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食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店
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【★4.4】寒狭川の天然鮎と大鹿村の野草と奇跡の初物アミタケ【1480-3】
【1480-2】鮎やキノコの季節に再訪したい
808文字★
東京から長野県に旅行で来ております。
敷地内で鶏を放し飼いしているようで朝から鶏の鳴き声が聞こえます。
ついでに犬を飼っているので犬の鳴き声も聞こえます。
食堂に移動して7時30分から朝食タイム。
朝食の内容は以下の通り
01.蓮根のキンピラ
02.ほうれん草のお浸し
03.インゲン豆の生姜和え
04.生卵
05.梅干し
06.野菜サラダ
07.朴葉味噌焼き
08.アマゴ一夜干し
09.栽培物なめたけと豆腐と三つ葉のお味噌汁
10.ご飯(こきび入り)
11.玉子焼き
12.大鹿村の油揚げ
13.ヤマゴボウ味噌漬け
14.野沢菜漬け
15.大鹿村の苺
16.山椒オイルのシフォンケーキ
17.コーヒー
朝食ということで野菜などのアッサリした料理が多いです。
しかし生姜和えにしたインゲン豆など良い味付けで美味しい。
こういう野菜の美味しさは都内の朝食ではなかなか味わえません。
生姜やネギの入った朴葉味噌焼きも、こきび入りのご飯との相性抜群。
玉子焼きは薄味の出汁巻きタイプ。
近くの養殖物というアマゴは一夜干しになっています。
僅かに骨の障る部分があるのですが丸ごと食べられて、薄塩でアマゴの風味を楽しめるのも良いです。
味噌漬けにしたヤマゴボウのコリコリした食感も魅力的。
デザートの苺は前夜にシャーベットで出てきたものを生で。
山椒オイルのシフォンケーキも出てきたのですが、フワフワ食感で適度に弾力あってシットリやわらか。
シフォンケーキの奥から山椒が香ってきて下手な専門店顔負けの美味しさ。
朝食ということで淡麗な料理が多かったですが濃厚嗜好の筆者でも楽しめました。
同旅舎にとってはオフシーズンであろう11月後半でも満足度は上々。
お値段は上がってしまいますが、鮎尽くし、松茸、雑キノコの季節はどんな料理を楽しめるのか。
是非また訪れて同旅舎の本領発揮となる料理を堪能してみたいものです。
【1480】大鹿村の「きのこオーベルジュ」
5,183文字★
東京から長野県に旅行で来ております。
婦人画報2018年9月号で「きのこがおいしい宿」として紹介されるなど、
夏の鮎尽くしと秋の天然キノコが評判となっているオーベルジュ(旅舎)です。
食べログのスコア3.71は長野県の「旅館・オーベルジュ」ジャンルで第4位(2018年11月現在)。
通常のご宿泊料金は1泊2食付き16,200円(内税)なのですが、
鮎尽くしは19,440円、キノコの季節(9月、10月)は27,500円に値上がり。
松茸の時期に至っては40,000円ぐらいの時価(それでも予約困難)らしいです。
訪問した11月後半は、鮎もキノコも終わった、同旅舎としてはオフシーズンの時期。
予約の電話を受けるときもテンション低いような気がしたのですが、
イノシシなど地物ジビエを楽しめること、お値段が通常料金ということもあって泊まってみました。
中央自動車道の松川ICから車がすれ違うのもギリギリな山道を通って大鹿村へ。
現在はリニアモーターカーの開通工事もあって細い山道に大型トラックが頻繁に通る二重苦。
伊那ICからの道であろうとどこからでも、細い山道を通らないと大鹿村には辿り着けないようです。
