arpegeさんのマイ★ベストレストラン 2014

arpegeのレストランガイド

メッセージを送る

arpege 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

ガストロノミー ジョエル・ロブション (恵比寿、目黒 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2014/04訪問 2015/01/23

完璧

ガストロノミー ジョエル・ロブション。
言わずと知れた世界最高の料理人の一人、ジョエル・ロブション氏の旗艦店。ロブション氏は、パリの
ジョエル・ロブションを1996年に最高の状態でやめたい、という理由から閉店、引退。
その後世界において、日本のタイユバン・ロブションだけが氏の唯一のグランメゾンとなり、
パリの三ツ星シェフの言わば本店が日本にだけあるという日本人にとっては贅沢と言える状況が続いた。

その後初めて出版された2008年東京版ミシュランで当然の如く3ツ星を獲得。3ツ星以上に難しいと言われる
赤5フォークも獲得し、東京で唯一の満点店舗となった。その後2014年現在までその最高評価は一度も譲る
ことなく頂点を維持している。


前回はディナーだったが、今回ランチで久しぶりに再訪。
ランチとディナーは用意されているコースが違うが、夜だと基本的には3コースのうちどれかを選ぶ事になる。
デギュスタシオン、スペシャリティ、シーズン。

一方ランチはプリフィクスメニューが中心なので、好きな物を組み合わせて選ぶ事が出来る。また、アラカルト
メニューは昼も夜も同じメニューを頼めるので、目当ての物が具体的に決まっている場合は、ランチの方が
自由な組み合わせが出来て良い気がする。事前予約で、夜のデギュスタシオンコースも頼めるようです。


今回の一番の目的は、そのデギュスタシオンコースのアミューズのアラカルトから

・キャビア アンペリアル ロブションスタイル

を食べること。
そして魚料理はロブションのスペシャリティ

・真鯛 九条ネギのエチュベとシトロネルの香りのクレーム

お肉は春の新作から

・フランス産カイユ タケノコと共に焼き上げ 春キャベツとフォアグラを添えて


と、ロブションの最高傑作から一皿、スペシャリティから一皿、季節の新作から一皿と、バランス良く
味わうことを目的にコースを組み立ててみた。
グラスワインをアミューズに合わせて一杯、前菜と魚に合わせて一杯、メインとフロマージュに合わせて一杯と、
三杯選んで欲しいと伝えてオーダー完了。


まずはアミューズに合わせたワイン。
シャンパーニュか、白ワインのどちらが良いかと聞かれる。
料理との相性で考えたら白ワインの方が良いかもしれないが、やはり最初の一杯ということもあり、
爽やかな味わいのシャンパーニュをお願いした。
運ばれてきたのはヴーヴ・クリコ。2,300円/杯

そしてキャビア缶が運ばれてくる。
一見普通のキャビア缶のように見えるキャビアの下にはカニや甲殻類のソースなどが層になっており、
面白いプレゼンテーション。甲殻類とキャビアの相性は勿論良いが、それをまとめるソースの味わいとの
融合が素晴らしい。ヴーヴのフルーティーで華やかな味わいが、さらにこの料理を彩る。

続けて運ばれてきたのは白ワイン。
Domaine Antoine Arena Patrimonio 2012 2,600円/杯
驚いたことにコルシカ島のヴェルメンティーノ。

ソムリエの説明によると、これは魚料理に合わせた物で、少し低めの温度で提供したので魚を食べる頃には
丁度良い温度になると思います、とのこと。


前菜は
・卵 半熟にしてグリーンピースのエチュベとヴルーテと共に ベーコンのカプチーノ添え

見た目は大変美しく、食欲をそそる。卵、グリーンピース、ベーコン、それぞれ異なる完璧な火入れの食材が、
ヴルーテで混じり合う。味は素材を活かした案外シンプルな味付け。


魚料理は
・真鯛 九条ネギのエチュベとシトロネルの香りのクレーム

実は今回一番感激した料理がこちら。
ほのかに香るレモングラスのシトロネルの香りが実に爽やか。真鯛は驚くほどふっくらとした食感の火入れで、
これに食感のいい九条ネギと、アクセントとなる酸味のドライトマトなどが組み合わさる。

これをさらに引き立てるのがヴェルメンティーノの白ワイン。
前菜を食べた時はなぜこのワインなんだろうと不思議に思ってしまったが、まさに魚料理に合わせたワイン。
ややドライな風味は、シトロネルの香りとの絶妙な相性で、まるでソースの一部のよう。
これほど素晴らしいマリアージュは、記憶に無い。


