなお店でとっても魅力的な友人とゆっくり時間を過ごし、今夜もとっても幸せです


2015/10
やっぱり凄い
食べたら背筋がピンと伸びる、
そんな感じでした。
松茸にはもう時期が遅くて大変なはずですが、
京都からわざわざ1日戻ってきたかいがありました。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
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7位

炭火焼肉 なかはら (市ケ谷、麹町、四ツ谷 / 焼肉)

10回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.9
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 ¥3,000~¥3,999

2021/12訪問 2021/12/25

大人の雰囲気で、優しいオニギリも・

ガラッと店内を作り変えリニューアルオープンした『炭火焼肉なかはら』さん。
エレベーターの扉が開いた瞬間からずいぶんと雰囲気が違います。
天然の石と木材をふんだんに使い落ち着いたトーンに変わった店内。その中でも特に目立つのが、中原さんのメインステージに変わった中央のカウンター席です。
お任せコースの内容は、いつものようにジャガイモと和牛の冷製スープからスタート。
厳選されたお肉をつかったユッケそして幻のタンを3種類
焼き物、サラダ、ナムル、内臓、テールスープにひれかつサンド、とここまでは変わりませんが、
最後の〆に加わったのが、炊き立てにぎりたてのおにぎり。和の具材も美味しいですが、定評あるコンビーフのおにぎりはここならではの美味しさです。
少し時間が空いてしまいましたが、市ヶ谷の『炭火焼肉 なかはら』さん。
貴重なカウンター席、気合をいれてでかけました。
スタートはいつものようにビシソワーズからユッケ、そして幻のタンのセット。
中原さんに焼いていただく厚切りのタンの美味しさは、やっぱり格別です。
一つ一つのお野菜が美味しいサラダに続いて、サーロイン。今回は少し厚くカットしてゆっくり火をいれてくださったのですが、サーロインの旨さを十二分に楽しむ事が出来ました。そしてハラミはただただ最高。
そしてこの日印象に残ったのは、身も脂も澄んだハツでした。
新作のハンバーグを2段階に分けて楽しみ、冷麺とピスタチオのアイスクリームで終了。
本当に凄いお店です。

焼肉弁当で忘れてはいけないのが、『炭火焼肉なかはら』さんのお弁当。
いつもの事ですが、中原さんの皆さんを応援する気持ちがこれでもか!っていうくらい詰め込まれたお弁当ですから、美味しいのは当たり前。
「頑張れ日本弁当」「炭火焼二段弁当」ともに炭火で丁寧に火が入れられた上質な牛肉は、冷めてもしっとりジューシーな美味しさをしっかりたもっていて、素直にまた食べたい!って思える旨さです。

中原さんの焼肉が食べたいなぁ~って思って電話をしたら、運良くカウンター席に案内してくださいました。
ビシソワーズそしてユッケでスタートした後は
名物のタン元、タン先、ゲタ
中原さんのカットの技も火入れの加減も、どんどん究極感が増しています
20種類の野菜を使ったサラダを食べながら
サーロインはやっぱり美味しいって再確認します
でも、しっかり焼ききったイチボとハラミの旨さもまたたまりません
リブシン、シンシンと焼き物をいただいた後は内蔵
まずハツサシから
ハツ脂つき、ミノ、シマチョウをいただきます
〆はまずヒレカツサンドから
牛丼を2通り楽しみ冷麺でサッパリ
最後はピスタチオのアイスクリームにプレミアムラムをかけて終了
大満足なのは言うまでもありません。


今回はカウンターでの『炭火焼肉なかはら』さん
スタートはコンソメとビシソワーズそしてユッケ
焼き物はもちろんタン元から
タン先、そしてタンゲタ
19種の野菜を使ったサラダが美味しくておかわりを!
サーロインをさっと炙った後は
ギリギリまで火を入れ旨味が最高なハラミ
イチボ
リブ芯
ランプホソ
内臓もまた火入れが素晴らしくてたまらないシマチョウそしてミノで焼き物は一通り
ここからは食いしん坊セット
まずはヒレカツサンド
そして最高に贅沢な肉&ヒレカツ・カレー
最後はさっぱりと冷麺
デザートはピスタチオのアイスクリームにヴィンテージラム
あー美味しかった!