ざんざ亭、わらび野などを訪れるより遙かに過酷な道なので暗くなる前に訪れたいところ。
大鹿村は標高750mぐらいなのですが同旅舎はそれより高い標高800mぐらい。
カーナビが高低差を認識してくれないようで場所が分かりにくいです。
山道に接した駐車スペース(1日2組限定なので満車にはならないでしょう)に車を停めて旅舎へ。
ちなみに山を下りて徒歩5分ぐらいの場所にバス亭があって、
1日1本だけですが旅舎のチェックインチェックアウト時刻に対応しているのでバスでの訪問も可能。
お店の公式HPによれば母屋が建てられたのは大正8年(1919年)。
オーベルジュは「宿泊設備を備えたレストラン」を意味する言葉なので間違ってはいないのですが、
そんなカタカナ言葉より「日本旅館」という表現のほうが似合いそうな佇まい。
女将さんでしょうか、1階の部屋にするか2階の部屋にするか尋ねられて、
どちらでもと答えたら2階の部屋に案内されました、後客は問答無用で1階に宿泊。
風呂・トイレは共同で食堂も含め全て1階にあるので1階のほうが便利ですが2階のほうが広いです。
「延命草の間」が9畳、「かたくりの間」が12.5畳、「ふたりしつかの間」が10畳。
襖で仕切った計30畳ぐらいの和室を1組だけで広々と使えます。
鍵や扉など無くて障子の引き戸を開け閉め、この旅舎にセキュリティーなんて概念は無いです。
そもそも同旅舎で鍵が付いているのは玄関とトイレだけ。
日本人ならではの信用で成り立っている旅舎と言えるでしょう。
(玄関の鍵も閉めてはいなかったですが、夜になると周りは真っ暗で人気は全く無いです。)
「かたくりの間」に入ると大テーブルに干し柿、お茶、おしぼりが供されます。
アンズを思い出すようなネットリとした食感で甘さ控えめな干し柿が美味しい。
室内にはテレビ、ハンガーラック、ガスストーブ、エアコンなどあって、冷蔵庫は無し。
ざんざ亭にはエアコンすら無かったので、ざんざ亭よりは設備が充実しています。
2階ホール(廊下)の窓からは庭や川を眺めることが可能で眺望良し。
風呂・トイレは2階に無いので階段を下りて1階へ(2階ホールの先に流し台はあります)。
トイレエリアだけはリフォームしてあるのか。
人感センサー付きの照明、洋式ウォシュレットなど同旅舎に似つかわしくない最新設備。
トイレ2室には洗面所付き(風呂にも洗面所とドライヤーがありました)。
リフォームの際に断熱材を壁に入れたのか冬でもトイレは寒くないです。
(一方でざんざ亭のトイレは隙間風が酷くて極寒でした。)
前述の通りお風呂にも鍵は無いです(扉に鈴は付いています)。
ガラス張りで庭の景色を楽しめるのですが、庭から丸見えの可能性もあります(未確認)。
温泉ではなく入浴剤を入れているだけですが底の深い檜の浴槽は良いです(熱い湯加減も好み)。
しかしシャワーは水勢かなり弱く、温度調節も出来ないようなので、髪の長い女性に優しくないです。
夕食は18時から、朝食は7時30分から。
食事の間に「延命草の間」に布団を敷いてくれます。
下に電気毛布、上にELLE PARISの毛布があって、なかなか快適に過ごせました。
ビール(800円)エビス中瓶
酒(800円)
スパークリングワイン(グラス 1,400円)
宿泊料(15,000円)1泊2食
(注)表示価格は外税です
夕食の内容は以下の通り
1.前菜盛り合わせ12種類
2.長谷のイノシシと大鹿村の野菜の白味噌椀
3.岩魚のお刺身 岩魚のイクラ 自然薯
4.菊花蕪 蕪の葉のすり流し 白味噌餡
5.自然薯の変わり揚げ
6.軍鶏鍋(信州黄金シャモ)
7.大鹿村の鹿肉(内もも)低温調理 香茸と赤ワインのソース
8.バカマツタケを入れて鍋の〆雑炊
9.大鹿村の苺のシャーベット