続けて赤ワイン。
Domaine D'Aigues Bells Cuvee Nicol 2008 2,600円/杯
ラングドックの、シラーとカベルネのアッサンブラージュ。

肉料理は
・フランス産カイユ タケノコと共に焼き上げ 春キャベツとフォアグラを添えて

香ばしく焼き目のついたウズラに、コクのある風味を出すタケノコと、キャベツの甘みが加わる。それに
トロけるようなフォアグラのテリーヌが組み合わさり、見事に味を引きたて合う。
さらにそこに力強い味わいのカベルネと、シラーの深みのある甘みが加わる。
肉、付け合わせ、ソース、ワイン、全ての素材がきちんと計算されており、何も足し引きする必要がない
素晴らしく完成された料理という印象。


デザートの前はチーズワゴン
目移りしてしまうほど充実した品揃え。ウォッシュチーズが好きな私は敢えてウォッシュのみの4種盛りで
お願いした。エポワスの状態も最高。


最後はデザート
・キャラメル フレッシュマンゴーと弾ける飴を忍ばせ、マンダリンのソルベ

フランス料理のお店で、最後にデザートでがっかりするような事が意外とある。しかし、ここはデザートも
超一級。崩すのも惜しいほど美しい一皿。チョコレート、ソルベ、フレッシュフルーツと合わせて頂く。
仮にパティシエが違うお店として独立したとしても、きっと人気のパティスリーになるに違いないと思えるほど
素晴らしい完成度。


最後は小菓子と飲み物。
残念だがランチだとディナーの時のような立派なワゴンは来ないようだ。


このお店の料理はやはり全てが素晴らしい。
あらゆる料理、あらゆる素材、ワイン、デザート、小菓子に至るまで、全てに対して、何も隙が無い。

完璧という言葉以外にない。


値段は2人で55,000円ほど。さすがにランチだと安く済んだ。高いという印象は無く、値段相応という
のが素直な感想。

唯一の不満はボトルワインの値付け。最初はボトルで頼もうと思ったのでリストを見せて頂いたが
ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌから好きな物を探したところ
Ch. モンローズで28,000円
マジシャンベルタンで30,000円
ボーカステルのシャトーヌフデュパプで26,000円
くらいだった気がする。これにサービス料が加わると結構な値段になる。グランメゾンでもリーズナブル
にボトルを提供しているお店もあるので、出来ればもうちょっと頑張って欲しいところ。

もっとも、これだけ素晴らしいグラスワインのマリアージュを見せられると、ボトルを頼む必要性を
全く感じないので、ボトルを頼むのは趣味の領域かもしれませんけどね……。

  • (説明なし)
  • キャビア アンぺリアル ロブションスタイル
  • 真鯛 九条ネギのエチュベとシトロネルの香りのクレーム

もっと見る

2位

Jean-Georges Tokyo (六本木、麻布十番、乃木坂 / フレンチ、アメリカ料理)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク 4.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2014/06訪問 2015/02/21

コンセプトの明確な味わいと、見事なワインペアリング

Jean Georges TOKYO。
ニューヨークで超有名なミシュラン三ツ星レストランが、2014年3月日本に初上陸した。

ジャンジョルジュ氏は、アルザス出身で、香港やバンコクなどアジアのレストランでの経験を持つ。
その後渡米し、ニューヨークにて自身の名を冠したJean Georgesでミシュランの三ツ星を獲得。
3大陸で活躍した経験を活かし、スパイスなどを活用した常識に捕らわれない斬新なフレンチ
を生み出している。

世界各地に24もの店舗を持ち、アジアでは上海に続き2店舗目。
ただしステーキレストランなど異業種の物も多く、著名なEgg CaviarなどのJean Georges本店と同じ
メニューを取り扱う支店は、上海のJean Georgesに、日本のJG Tokyoが続いた形。

場所は六本木ヒルズのけやき坂。
シェフにはJean Georges本店でスーシェフを務めた経歴を持つ米澤文雄氏が呼び寄せられた。


メニューの内容は本店から指示が来るらしいが、素材のほとんどは食の豊かな日本で調達
されるらしい。マリアージュワインは国内のスタッフを中心にチョイスされているとのこと。
オープン当初は本店とほぼメニューを合わせた24000円のメニュー1本だったが、
その後18000円、そして13000円のメニューが追加された。

