金沢の歴史と魅力が詰まったフランス料理 : Installation Table ENSO L'asymetrie du calme

金沢市池田町にある二つ星の一軒家レストラン『Installation Table ENSO L'asymetrie du calme（インスタレーションテーブル エンソ ラシンメトリー ドゥ カルム）』。

「インスタレーション」とは、空間全体を作品として体験させるという芸術用語。

「エンソ」は、日本料理で“エンソにする”= “塩だけで調味する”というシンプルさを意味し、「ラシメトリー」は左右非対称、「カルム」は静寂。

愛知県出身のシェフ土井氏は、和紙職人を志し上京。傍らアルバイトにて日本料理と出会い、関東と関西の日本料理店で修業を積む。その後、西洋料理との縁を得て、フレンチの道へ。
二期倶楽部、銀座のフランス料理店（夕顔等）でシェフとして活躍した後、ヨーロッパへ。スイス、北欧、フランスなどで約4年間研鑚を積み、帰国。2016年「食材、生産地、文化、風情が揃う地・金沢」で自店をオープン。

シェフが金沢の地を選んだ理由は、環境の良さと、地元産の豊富な食材に恵まれていること。食材は北陸産のものを中心に使い、生産者のもとを積極的に訪れ、交流を深めています。

料理に使用する食材をイラストにして紹介。金沢の美大生によるイラスト。

「料理は食べる前に、香りや見た目から入るものなので、器にもこだわる」と、器はsecca社、ガラスは艸田 正樹氏、漆は杉田 明彦氏、カトラリーは竹俣 勇壱氏など、石川在住の作家や企業による作品を多く使用。

レストランの建物は、元々明治時代に建てられた洋裁学校だったそう。用務員室がエントランスにあったりして趣があります。

【飲み物】
「和紅茶」
丸七製茶さんのべにふうき。

【チョロ茸】
「チョロ茸のコンソメスープ」
冬茸とも言われるチョロ茸をコンソメスープに仕立てて。

【オータムトリュフ】
下には洋梨とブルーチーズのテリーヌ゙、フォアグラのパルフェ、豚のハム。オータムトリュフを削って。

【柿】
「紋平柿のタルト。」
タルト生地の上には鯖のへしこ、酒粕で作ったクリームチーズ。上には紋平柿、柑橘のジュレ、ハーブ”ドロップショット“をあしらって。下には落ち葉に見立てた乾燥させた柿の皮。

【熊】
「月の輪熊のタコス風」
山椒入りの生地に富山の月の輪熊とトマトのミートソースを入れて、タコスのように包んで。上にはくわいのチップス、にんにくと卵黄のアイオリソース。

【イカ】
「アオリイカと雲丹」
アオリイカの千切り、昆布締めにしたハヤトウリ、生雲丹、薄くスライスしたアオリイカ、野菜を発酵させたソース、フェンネルのオイル。

【牡蠣】
「牡蠣の62度」
スペシャリティ。牡蠣は６２度の低温で火入れしてレアな食感に。上には、２種類のソース。りんごと牡蠣のエキスのサワークリーム、キウイのピューレ。

「牡蠣のマカロン」
牡蠣を裏ごしして乳化したオイルを合わせたクリームを挟んで。

【海老】
「牡丹海老のマリネ」
牡丹海老はベルガモットでマリネしてマスカットと合わせ、黒いソースは黒米を発酵させたソース。花穂紫蘇をあしらって。

【蟹】
「渡り蟹のビスク」
能登の渡り蟹のビスク、下には、ぬか漬けにした菊芋のピューレ、火入れした鱈の白子を入れて。ライムの皮を風味づけ。

【いわし】
「いわしのえごま巻」
燻製させたいわしを炙り、ラタトゥイユ、焼いたライ麦パン、万願寺唐辛子をえごまの葉で巻いて。赤しそパウダー。

「いわしのブランダード」
ほうれん草のチュイールの中に詰めたのは、いわしとじゃがいものブランダード。若桃のピューレを添えて。

【椎茸】
「原木しいたけ」
能登の原木しいたけを炭火焼きにして、下にはレンズ豆の煮込み、温泉卵、クルトン。ソースはイギリスのホワイトフォックスヴィンテージのソース。
チウネの椎茸と卵の組み合わせと同じだけど、ソースが合わさり、また違う椎茸の味わいに。

【パン】
「ピタパン」
「くるみのパン」

【クエ】
【クエ、海老】
クエはしっとりと柔らかく火入れして、ベルガモットとケッパーのソース、木の芽のオイルを合わせ、ナスタチウムをあしらって。
ブラックオリーブのピューレ添えて。

もう一つは、甘長唐辛子の中に海老のすり身を詰めて、フリットにしたもの。

【鴨】
「鴨のロースト、コンフィ」
オナガ鴨の胸肉のロースト、ジュのソース。牛蒡のピューレ、干し大根、グリーンアスパラガス菜を添えて。金沢のお野菜、からこなマスタードソースも添えて。

コロッケには、鴨肉の砂肝、心臓を詰めて。
タルト生地の中には、鴨のもも肉のコンフィ、じゃがいものブランダード。
大葉のちまきに巻いたのは、しめじ、きくらげ、干しエビ、むかご。むちむちしています。

【苺】
「苺のケーキ」
ココアのクランブル、キャラメルムース、フレッシュな苺のマリネ、カルダモンのクリーム、苺のパウダー、アマゾンカカオのパウダー。

【蜂蜜】
「柿のテリーヌ」
ふわふわの泡状にしたクリームチーズの上にチーズところ柿（干し柿）のテリーヌにベリーのソース。養蜂家さんから分けてもらった蜂蜜の巣、キャラメリゼした落花生を散らして。

【飲み物】
「水出し和紅茶」
静岡の香駿。１日かけて水出し。

【ミニャルディーズ】
「加賀梅酒の琥珀糖」
パート・ド・フリュイ風

「ホワイトチョコレートのボンボン」
中には能登塩のリキュールゼリー。

「能登の栗」
栗は渋皮煮にしてからチョコレートと芥子の実をコーティングして、栗に見立てた仕上がりに。

帰り際シェフにご挨拶できました。お優しい方で短い間にもお人柄の素晴らしさに感動致しました。