食堂はテーブル2卓9席、家族経営のようで、女将さんの娘さんと息子さんでしょうか。
姉と弟の兄弟シェフが調理を担当しています。
厨房からタイマーの鳴る音が聞こえたりと少し気になる点もありましたが、
和洋の料理を色々と楽しめます(特に洋より和のほうがレベル高いような印象)。
扱う地酒は、喜久水(飯田市)、今錦(上伊那郡)、信濃鶴(駒ヶ根市)の3銘柄。
大吟醸、純米大吟醸など種類は色々と取り揃えているようです。
焼酎は芋焼酎のみ、お水は水道水ですが山の水ということで美味しい。
昔よりカルキ臭くなってしまったと嘆いていましたが都内の水とは雲泥の差。
食材は大鹿村産を中心に南信州の地物を扱っています。
その名の通り大鹿村は鹿が良質なものの、猪を仕留めるのは下手だからと長谷の猪を使ったり、
大鹿村にこだわりながらも味を重視して南信州の周辺地域からも仕入れ。
12種類ものチョコチョコした料理の「前菜の盛り合わせ」からスタート。
アルプス乙女(姫りんご)の焼き林檎、三倍酢で〆た「しばかぶり」、クロカワ湯浸し大根おろし添え、
センボンシメジと春菊のお浸し、小柿(柿の原種)、大鹿村産チーズと低温焼成ビーツ、
ホンシメジとネギのお浸し、蜂の子の佃煮、アカヤマドリタケの味噌漬け、
山胡桃とカボチャの和え物、アケビの皮の油みそ、地元の手作り蒟蒻、計12種類。
季節のものというアルプス乙女(小さな姫りんご)は中をくり抜いて「焼き林檎」に。
くり抜いた中にはサワークリームとお蕎麦のクリームが入っているのですがこのクリームが美味。
器ごと丸ごと楽しめます(ヘタ以外)。
しばかぶりは秋に採れた天然キノコ。
クロカワ(老茸)は牛の額のような格好で出るのでこの辺りでは「うしびたい」と呼ばれているそう。
センボンシメジ、ホンシメジなど天然キノコならではの旨味が素晴らしいです。
味噌で漬けたフワフワのアカヤマドリタケ(ポルチーニの仲間)など美味しくて、
11月後半になっても「きのこオーベルジュ」の片鱗が垣間見えます。
バカマツタケは秋に採れたものを土ごと冷凍しているとおっしゃっていましたが、
おそらく天然キノコ各種を冷凍保存して通年楽しめるようにしているのでしょう。
冷凍でありながらこの美味しさ、秋にはどれだけ美味しいのかと期待で胸が膨らみます。
天然キノコ以外ではチーズとビーツの組み合わせに妙味を感じました。
セミハードぐらいな硬さの大鹿村のチーズに、低温で長く焼いてやわらかジューシーになったビーツ、
そして大鹿村の山塩(山なのに何故か塩水が湧き出る大鹿村)をアクセントに。
食材のマリアージュを感じられてかなり美味しい。
蜂の子は競りで購入したものを佃煮にしています。
今年獲れたものだそうでクロスズメバチの蜂の子でしょうか、市販の甘露煮より淡い味付けで美味しい。
茅野の信州マタギ亭や下諏訪のみなとや旅館で食べた蜂の子のほうが個人的には好みでしたが、
大衆店で食べた蜂の子とは一線を画する美味しさで蜂の子の世界も資本主義でしょうか。
山胡桃とカボチャの和え物は中に白玉団子が入っています。
アケビの皮の油みそは茄子のような食感の皮を「なすの油みそ」に見立てたような料理。
地元の手作り蒟蒻は酢味噌と紫大根の大根おろしで楽しんでおりました。
白味噌椀は長谷の猪肉、大鹿村の丸大根、人参、小松菜、里芋、吸い口に柚子と具沢山。
炊き合わせのようにそれぞれ別に煮て最後に一緒にしているのでしょうか。
野菜をこれだけ沢山使いながら雑味を感じません。
少しトロミの付いた白味噌スープが素晴らしい美味しさで吸い地のレベルが日本料理店顔負け。
イノシシの脂でトロッと感じるとのことでした。
その猪肉も脂身が特に美味しくて、この旅で食べた猪としては柚木元に次ぐNo.2という評価。