この店のメニュー構成が素晴らしいのは、コースの値段が上がっても変わるのは皿数のみ
という点。この日も、前菜のキャビアや、メインの飛騨牛などは、どのコースにも含まれていた。
アラカルトメニューの価格設定も公平。一つずつ頼んでもほとんどコースと値段は変わらない。
それ故に、好きな物だけをチョイスして気軽に食べられる。

席はカウンターがメイン。
もともとお客様の目の前で最後の仕上げをしたいというジャンジョルジュ氏の考えと、日本式の
カウンターの文化、そして気軽に楽しんでもらいたいというメニュー構成などがうまく癒合した
形態だろう。

六本木ヒルズには同じくカウンターで気軽に食べられるラトリエドゥジョエルロブションもある。
気軽な食べ方が好きな私にとってますます魅力的なエリアとなった。


この日は13000円のコースに、ワインペアリング6000円をオーダーした。

初めはシャンパーニュ
・Billecart Salmon
いきなり結構良いシャンパーニュが出て来る。癖のない軽快でスッキリとしたシャンパーニュ。

アミューズは
低温でじっくりと火を通した卵の卵黄をブリオッシュで挟み、刻んだトリュフをかけたもの。
卵が濃厚で実に美味しく、ふわりと香るトリュフと卵との相性の良さも素晴らしい。

冷前菜は
・レモンゼリーとキャビア クレームフレッシュ
これもジャンジョルジュの著名な一皿。夏らしく爽やかな一皿。クレームはチーズの味わいで
思いの外キャビアとよく合う。レモンもさっぱりして後味が良い。


続いてはカリフォルニアのソーヴィニヨンブラン。
・Joseph Phelps 2011
トロピカルフルーツのような芳醇なソーヴィニヨンブラン。

これを合わせるのは温前菜の
・温かな車海老と雲丹、グリーンチリ
何とも美しい彩り。見た目までワインの味わいとマリアージュしている。
プリプリの車海老に甘い雲丹、そして少しスパイシーだがほんのり柑橘系の味わいを持つ
グリーンチリのソース。ワインとのマリアージュが素晴らしい。


続けては方向性をガラリと変えて超正統派のシャルドネ。
・シャサーニュモンラッシェ 1er モルジェ / Christophe Buisson 2010

これに合わせる魚料理は
・真鱈のスチーム マッシュルームのエッセンス レモングラスのコンソメ

手間のかかる透明なトマトのスープがかけられており、トマトの酸味と
シャサーニュモンラッシェのキリッとした酸味の相性がとても良い。
これほど違う白ワインを2種類、見事な組み合わせの料理が頂けるというのは
まさにワインペアリングメニューの醍醐味と言える。


続けては再びカリフォルニアに戻り
・Kendall Jackson カベルネソーヴィニヨン Grand Reserve 2010
米と仏の趣向の異なるワインに合わせるように、次も少しスパイシーな一皿。

・飛騨牛A5のシアード ゴールドバー スクワッシュ パルメザン 沖縄ハバネロエマルジョン

ハバネロのソースというと如何にも辛そうだが、実際にはフルーティーな味わいもあり、
バターのような濃厚なソースと合わせて実に良い風味となっている。
力強いカリフォルニアのカベルネも、少しスパイシーなこのソースに全然負けていない。


最後はデザート。
デザートワインは何かと思ったらなんとビール。しかも仏→米→仏→米と来て最後は日。
・エチゴビール スタウト
シェリー酒のようなフルーティなスタウトと、キャラメルのような味わい。

これに合わせるデザートは
・フォンダンショコラとキャラメルアイス
エチゴビールのフルーティーで力強い味わいととろけるようなフォンダンショコラの相性が
素晴らしい。


全体的にどの皿も力強く、斬新な味わいで、見た目も美しい。最近流行りの軽めのフレンチがあまり
好きではない私にはコンセプトが分かりやすく、とても気に入った。何を食べたのか、何の味の料理を
食べたのかが、はっきりと記憶残る味。さらにはそれに合わせる柔軟性のあるワインのチョイスが、
世界を旅して美味しい物を味わっているかのようで楽しみがある。13品メニューはさらに満足感が得
られるのだろう。価格帯も市価5000円以上くらいのワインを中心に組み合わせており、案外太っ腹。


雰囲気はカウンターのみでカジュアルな感じかと思ったが、意外と入ってみるとサービスの接客
がしっかりしており上質。2階はテーブル席で、通常は1階のカウンターをメインに使って
いるようだが、2階席の方が寛げそうにも見えた。敢えて2階席で、というのも頼めば受け入れ
てくれるのかもしれない。


