武蔵小金井：大箱中華なのに全ての料理が安定して美味い : 福源居

2022.10
　大箱中華は副菜を見習いに任せて落胆させることも多いのですが、福源居は皿の端っこまで全てが丁寧な作りです。

◆海老そば＋餃子
　当夜は清湯の気分だったので、塩ラーメンに位置づけられる海老そばを。
　照りのあるビジュアルの一杯からは綺麗な香りが立ち上り、しかも一口啜ったスープは旨味が強い上モノ。
　ムサコエリアで清湯のレベルが高い麺類を出してくれるのは嵐屋とズミですが、福源居も明らかに美味いスープです。
　具も素晴らしく野菜の炒めも絶妙ですし、海老は歯応えと旨味が揃っていて、スープとの辛味が完璧。
　唯一、麺が普通の中華麺というところはありますが、スープと具の美味さを引き立てる土台としては十分に納得です。
　帰路に喉が乾くこともなかったので、幅広い年代にオススメの中華麺と再認識。
　合わせた焼餃子は相変わらず丁寧な作りで、具も皮も美味い。

　という感じの久々福源居でした。
　稀に主厨師が帰国して味が少し落ちますが、１年に１回あるかどうか、しかも若手も十二分に頑張ってフォローしてくれているので安定感は抜群です。
　完全個室ではありませんが壁仕切りの会食スペースがあり、大箱中華としては料理も環境も地域最強。
　ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。

2021.07
　大箱中華としては小金井で屈指の技術を誇る福源居、蟹あんかけ炒飯を食べたくなったので久々に行ってきました。

◆蟹あんかけ炒飯
　福源居の炒飯は油を強く廻さないシットリ系なので好みが分かれるところではありますが、これが餡かけ炒飯になると圧倒的な美味さに昇華します。
　刺激感ゼロ・出汁感マシ・蟹たっぷりの餡はビジュアル的にも味的にも素晴らしいですし、それが奥から出てくる炒飯の香りと綺麗に重なり、旨味が倍以上に膨らみます。
　福源居のレギュラーメニューでは最強に位置づけて良いと思っています。

◆焼餃子
　サイドメニューは焼餃子。
　今回は焼きが完璧で、底面はカリカリ、上の方は柔らかく蒸されていて皮の美味さが凄い。
　具もジューシーですし、完成度の高い一皿でした。

◆小籠包
　餃子でエンジンがかかってしまったので、３皿目の小籠包を追加。
　蒸しに偏りが出る店も多いのですが、この店の小籠包は完璧な蒸しで、皮の底・横・上とも全て同じ食感、しかも皮自体が美味い。
　具のジューシーさも加わって、超満足の一皿でした。

　ごく稀に主厨師が帰国して味が落ちることもありますが、二番手以下も割と安定していて、総合力では地域ナンバーワン。
　ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。

2020.10
　結構ブランクのある店が増えたことに気づいたのでテーマを天津丼に決めて久々に小金井中華を廻ってみました。
　８軒目は、大箱総合中華としては何を食べてもハズレがない福源居です。

◆天津丼
　円盤型のビジュアルは玉子の柔らかさを予感させてくれます。
　食べてみると厚めの玉子がふわふわに仕上がっており、うなずく美味さ。
　具はネギと椎茸ですが少なめにして、玉子を思いっきり味合わせる設計です。
　そして天津丼の重要パーツの餡を一口舐めてみると、色は濃いめですが、大衆中華系のクドさが無く、仄かな甘みと酸味と出汁が合わさったウマウマ系。
　これを玉子＆白飯と合わせて食べ進むと本当に幸せになれます。

　見た目は普通ですが、根っこの技術に支えられた上質な天津丼でした。
　さすがの福源居、機会がありましたら、ぜひ・・・

2018.09
　総合力では地域屈指の総合力を誇る中華の名店、久々の訪問になってしまいました。
　毎回同じだと面白くないので、今回は冒険系を２種。

◆桜海老と玉子のふわふわ炒め(\650)
　写真のとおり軽～く仕上げた炒めもので、メインの桜海老の他に野菜も色々入っています。
　分量的に野菜のバランスが多いので、メニュー名だけ見て頼むと「？」と思う可能性もありますが、事前に承知しておけば意外なほどハマる味だということに気づいてきます。