信州マタギ亭、ざんざ亭、わらび野、滿で食べた猪より美味しかったです。
海無し県の長野らしくお造りは川魚の岩魚(イワナ)。
醤油と酒で〆たという希少な岩魚の黄金イクラまで乗っていてテンション上がるところなのですが、
不幸なことにわらび野で13年営業して2度しか出したことがないという「生の岩魚のイクラ」を食べたばかり。
比べるとどうしても小粒で食感も硬めなのですが美味しいのは間違い無いです。
お刺身はかなり低温で提供しているので身が締まってコリコリ硬め。
熟成させた真鯛より〆たばかりのコリコリした真鯛を好む人にはこちらのほうが良さそうです。
そして凄い粘りを魅せる自然薯が意外と美味しい。
菊の形にカットした「菊花蕪」は甘めの白味噌とやわらかな蕪が合わさった優しい味。
自然薯の変わり揚げは衣を纏った自然薯の中に、古代米、銀杏、岩魚の昆布〆。
レアーな火入れが良いです、梅肉も入っており酸味もアクセント。
零余子(むかご)も揚げてありましたがホクホクで美味しい。
軍鶏鍋(信州黄金シャモ)には豆腐、ネギ、春菊、栽培物ですがヒラタケとシメジも入っています。
シャモはモモ肉を使っているようですが、シャモらしい締まった肉質で旨味もしっかり。
山梨県の中村農場で食べた甲斐路軍鶏より全然好みです。
スープは鰹節と醤油ベースでシャモの旨味も加わっているのですが、
そのスープを吸ったヒラタケが栽培物でも美味しい。
秋にはこれが天然キノコとなるのでしょうか、更に凄い美味しさとなりそうな予感。
ジビエ第2弾は大鹿村の鹿肉(部位は内もも)。
下味を付けずに低温調理で火を入れて、香茸と赤ワインのソースor山塩で。
付け合わせは、白菜、野沢菜の根っこ、(和製クレソンと呼ばれる)タネツケソウ。
この旅では鹿を刺身、タタキ、低温調理などで楽しんだのですが、
特に鹿肉の中でも脂身の少ない赤身肉は火を入れるとパサつきやすい印象。
低温調理とのことでしたが鹿刺しのネットリした食感に比べると美味しさは落ちます。
また香茸と赤ワインのソースも筆者の理想より酸味が強め。
アッサリした赤身の内もも肉に酸味の強いソースということで淡麗な味わいに。
濃厚コッテリ嗜好な筆者の好みとは外れてしまうのです。
脂身が多くコッテリした美味しさのジビエ第1弾「イノシシの白味噌椀」のほうが遙かに好みでした。
それよりも新たな発見だったのが甘い蕪のような味わいの「野沢菜の根っこ」。
野沢菜を自分で漬ける人しかまず出会えない部位ですが意外に美味しいです。
まさに野沢菜の本場である信州ならではの出会いでしょうか。
前述の通り秋に採れたものを土ごと冷凍保存していたというバカマツタケ。
松茸より香りが強くて、やわらかい食感とのこと。
(朝採れの松茸は大根のようなシャキシャキした食感と言われます。)
シェフによれば冷凍にしたほうが香りはむしろ強くなるそう。
シャモ鍋の残り汁にバカマツタケやご飯などを投入して〆雑炊に。
食べてみると確かにバカマツタケの香りが強くてこれは良いです。
わらび野では松茸を真空パックにして保存していましたが香りをほとんど感じられなかったので、
香りの強い天然キノコに関しては真空パック保存より冷凍保存のほうが適しているのでしょうか。
お米の炊き加減も硬めで理想的。
この旅ではどうもやわらかい炊き加減のお米に出会うことが多かったです。
長野県ではやわらかいほうが好まれるのかも知れませんが個人的には硬めのほうが好み。
食後のデザートは酸味しっかり効いて甘酸っぱい大鹿村の苺のシャーベット。
1480-2(朝食)に続く
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店名 |
旅舎右馬允