価格は表示金額にサービス料10%と消費税が加わるので見た目よりちょっと高く感じるが、
それでもアラカルト2品+ワイン1杯みたいな頼み方で1万円前後で利用できることも考えると
非常に利用しやすいレストランと言える。


ワインはペアリングメニューは素晴らしいが、ボトルの種類がメニュー表上は結構少ない。
好きなワインを自分で選びたいという方にはもしかしたら物足りないかもしれない。


久々に新しい味わいのフレンチに出会った気分。好き嫌いが分かれそうな味だが、はまる人には
とても良いと思う。

  • レモンゼリーとキャビア クレームフレッシュ
  • アミューズブッシュ
  • 温かな車海老と雲丹、グリーンチリ

もっと見る

3位

メゾン ポール・ボキューズ (代官山、中目黒、神泉 / フレンチ、イノベーティブ)

1回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥2,000~¥2,999

2014/10訪問 2015/07/18

クラシックなバターたっぷりのフランス料理を味わえる

メゾンポールボキューズ。

フランスのリヨンで1965年から50年近くに亘りミシュランの三ツ星を獲得し続けている
レストランポールボキューズの日本の支店。
日本のポールボキューズはひらまつグループが経営しており、こちらのお店もミシュラン
東京で一ツ星を獲得しています。


このお店のスペシャリティは色々とあります。
・VGEに捧げたトリュフスープ
・イトヨリのポワレ ジャガイモのクリスティヤン ウロコ仕立て
・ブレス産鶏のベッシー包み
・クレームブリュレ

しかし、何と言っても見た目にも豪華でインパクトが強いのは
・スズキのパイ包み ソースショロン
に違いありません。

ポールボキューズ氏がフェルナンポワン氏から伝えられた料理で、当時はシンプルな
ブールブランが添えられていたが、ポールボキューズ氏がソースショロンを合わせる
事で完成させたと言われている料理。

私がこの料理を初めて見たのは、辻調理学校が出版している『調理法別フランス料理』
という料理本でした。スズキを丸ごと一匹パイに包んでオーブンに焼くという豪華さ、
見た目の美しさに驚くほど手をかける贅沢さ。すっかり魅了されたものです。

あまりにも好きなので見よう見真似で自分で作ってみようとトライし、
巨大なパイを作るのに4時間かけたり、スズキを丸ごと一匹売っている場所もなかなか
無かったり、魚屋さんで買ったら間違って捌かれて頭を切り落とされちゃったり、
ソースはバターがすぐに分離するし、エストラゴンがなかなか売っていなかったりと
なにかと苦労し、やっと4、5回目くらいでそれっぽい形になったものです。

ところが綺麗に焼けただけではこの料理は終わりません。取り分けがまた難しい。
身を綺麗に取り出す事や、骨が入らないようにする事、パイを美しく盛り付ける事、
そしてソースを美しくかける事。
料理人の技術、サービスの技術、両方合わさってこの料理はやっと完成します。


今回久々にメゾンポールボキューズを再訪しました。
勿論目当ては、このスズキのパイ包みを食べる事です。


アミューズは
栗カボチャのムースに、ジュレと泡立てた白トリュフのソースを添えた一品。
白トリュフの素晴らしい香りとカボチャの甘みが素晴らしい。


前菜は好物のフォアグラのソテー。
これにブリオッシュとイチジクのローストを添えた一品。
さらには秋トリュフをつかったサラダの付け合わせが添えられる。
フォアグラとイチジクの甘みが、白ワインとも良く合う。


魚料理は勿論スズキのパイ包み。
この料理が運ばれてくる瞬間はいつも本当に楽しみです。
こんがり焼けたパイの色味が美しい。
サービスの方が慎重かつ手際よくスズキを解体していく。パイをぱかっと開けると
大変美味しそうな肉厚のスズキの身が現れ、ふわりと香りが立つ。
スズキのお腹にはオマール、トリュフなどを用いたムースが詰められており、これもお皿に
盛られる。
その上に卵黄、バター、エストラゴンなどを用いて作るベアルネーゼに、煮詰めたトマトを
加えて完成するソースショロンを、たっぷりとかけ、最後にパイが添えられる。
なんとも美しい一皿。

パイのサクサクの食感と、ぷりっとしたスズキ、オマールやトリュフ、エストラゴンの香り、
それを濃厚だが爽やかなトマトの酸味を持つソースショロンがまとめる。
ものすごく重い味わいの料理ですが、この料理を頂く時だけは、クラシックなバターたっぷり
のフランス料理の伝統を心ゆくまで味わいたいところです。