美味しい焼肉が食べたくて....というよりしばらく間が空き「なかはら欠乏症」でたまらず『炭火焼肉なかはら』さんへ。
スタートは冷たくビシソワーズから。
ユッケに続いて幻のタンの流れはいつもの通り。ギリギリまで旨味を上げる火入れの技に感動です。
カラフルなサラダをいただきながら美しいカットのサーロイン。
サガリとブリスケの旨さを堪能し、
イチボ、シンシンと焼き物が続きます。
贅沢にヒレを焼いていただき、内臓をちょっとつまみ、ビールとともにヒレカツサンド。ホントにたまりません!
スペシャルな牛丼と冷麺で〆。
最後はスペシャルテキーラとアイスクリームで終了。
なんだかホッとしました


今年初めての『炭火焼肉 なかはら』さん。
まずはお誕生日にということで開けてくださったのが、全国2,000本限定発売のヱビス マイスター ザ・ロイヤルリーフ スペシャル・ボトル2018。華やかなホップの香りが印象的で、研ぎ澄まされたきれいな味でシャンパンのように楽しむ事ができるビールです。
お料理はいつものようにビシソワーズからスタート。
ユッケに続いて幻のタン。
カラフルなサラダをいただきながら中原さんのカットに見とれてしまったサーロイン。
サガリ、ブリスケ、コブ(ジョイント)
ウワミスジ、リブシン、シンシンと焼き物が続きます。
さらに正肉をいくつかいただいてから、気分をリフレッシュするセンマイ刺とテタンジェのマリアージュ。
絶妙な焼き加減のミノとホルモンを楽しんでから、淡白になりがちな田村牛のヒレの良さがパーフェクトに引き出さられたヒレカツサンド。
牛丼と冷麺と〆のメニューを楽しんだ後のデザートは、ピスタチオのアイスクリーム。100%アガペのスペシャルテキーラが魅力をプラスしてくれます。

『炭火焼肉 なかはら』さんのカウンターを初体験。
いつもその美しさに見とれてしまうお肉のカットを目の前で見ることができました。
我々素人には十分きれいに見えるお肉ですが、ただ単にスライスするのではなく、
そこからさらに驚くほど大胆にトリミングがされ、部位ごとに最適なきめ細かい包丁が入れられます。
味付けがされ丁寧に盛り付けられたお肉は、その時点で何とも言えない色気を放っていますが、
そこからの焼きがまた素晴らしく、丁寧にギリギリ最高の状態まで火が入れられたお肉は、見るからに旨そう! そして実際にとっても旨いんです!

お昼に幸せなお寿司で楽しい時間を過ごした後、一息入れてから向かったのは、『炭火焼肉 なかはら』さん。
今月からコースだけのメニューに変わりましたが、タンはもちろん最高のカットとともにお肉の安定した美味しさはかわりません。ナムルだけで無く、こだわりの生産者から直送される野菜が増えて、個人的にはとってもハッピーです。
久しぶりにホルモンを頂けたのも、また懐かしい感じ。
夜も幸せなお肉で楽しく過ごす事が出来ました。
大好きな『なかはら』さんに行くのですから、しっかり体調を整えお腹を減らして行くつもりが、なぜか遅いランチにガッツリとつけ麺を食べるはめになってしまいました。
なので体調万全とはいきませんでしたが、やはり『なかはら』さんは素晴らしい!
質の良いお肉のと素晴らしいカットの技術で、最高に幸せな時間を過ごすことができました。
コースとしての完成度も益々高まっているように感じます。
ここしばらく頭の中をグルグル回っていた”カツサンド”への欲求も、こちらのヒレカツサンドを食べてすっかり解消!?
お弟子さんの新しお店、そして期待の新店に行くのも待ち遠しく思います。

2016/08
選ばれた肉の良さ、一つ一つ切り出される包丁の技の確かさ、
何より気持ち。
行くたびに頭が下がりますし、感動します。

2016/05
いつ行っても、お肉の切れ味の凄さ。お肉・飲食業界への熱い思いには感心させられます。
そんななかはらさんの熱い思いとトークがありながら、今日の参加者はそれぞれ自分のお肉の事で目一杯。無言でひたすら自分好みの焼き加減を求め、網の上を凝視していました。
お店にしてみたら、さぞかし異様な光景でしたよね⁉︎

2016/03
なかはらさん。いつ行っても肉に対する真摯な姿勢と思いに胸打たれるのですが、今回も素晴らしかったです。
あえて悶絶コースではなく普通にオーダーしましたが、肉の選び方はもちろん、いつも凄いのはそのカット。見ていて惚れ惚れ、食べてうっとり。
雛祭りでしたが、姫より肉を選んだ肉食男子が4人。中原さんにラブラブです^_^

