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1回
夜の点数:4.6
2014/05 訪問
夜の点数:4.6
あふれるインテグリティ ヾ(*´ー`*)ノ゛゚:。+
2015/05/02 更新
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お店を出るときに大将さんに、「こちらのお店で過ごせたことが僕たちの新しい大切な思い出になりました」とお伝えしました。
大将さんにお見送り頂きながら、続く余韻を楽しみます。
溢れる誠実さが、心を温めてくれました。
■□■□■
篤実で誠意に満ちたお店で過ごす時間は本当に贅沢です。 ( ゚∀゚)o彡゚
しかも、お店で一番の特等席、大将さんの目の前の席で、腕さばきを包丁が刺身をひく音が聞こえるほどの間近に、味わうことができました。
NHK朝ドラのほんまもんのモデルともいわれている月心寺の庵主さん、村瀬明道尼。
かなり昔、某TV番組で特集されておられ、お手製のごま豆腐にあこがれていたものでした。
初代料理長榎園さんは、その庵主さんのもとでも修業されたそうで、現大将の秋山さんもその系譜を受け継いでおられる。
そういう意味では、名店「月心居」の深化したお店ととらえられますね。
メディアでもおなじみの白いマカロンも事前予約で、帰りにお土産で頂きました。
場所は東京銀座。
目抜き通りの晴海通り沿いに銀座駅すぐです。
マツキヨさんのある路地に入るとすぐのビル。
リザーブの時間よりもはやめについたので、このブロックをぐるっと一周し、ピエール・マルコリーニさんとか眺めていたら、すぐに時間が過ぎ、お店に急いで向かいます。
すると、お店の方が、ビル1階までわざわざお出迎えに。
うれしい心づかいに感謝しつつ、エレベーターに乗り込みます。
おねがいしたのはシェフのオススメコース。
名前入りのメニューを眺めながら、至福の時間に思いをはせます。
□冷たい前菜 牛乳豆腐の玉〆 トマトエキスのジュレ
スターターは、茶碗蒸しのようなフランです。
牛乳豆腐にややスモーキーな香りが感じられ、弾力のある食感が良いですね。
定番の胡麻豆腐は、まだお預けなのです。
□煮こごり 季節野菜十種
スペシャリテの煮こごりです。
さわやかな和風サマー・テリーヌ。
丁寧にお仕事が加えられたお野菜を、おだしの聞いたゼラチンで固めています。
フランセーズのようで、しっかり日本料理です。
かぼちゃ、紅こんにゃく、シイタケ、エノキ、マイタケ、蓮根、インゲン、プチトマト、菊花などなど。
透明なお皿が、上品なテリーヌの透明感とよく合っています。
まずはテリーヌのみで和の味で楽しみ、そのあと、白ゴマのソース、ぽん酢のジュレなどと合わせていただきます。
□一口の寿司 白海老の手巻き
白海老ははたして何匹分になるでしょうか。
甘みのある白海老と海苔の香りのマリアージュを楽しみます。
ぱりっ、ほわっ、という食感の変化も楽しい。
□煮物椀 油目の葛打ち椀 胡麻豆腐
日本料理の華は、やはり、椀ものだとおもっています。
しかも、村瀬明道尼のまさに代名詞の胡麻豆腐がここで、満を持して。
吸地は、京滋地方系の塩分軽めのさっぱりとした洗練されたおだし。
椀種はアブラメ、椀添は胡麻豆腐、と思うのですが、食べてみてなるほど、どちらが主か副か位置取りが難しい、甲乙つけがたい食べ応えです。
胡麻豆腐を頂くとき、やはり庵主さんのことを偲びながら頂くのです。
こころもち強めに、吸い口のみょうがと木の芽のパンチを感じますが、庵主さんのお接待の時のお言葉のようで、むしろほほえましいほど。
厳しいお言葉は、込められた思いの裏返しなのですね。
□お造り 鯛 あおり烏賊 (+お心遣いで、雲丹)
このためのお席、特等席。
シャクッ、シャクッ、シャクッ。
シャッキ、シャッキ、シャッキ。
包丁をひくムッシュの目の厳しさはお料理に向かい合う真剣さなのだと、僕たちも少し背を伸ばします。
食材はいうまでもなく、お刺身のエッジにも感心。
いうまでもありませんが、目に見えないお道具のお手入れまでをもお察しします。
素材と技術、その両立、素晴らしい。 (*^ー゚)b グッジョブ!!
さりげなくメニューにない、雲丹も盛られていましたが、これも、おいしー!
□近海の鯵フライ 朝摘み野菜のおひたし 賀茂茄子
振り返ると、実はこれがメインだったりして?な、お皿です。
鯵フライとはいかに罪つくりな食べ物か。
さくっと噛んだ瞬間、口の中にひろがる香りと、変化のある食感が、たのしく、おいしい。
お魚を「揚げ」という火入れなら僕はお天ぷらを優先したいのですが、フライもありですね。
冷たいお野菜のおひたしが、カツオがしっかりと感じられるおだしベースだったのも良かったです。
メニューだけみるとありきたりに思いがちですが、なかなかどうして、総合点に拍手したいお皿です。
□酸味と香り 新生姜のソルベ
アバンデセール。
口直しといえば、日本人ならガリでしょ的なメッセージと理解しつつ、さっぱりと頂きます。
□肉料理 石垣牛の炭火焼 フルーツトマト 天豆油焼き 花山椒
メインはお肉です。
しっかりと炭火で火入れされていて、メイラードばっちりなキュイです。
盛り付けで、エディブルフラワーやトマトなどが彩りをそえ、きれいですね。
花山椒は春らしく山椒のお花とのことで、中華でおなじみの花椒と微妙に違うそうで、確かにシビレはあまりなかったです。
□お食事 かますご飯 赤出汁 香の物 (+お心遣いで、お出し巻き)
お食事はかますの炊き込みご飯です。
大葉と乾燥梅をのせていただきます。
ごはんも、赤出汁も、香の物も、おかわりできます。
美味しく頂いていたら、なんとここで、よろしかったらの言葉とともに、ふっくら出来立ての御出汁巻きを出して下さいました。
メニューにないサービスとのこと。
ふわふわ御出汁巻きもともに、美味しく頂きました。
おなかいっぱいなのに、入ってしまうんだな、これが。
□デザート 醤油アイス 求肥餅 (+お心遣いで、わらび餅)
醤油アイスは、なんとまさかここででてくるとは思っていなかったカマビシさんでした。
貴重ですね。
やわらかい求肥餅とドライフルーツも。
そして、ここで、なぜかわらび餅が。
またしても、メニューにないサービスとのこと。
きなこ、黒蜜で頂きました。
日本料理、精進料理の大切な部分、とくに引き算の論理と、キュイジーヌ・フランセーズの足し算の論理が融合した、得難いお皿が印象的でした。
日ごろの教育が行き届いているからでしょう、オペレーションも良かったです。
お皿の上に描かれたお料理は、大将さん、スタッフさんみなさんの誠実さがはっきりと感じられる世界でした。 .。*(´∀`)・.。*・.