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食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2023 選出店
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これ以上はないほど上質で居心地の良い空間
前回訪問から少し日が経ってしまったが、月曜日・平日の午後7時に2名にて伺った。カウンター形式になってからは一斉スタートとなったこちら、他のお客さんは男性2名の1組(お料理人のようであった)。
コースの全体的な構成(流れ)は前回訪問のときと同じような感じなのだが、今回は(デザートを除いて)7品構成。前回は8品、前々回は7品・・・その時々によって品数が変わるという柔軟さ。
今までと大きく異なったのは牡蠣のお料理がなかったこと。「森と海」をテーマに据えるこちらのお店、牡蠣でそのテーマを表現することが多いという印象だったのだが、この日は牡蠣がなかった。
また、最近はリゾットの上に生ハムを乗せたお料理がスタンダード化していたが、この日はポレンタの上に生ハムを乗せたものだった。ゴルゴンゾーラで作られたソースがとても美味しいお料理。
一方、ほぼ鱒のような息吹サーモンのお料理や、質量ともにメイン並みのお肉にスープを掛けて仕上げるお料理などは前回を踏襲していた。その「肉スープ」について言えば、今回は鹿肉に舞茸や大麦を出汁に使ったスープを掛けたもので、とても美味しかった。
メインには仔羊の藁包みローストを選択。もう1組のお客さんも同じものをオーダーしていたため、大きな塊で焼くことができたので、とてもラッキーであった。いつも通り、藁の軽い薫香、瑞々しくも肉々しい食感、完璧であった。
ワインは事前に「1990年代のブルネッロ」と指定していたところ、二つオススメ頂いたので、飲んだことのない生産者のものをチョイス。フリーニという作り手のブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ1995年である。ソムリエの方のご説明とおりとても上品で、それでいて果実味と甘さもあるというとても素晴らしいワインであった。グラスで頂いたシャンパンはフレデリック・サヴァール。実に抜かりない。
<概要>
お料理のクオリティの高さ、ワインのセレクションの素晴らしさ、上品でありながら親近感のある接客、こじんまりと上品な内装・・・どれをとっても都心の名だたるフレンチやイタリアンに負けないレベルにあることは確実。それでありながらリーズナブルな価格。祖師ケ谷大蔵というロケーションをどう捉えるかがこのお店の評価を左右すると思うが、小田急線沿線の方には是非お勧めしたいお店。
<食事>
自分がこのお店に初めて訪問したとき(おそらく2010年ころのことかと思うが・・・)は、ピエモンテ料理を前面に押し出しつつ、プリフィックスでやられていて、ズッパの選択肢が豊富だった。しかも一番安いプリフィックスコースだと5,000円しないという驚きの低価格だった。二店舗目として「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」を上階にオープンさせ、そちらをカジュアル・ラインとして位置付けた関係で、こちらの店舗を高級ラインへとスイッチさせたのが2015年ころ。ピエモンテの山奥に居住するヴァルド派の郷土料理で仕立てたコースや、その時々の季節の食材を彩り高く供するコースなど、複数のコースを用意していらっしゃったが、その後に更にスタイルを改革され、2021年には(カウンターを作られて)15,000円程度のコース一本にされ、今(2022年2月)の時点ではディナーは税込18,700円一本、一斉スタートという形式でやっていらっしゃる。
ピティリアーノがオープンする前のこちらのお店のお料理にはもっとシンプルでローカルな感じのものが多かった印象だが、ピティリアーノができてからは随分と手の込んだ繊細なお皿が増えたと思う。最近は改装して店内すぐの場所にデリカテッセン「ラ・ポルタ・デ・フィオッキ」を併設させ、店内にはカウンターを設置してお客さんがライブ感を楽しむことができるスタイルに変更された。より良いお店づくりのために試行錯誤を重ねていらっしゃるイメージだ。堀川シェフの絶えることのない向上心には頭が下がる。