2015/10
ランチとオヤツを消化しきれないままディナーに突入。もしかしたら食べきれない?なんて心配は全く無用。悶絶コースではなかったけど、切れの良い爽やかな香りのお肉に今夜も悶絶です。

  • 2015/10
  • 2015/10
  • 2015/10

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8位

クロモリ (五橋、愛宕橋、大町西公園 / 中華料理、飲茶・点心)

7回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.7
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 3.3
    • | 酒・ドリンク 3.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥30,000~¥39,999 ¥30,000~¥39,999

2019/08訪問 2019/08/26

新店舗での進化がとっても楽しみです

週末食べ歩き、東北。二日目の目的は仙台の『クロモリ』さん。
スタートは薬膳スープから。とっても美味しかったし、こんなコースの始まりもいいなって、素直に思えます。
先ずは点心の大根餅。以前は冬にしか出さなかった大根餅ですが、大根の力のある無しに関係なく、食べる度に感動します。
エビ蒸し餃子は、今回ワタリガニの旨さが加わりこれまた流石の一品!
続いて小籠包にウニ。小籠包そのものの美味しさは抜群。スープ多めという仕立ても面白かったのですが、宮城県産のウニをそのままのせてしまったのがとっても残念。うま味調味料代わりに使える便利なウニですが、小籠包にのせただけでは、料理とは呼べません。宮城県産というだけで質がともなっていなかったのも大きな問題です。
クロモリさんの弱点は魚。この日の蒸した赤ムツも、たぶん仙台の飲食店では1・2を争う美味しさに仕上がっているのでしょうが、他の技術が突出して素晴らしいのに比べ、アラだけがめだってしまいます。
斎藤豚 のチャーシューは鉄板の美味しさ。
フカヒレの煮込みは、最高のヨシキリザメの尾ビレを選んでいただいたこともあってフカヒレそのものの美味しさがさらにはっきりとしてきました。スープの雑味も消えたので、煮込んでさらに美味しくなります。他では食べられない感動の味です。
クラゲで口の中をさっぱりと切り替えた後は、干し鮑。
化学調味料やオイスターソースを使わず、干し鮑そのものの美味しさを引き出した相変わらずの美味しさ!
さらに進化を期待してしまいます。
次の鶏も、「パリッツ!」「ジュワッツ!」と最高の仕上がり。本当にクロモリさんの調理の技術には感心します。ただし、残念なのは鶏の質。明らかに肥育期間が短く、餌や飼育環境に問題を感じてしまいます。
軽くだしてくださる麻婆ナスも 目の覚める旨さでした。
〆のクロモリ麺、今回は鳥とシジミのスープでしたが、旨味は濃いけど独特のクセがあるシジミと、食感以外特徴の薄いクロモリ麺ではバランスが取れていないように感じました。
気分を変えるためにお願いした炒飯。こちらはいつ食べても文句なし、最高の美味しさでした。
最高の点心と最高の広東料理を自在に組み合わせ美味しく表現できるのは、クロモリさんならでは。
次回新店舗での飛躍がさらに楽しみです。