◆上海焼きそば(\780)
　でもって、当夜のメインは何処にでもありそうな一皿を敢えてチョイス。
　しかーし、食べ始めてみると思わず唸ってしまいます。
　肉、海老、イカ、貝柱、野菜等の具がてんこ盛りなのですが、火の通しが完璧で旨味が身体の奥に染み込みます。
　味付けはオイスターソースをベースに胡椒か山椒でスパイシーな演出。
　これは普通の店では中々食べられない味ですし、ソースの香り立ちという点でも素晴らしい完成度でした。

　という感じの久々福源居、華縁の跡地にできた期待の新店 興君閣 に１馬身以上離しての安定した味を再確認できました。
　福源居は、ごく稀に主軸の料理人が帰ってしまうと味が落ちることもありますが、殆どの時期は満足感の高い料理を並べることができると思います。
　もちろん北口まで行けば小金井の三宝と呼ばれた３人の中華職人さん亡き後、地域最強の火の通しの技術を誇る嵐屋があります。
　ただ福源居は厨房に常に２～３人おり、多種の料理を並べる総合力は最強かと。
　目立たない場所にありますが、明らかに地域の名店、ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。0

２０１４年０２月
　蟹あんかけ炒飯と焼き餃子を確認しに行ってみました。
　雑味なく旨味十分の餡は、復活の象徴だと思います。

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（２０１３年１１月）復活したかな・・・
あまり頻繁に点を上下させるのも品がないので、２か月強かけて確認しました。
４回行き、基本的には以前のレベルに戻ったような気がします。
ただ、それでも不安要素は拭いきれないので、年明けまでかけて確認し、大丈夫そうなら「小金井No.1中華」のタイトルに戻そうかと思います。（暫定３．８に戻し、今後は別途確認）

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（2013年09月）

　少し短文で。
　ツイ友会の偵察に行ってみました。
　総合力で地域Ｎｏ．１だった福源居ですが、厨房の中の人が交替してしまったようです。
　全体的に料理がレベルダウンしています。

◆カニ餡かけ炒飯
　刺激感ゼロなのに旨味抜群の餡を誇っていた福源居イチ押しの一皿ですが、今回はダメでした。
　粘度が高く、旨味と同等以上の刺激感を舌に乗せてくる一皿で、どうにも違和感が拭えません。
　使っている素材は以前と変わらないと思いますので、後は調理の技術かと。
　イチ押しと宣伝しまくっている手前、まずは修正報告です。

◆水餃子
　以前と変わらず肉汁が美味い水餃子ですが、これも皮の破れ具合が以前と違います。
　調理が荒くなっている印象。

　（後日談）
　偵察で不安を感じたのですが会は決行。
　皿によって意見が分かれる微妙な料理でした。

　昔を知る身としては、ぜひ料理の復活を願いたいところです。　
　取り急ぎ、★の修正報告までで失礼します。　　:

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（2012年12月）

　風邪をひいてしまったみたいなので、中から温めてくれそうな一杯を求めて汁麺を食べに行ってみました。
　ツイ友さんお勧めの酸辣湯麺です。

◆ニンニクの芽スーラ湯麺・半炒飯セット
　ノーマルとニンニクの芽の二種類あったので、後者を選んでみました。
　見た目は写真のとおりで、結構辣油が強めに使われているイメージです。
　もちろん弱い「辣」ではありませんが、よくよく飲み進めてみると酢の酸味とバランスが取れていますし、なにより店の骨格を作るベースの中華スープが美味い。
　かなり完成度の高いスープだと思います。
　そして具。
　木耳等微塵切り炒めに加え、ニンニクの芽が大量に使われています。
　食べても食べてもなくならない、食べる側にとってはありがたい分量でした。
　半炒飯は、福源居特有の浅め炒めですが、以前より香ばしさが増しているようにも感じられ、新しい料理人がレシピを工夫している可能性もあります。
　最後に漬物とサラダ、そしてラーメン丼に隠れている杏仁豆腐は相変わらず美味く、副菜に一切手抜きをしない凄さを再確認できました。　

