ちょぼさんが投稿したパトゥ(兵庫/元町)の口コミ詳細

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移転パトゥ県庁前、元町(JR)、元町(阪神)/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2010/09 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

神戸アイデンティティ、それは真心の知悉 ☆,:d(゚ー゚*)♪

あらためて思う。
「僕なぁ、神戸が、めっちゃすきやねん」と。
この街で出会えた幸福な時間と神戸っ子の真心に、この街で暮らせることを、いつも、いつも心から誇りに思います。

■□■□■

こちらのお店にお伺いした際、ちょうど、宮本輝さんのある小説を読んでいました。
震災を経験した主人公が、価値の諦観と再生とに出会う、苦しいほどに受け容れることが難しく、なのに深遠で素敵な物語でした。
その中で、でてきた言葉、「知悉」。
「悉く(ことごとく)」・「知る」と書いて、チシツと読みます。
つまり、本当に理解しているということ、よくよくわかっているという意味なのだそう。
パトゥさんでいただいたお料理を思い出していたら、僕の頭の中に浮かんだ言葉がこの「知悉」でした。
では、いったい何をこのパトゥさんが「知悉」していると僕は感じたというのでしょうか?

■□■□■

誠実で丁寧,ウィットのきいたユーモアのセンス,空気と場との察し,プロ意識あふれる矜持,そして何よりお料理の美味さ。
プチメゾンのフレンチはかくあるべしと願います。
神戸にはプチメゾンのフレンチのお店(とくに,伝説の名店ジャンムーランの系譜に属するお店)が数多くあります。
神戸っ子なら,きっとお気に入りのお店がいくつもあることと思います。
そんな神戸を代表する,プチメゾン・フレンチのすばらしい名店と出会いました。
神戸フレンチはもはやジャン・ムーラン神話から巣立ち,新たな時代に入ったのだと確信する。
それがこちら,「パトゥ (Patous)」さんです。

オーナーシェフの山口義照さんは,あの東京「コートドール」で斉須政雄さんの下で修業された方です。
ということは、神戸で、例えば「赤ピーマンのムース」など、ランブロワジー&三田コートドールのスペシャリテが頂けるということになります。
奇、奇跡だ・・・。

場所は兵庫県神戸市中央区,中山手4番の交差点近くです。
大丸神戸店の西側から,元町駅の東口を通り,コンビニのサンクスを越え,北野へと至る,鯉川筋という南北に走る道を北上します。
東西に走る中山手通りと交わる交差点が中山手4番の交差点です。
元町駅からだと北へ向かって上り坂をのぼります。
また,地下鉄の県庁前駅の東1番口から地上に出て,北東にむけて数分歩きます。
中山手4番の交差点の南東の角の少し東側にお店があります。
お店の外観はシンプルですが,鮮やかなブルーの日除けが印象的ですので,落ち着いた白地の壁にブルーのひよけと覚えておいてください。

こちらのお店に予約した際から,何か言い知れぬドキドキ感を感じていました。
予約の時点から感じる,プロローグというか,電話対応から期待せざるを得ないお店のポテンシャルの高さ(ただしこの時点では,想像・・・)。
当日,お店の場所が分からず,お店にお電話させていただいたところ,ソムリエ・メートルさんがお店の前で待っていてくださいました。
うれしいですね。
ドアをあけていただき入店すると,ウェイティング・コーナーがソファなどとともにきっちりと陣取っていました。
おおっ,さすが,プチメゾンです。

着席後,ソムリエ・メートルさんにメニューのご説明をお聞かせいただき,僕の希望でシェフのおすすめコースを10,000円でお願いしました。
シェフのおすすめコースは金額が10,000円以上で,希望する金額にあわせたお料理をご準備頂けるそうです。
どうやら金額が上がるほど,お肉の質と量があがっていくようです。
ドリンクは,シャンパン(1,500円)と白ワイン(1,000円)をお願いしました。

まずはシャンパンをいただき乾杯。
その後,ソムリエさんがすごく丁寧にわかりやすく,シャンパンのラベルの説明をしてくださいました。
物腰やわらかく,笑顔でお話しくださるソムリエさん。
僕,ワインやシャンパンのこと,不慣れでさっぱりわからないので,こんな風に説明してくださると俄然,興味が湧いてきました。
ワインのお勉強,まじめに初めてみよっかな・・・。

