紅茶に浸したマドレーヌさんが投稿した竹屋町 三多(京都/神宮丸太町)の口コミ詳細

紅茶に浸したマドレーヌのレストランガイド

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竹屋町 三多神宮丸太町、京都市役所前、丸太町(京都市営)/日本料理

1

  • 夜の点数:4.9

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.9
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 4.9
1回目

2018/12 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

閑寂な京都の暮、寺町通竹屋町下ル...「竹屋町 三多」、胸元に呑み込まれた抒情とでもいおうか、ここは感動的な和食店として、わたしの心に深く刻まれた

12月初旬、「竹屋町 三多」で"蟹"を中心に据えたコースを食す。...この1行を書きつけただけで、いまだにゾクゾクと身震いするような高揚感に見舞われる。

「竹屋町 三多」の蟹のコースは、"美しい"という形容詞で飾るのがもったいないくらいに素晴らしい。...お食事の連綿を通してなにが語られているかではなく、その連なりの中で何を語らずにおくかを知っている創造的な寡黙さが結晶されているからだ。

...やり過ぎない、主張しすぎない。松葉蟹という日本最高の冬のしめやかな味覚の連なりの合間合間にさしはさまれる聖護院蕪の霙(みぞれ)仕立てのお椀だったり、白甘鯛の餡かけ椀だったり、はたまたお揚げの風味が効いた砂丘ネギの炊き込みご飯といった華美さを抑えた料理の配置が、感情を内に秘めて詩的にうち震えているのだ...

こんな風に、静けさの中に凛とした佇まいを持つ料理の連なりがほかの和食店で味わえるだろうか。そう考えたとき、わたしの中でこの和食店が、2018年食べ歩いた和食店の中で最高の和食店だと確信にいたる!

2018年12月7日(金)、素晴らしすぎた「竹屋町 三多」の蟹のコースについて以下書き綴っていきたい。(なお、今回はお店の意向に従い、食材の産地の詳細は全て伏せるなり割愛する)

今回の訪問は、わたしが常日頃から尊敬する京都の友人にお席を作っていただいて実現した。...わたしの知り合いの中で、猥雑さや下品さから最も遠いこの京都の友人は、また一方で童女のような屈託のない笑い声が印象的なチャーミングな女性である。今回もまたこの京都の友人にひたすら感謝である!

定刻になり6名が揃うとさっそくコースがスタートする。

1.冬野菜のすり流し
寒い中体を温めるようため、最初に饗された一品目である。ごぼう、金時にんじん、お芋、九条ネギ、合わせ味噌で炊かれている。寒気にこわばった胃を温めるほっとした一品である。

2.香箱蟹(こっぺ)
そっと合わせた両の掌(たなごころ)に、しっくりおさまる蟹の宝箱だ。うちこ、そとこ、身肉が一緒にそえられ、口中でしめやかな旨さがシンシンと降りつのる感覚を覚える。

...ところで「竹屋町 三多」さんでは、日本海K港の蟹しか使わないそうだ。今日のもの(オス)は10年物の1.3kgある素晴らしい蟹である。本日は数百匹の中に一匹という極上品をご用意いただいた恰好になる。なんとも凄い!

3.ブリとカワハギの造り
北海の寒ブリの旨みと、近畿地方の海峡で育まれたかわはぎのふくよかで清澄掬(きく)すべき味わいを、ポン酢、造り醤油、肝醤油で存分に堪能する。

4.白甘鯛のお椀
聖護院蕪の霙仕立てのお椀である。上のわさびを溶いて少しづついただく。...とにもかくにもこの白甘鯛が文句なくよい。真鯛が王者の風格で凛としているとすれば、この白甘鯛は優しく包み込みこまれるような甘みがある。

5.七輪炭火で焼いた焼き蟹の連綿
わたしは蟹は間違いなく冬場の日本海の松葉蟹が一番旨いと思う。口に含んだ時に色気があって、滑らかで、蟹の香りが、ごくしめやかに漂う。...こんなに調子の高い蟹は、冬場の松葉蟹以外には味わえない。この焼き蟹の連綿は折り紙付きである!