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受賞・選出歴 |
日本料理 百名店 2023 選出店
食べログ 日本料理 EAST 百名店 2023 選出店 |
ジャンル | 日本料理、オーベルジュ |
予約・ お問い合わせ |
0265-39-2037 |
予約可否 |
完全予約制 |
住所 | |
交通手段 |
<中央高速松川ICより> |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
¥15,000~¥19,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
個室 |
有 |
---|---|
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間 |
ドリンク | 日本酒あり、ワインあり |
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料理 | 野菜料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 景色がきれい、夜景が見える、隠れ家レストラン、一軒家レストラン |
お子様連れ |
子供可 |
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2,539文字★
ランチコース滞在時間:約2時間★★
東京から長野県に旅行で来ております。
6月中旬から「旅舎右馬允(3.82)」のランチに鮎コース(10,800円~)が加わりました。
今回は手違いで「季節のランチ(5,000円)」の予約になっていたようなのですが、
天然鮎の在庫は豊富なようで、すぐに鮎を入れたコースへと切り替わりました。
通常は下伊那の鮎を使うことが多いようですが、今回は寒狭川(かんさがわ)の釣り鮎が登場。
愛知県東部を流れる豊川の上流域は寒狭川と呼ばれます。
長野県と愛知県の県境あたりで釣ってきた天然鮎(鮎釣りの大会があったそうです)。
6月から鮎が解禁されたこともあって今月は長良川の鮎をフルコースで楽しむ機会もあったのですが、
「鮎料理」として評価すると同店のほうが洗練されていて完成度高いです。
信州で2番目に山奥と(観光協会が)自虐する大鹿村に在りながらハイセンスな料理。
そして鮎だけでなく、地物の野菜や野草、雨のおかげで奇跡的に生えた初物のアミタケ、ジビエ。
右馬允兄弟(姉と弟)の非凡な調理技術で大鹿村の四季の恵みを昇華させていました。
しかし手違いということで支払額は長良川の某店で食べた鮎のフルコース未満。
逆に申し訳なくなるぐらいの廉価で「大鹿村のフルコース」を堪能しておりました。
本日のコース内容は以下の通り
01.前菜の盛り合わせ12種類
1-01.朴の葉寿司(タケノコとミョウガタケ入り)
1-02.間引きニンジン煮浸し
1-03.夏ワラビの油揚げ巻き
1-04.寒狭川小鮎の燻製
1-05.きゃらぶき
1-06.絹さや生姜和え
1-07.トウモロコシの冷たいスープ
1-08.行者ニンニクの醤油漬けを乗せた揚げ出し豆腐
1-09.クマイチゴとモミジイチゴ
1-10.鹿の塩漬け(生ハム)とイタドリの酢の物
1-11.スベリヒユ酒粕和え
1-12.蕎麦生地のガレット(お味噌と山椒とチーズ入り)
02.野ミツバすり流し 揚げ鮎 ワラビとミョウガタケ入り玉子豆腐
03.鮎の糸造り
04.夏大根の炊き合わせ 地鶏のそぼろ
05.新タマネギのグリル 自家製イノシシの塩漬け(生ハム)マイクロニンジンとナスタチウムの花びら
06.鮎のお寿司 新タマネギとハマナスのピクルス
