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蕎麦と中華そばのそれぞれが、まずまずのレベルで並立
こちらは多くの方に「東京ラーメン」の草分けの一軒として認識され、レビューも9割方が中華そばに関するもの。
しかし決して中華そばだけがこちらの看板では無く、日本蕎麦にも定評のある店。
と言うものの、私がこちらの存在を知ったのは、つい最近の事。
荻窪で‘ハルキヤ’と言えば、30年ほど前の‘荻窪ラーメン戦争’の一方の雄で、今でも青梅街道に面した場所で活況を呈している中華そば専門店の「春木屋」で、そのルーツである「春木家」が別に在ることは知らなかった。
現在の店舗は住宅地に入り込んだ鉄筋のビルの一階で、内部は和風でも中華風でもなく、ちょっと古めの洋食屋といった趣。
家族主体で営んでおり、中休みなしの通し営業。
接客も家庭的で、近隣住民に親しまれている雰囲気が漂っている。
先月この近所の用事の帰りに寄り「五目中華そば」を試したが、塩味の湯麵ベースに焼き豚・蒲鉾・鳴門・飾り切りされた堅茹で玉子などが乗る、東京人には懐かしいスタイル。
奇を衒った所のない、穏やかな味わいが印象に残った。
今回も土曜日の2時過ぎの半端な時刻、「蕎麦屋酒」を目的に訪れた。
先客は2組で、いずれも常連さんのようである。
品書きに並ぶメニューは、品目は日本蕎麦の部が最も多く、丼物やカレーライスなども有り、これだけを見ると一般の蕎麦屋のようである。
中華そばの部は品数は限られているが存在感は強く、現に先客は全て中華で、私の後には行った来た客も私以外は皆、中華の部を注文していた。
まず「瓶ビール」を注文。お通しは「お新香」の小皿。
肴のメニューも面白く、メンマやチャーシューなどと、板わさ・みそ田楽といったものが混在している。
その中から「砂肝」をチョイス。
どんなものが出て来るかと思ったが、下味をつけて油で揚げた「竜田揚げ」のようなものが出てきた。
添え物は焼き葱とベビーリーフ、それにマヨネーズが付いている。
コリコリとした食感としっかりとした味付けが、ビールのつまみに好適で、量もたっぷり。
日本酒もきちんと品書きに載っており「ます酒」を頼むが、白木の升で登場。
銘柄は「白鶴」だそうで、吟醸酒などでないため、升の木の香が酒の味を邪魔していない。
升には「春木家」の焼印が押され、塩の小皿も付いているのも洒落ている。
肴にはもう一品「肉じゃが」を注文。
結構な量の新じゃがと豚バラ肉の薄切り、それに人参・結び白滝などを、丁寧に煮含ませたものが深皿で登場。
面白いのは多少甘味が勝った醤油味の煮汁に、とろみが付けられていることで、何となく中華の羹を思わせる。
そろそろ今回の主目的の蕎麦を頼む。
やはりトップに記された「粗挽十割蕎麦」の文字が気になり、これを注文。
先に猪口に入った「つゆ」が運ばれてきたので、一口含んでみたがなかなかの出来。
やや濃いめだが出汁の薫り高く、甘さが抑えられた上品な仕上がり。
続いて出てきた蕎麦は細めの堅打ちで、切りは機械と思われるが、粗挽きと言う割には端正な面持ち。
しかし細かな星は見え、香りもしっかり感じられる。
歯触りはシャキッとしており、喉越しも良いスマートな蕎麦である。
「蕎麦湯」は白濁しているが嫌な粘度は無く、気持ちよく伸びるため後味も良い。
感心したのは、蕎麦が運ばれた時に「割り箸」を新しいものに交換してくれたこと。
花番さんは‘蕎麦を召し上がるには、脂が付いていない方が宜しいかと’と言っていた。
長年にわたり、中華と日本蕎麦の両方を商ってきた店ならではのサービスである。
ほとんどのオーダーが中華にも関わらず、蕎麦にもきちんとした仕事ぶりを見せているのは立派である。
卓上の2つ並んだひょうたん型の容器には、それぞれ「胡椒」と「七味」が入っているのも面白い。
もちろん茹でる窯も、常時2つ用意してあるものと思われる。
帰り際に女将さんに、こちらでは中華そばと日本蕎麦、どちらを先に出すようになったかを尋ねてみた。
れっきとした日本蕎麦屋でも、偶になかなか侮れないラーメンを出す店もあるが、あくまでも余技であり商売の基盤は蕎麦であるケースがほとんどである。
こちらについても元々は蕎麦屋で、後でラーメンを出すようになったと思っている人が多いようだが、女将さんの答えは意外にも創業当時から同時に始めたとのこと。
昭和初年に初代が青梅街道を行き交う人々相手に食べ物屋を興す際に、蕎麦と中華そばの両方を商うことは別に不思議は無かったのだという。
東京近郊の食文化の歴史の一面を物語るエピソードである。
こちらの店が未だにどちらに傾くことなく‘二枚看板’を掲げて、その双方においてまずまずのレベルを維持していることは実に興味深い。
それだけ長年、地元の方々に愛され続けている証であろう。
望めるならそれぞれを小盛にして、両方の味を楽しめる「セットメニュー」でも出してくれると有り難いのだが。