6.とらふぐ白子の酒蒸しに飯餡かけ
まず、生姜と浅葱の香りが漂う。そして、ふぐの白子はまるでお豆腐のよう。太陽の陽光を思わせるようなふくよかな味わい。コクと繊細さの同居した、あらゆる魚の白子とは格別の風味が感じられる。

...フグの白子は、中国では"西施乳(せいしにゅう)"と呼ばれるそうだ。西施は、中国古代4大美女でのひとりで春秋時代の人である。なんでも、西施は体の中から悩ましい芳香をはなった"香り人間"で、風呂の残り湯にまで芳しいにおいが立ち込めたそうだ。...中国では、とらふぐの白子は、その絶世の美女の乳に例えられる。...なるほど。こんなふくよかな逸品をいただけば、その意味が腹落ちするというものである。

7.蟹味噌の甲羅焼き
松葉蟹3匹分の味噌と身であえ、出汁醤油を一滴落としたものに、ちょっとねぎを入れて焼き上げたシンプルな一品である。ここに、ほうれん草、春菊、ゴマの小付けで一緒にいただく。わたしは今回が初めてであったけれど、蟹とほうれん草、春菊の相性の素晴らしさに感動を覚える。

8.T産の海老芋の素揚げ
有名なT産。実に滑らかである。筋を一切感じない。一片のササクレも感じない。これは菜種油でシンプルに素揚げしただけだそうだ。そんなシンプルな調理法から引き出された海老芋のたわわな旨みに脱帽する。

9.鳥取の砂丘ネギとお揚げさんの炊き込みご飯
この炊き込みご飯の楚々とした佇まいが素晴らしかった!...高級食材でぶっ飛ばす、といった炊き込みご飯ではなく、鳥取の砂丘ネギとお揚げさんの炊き込みご飯である。しかもお揚げの姿は一切見えないが、しっかりとお揚げの香りがする。

なんでも視覚的にお揚げが散在すると、居酒屋さんのようになってしまうので、香りを立たせて姿だけはそっと隠しているそうだ...端的にかっこいい!
薄口醤油と鰹、昆布だし、塩のみ、おねぎとお揚げさんの旨みで食べさせる素晴らしい炊きこみご飯だ。

最後に代白柿(だいしろかき)で一通りとなる。...「竹屋町 三多」。これはわたしの中で間違いなく今年1番の和食店である...なるほど今年1年を振り返ってみると、確かに「日本料理 たかむら」は美しかった。「祇園 大渡 」も感動的であった。「瓢亭 本店」の奥床しさにも酔った。...でもそうした例外的な和食店をしても、「竹屋町 三多」前では色褪せて見える。「竹屋町 三多」が、2018年最高の和食店と評価することはほとんど摂理にかなった評価だと断言したい!

  • 日本海K港の蟹

  • とらふぐ白子の酒蒸しに飯餡かけ

  • 香箱蟹(こっぺ)

  • 日本海K港の松葉蟹

  • ブリとカワハギの造り

  • 日本海K港の蟹

  • 白甘鯛のお椀

  • 竹屋町 三多

  • 冬野菜のすり流し

  • 香箱蟹(こっぺ)

  • ブリとカワハギの造り

  • ブリとカワハギの造り

  • 白甘鯛のお椀

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • 七輪炭火で焼いた焼き蟹

  • とらふぐ白子の酒蒸しに飯餡かけ

  • 蟹味噌の甲羅焼き

  • T産の海老芋の素揚げ

  • 鳥取の砂丘ネギとお揚げさんの炊き込みご飯

  • 炊き込みご飯

  • 炊き込みご飯

  • 代白柿(だいしろかき)

  • 本日のワイン

  • 竹屋町 三多

2019/01/25 更新

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