コラボイベントではお会いしていたものの、久しぶりに黒森さん単独の『クロモリ』にお伺いすることができました。宮城県初の料理マスターに選ばれた責任感からというわけではないでしょうが、前菜から様子が随分と違っていて、しっかりとインパクトのある冷菜が3つ並んでいます。
石巻産のヤリイカを老酒漬けにした上海蟹の内子で和えたもの。
志津川産のタコの中国茶煮。
角田斎藤豚のスネ肉とスッポンの煮こごりをスパイシーなソースで。
小岩さんの選ぶ旨味たっぷりなBlanc de Noirのシャンパーニュとよく合います。
でも次は、ガラッと方向を変えて身体に優しく沁み渡る薬膳スープ 。
スッポンスープをベースにフカヒレ、ナマコ、冬虫夏草、クヌガサ茸、朝鮮人参他様々な素材が入っていて、ミニ佛跳牆の様です。
写真で見てはいた上海蟹餃子ですが、実際に食べたらしっかり餃子として美味しく、良い意味で予想を裏切られました。
気仙沼カツオ 塩釜 ひがしものを山椒、ネギ、生姜のタレで。
定番の角田斎藤豚のチャーシュー。大豆を砂糖とレモンで煮たものが添えてありますが、肉と一緒に食べると味わいが変わります。
お口直しに採れたてのルコラ。
真打ちの一つ、フカヒレ。今回は気仙沼産青ザメの尾ビレでした。毎回いろいろなことにチャレンジされているのクロモリさん独自の味の追及は、まだまだ進化の途中のようですが、毎回美味しく、そして安心していただくことができます。「渡部飯」用には角田産ササニシキのご飯。
伊豆沼産の蓮根に角田産の合鴨を使ったレンコンモチは、その日にとってきた名取のセリと一緒にいただきます。
真打ちその2は南三陸産40頭吉品鮑。こちらもクロモリさんらしい優しい味わいが特色ですが、余韻はひたすら長く感じます。
仙台牛のランプに黒胡椒ソースとキタアカリのマッシュポテト。どうってことの無い仙台牛が見事な料理になってしまうソースの旨さに驚かされました。
〆は比内地鶏のスープに宮城産小麦を使ったKUROMORI麺。
まだまだ食べられるとお願いして、上海蟹&チャーシュー炒飯も追加で作っていただきました。
デザートは、宮城伝統のイチヂクのシロップ煮をつかったマーラーカオ、杏仁豆腐、クルミ。
お茶をいただきながら、料理についての熱い思いのお話をしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
仙台・宮城では孤軍奮闘なのが現状ですが、早く後を追う料理人やお店が出て、仙台・宮城そして東北の食が盛り上がってくれることを願っています。
週末仙台ツアーの目的は、リニューアルオープンしたクロモリさん。
少しイメージの変わった扉を開いて店内に入ると、ロケーションの良さを生かして落ち着いて食事を楽しめる内装と、また少しグレードアップした調理場が待っていました。
内装のリニューアルがあろうがなかろうが、お料理の進化は止まりません。
定番のフカヒレも、今回はアオザメの尾ビレ。
太い繊維とよりクリアなスープととろみのバランスが最高でした。
チャーシューも一段と魅力的になり、新しくメンバーに加わったソムリエさんとのコンビネーションのおかげで、楽しい時間が過ごせました。
週末食べ歩きの旅、2日目は仙台へ移動。
地元の方によると、とっても珍しいのだそうですが、空は高く青く晴れ渡り、気持ちの良いお天気でした。
向かった先は『クロモリ』さん。
美味しいものには目がない方々とご一緒しての訪問ということで、なんだか緊張していらっしゃたそうですが、いつも通り、とっても楽しい時間を過ごすことができました。
前菜はクラゲの冷菜、生湯葉の四川ソース、いんげんの香り炒め、油淋茄子、そしてお店に入ってすぐ目に入った、野田鴨と齋藤豚び叉焼と豚トロ胡椒焼き。齋藤豚の美味しさにはいつも感動します。
続いて気仙沼産ヨシキリザメ尾びれの煮込み。上品な旨味とともにフカヒレそのものの味と香りを味わえるのが、クロモリさんらしいところ。
点心はまず、海老蒸し餃子、フカヒレと自家製貝柱の蒸し餃子、加賀蓮根入り広東焼売。
同じように見えて、一つ一つが進化しています。
続いてカレー風味の揚げ餃子。サクサクの食感と餡のバランスが最高でした。
そして、角田齋藤豚の上湯小籠包。今回は20日寝かせて旨味Max。スープの旨さがガツンと効きます。
そんな旨味の感動をあっさり超える、干し鮑の煮込み。宮城県だからできる贅沢を堪能しました。
〆はまず、香麺。具材なんていらない、シンプルですが癖になります。
スープを残しておいて、次の炒飯を2度楽しみ。さらに中華風リゾットまで作っていただき、お腹いっぱい!
デザートももちろん手抜き無し。
次に開く引き出しは何だろうと、楽しみにしながら新幹線に乗りました。
運の良いことに、二週連続の仙台。もちろん『クロモリ』さんにやってきました。
点心中心という事は同じですが、それぞれの内容を変えて対応して下さいました。
前菜の盛り合わせは、クラゲの冷菜、ブドウ海老の老酒漬、鰹の椒麻ソース、トマトの甘酢漬、スナップエンドウ、齋藤豚の炭焼き叉焼。
ヨシキリザメ尾ビレの煮込みに渡部飯を出してくださるところは定番。クロモリさんのために特別に育てているという鳥を使った地鶏の揚げ物は、香り、味、食感、旨みのどれをとっても最高の美味しさです。
点心の旨さについては先週書いた通り。
カブ入り大根餅や漢方牛の煮込み揚げパイなど、メインをはってもおかしくない品が普通に出てくるところも同じです。
22日間寝かせてとろける旨さを出すお肉を使った小籠包は、何とも例えようの無い凄さです。
普段食べる四川風とは全く違う、お豆腐の美味しさと自家製豆板醬の美味しさが光る麻婆豆腐とご飯で〆て、最後は杏仁豆腐とカスタードクッキー。
たった一週間の進化に驚きました。
最初の訪問ですっかりはまってしまい、早速リピート。今回はクロモリさんの極めるもう一つのジャンルである点心が主役のメニューをいただきました。
スタートのお皿は、角田 野田鴨のブラッドオレンジソース、サワラの椒麻ソース、シャコの甜醤油ソースの3品がのったもの。食感も味わいも温度感も異なる3品の組み合わせですが、前菜の盛り合わせなんてレベルではなく、いきなりの全力投球です。
次は、齋藤豚を使った叉焼と豚トロの炭焼きレモン塩。伊達鶏の焼き物も追加していただきました。
豚トロは、さばいで3日の齋藤豚を一年寝かせ特製のレモン塩で仕上げた物。想像を超えた美味しさに思わずお代わりしてしまいました。
気仙沼岡干・吉切鮫 尾鰭の煮込みは、クロモリさんならではの清らかな味わい。小さなご飯を添えてくださいますが、今はこれ「渡部飯」と呼ばれているそうです⁉
点心はまず蒸し物からで、海老蒸し餃子、ソラマメとワタリガニと海老の蒸し餃子、フカヒレの蒸し餃子、自家製干し貝柱と新玉ねぎの焼売。
モッチリとしていて味わいのある皮に包まれたそれぞれの餡は、もちろん作りたてで最高の状態。しっかりしたと個性と食べ応えがあります。
続いての揚げ物は、大根揚げ餃子。今の時期だからこその淡い味わいの大根の美味しさで楽しませてくれます。
白神のアスパラガスを使った五目春巻き。温泉卵を使い、旨味とまとまり感をだしているそうですが、味、香り、彩り、食感全てに対する気遣いが伝わります。
ハイライトはやはり齋藤豚を使った上湯小篭包。
毎朝人数分だけ新鮮なバラ肉を包丁でたたき、上湯の煮こごりも必ず毎日作って仕込む事が、美味しさお秘訣だそうです。
雪菜お漬物と海老の炒飯で〆のはずでしたが、我慢できずに香麺も追加。これがまた素晴らしい!
最高のスープと麺があれば、具なんて不要な事がよくわかります。
デザートは、ココナッツミルクプリンに杏ソース。
ゴマの香りが素晴らしい出来たてのマーラーカオで終了。
炭水化物の多い点心なので、完全にお腹一杯になりましたが、満足感もMaxでした。