・赤ピーマンのムース フレッシュトマトのソース
アミューズがいきなり三田コートドールのスペシャリテ!
色合いがとにかくきれいです。
赤ピーマンをつかったムースって、何色を想像されますか?
こちらのムースをみれば一目瞭然、クリーム色なんですね。
赤い色は、赤ピーマンではなく、トマトソース、しかもフレッシュトマトの新鮮さ溢れる鮮やかな赤色。
その境界は、なめらかそうなムースのつやとトマトソースの水平線。
水平線のその向こうには何がまっているのでしょう。
ムースの舌触りのなめらかなこと、なめらかなこと。
ムースというよりもクリームに近い滑らかさ。
赤ピーマン、まったくくさみも辛みもなく、オリエンタルな果物にもにた豊かな香りと味と甘みが素晴らしかったです。
いきなりのディープ・インパクトに早くも感無量です。

・魚介と野菜のタルタル 赤玉ねぎ・ワインビネガーのソース
見た感じにいろとりどりで華やか,うん,華があるとはまさにこのこと。
高さもある盛りを,じっくりと眺めてみます。
魚介は由良のウニ,毛ガニ,まぐわうり,甘エビ,ホタテとぜいたくな大ぶりばかり。
お野菜はアボカド,プチトマト,水ナスと季節感あるものばかり。
ソースがサッパリとしているのですが,決して素材の香りと味を鮮度の邪魔にならない繊細さです。
具材はお魚もお野菜も,もういうまでもないですね,間違いなくうまい。
とくに魚介物はなんとぜいたくなことか,きっちりとどの素材も惜しげなく頬張れるボリュームです。
お野菜も,水なすは今年初めてでしたし,プチトマトも旬まっさかりでした。
アボカドが食感かずうまく働いていて,他の具材との調和を重視した取りまとめ役というか,ファシリテーター的な位置づけで,よい仕事をしてました。

・パン
シンプルですが,やはりお店のポテンシャルを知る上で,はずすことができないのがパンだと思います。
お皿とお皿の間の口直しの役割もあるパンですが,これがおいしければおいしいほど,メインのソースと合わせていただくなるものですね。
こちらのお店のパンは,毎朝シェフみずからこねるパンなのだそう。
ハルユタカという小麦粉と2割の全粒粉をつかっていて,かみごたえ,香り,食感ともに秀逸で,丁寧に作られていることがよくわかります。
パンにあわせるバターは無塩バターで中沢乳業さんのものなのだそう。
バターをぬってもよし,メインのソースをぬぐっていただいてもよし。

さて,メイン,まずはお魚からです。
・のどぐろのポアレ ジャガイモのピューレ 赤ワインのソース
のどぐろとはアカムツともよばれることからわかるように,見た目に赤い色をした白魚ですね。
脂も,味も,白身魚の中では比較的しっかりと味わえるタイプのお魚です。
ジャガイモのピューレがポレンタのような役割を果たします。
ソースは,お魚なのに,そこをあえて赤ワインのソースでいただきます。
赤ワインのソース,意外な感じですが,赤ワインの果物らしさと濃厚な味わい,それと軽い酸味がさすがです。
のどぐろが白みでも意外と濃厚なお魚のため,赤ワインのソースが主張しすぎず,のどぐろの良さを引き出してくれています。
なるほど,バルサミコではこうはいかないですよね。
すばらしいシェフのセンスと技術に敬意を払いたくなったお皿でした。

お魚をいただきながらワインをお願いしました。
お魚だから白というのは通用しないお皿をいただいていましたが,白でもこんなタイプのものやこんなタイプのものもありますよとソムリエさんがご解説くださいました。
結局,このあとお肉料理があるのをわかった上で,それを加味した白ワインをお願いしました。

・白ワイン
ブルゴーニュ マコーンペローニュ 2007年
すみません,ワインのこと,あまりよくわかりません。
ですが,こちらのワイン,かなり存在感のある味・香り・飲み口でした。
軽くて飲みやすいタイプとことなり,1口をしっかりと味わえる白でした。
酸味と甘みに、独特の深みをかなり感じました。
ワインの表現の仕方がよくわからないので、うまく説明できず、すみません・・・。
この後のお肉にまけない,重厚さがよかったです。
ちなみにソムリエ・メートルさんのご説明は、ワインを頂く前から、はやく料理と一緒に味わいたいと思わせていただける素敵なプレゼンテーションでした。

・シャロン産のホロホロ鳥のロースト 鳥のだしを煮詰めたソース
メインはホロホロ鳥で,3つの部位をそれぞれ頂きます。
しっかりとした食感・かみごたえのモモ肉,ややさっぱりとしていてジューシーな旨みの胸肉,そしてやわらかく濃厚な旨みたっぷりの手羽先。
どれもたしかにあきらかに違いを楽しめる,ホロホロ鳥の魅力を存分に味わえるお皿でした。
食感といっても、噛み応えだけでなく、舌触りや食感の変化、ジューシーさなど、いろいろと味わい方があるんですよね。
お皿には、鳥のダシがしっかりとに詰められていて,ソースとして十分な旨みです。
これなら,ほんと何にでもあいそうなソースですね。
つけあわせはズッキーニ,黄ズッキーニ,ジャガイモのきたあかり,オクラ,丹波産のグリーンアスパラ。
こちらのどのお野菜も,まず甘み次に旨みのしっかりとした味わいで素材の良さが本当によくわかるお野菜ばかり。
全国の野菜嫌いの子供たちに,最終兵器として試してみてほしくなります。
それと,お野菜の火の入れ方もすごくセンシティブなレベルではいっていて,シェフの技術の高さがよくよくわかります。
パンでソースをきれいにぬぐって、お皿がこれでもかとピカピカにきれいになるほど、ソースの最後の1塗りまで味わいつくしたことは言うまでもありません。
ちょっと恥ずかしいほどですね・・・。

