プネ旨 : いぶきうどん 吉祥寺店

今回のタイトルは高尚なダジャレだよ！伊吹=息吹=プネウマ(ラテン語)=、という訳ですね。

なんだか、いまいちウケないとなると、「お客さん、今の話のどこがそんなに面白かったかというとですね…」と始まっちゃう咄家みたいですけど。

元ネタは高田馬場の、その名もプネウマカレーさんだね！同じく伊吹のいりこを元味にしたカレー。一方、当店は伊吹のいりこを直球で味わえるかけうどんが看板です。

あくまでも優しいいりこ感！今回は先の食べ比べの時の印象から、よりいりこ感のくっきり出る冷やにしましたが、実に美しい出汁なのです。この日は客の6割が女性でしたが、それもこの味わいと関係あるかもしれません。

さて話は戻るがプネウマだなんてよほど哲学者とかでないと知らない語句だと思ったら、フランス車乗りの先生が言うには、シトロンのハイドロニューマチックのニューだって棒読んでみろ、ほら…プネウマ…でしょうと。

なるほどラテン語圏の概念には息吹=気体というイメージをも含んでるのか。知ってるものと関係あるとなると俄然面白くなるもんですね。だからって何の役に立つわけでもないけどw

夏のオープン当初から気にはしていましたが、ここでやっと訪問することができた。丸亀製麺の関連店舗だそうですが、伊吹島のいりこを使うことで差別化を図ってきたようです。そのお味やいかに！

吉祥寺って近くて遠いというか、私のようないかついおっさんにはあんまり縁のないとこなんですよ。だからちょっとムリして冷温の比較もやっちゃう。楽しみだなあ。

入口の券売機で購入し、調理カウンター内の店員に手渡し、そこでちょっと待たされて全部持って立席へ、というのが当店での動線。ちょっと他の丸亀製麺とは異なり、セルフであれこれとる楽しみがない。あとでとり天欲しくなっても、券売機のとこに戻んなきゃならないし、並んでる人をかき分けそんなことをするのは憚られる。これは一考の余地あり。せめて表に並ばされてる間に何があるのかわかるよう、メニューポスターを貼っとくべきだろう。

ちょっと戻ると、この最新型タイプの券売機、お仕着せのセットが表に出るようになってるが、上部のタブから冷たいもの、温かいものとを選べますので、シンプルなものを食べたい人は知っておくと良いです。その上でオプションが下の項に出ますので、揚げ物等好きなものがあればそこを押し、最後に決定を押して清算という流れ。

だがちょっと失敗してしまったのが、店頭の券売機でどちらも大盛りをオーダーしてしまったこと。習慣の奴隷とはこのこと。食べ過ぎということもあるが、大盛りだと丼がでかく、お盆に二個収まらぬ。ただでさえ狭い立ち食いの店なのに、あんまりハバを取るのも肩身がせまい。ということで、得意の早食い！あっちい！

まずは、どちらかというと麺のノビが早そうな温かけからがっつくが、熱さの反撃に遭う。だがこの出汁の美しいこと。見た目もそうだが、味わいもカドがなく透明感に溢れてる。これが伊吹島のいりこも実力なのか？丼面をみると出汁のいりこが2匹浮かんでる。とりたてて頭や腹を取り除いてはいませんから、そういうことをしなくてもエグ味の出ない種なんだろうか？

ついで放題ゾーンから持ってきたおろし生姜を入れて。なくても美味しいですが、これで味変えすることで、また豊かな味わいが加わります。特に大盛りにした人にはイイのです。大盛りといえばこの麺、滑らかで柔らか。専用の麺箱に入ってきていますが、フツーの丸亀製麺のとは異なるのだろうか？

ついで冷かけ。お、こっちはいりこのアタックが少々強く感じますね！いりこ感だけをいうならこっちが上。麺もまた冷たい分だけコシが強く、食いでがあります。途中から足す生姜の効きもまたよく、シャープな印象に。うんうん、実にイイですねこの店。

さらに言うなら生姜と卓上の醤油でいただくとり天とたまご天。売れに売れるアイテムはがっつり揚げ貯めてますけど、基本揚げたてにこだわって提供されるとのことで、これまでで最良のとり天の歯ざわり。…ライスが欲しくなる。しまった、サイドメニューにライスがあるかどうか確認するの忘れちゃった。ちゃんとセルフ揚げ玉もネギも完備されてますから…(^^;。

話題の？揚げいりこですが、パリリと香ばしく、なかなか美味しいのではありますが、個人的にちょっとこういうささる感じのものが苦手になってきてしまって…(^^;。あと、ライスがあるならライスに合わせたいアイテムですねこれは。

さて、総じてこの冷温対決、個人的には軍配は温かけにあがりました。この味がたぶん、わざわざ伊吹のいりこを使う意味のある味わいなのだと思うから。麺の具合も、なんだか最近柔らかいものばかり好きになってしまい、やはり温かい方が好ましく思えました。

ただ、この店の味は上品すぎて、いわゆる煮干しジャンキーというのか、あの金属的なクセがたまんないの〜、とか言ってるような人にはあんまり合わないことだろう。個人的には、煮干し味は淡麗をもって佳とす、という哲学？の持ち主なのですが、そういう人になら、数ある煮干し味の表現のいちパターンとして気に入ってもらえると思う。