紅茶に浸したマドレーヌさんのプロフィール詳細

２０１８年８月１２日（日）「Ｓ家の食卓」再訪　生まれてから食べたライスコロッケで一番旨かった！１ケ５００円！
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２０１７年１１月３０日（木）記す
年末、偶然にも嘘みたいに素晴らしいオステリアとの出会いがあった。食べログには書けないお店なので、以下、限りなく具体性から遠く離れ、あの時味わった感動をゆらりゆらりと書き記してみたいと思う...

東急大井町線のとある駅を降りて、多摩川方面に向け昔ながらの商店街を歩を進める。...心なしか街行く人の表情はみな穏やかで、歩くほどに心のこわばりが徐々に解きほぐれていく...
環八通りを横断して、さらに南に歩を進めれば、視線の先はなだらかな下り坂となっていて、街並みが土地の低まったあたりに静かに広がっている。降り注ぐ陽光のもと、坂上から眺めやる街並みは、気詰まりな感覚とはおおよそ無縁で、あっけらかんとして暖かく、まるで子供たちの笑顔のような輝きを放っている。

多摩川の目と鼻の先。小さな路地に入るとそのお店はある。..."ある"といっても、看板はない。というか、そもそもそのお店には"店名"というものが存在しない。だから普通に普段友人宅に伺うように玄関先を通り抜け、家の中に入る。と、しかしそこには普通の民家とは異なる少しばかり広い空間が広がっている。そして高い天井...清潔なカウンター席と８名かけの席...さらに空気感がことのほか澄み切っている。

このおとぎ話に出てきそうなレストランでいただいた料理。...それは、もはや吐息しかでない。その一品一品の、この世のものとは思えない素晴らしい出来栄えに思わず言葉が詰まる。...ラグーのパスタの味付けと塩加減の絶妙さ、魚は香りのものであることを突き付けるイカスミのパスタの狂おしいまでの香り、限りなく新鮮な馬肉のタルタルに添えられた、全て食べられるケッパーの葉の屈託ないキレイな香り、そしてとりわけ素晴らしかったのが、骨まで食べられる柔らかいエイヒレの揚げ物の焔立つような味わい...

このオステリアでは、わたしが経験した中で、もっとも美味で、詩的で美しい空間が形成されている...
こんな経験があるから、美味しいものの食べ歩きはやめられない！