調味料や食材まで自家製のものがほとんどの料理に感動しました。（能登半島　民宿ふらっと） : 民宿 ふらっと

1日3組上限の小さな民宿です。GWに2人で泊まりました。

【宿泊編】
チェックインは15：00。駐車場は道を挟んだ反対側（海側）にあり、渡るのに注意が必要です。意外と交通量がありました。部屋は2Fにあり、トイレは共同ですが、1Fに1つと2Fに1つ、どちらも洋式のものがありました。2Fトイレ前の手を洗うところが和風モダンでカッコイイのですが、居酒屋でも時々ありますが、蛇口が短くて水がボウルから出てしまうからか、カビ臭かったので1Fをメインに使いました。洗面できるのは1Fのトイレ前のところ。お風呂もそのエリアにありました。

部屋はシンプルな和室。清掃は行き届いていて居心地は悪くなかったですが、テレビがものすごく小さなブラウン管式なのが残念でした。（これも間もなく地デジ対応で買い替えられるかもしれません）お布団は夕食時に敷いてくださいました。朝は説明がなかったですが、布団上げはなかったようです。

かけ布団が羽布団じゃないのが久しぶりで、ああ、民宿だなあと。部屋は海が見える道路沿いなのですが、外壁が薄い古い民家建物なので、とにかく車の音が喧しくてストレスになりました。半島でも皆さんいい速度で走るからうるさい～。コンクリート製の建物、サッシのいいガラス窓に慣れているからこれには一番参りました。当然隙間風も入り、GWで昼間は暑いぐらいの日でしたが、夜は冷え込みました。なので冬や夏の料理も興味があるけど、この建物で冬とか真夏は厳しいかなあ～。

【夕食編】
夕食は18：30からと決まっています。夕食、朝食ともに1Fの広間（和室・座布団敷）で頂きます。3組しかいないので、テーブルの間は十分開いていて気にならない感じです。1箇所だけ囲炉裏端で食べられるところがあり、他の2箇所は大きなテーブル。私たちはテーブルでした。広間に下りてきた順番なのかなあ？そのあたりよくわからなかったですが。

まずは「奥能登ビール日本海倶楽部ピルスナー」（別注文）で乾杯。ブルーの瓶は民宿ふらっとさんのオリジナルなんだそう！深い色で綺麗な瓶でした。ビールの後はオーストラリア産の白ワインを1本。

この宿、お料理の内容によって3種類の値段設定になっていて、1泊2食付の1人あたりの料金が、8,500円、10,500円、13,500円。私たちは真ん中の10,500円を選びましたが、たぶん同宿だった他の2組は13,500円のコースだったような。

この日の料理は以下のようなものでした。

「新玉ねぎと生わかめのスープ」
→輪島塗の器で供されました。クリーミーで甘みのあるスープで、細切生わかめが熱がとおることによって鮮やかな色に変わるのがパフォーマンス的にも面白かったです。

「桜鱒＋いちごと柿ソース、さより＋自家製いしるソース」
→美しい前菜。ピンクの塩は去年の桜を漬けた自家製の桜塩だそうです！のっけから圧倒される素晴らしいお料理。「いしる」というのは、烏賊で作った醤油なんだそう。同じ能登半島でも、輪島あたりだと鰯で作るんだとか。

「パスタ」
→この日のパスタは、手打ち麺に、こごみとサザエが入ったものでした。このこごみはシェフであるオーストラリア人のご主人が摘んでこられたものだとか。最後にご挨拶に来てくださったとき、11月からの蟹の季節もいいけれど、春の山菜を使った料理もかなり楽しいとおっしゃっていました。これをヒントに、旅行帰りに道の駅で「こごみ」と「いしる」を買って帰り、自宅でもこごみスパゲティを作りましたよ！

「サラダ」
→自家製いしりとバルサミコ酢を使ったドレッシングが美味しかった。このドレッシング、ぜひ家でも利用したいです。亜麻仁油といしるとお酢でもいいかも。

「自家製フォカッチャ」
→塩が利いたフォカッチャでした。私たちはフランスパン系の方が好きだからこれは普通かな。

「おこぜのフリッター」
→これまた自家製の無農薬栽培の柚子で作った柚子塩が添えられていて感激。タイムが香るところがイタリアンです。

「黒鯛のグリル」（写真撮り忘れ）
→こちらは真鱈の子で作った自家製明太子が添えられていました！体に優しい食材でのお料理とはまさにこの宿が作られるものだなあと本当に感激です。

「金華鯖の糠漬と青紫蘇のピザ」
→これは追加注文で、1ピースずつ頂きました。鯖の糠漬は少量でかなり塩辛いものなのですが、旨みが凝縮しています。感激して帰りに道の駅で沢山買って帰りました。味としてはアンチョビーにも似ていますが、あちらは油で漬けるので、またちょっと違う感じかな。

「大吟醸のムース」
→いやあ、最後まで驚かせてくれました。これも美味しかったなあ。

「エスプレッソ」

【朝食編】
夕食がイタリアンだから朝も洋食を想像していたところ、和食でした。これが2011年3月で営業終了した、あの予約が取れない民宿「さんなみ」さん仕込みの食材が沢山！この宿、イタリアンと和食が一泊で楽しめるなんて最高です。食卓に並んだのは以下のもの。

「金華鯖の糠漬」　「葉わさび酢漬」
「紫蘇の実の佃煮」　「いものつるのべんづけ」　「梅干」
「鰹味噌の豆腐」　「こしあぶらの胡麻和え」「鯛の粗汁」

勿論全部自家製。郷土料理がこんなに沢山味わえて感激でした。ご飯も美味しくて、他のお客さんも何度もお代わりしていました。

設備はそんなに良くないけど、この料理は感動もの。マイレージでも貯まっていれば、能登空港からレンタカーで20分ぐらいらしいし、何度も訪れたいなあと思うところ。きっといつかまた再訪したい！そんな宿でした。