メインは鴨胸肉。
そのジュを用いたソースに、これもたっぷりのトリュフ。そしてキノコや栗などを添えた
秋らしい一品。


そして最後のデザートは、クレープシュゼット。
これも私が大好きなデザートの一つ。
オレンジやリキュールの香りが広がり、何とも食欲をそそります。
爽やかな酸味と香ばしい香りの温かいソースに、柔らかいクレープ。ほろ苦い甘さ。


クラシックなフランス料理が好きであれば、間違いなしのレストラン。
クラシックな料理が好きでなくても、この店を訪問した際には、是非クラシックなフレンチ
の良さを存分に楽しむのがいいと思う。
重い料理であることは有名なので、軽めのフレンチが好きな方は、恐らく最初からこの店
には近寄らないのかもしれない。
でも多分それはそれでいいのだと思う。
この店だけはいつまでも変わらずクラシックな料理であって欲しい。

  • スズキのパイ包み①
  • スズキのパイ包み②
  • スズキのパイ包み③

もっと見る

4位

ヴィッラ マニョーリア (吉祥寺、井の頭公園 / イタリアン、パスタ)

1回

  • 夜の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.7 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 ¥2,000~¥2,999

2015/04訪問 2015/10/11

一見の雰囲気とは違い、こだわりの強いマニアックなお店。

ヴィッラ マニョーリア。

オープンは2013年とまだ新しい。できた当初は1階のEPPEとほぼ同時期のオープンという事もあり、
系列店かと思ってしまったが全然関係のないお店。
1階のEPEEはブランジェリーを併設し、外壁もガラス張りで中が見やすく、入りやすい雰囲気作り
をしているが、こちらは狭い階段を上っていく2階で、しかも中の見えない扉が入り口となっており、
敷居が高い。さらにはまた店名が非常に覚えにくい。ヴィッラ マニョーリア。


料理のジャンルとしては、北はピエモンテから南はシチリアまで、イタリアの郷土料理を出すという
コンセプト。ただしピッツァは出していない。
前菜、パスタ、メインの3種類が基本の組み合わせで、それぞれかなりの種類があるが、それに加え、
例えば今ならば、ピエモンテコース3,900円など、時折々の特別料理などを出しているよう。
9月頃にはトスカーナコース、7月頃には、シチリアコースと言うものもやっていたよう。

公式ホームページはFacebookのものになるようだが、そちらを見る限り頻繁にイタリアのワイン生産者
などとも交流をしており、現地とのつながりが深い事も分かる。
https://www.facebook.com/villamagnolia2013
イタリアのクラフトビールfleaを飲める場所は日本ではなかなか無いし、つい先日は個性的なソムリエ
イタリアワインの阿部氏ともコラボした企画をやっていたようだ。
入りやすいお洒落なお店ではなく、どちらかと言うと中身で勝負するマニアックなお店。


前菜はトリッパ、パスタは鴨ラグー、メインには鴨腿肉の煮込み、デザートにはティラミスと、
どれもかなり美味しい。

トリッパは味付けも食感も好み通り。ピエモンテフェアの郷土料理として出していた鴨腿肉の煮込みは
ジューシーで、ボリュームもあるがシャキシャキしたチリメンキャベツの食感が最後まで飽きさせない。
味付けは全体的にしっかりしている。


ワインの種類も1万円くらいのものまでを中心に結構充実している。
一番高いのでFuligniのブルネッロ・ディ・モンタルチーノで12,000円くらい。十分良心的と言える価格。
その上ワインだけではなく、ぜひ注目したいのはイタリアのクラフトビール、flea。
Bianca が白ビール
Bastla がアンバーエール
Costanza がブロンドエール
Federico がIPA
と4種類ある模様。常に全部置いてあるのかはわからないが、今までBiancaとBastla、Federicoを頂いた。
グラスはワイングラスに注がれるのだが、上品で華やかな香りと、深いコクで非常にレベルが高い。
日本で飲める場所はまだ少ないらしく、これも独自の流通のつながりがあるのかもしれない。
ちなみに現地の公式サイトはこちら。
http://www.birraflea.com


少し惜しいのは価格。一皿千円台で勝負する気軽なビストロやトラットリアが多い吉祥寺にあって、
この店の中心価格は2千円台。fleaも素晴らしいのだが、一杯千円近くしてしまう。
個性で抜きん出て吉祥寺で生き残っていけるかが勝負だろう。安易に価格を下げるのではなく、
是非信念を貫いて中身で勝負していって欲しい。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • 黒トリュフのタヤリン

もっと見る

ページの先頭へ