名古屋でのランチを終えてから新幹線を乗り継ぎ、やって来たのは仙台。
今回の目的は、KUROMORIさんです。
とても信頼する方からのご紹介ですので期待も大きかったのですが、結果はそれを遥かに上回る素敵な出会いとなりました。
点心が美味しいと聞いてはいたのですが、それは昼のコースのみ。楽しく健やかに美しくなる料理をテーマに、夜は8000円から20000円のコースが用意されています。
前菜の盛り合わせからのスタートでしたが、どの品も手がかかっていながら繊細な味。特に叉焼はメインにしてもおかしくない美味しさで、いきなりおかわりしたくなりました。
次に出てきたのが吉切鮫尾鰭の姿煮。立派なサイズなのはもちろんですが、繊維の一本一本をしっかりと楽しみながら、良質なフカヒレをしっかりと味わう事ができる、そんなお料理です。気仙沼の生産者に通い、研究を重ねているからこその味だそうです。
仙台では鴨を使った芹鍋が有名ですが、それをお皿に表現した、鴨のローストに芹を添えた一品。臭みや嫌な脂を一切感じない合鴨はもちろんですが、炒めた芹がたまらなく旨くて感動します。
スッポンと白菜の蒸しスープは、ひたすら滋味深く、季節野菜の蟹餡かけからは、大地のパワーがしっかり伝わってきます。
40頭干し鮑煮込みは、とても丁寧に時間をかけて調理された物で、鮑そのものの味と旨みを堪能できる料理になっているのがKUROMORIさんのスタイル。オイスターソースは使われていませんし、このお料理だけでなく、全て無科調です。
〆は、塩漬けにしたホウボウと卵に大葉を加えたシンプルな炒飯。ヒラメとアサリのスープと合わせるとまた世界が変わります。
コースは終了なのですが、まだまだ食べたい欲求をおさえられずにお願いしたところ、担々麺を作って下さいました。刀削麺とスープの絡み具合が最高です。
杏仁豆腐と胡麻団子がデザートと聞くと平凡なようですが、とんでもない。きちんと作ればここまで美味しくなるんだと、改めて実感しました。
ずいぶん長いレポートになりましたが、本当はこの10倍は書きたい位。
通わなければいけないお店にまた一つ出会うことができました。