「森と海」・・・山の土壌に含まれる成分が川を下って海に注ぎ込みプランクトンを育て、そのプランクトンが海の生き物を育てる・・・「海は森が育てるのだ」というコンセプト。自分が如実に変化を感じたのは2018年5月のランチ訪問のときだったが、このコンセプトに沿ったお料理が最近は多いように見受けられる。その代表格が「牡蠣、森の香り」という秀逸な一品で、主役である牡蠣が山や森の素材でサポートされるもの。初めて登場したときは、猪のスープにポルチーニ茸や西洋杜松の実などを加えたクリームソースに牡蠣を通したものだったが、それに野鴨をローストしたものを添えるというアレンジがされることもあったり、牡蠣をジンを使ってマリネして鴨出汁ベースのジュレにモリーユ茸を合わせたものなど、幾つかのバリエーションがある。他にもアサリや海苔という海のものと筍とアスパラガスという山のものを合わせたスープなども「森と海」のコンセプトの一つ。
初夏から始まる鮎のお料理も楽しみの一つ。「鮎の匠」と呼ばれる棚田氏が長野県飯田市で育てる天龍鮎を使われている。記憶に残るのはタヤリン。しっとりと仕上げられた鮎とポルチーニとを合わせ、頭と骨を焼いたものをチップスとして振りかけたもの。鮎の苦味、そして瑞々しさとカリカリ感とのコントラストを楽しむことができる逸品。また鮎のフリッターをそのままバンズに挟んでハンバーガー仕立てにしたものなども楽しい一品であった。
自分が通うようになったときに既に、そしてその後も常に、このお店のスペシャリテとして君臨するお料理が仔羊の藁包みローストである。藁に包んでじっくりと時間をかけてローストした仔羊はとてもジューシー。添えられるのはジャガイモなのだが、そちらも灰の中に埋めてじっくりと時間をかけて火を通したもの。このお料理は(少なくとも2021年5月の時点では)事前にオーダーしておく必要があるので注意されたい。
こちらのもう一つの特色は食材、特に日本の食材に対する意気込み。こだわりの生産者とのお取引を大切にされていて、緊急事態宣言の最中でも安易に休業せず、休業してもテイクアウトを拡充するなどして積極的に食材を買い付けていらっしゃった。
最後に、シェフはかなりコーヒーにこだわっておられるので、お嫌いでなければ、最後のお飲み物はコーヒーで〆るのがおすすめである。
<ワイン>
イタリアワインの品揃えはなかなかのもの。最近はリストを見ることがないので、リストも充実したものになっているのかは分からないが、自分は訪問する前に飲みたいワインの雰囲気を産地や年代などで伝えておく。訪問当日はドンピシャで「是非この一本を」と勧められることもあるし、候補を数本出してもらってその中から選ぶということもある。もちろんペアリングも充実している。
これ以上はないほど上質で居心地の良い空間
この日は白子と菊芋のお料理からスタート。菊芋のピューレが下に、その上に鱈の白子のムニエル、ホウレンソウ、黒トリュフ、ミルクの泡、菊芋のチップス。よく混ぜ混ぜしていただく。
その後、天草の平目と揚げた揚げた蕪のタルタル、いつもの「牡蠣・森の薫り」(この日はジンを使った冷製、鴨の骨の出汁を使ったジュレと一緒に)、息吹サーモンとホワイトアスパラのお料理(息吹サーモンは長野県宮田村で7年間掛けて育てられたマスで、それを燻したもの。北イタリアのアルプスの料理をモチーフにしたお料理とのこと)。
ついで、メインのお肉料理かと思いきやスープのお料理。鹿肉のロース肉のローストと黒トリュフに、もも肉から取ったスープを掛けていただくというぜいたくなスープ。
グリーンピース、ソラマメ、スナップエンドウのリゾット(お米は新潟で育てられたイタリア品種)、その上に薄切りの24か月熟成のパルマ産生ハム。昨年5月の訪問の際にも同じようなスタイルのお料理が出てきたので、「牡蠣・森の薫り」と同様にこちらのお店の新たなスペシャリテとして取り上げられているのかもしれない。
