不思議でした。 : 井上センター

県道１０号長尾バイパスを屋島方面に向けて走っていると、１１号東バイパスとの交差点の手前で見えてくる白い壁に「うどんの井上センター」と書かれた建物・・・
前々から気にはなっていたんです。

気になってはいたが、寄った事がない。寄った事ないから、営業しているのかどうかも分からない
分からないから気になる・・・そんな堂々巡りが続き、ある日、思い切って寄ってみる事に・・・

たまたま、信号待ちで停車した際に、真横にその店へ続く進入路があったので・・・

この店は、バイパス本線から住宅地に２００ｍほど入り組んだ場所にあります。建物自体は鉄筋造りの結構大きな建物なのですが、うどんのノボリとかがバイパス側からは確認できないので、営業しているのかどうかも分かりませんでした。

進入路から店の前まで行くと、なんか営業中の店構えとは程遠い創りでしたので、やっぱり営業してないのかな～？って思いながら、突当りの３差路部分まで来て店の反対側を覗き込むと、そこに「うどん」のノレンがかかる入口がありました。

どうやら、この店の入り口は今では、ほとんど車通りのなさそうな狭い旧道沿いに向いていたようです。
そういえば、先ほど走ってきたバイパスは割と最近できた道で、それまではコッチの細道がこの界隈の本線だったのかも知れません。

何はともあれ、営業中のようです。
駐車場はよく分かりませんが、店の横の空き地２，３台ほど可能な場所に停めました。

ノレンをくぐり、店内に入ります。
食べログの店舗情報では午前１０時開店となっていたので、それが正しければ開店から１０分ほど経った頃に入店というわけです。

いそいそと何やらカウンターの奥で作業されている店主らしき方に「かけ小」を告げます。

かけうどんに何か惣菜系を乗せて食べようと思って覗いたバットの中には何も入っていませんでした。
このまま待っていても、新たに惣菜が出てくる雰囲気でも無さそうでしたので、もう一度頭上にかかるメニューを見上げて、出来るだけ「かけうどん」から手のかからなそうな「きつねうどん」に変更しようと思い、店主に声をかけました。

振り向いた店主の手には「かけうどん」が・・・完成していました。

せめて、「オアゲ」だけでも乗せてもらって食べたいと安易に思い、
『「きつねうどん」にしたいんですけど「オアゲ」はありますか？』と聞くと、
店主は目に見えて焦ったような感じになり
「ちょ、ちょっと待ってくださいね～１分ぐらい・・・」と、店の奥へ消えて行きました。
目の前のカウンターには「かけうどん」だけが放置されています・・・＾＾；
・・・いや、時間かかるのなら、このままでも・・・＾＾；　の・・・のびるし。（汗；）

お金も払ってないし、オアゲを頼んでしまったのはコッチだし・・・何も出来ぬまま、カウンター上の「かけうどん」を見つめて待ちます。

何やら奥ではガチャガチャと音が・・・そして、出てきた店主の手には多分「おあげ」が入っているであろう鍋が・・・
てっきり、その「おあげ」を「かけうどん」に乗せてくれるのかと思いきや、鍋ごと火にかけ温め始めました・・・

１分ぐらいのつもりで実際は３分ぐらいは待ちました。
多分、よ～いドンで、カップラーメンに熱湯入れたら、同時に食べられたであろうと思います。食べませんケド・・・

そして、ようやく完成した「きつねうどん」を受け取り、薬味をかけて会計を済ませ席に着きます。
あ、説明するの忘れていましたが、この店は半セルフの店です。

レジは奥さんらしき方が出てきてやってくれました。
そして、なぜかは知りませんが、これ良かったらどうぞ・・・と、ヤクルトを一本ポンッとトレーの上に乗せてくれました。
待たせたことへのお詫びなのか、のびてる事への穴埋めなのか・・・（笑）

席に着き、いただきます・・・

予想通り、麺は・・・でした。
でも、思ったほど状態は悪くはなく、優しい食感と表現するのが可能な範囲内だと思います。
ただ、出来上がってスグだったら、もう少し感じは良かったとは思います。
なんせ、出来てから２、３分ほど放置プレーでしたから・・・（笑）

「おあげ」は、アツアツでした。店主が慌てて用意した手作り感あふれる、微笑ましい感じの「きつねうどん」になっていました。
フワフワした感じの食感で、それなりに美味しくいただきました。
確かに、この肉厚タイプの「おあげ」なら、冷たいまま食べると、少し抵抗はあるのかも知れません。
それを思った店主が、わざわざ温め直したのだと・・・店側の気遣いだと・・・
３分間放置され、ダシがしっとり馴染んだ優しい食感の麺を眺めながらポジティブに考える事にしました。
言いだしっぺは自分ですし・・・

それよりも、店内の内装というか、壁に掛けられた絵の数々の方に興味が行きました・・・
少し独創的な・・・良い言い方をすれば「アート」のような絵画が、壁一面に飾られていました。

昔ながらの雰囲気を保つ落ち着いた店内なのですが、なぜか壁だけはポップでトリッキーでアーチスティックな雰囲気のある不思議な空気が漂う店でした。

食べ終わって、店の外に出て外観の写真を撮ろうと、少し引いた位置から鉄筋の店舗を見ました・・・
「井上不動産」と書かれた真っ赤な文字・・・
店は不動産屋もされているようでした・・・今もやっているのかどうかは分かりませんが。

・・・やっぱり不思議な店でした。