07.信州味噌を土手にした「焼うるか」と鮎の骨煎餅
08.鮎の塩焼き クレソン酢
09.天ぷら(鮎、山ウド、ワラビと味噌のタタキ大葉巻き、アカツメクサ)
10.山椒味噌でマリネした鹿肉の網焼き クレソン・野ミツバ・ナスタチウム・アマランサス・新じゃが
11.鮎ご飯 初物アミタケの赤出汁 香の物(キュウリとニンジンの糠漬け)
12.ハマナスのグラニテ
13.自家製水羊羹
前回(2018年11月)宿泊したときより前菜盛り合わせの満足度高いです。
川魚料理というと1品目は安易に甘露煮を出すお店が多くて残念に思うのですが、
こちらは内臓やエラを抜いた小さな鮎の燻製が登場して流石です。
甘露煮より(薫香は加わりますが)鮎本来の風味を楽しめますし意外と脂ノリ良く美味。
地物というトウモロコシの冷製スープからは鮮烈な甘みを感じられて驚嘆。
ラズベリーのような見た目のクマイチゴとモミジイチゴは酸味少なくて自然な甘みが素晴らしいです。
(黒っぽい赤色なのがクマイチゴで、オレンジ色なのがモミジイチゴ。)
加糖しなくても素材そのままでこれだけ美味しいとは山の果物も侮れません。
酒粕と醤油と辛子で和えた「スベリヒユ」という野草も独特の風味と食感を楽しめて美味しい。
どの料理も田舎料理と思えないほど洗練された味付けとなっており、
山奥に在りながら食べログ3.82とハイスコアを叩き出すだけあります。
そしてフワッと揚げた鮎を椀種に、山菜入りの玉子豆腐を椀妻に添えたすり流し椀も格別な美味しさ。
長良川の鮎に比べると寒狭川の鮎は肝に苦みを感じてしまったのですが、
こちらは身だけを調理しており「お椀」として鮎の美味しさが更に昇華しているので、
和良鮎(長良川の鮎)のシンプルな塩焼きより感動が大きかったかも知れません。
ジビエ料理のスマッシュヒットが自家製というイノシシの塩漬け(ほとんど生ハム)。
冬に仕込んで春から料理に使っていくそうですが生ハムと化したイノシシの脂が驚異的に美味しいです。
新タマネギのグリルと合わせることで脂身が仄かに暖かくなっているのもポイントでしょうか。
徳山鮓(4.43)で食べて感動したイノシシのハム(加熱ハムと生ハム)以来の衝撃。
塩焼きにはクレソン酢(クレソン8蓼2の割合だそうです)を合わせるのも面白いところ。
ただシンプルな塩焼きで美味しさを比べると、和良鮎のほうがやはり格上かも知れません。
同店では手の込んだ鮎料理のほうが気に入りました。
そういう意味でお椀に次ぐヒットだったのが鮎ご飯。
鮎の骨から取った出汁が上品ながら鮮烈に効いており、ご飯の硬めな炊き加減も理想的。
刻んだ大葉の爽やかさも良い仕事していました。
更に鮎ご飯と一緒に登場した止め椀に初物という天然キノコ「アミタケ」が入っていて驚愕。
本来は9月頃から採れるキノコでこの時期に出会えるのはかなりレアな奇跡体験。
山のレバ刺しとも呼ばれるぐらい食感の良いキノコで、フワリかつトロリとしていました。
風味の良さも相俟って今回のお椀は鮎もキノコも最高に美味しかったです。
ハマナス(バラ科バラ属のピンク色の花)の高貴な香りを楽しめるグラニテ、
自家製の水羊羹など、〆のスイーツまでセンスの高さを感じられて大満足。
11月の前回より6月の今回のほうが天然鮎を主役に据えて充実の内容となっていたような印象。
お店で出したことは無いそうですが11月はゴトウムシ(カミキリムシの幼虫)が美味しいとのこと。
(11月より前のゴトウムシは餌のオガクズが残っているので美味しくなるのは11月。)
11月は蜂の子を採る時期とも聞きますし、昆虫食マニアは11月が狙い目なのかも知れません。
(お店で出したことは無いそうなので食べるにはお姉さまとの交渉が必要になると思われます。)