ファンタジーに味はついてくる : ラ ターブル ド リール

小田急線の新松田駅周辺は、食べログ的には高評価のお店は少ないのですが、好みのお店または美味しいお店には時々出会います。
今回、伺ったフレンチレストラン「ラ ターブル ド リール」も、楽しめる料理を提供してくれるお店と言えると思います。

5月末頃の平日の訪問です。一応予約しておきました。お店に駐車場がないので、付近のコインパーキングに停めようとしましたが、どこの駐車場も満車でした。結局、お馴染みのチェルト ホノボーノさんの近くのコインパーキングに戻り、空くのを待つことにしました(そういえば最近ホノボーノさんに行っていない)。お店には駐車場待ちのため、少し遅れそうと連絡を入れましたが、駐車場が少ないので遅れる客はよくあることらしいのです。

やっぱり少し遅れての入店になりました。お店は2階にあります。
小洒落たこじんまりとした店内は、居心地がいいです。お客は自分以外全員女性でした。ジャズが流れてはいましたが、それより女性たちの会話が賑やかで楽しそうでした。

お店の案内を見ると、写真を撮る時は一声かけてくださいと書いてあったので、撮っていいことを確認しておきました。因みに香水の匂いがきつい方は、退店いただくかも等々、いくつか注意事項が書いてありました。接客は、ほのぼのとしたものではありませんでしたが、聞けば丁寧に答えてくれます。

予約していたのはAコース(2800円)です。周りを確認すると全組ともAコースでした。

食前の飲み物がコースに含まれています。アルコールもokですが、車なのでノンアルコールのスパークリングワインにしました。

最初に料理を総括してしまえば、古来の日本食のように視覚に訴える料理デザインであることです。ファンタジーなビジュアルが目を楽しませてくれます。そして、ソースも含めて工夫された味付けがしっかりとビジュアルに追いついていると言えると思います。
そして、CPが高いところも魅力です。なんせこの料理の内容で(下記)、魚料理も肉料理も付くフルコースで(食後のドリンクは付かない)、2800円ですから。

イメージは写真だけで伝わるかと思いますが、簡単にいくつかの料理の補足をします。(写真も補足文も順不同)
1. 転げた植木鉢
　転がった植木鉢からいかにも野菜がこぼれ落ちたような料理のビジュアルで、其々の野菜のばら撒かれかたなどもセンスですね。
更に一工夫あるのは、植木鉢を支えているものはリエットです。そしてその付近に溢れたペンキのように見えるソースがあります。

2. 小さな前菜
　アスパラが一本だけ横たわっています。それをアートに見せてしまう工夫が大したものです。グリーンが映えるアスパラが載ったプレートに赤や黄色のソースや野菜が点在し、可愛らしく見せるデザインです。北海道産のアスパラは勿論美味しいですし、ソースとの組合せもいいです。

3. 魚料理
　一見なんだかわかりませんが、泡の下にイナダが隠れています。その下には秦野産の茄子。フランス風のソースで味付けしているとのこと。付近を水上流れるように或いは撥ねたように見えるグリーンのソースは菜の花で作られています。

4. 口直し
　口直しは北欧のインテリアのようにも見えて、料理は見てもなんだかわからないものです。下のクリスタルな器に入ったものは食べれません。その上に載っている薄ピンク色のものが食べるものです。名前は忘れましたが、バラのかき氷的なものです。バラは食用バラです。見て楽しみつつ、確かに口直しになります。

5. 肉料理
　プレートの左側に大山鶏、右側がチュミチリソースです。パクチーやネギが入っているので強さのある味わいです、これをライスに載せても美味しそうです。
大山鶏はソースをつけないでも美味しいです。

6. デザート
　チーズのテリーヌと落花生に醤油で味付けしたクリームです。濃厚で美味しいです。新しい美味しさです。お店の方によると、発酵食品同士で、よく合うとのことですが、確かに両者が馴染む味わいです、

7. 食後の小菓子
これも面白すぎです。
　牧場をイメージした緑のマットの端には木が生えていて、牛さんも3頭いるミニチュア牧場です。勿論、牛や牧草や木を食べることはできず、中央付近にあるチョコレートを２つ食べることができます。ちゃんと美味しいです。

この他に、地場野菜の冷製スープも品のいいスッキリした味わいですし、パンは「アスラン」さんから教わったという自家製パンです。(2回おかわりしました)
デザートの時に珈琲を注文しました。美味しい珈琲でカップも重厚感があっていいです。

低価格でゆっくりとビジュアルを楽しみながら美味しさを味わえるお店です。

ご馳走様でした。