◆海鮮パリパリ焼きそば＋点心３種
　日を改めて、夜のサービスセットです。
　サービス品だけあって麺は市販の細麺揚げそばですが、歯ごたえと甘みを両立させた野菜、隠し包丁を丁寧に入れた烏賊・帆立・海老がたっぷり入った海鮮餡は抜群の美味さでした。
　そして点心３種。
　小龍包、海老焼売は蒸したてでジューシー、桃饅頭もふっくら仕上がっています。
　パリパリ焼きそば自体はボリューム控えめですが、点心が大振りなので十分満腹に慣れます。
　かなりお勧め。

　ということで、中華料理では地域総合Ｎｏ．１の福源居、個人的にはまったく外れ料理を見いだせない凄い店だと再認識しました。
　機会がありましたら、ぜひ・・・・


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(2012年8月)

　ツイ友さんがリピートしているジャジャ麺が食べたくなり、行ってみました。
　現地の観光客向けとは一味違う、気合の入ったプロの一皿でした。

◆ジャジャ麺半炒飯セット(\900）
　少し遅めの時間になり腹が減っていたので、半炒飯セットをオーダーしました。
　麺は、おそらく汁麺と共通です。
　まずは肉味噌を一口。
　心地よい辛味の上に、十分濃いコクが乗っている美味いものでした。
　しかもツイ友さんの言うとおり麺への絡みが良いので、箸が止まりません。
　半分ほど食べたところで理性を取り戻して観察しなおしましたが、微塵切りの挽肉、椎茸、そして多分筍が使われていました。
　ですが最大の特徴はコクのある濃さの、しかも刺激感を殆ど感じない美味い肉味噌です。
　味の土台を丁寧に作っているのだと思います。
　流石の福源居と思わせる一皿でした。

　そして驚いたのが半炒飯。
　従来の福源居の炒飯は、餡かけにはマッチするものの、単品ではパラパラ感が足りず、香ばしさにも欠けるものでした。
　ですが、今回は少し炒めを強くした印象で、香ばしさも十分感じます。
　元々炒めの弱い炒飯の店という認識ですので要経過観察だとは思いますが、今の炒飯が続くとすれば、弱点がなくなった、名実とも地域Ｎｏ．１中華に化けたと思います。

　ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。

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（2011年11月）
　★4.5に上げたくて、でも迷っていた福源居ですが、再度餡かけチャーハンを食べて決めました。
　やはり美味い。
　もちろん小金井中華の「技術」Ｎｏ.1は五日市街道沿い（小金井公園正面入口ちょい東）の櫻華なのですが、駅近であること・席数が多いこと・下拵えまで手を抜かない丁寧な料理であることを考えると、総合力では福源居が小金井Ｎｏ.１中華だと思います。

◆カニ餡かけチャーハン(\780)
　福源居のチャーハンはパラパラ度が少し低いのですが、それが餡に素晴らしく合います。
　これが白飯でもカリカリ炒めチャーハンでも、ここまでのマリアージュはないと思います。
　炒め具合を計算しているのか怪我の功名なのかは微妙ですが、デパートの「高級中華」くらいでは太刀打ちできない極上の一皿です。
　餡も旨みをしっかり残しながら刺激感を殆どゼロに近づけたもので、小さい子供さんにもＯＫだと思います。
　しかも安い。（デパート中華の半額くらい）
　迷ったら餡かけチャーハン、絶対のお勧めです。

◆水餃子（\450）
　開店当初は少しオペレーションが荒かったのですが、今回は下拵え・茹でとも絶妙でした。
　少し厚めで噛んで美味い皮も、肉と野菜のバランスが良い具も流石でした。
　具のスープの保持も上々ですし、タレなしでお試しいただければと思います。

◆ニラ饅頭（\380）
　これも美味いんです。
　ニラ以外の具は微塵切り椎茸等で、エビのすり身っぽい食感も感じます。
　片面は蒸し気味に、もう片面はカリカリに焼いた皮も美味いですし、満足感はかなり高いと思います。
　これもタレなしでお試しいただければと思います。


　福源居の料理は素材の味を維持した丁寧な料理で、「身体を浄化したい・・・」と思う最近の身としては絶妙にツボに嵌る料理だと再認識しました。
　「浄化したいなら外食を止めろ」という御意見もあるかと思いますが、その辺は置いといて・・・

　いずれにせよ、現状では小金井で最もお勧めできる中華だと思います。
　奥の個室を使えば上京親族接待にベストです。
　ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。