学生街のラーメン屋さん : 一心軒

ちょっと江古田で用事があり、その帰り道。小腹が減ったので何か食べて帰ろうと思ったんですが。麺屋金時とかを始め、結構有名なラーメン屋さんが多くなった印象ですけど、正直「営業時間や店の場所を良く知らない」という理由で、あんまり食指が動かないんですよねぇ。一回金時にふらっと行ったら、営業時間外だったりすると、あの辺て日芸以外食事できる店が何にもなくて、すごすごと駅前まで戻らなきゃならなかったり。なので、江古田は基本駅の周辺でコトを済ませたいんです。

さりとて、私が昔通っていたお志どり、黒田武士、トキ、大勝軒、洋包丁、竹とんぼ…なんてのはもう江古田にはなく、昔からあるのは福しん、ラーメン太陽、そして今回行った一心軒くらいのものですかね。その3軒の中ではおそらく一心軒が一番新しいんですけど（それでもできてから多分12年くらい経ってる）、ここが一番気を衒わないラーメンで、好きなんですよね。

伺ったのは20時過ぎ。店内には先客が2人くらい。食券機で「油そば（700円）」を購入し、店主さんに渡す際「大盛りで」と伝えます。うーん、ラーメンも油そばも700円。ちょっと前まで650円だったんで少し値上げしたんでしょうが、それでもかなりの安さですね。消費税抜いたら、630円くらいか…なんか学生街らしい値段設定ですね。

店主さんの手際が良く、5分程度で完成。ふだんは「チャーシューちょいマシ（150円）」とかをお願いするんですが、今回はデフォルトでお願いしました。で、ぐりぐりと混ぜてすすると…うん、美味しい。というか…ちょっと麺のテイストが変わったような…。昔はもう少し武骨なストレートタイプの麺だった気がするんですが、何というか「大勝軒に近い、もちっとしたストレート麺」の感じ。店主さんに「麺のテイスト、変わりました？」と尋ねると、「粉が変わりましたよー」とのこと。ふむ、確かに油そばにはこっちの麺の方が相性が良いような。店主さんにその旨伝えると「つけ麺とか油そばには、確かにこの麺の方が相性が良いと思う」とのこと。長い事営業しているお店も、ちょっとずつマイナーチェンジを経てるんだねぇ、と感心しました。

結構印象の強い麺なので、胡麻や魚粉にも負けてない感じで、あっという間に完食。頻繁に来るお店ではないですけど、江古田では一番好きなラーメン屋さんです。ごちそうさまでした。

江古田というのは西武池袋線の中でも屈指の「学生街」でありまして。私も数十年前ここの大学に通っていたんですが、その頃から感じていたのは「店の入れ替わりが激しい」という印象。特にラーメン屋さんや定食屋さんなどはその傾向が顕著で、当時から営業を続けているお店なんて片手で数えるくらいしかないんじゃないかな…という感じ。まぁ江古田に限らず、10年以上営業を続けられるラーメン屋さんは全体の数パーセント…なんて話もあるくらいですから、それだけ営業を継続するっていうのも難しいのでしょう。

さて、そんな中時折足を向けるのが江古田駅南口から路地をちょろっと入ったところにある一心軒さん。豚骨醤油から魚介系、つけ麺や油そばも置いている「色んなジャンルのラーメンを食べれるお店」です。「煮干」とか「とんこつ」とか、何かの特色を前面に押し出すお店が多い中、「ある程度なんでもあるよ」っていうユルさ漂うラーメン屋さんです。

このお店は学生街らしく「量」と「安さ」が最大の特徴。普通盛りでもそこそこ量があるんですが、大盛りまでは無料なので、食券を渡すときに「大盛りで」と伝えると大盛りにしてくれます。ちなみに「何で『大盛りにしますか？』って聞いてくれないんですかね？」と以前店主さんに聞いたことがあるのですが「聞いたら必ず『じゃあ大盛りで』って言われるけど、多くの人が食べきれずに残すから」とのことでした。まぁ至る所に「大盛り無料」と書いてあるので、頼む人は忘れずに言いましょう。

で、一番安いとんこつ醤油ラーメンが650円。他もデフォルトなら大体700円前後のメニューが並んでいます。付近の福しんとかラーメン太陽なんかも低価格なので、お金の乏しい学生さんなんかはここら辺一帯はありがたいのかな、と思います。

とりあえず豚骨醤油（650円）とチャーシューちょい増し（150円）の食券を購入し、大盛りで注文すること5分程度で完成。家系ではなく東京ラーメン的な豚骨醤油で、奇をてらう感じではないですが、なかなか安心感のある味わいです。ここの麺は自家製麺とのことで、結構ストレート感の強いタイプ。独特の小麦の香りもあり、美味しかったです。チャーシューも味がしっかり入ってて良い感じ。デフォルトでも650円なら、かなりコスパは良いかな、と思います。

まぁコスパで言うと、隣駅の桜台二郎には敵わないんですけど、「今日は多少さっぱりラーメンが良いなー」なんてときは良いお店です。