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9位

オテル・ド・ヨシノ (宮前、田中口 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/10訪問 2017/11/09

ここにもエースが! フランス料理ならではの良さがしっかりここにあります。

和歌山県でチェックしていたお店の一つが、こちら『オテル・ド・ヨシノ』さん。
「和歌山ビッグ愛」というビルの名前には心配しながらたどり着いたのは、雑居ビルどころか、スポーツ施設に併設されたとても立派な公共の建物でした。

店内は見晴らしの良い、とっても気持ちの良い環境です。
お料理のスタートはグジェールから。ドゥーツにぴったりでそれだけでも気分が高まります。
アミューズ は甲殻類のジュレ、ウニとキャビア、人参のムース。
続いて出されたジビエのコンソメでやられました! 鹿、鳩、イノシシを使いアルバの白トリュフで仕上げられたコンソメは、深くて済んだ味わいで、シェフの実力と気合が伝わってくるようです。
和歌山県産スズキのポワレとマリニエールソース。アワビとムール貝が添えられていました。
和歌山のクエにはアルベールソース。ノイリープラットを使ったシェ・イノさんのオリジナルソースだそうですが、これがクエとぴったり。お皿を舐めたい衝動にかられます。
メインは、ジビエのパイ包み。 古座川町の鹿とハトの旨さがガツンと美しくパイに閉じ込められていて、クラシック好きの私は、もう楽しくてたまりません。付け合わせはジビエに鉄板の根セロリとビーツでした。
口直しには黒沢牧場の牛乳シャーベット。
ガラス越しに見えるパティシエがもちろんその場で作ったデザートは、モンブラン2017と名付けられて、目の前で栗をスライスして仕上げられます。

舌の肥えた現代人の食生活に合わせてしっかり進化していますが、地元和歌山の素材を生かして作られる手島シェフのお料理には、フランス料理黄金期の良さがしっかりと表れています。
どうせならしっかりと美味しいものが食べたいクラシック好きにはたまらないお店です。

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10位

くいしんぼー山中 (桂 / ステーキ、ハンバーグ、洋食)

1回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/11訪問 2017/11/25

唯一無二な場所であっていいのか、考えさせられます。

行きたいお店リストの筆頭近くにありながら、できればK師匠とご一緒になどととタイミングを考えていたため訪問できていなかった『くいしんぼー山中』さん。機会に恵まれようやく訪れることができました。

最初に出されるバターの添えられたポテトやサラダは懐かしい雰囲気ですが、しっかり丁寧に作られた姿からも、この後への期待が高まります。
まず、冷たく冷やされてきらきらと輝くコンソメ。
旨いと思ったコンソメはこれまでにもありましたが、それらとは住む世界が違うかのような、澄み切った美味しさと気高く優しい感じに言葉を失いました。
続いて鉄板の上で焼かれるのは、目の前で切られているときから、あずき色の見た目だけでもその違いが明確なお肉。38か月育ててもせいぜい400キロ位という雌牛ですから、昨今の牛とは全く別の育ち方をしているのは明白です。
口に入れた瞬間にわかる、本物の良さ。きめ細かい肉質、嫌なところや癖が一つもない香り、肉汁と区別がつかない程きれいな脂。凝縮された旨味。どれも次元が違うとしか表現しようがありません。
フライパンで調理されたヒレカツの肉の味の濃さもさることながら、合わせるデミグラスソースがまた素晴らしい。ヒレカツそのままを味わいたい気持ちと戦いつつ、残らずソースもさらってしまいました。
ドーナッツ状に成型して真ん中に卵を落としたハンバーグそしてカレーはどちらも伝統の味とのことですが、くどさとは無縁の旨味が凝縮している、やはりここでしか味わえないものです。
山中さんは、お料理の事について事細かく説明をしてくださるだけでなく、時代とともに変化している食そして肉の事情について、とても熱く語ってくださいました。
そのお話を理解できるようになってからここに来られて、本当によかったと思います。

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