さて、これでメインのお料理は終了です。
そして、実は、こちらのパトゥさんの隠れた名物ともなっているデセールのお時間です。
アヴァンデセール、デセール、プティフールと続く、伝統的な3連星です。
まずは、口直しの冷製のアヴァンデセールから。

・アールグレイのシャーベットとグレープフルーツ
シャーベットはシンプルにアールグレイの香りとうっすらとした酸味を楽しむソルベでした。
また、グレープフルーツもきれいにカットされていて、酸味とうっすらとした苦味がおいしいのは言うまでもありません。
忘れていけないのは、両者を一緒に頂くと、柑橘のフレーバーティのような相性の良い組合せですので、香りとおいしさの相乗効果が楽しめるということですね。

このあとのデセールは4種ほどから選べるようになっていました。
甘いものが苦手な方、ワインをもう少し楽しみたい方には、フロマージュ(チーズの盛り合わせ)もありました。
せっかくなので、同行者と別々のものを頼み、そちらも1口頂きました。

・クレームカラメル パトゥ風
僕がお願いしたのは、いわゆるプリンの、クレームカラメルです。
実は、こちらのお店がメディアで取り上げられる際、意外に?メインのお料理以上に人気の高い1皿なのだそう。
で、運ばれてきたお皿を見ると、クレームカラメル、かなりのボリュームでした。
たしかに滑らかでしっとり、独特のプルプル感がかなり上質のクレームカラメルであることがよくわかります。
プリンのまわりに一面に張られた冷製スープのようになっているのはカラメルのカスタードミルクスープです。
これが香ばしくて、ほろ苦くて、おいしかったです。
こういうスープ、すごくありだと思いました。
なるほど、遅れてやってくる影の主役、人気なわけですね。

・バラとジャスミンティーのブランマンジェ
同行者はブランマンジェを。
ブランマンジェとは白いプリンという感じの定番のスウィーツですね。
牛乳と生クリームを使っていて,安心感のある1品です。
ジャスミンのオリエンタルな香りがふわっとお上品に漂うブランマンジェは、フレンチの杏仁豆腐といったところですね。
バラのゴージャスな香りも楽しめます。
こちらのお皿も一面に冷製スープかと思うほど、ミルク仕立てのスープがはられていますが、これもおいしいスープですね。

さいごに、ドリンクと焼き菓子です。

・プティフール
焼き菓子のプティフールは、ゆずのフィナンシェと生チョコを頂きました。
どちらも味と食感と甘みが、カフェの受け菓子としてよいバランスでした。

・エスプレッソ
・芦屋ウーフの紅茶 春摘みのダージリン
僕は、毎度のエスプレッソ、同行者は紅茶をいただきました。
芦屋ウーフさんって、僕、勉強不足で存じ上げなかったんですが、「芦屋の紅茶王子」とも呼ばれている方のお店のセレクトのお茶なのだそう。
フランスで紅茶というと、すぐにマリアージュフレールを思い出す僕ですが、やはりいろいろとあるんですね。
今度、芦屋ウーフさんにもうかがってみたくなりました。

寸分もれぬ、おもいやりとおもてなしの気持ちが伝わってくるお時間でした。
食後、山口シェフもお越しになられ、少しお話しました。
実直で謙虚なお人柄のご様子、お話しぶりにも、もちろんお料理にもしっかりと感じ取られました。
ソムリエ・メートルさんも、シェフも、神戸フレンチの矜持を大切にされておられるお二人でした。

■□■□■

自分へのご褒美として、こちらのお店を楽しまれる方も少なくないと思います。
それに加えて、自分の日々とその積み重ねを立ち止まって確認したいときにも、ぜひ利用したいと思える素晴らしいお店でした。
真心の知悉。
神戸で経験した、これからも経験するであろう、いろんな出来事、人、時間、お料理に心から感謝したいと思えたディナーでした。

神戸フレンチを代表する名店です。
おすすめです。 ヽ(*゚∇゚)ノ セ ボン! エクセラン!!

2010/11/16 更新

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