こちらと「春木屋」とは、今は一切関係ないという。
帰り際にあちらの店の前を通ったが、日曜日の3時過ぎにもかかわらず10人ほどが外に並んでいる。
単に中華そば一杯で済ますのであれば、あの行列に加わるのも有りかも知れないが、ゆっくりしたければこちらが断然おすすめである。
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蓼喰人
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店名 |
春木家本店(はるきやほんてん)
|
---|---|
ジャンル | ラーメン、そば、丼 |
お問い合わせ |
03-3391-4220 |
予約可否 |
予約不可 |
住所 | |
交通手段 |
JR中央線「荻窪」駅 徒歩9分 荻窪駅から469m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
席数 |
32席 |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
オープン日 |
1931年11月 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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昼過ぎに荻窪駅の近所まで出向く用事があり、その帰りに久々に立ち寄る。
未だに駅近くの青梅街道に面した「春木屋」と混同している人も居るが、こちらは駅から7.8分の天沼の住宅街の中に在り、創業90年を誇る老舗。
元々の日本蕎麦屋が中華そばも出すようになったと思われがちだが、昭和初年の開業時から両者が併存するスタイルでスタート。
東京近郊で大震災以降に新規に店を興す際には、別に珍しいことでは無かったようだ。
さて到着したのは13時半ごろで先客は1人だったが、私の後からも単身客がパラパラと入店する状況。
まずはビール(サッポロ黒ラベル)で始める。
お通しには「昆布の佃煮」が少量付いた。
肴類の欄を眺めると、天ちら・板わさ・味噌田楽などと、ネギメンマ・炙りチャーシューといったものが混在しているのが、この店らしくて面白い。
その中から今回は中華のジャンルから「ネギメンマ」を注文。
メンマと長葱の薄切りを胡麻油で炒めて、辛味を効かせた小鉢が登場。
コリっとした食感とピリッとした味付けが、酒の肴に好適。
酒にこの時期なので「白鶴」を熱燗でもらう。
普通酒の燗酒が案外メンマと良く合った。
この日居合わせた客は全て中華そばを注文しており、書き込みの90%以上がそちらに関するものなのは仕方ない。
しかし私が訪れた目的は、蕎麦の出来を確認すること。
今回は町場の蕎麦屋の重要なファクターである、天ぷらの仕事を見てみようと「天ざる」を注文。
蕎麦は通常の二八を「粗挽十割」に替えることを勧められたので、こちらを選択。
先に天ぷらが運ばれたが、こちらの「天ざる」は天ぷらには別に天つゆが添えられる、2つの料理が並立するスタイルで、酒がまだ少し残っていたので肴として先に食べてみる。
内容は結構な大きさの海老、野菜は蓮根・南瓜・椎茸・しし唐で、注文があまり入らない割にはきちんとした揚げ上がりで、確かな技術力が感じられる。
強めの揚げだが海老には旨味あり、野菜にもそれぞれの持ち味が感じられ、濃い目の天つゆに浸せば十分美味い。
少し遅れて来た蕎麦は、粗挽きのつなぎ無しにしては細目に揃っている。
先に蕎麦だけ啜ってみるとザラっとした舌触りで、さすがに香りは良いが硬くやや粉っぽさも感じる。
蕎麦粉オンリーのため問題は無いが、粗目の細打ちで切れやすい蕎麦を茹でるには、数秒単位の精緻な仕事が必要なことが分る。
つゆは徳利で出されるひと手間があり、猪口に少量注いで味見してみるが、辛めのすっきりとした味わい。
まずはこちらで手繰った蕎麦の先端のみ浸して啜り、続いて天つゆの小鉢にも徳利からつゆを足して、こちらに絡めて食べてももちろん美味い。
蕎麦湯は一人前ずつ手を加えて作ったものが湯桶で出され、女将さんはこの手法を自慢げに話していたが、中身はそれほどのドロドロ感は無いがぬるめで如何せん量が少ない。
そんな小細工をするより釜湯のままをたっぷり出してもらう方が有難い旨を、進言させて頂いた。
売り上げのほとんどは中華そば系と思われるが、相変わらず蕎麦屋としてもきちんとした仕事が貫かれていることを確認。
天ぷらも悪く無かったし、昼から一杯やれる体制が出来ているのも喜ばしい。
改めて店内を見渡すと、和洋折衷の独特の内装だが所々に草臥れた様子が見られるのが少々気になる。
しかし家族主体の体制は、好ましい雰囲気を醸し出しており居心地は悪くない。
私はこれからも、蕎麦屋として利用したい。