祇園の新鋭割烹　「くらした」　ゆったり感が身も心もお腹も満たしてくれます。 : 祇園 くらした

「祇園の笑門」です。本年9月11日開店という祇園　くらした

以前から前を通るたびに訪れてみたかった割烹です。

2ヶ月間ほどの改装を経て真新しくなった店内は落ち着ける雰囲気でございました。

10月中旬、友人と祇園　くらしたを訪れるために2日前に予約の電話。

カウンター派なので、13時に坪庭の見える、一番奥側のカウンター席を予約したところ

二つ返事でＯＫとのことで、益々期待は高まります。

その時点で4000円の昼会席を予約して、当日を迎えました。

場所は四条花見小路下ル4筋目東入る2筋目角です。祇園町南側のほぼ中心にあり

雰囲気といいロケーションはまさしく「祇園」です。嬉しい雰囲気でございます。

以前は、割烹湖藤美（ことみ）があった建物を買い取られて改装された、とのことです。

建物の外観も正しく祇園にベストマッチングした、お茶屋風の建物で

祇園　くらしたのセンスが伺える外観です。

お聞きするところによると、祇園地区の景観保護の為、建物の外観や暖簾に至るまで

かなりの規制があるらしいです。新しくお店を開店させるオーナーにとっては

厳しい環境ですが、利用する側にとっては嬉しい景観保護措置だと感じます。

玄関の左脇にはシンプルで分かり易いメニュー表があり、一見さんでも入り易くなっています。

角地なので、一番奥の奥行きまで分かって建物の雰囲気がよく伝わってきます。

玄関の引き戸を開けると3～4メートルの石畳のエントランスがあり益々ワクワクします。

素敵な演出だと思いました。突き当たりから左へ、左側にテーブル席の部屋があり

4人席ｘ2テーブル・2人席ｘ2テーブルの計12席。結構、ゆったりとした席設定です。

右側には5席のカウンター。希少な栗の木の一枚板を使ったカウンターは落ち着いた雰囲気です。

その奥に6席の掘り炬燵式の個室座敷。

カウンター席と掘り炬燵式の座敷からは癒される坪庭が見えます。

2階は18名席と10名席の個室座敷。間仕切りで仕切られた落ち着いた空間です。

カウンター席とテーブル席は完全禁煙となっています。嬉しい計らいですね。

私たちは、予約したカウンター席の坪庭側の特等席に･･かなり落ち着けます。

席の間隔もゆったりとしていて、私たちのように2時間以上も長居する客にとっては

嬉しい環境でございました。

さて、メニューの方ですがお昼ランチは【御所膳・2000円】・【昼会席・4000円】

【昼会席・7000円】・【昼会席10000円】の4種類。

夜メニューは【夜会席・5000円】・【夜会席・8000円】・【夜会席・12000円】・

【夜会席・15000円】・【宴会コース（会席+飲み放題）・7000円（サ込み）】・

【宴会コース（会席+飲み放題）・10000円（サ込み）】

・【宴会コース（会席+飲み放題）・12000円（サ込み）】・【京都牛すき焼き・5500円】

・【京都牛しゃぶしゃぶ・5500円】・【てっちり・6600円】と多彩なメニューがあります。

中でも、宴会コース（会席+飲み放題）は1名からでもＯＫとのことで呑み助さんには

強い味方になるのは間違いないことでしょう。

私たちがお願いした昼会席・4000円（サ別）は先附、前菜、造り、焼き物、煮物、

揚げ物、食事、デザートの全8種の高CPが期待できるコースです。

【先附】・かぼちゃとうふ（コンソメジュレ・キャビア添え）

　　　　　　　牛乳を加えることにより豆腐にもちもち感が出て独特の旨み歯応えのある

　　　　　　　逸品でした。

【前菜】・えびせんべい

　　　　　　　　ぱりぱりっとした食感が変化を付け加えてくれました。
　
　　　　　秋刀魚の小袖鮨
　　　　　　　　
　　　　　　　　一口サイズの小ざっぱりとした秋刀魚押し鮨、秋の味覚

　　　　　　　　でございますね。季節の逸品でした。　

　　　　　長芋の昆布巻き
　　　　　　　
　　　　　　　　長芋と昆布のハーモニー。しっかりと昆布の旨みがしみ込んで旨い。
　
　　　　　栗の甘露煮

　　　　　　　　　この秋は栗が不作だそうで、丹波栗の貴重な甘さに感謝です。

　　　　　薩摩芋の吹き寄せ

　　　　　　　　　落ち葉風に薄くスライスされた創作的な吹き寄せ。

　　　　　　　　　パリッっとした食感がたまりませんでした。

　　　　　子持ち昆布

　　　　　　　　　子持ちのシャキシャキ感が昆布の旨みをいっそう引き立ててくれます。

菊菜のきくか合え（菊菜・椎茸・菊の花）
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　菊の花の香りが初秋を感じさせてくれました。

　　　　　　　　　旬をいただける幸せ感は五感に染み入ります。

【造り】・ひらめ・よこわ（本マグロの幼魚）・つる紫の花添え

　　　　　　　　　目の前でさばいていただけた新鮮な、もちもちとしたよこわの食感が

　　　　　　　　　今でも口に残っているようです。素直に美味しかったです。

【焼き物】・鯛の西京焼き・ふきの伽羅吹き

　　　　　　　　　コースの中で一番印象に残った鯛の西京焼き。皮まで美味しくいただきました。

　　　　　　　　　最高の逸品です。

【煮物】・菊の花の蕪（鳥のそぼろ）

　　　　　　　　　この煮物も初秋を感じさせてくれた一品。素晴らしい演出です。

【揚げ物】・海老のあられ揚げ

　　　　　　　　　海老を食べ易くあられで揚げた一品。彩りが綺麗でした。

　　　　　　　伏見唐辛子
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　辛くなく、さっぱりといただけました。

　　　　　　　加茂茄子
　　　　　　
　　　　　　　　　揚げ物の中では一番のお気に入り。加茂茄子の旨みが滲み出ます。

【食事】・あんかけ湯葉ご飯・香り物

　　　　　　　　　あんかけ湯葉ご飯はさっぱりとした口当たりで益々食が進みます。

　　　　　　　　　白ご飯が出なかったので、どうかな？と思ったのですが、素直に美味しかった。

　　　　　　　　　また、香り物は亀岡の丹波屋の漬物を使われていました。少し濃厚なお味ですが

　　　　　　　　　湯葉ご飯に合います。

【デザート】・抹茶アイス・幸水梨

　　　　　　　　　抹茶アイスは会心のお味です。満腹のお腹に優しいデザートでございました。

　　　　　　　　　瑞々しい幸水梨は食事を締めくくるに相応しいさっぱり感でございました。

最後のデザートまで心を込めた素晴らしい逸品の連続、お腹も心も満腹にして下さいました。

また、それぞれの器の数々、凝っていらっしゃいます。こだわりの器の数々でした。

ご主人の蔵下さんは、祇園　くらしたから東に100ｍほど行った

祇園 京料理 花咲で修行されて、10年間の祇園京料理 花咲 錦店店長を経て

この9月11日にこの祇園　くらしたを開業されたとのことでした。

まだまだお若いのに、お客を納得させる料理を供して下さいます。

昼会席が4000円、私はノンアルコールビールと白ワイン。友人は昼会席の4000円と

中生ビール・松本酒造の梅の雫･･･合計11330円の満足いく会計。

また、一人でお伺いしても夜は7000円（夜会席+飲み放題・サ込み）で勉強させていただきます。

との事でした。いやぁー太っ腹ですね。呑み助にはたまらないサービスですね。

この祇園　くらしたの雰囲気からして驚くほどの高CPです。

坪庭が見えるカウンター席での幸せな2時間30分が夢のように思えた祇園　くらしたでした。

日本の、京都の、祇園の食文化に感謝でございます。ありがとうございました。