メインは北海道の未経産牛、その赤身のサーロインの炭火焼。バルサミコ酢で仕上げたもの。
デザート一品目はレモンのシャーベットのようなもの。ストラッチャテッラ(柔らかいモッツアレラのようなもの)が下に、ハーブと山椒を利かせたグラニタなど。
デザート二品目はカンノーリというシチリア菓子をシェフが再構築したようなもの。本来のカンノーリは揚げ生地に詰め物をしたものだそうだが、この一品はそれを砕いたというイメージ。
最後にシェフこだわりのコーヒーをいただいて終了。
最後になったしまったが、この日の白眉はスッポンのパスタだったかな。スッポンを丸ごと炊いてから焼いたもの、それをパスタと一緒にスッポンのソースで和えて、菜の花とヘーゼルナッツや、スッポンのゼラチン質を素揚げしたものなどを加える。スッポンの濃厚さ、弾力ある触感、菜の花の軽い苦みやヘーゼルナッツのクランキーな触感など、いろいろな要素が楽しめるお料理であった。
ボトルワインは事前に「王道のピエモンテを」とお願いしておいたところ4本ほど候補をお出しいただいたので、その中からジュゼッペ・コルテーゼのバルバレスコ・ラバヤ1999年。ヴィンテージの割に少し熟成が進んで感じではあったものの、時間と共に甘やかさが上がってきて、とても美味であった。そのほか、スタートはシャンパン、その後にお料理に合わせて白ワインを2杯ほど。
下記はベース投稿
<概要>
お料理のクオリティの高さ、ワインのセレクションの素晴らしさ、上品でありながら親近感のある接客、こじんまりと上品な内装・・・どれをとっても都心の名だたるフレンチやイタリアンに負けないレベルにあることは確実。それでありながらリーズナブルな価格。祖師ケ谷大蔵というロケーションをどう捉えるかがこのお店の評価を左右すると思うが、小田急線沿線の方には是非お勧めしたいお店。
<食事>
自分がこのお店に初めて訪問したとき(おそらく2010年ころのことかと思うが・・・)は、ピエモンテ料理を前面に押し出しつつ、プリフィックスでやられていて、ズッパの選択肢が豊富だった。しかも一番安いプリフィックスコースだと5,000円しないという驚きの低価格だった。二店舗目として「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」を上階にオープンさせ、そちらをカジュアル・ラインとして位置付けた関係で、こちらの店舗を高級ラインへとスイッチさせたのが2015年ころ。ピエモンテの山奥に居住するヴァルド派の郷土料理で仕立てたコースや、その時々の季節の食材を彩り高く供するコースなど、複数のコースを用意していらっしゃったが、その後に更にスタイルを改革され、2021年には(カウンターを作られて)15,000円程度のコース一本にされ、今(2022年2月)の時点ではディナーは税込18,700円一本、一斉スタートという形式でやっていらっしゃる。
ピティリアーノがオープンする前のこちらのお店のお料理にはもっとシンプルでローカルな感じのものが多かった印象だが、ピティリアーノができてからは随分と手の込んだ繊細なお皿が増えたと思う。最近は改装して店内すぐの場所にデリカテッセン「ラ・ポルタ・デ・フィオッキ」を併設させ、店内にはカウンターを設置してお客さんがライブ感を楽しむことができるスタイルに変更された。より良いお店づくりのために試行錯誤を重ねていらっしゃるイメージだ。堀川シェフの絶えることのない向上心には頭が下がる。
「森と海」・・・山の土壌に含まれる成分が川を下って海に注ぎ込みプランクトンを育て、そのプランクトンが海の生き物を育てる・・・「海は森が育てるのだ」というコンセプト。自分が如実に変化を感じたのは2018年5月のランチ訪問のときだったが、このコンセプトに沿ったお料理が最近は多いように見受けられる。その代表格が「牡蠣、森の香り」という秀逸な一品で、主役である牡蠣が山や森の素材でサポートされるもの。初めて登場したときは、猪のスープにポルチーニ茸や西洋杜松の実などを加えたクリームソースに牡蠣を通したものだったが、それに野鴨をローストしたものを添えるというアレンジがされることもあったり、牡蠣をジンを使ってマリネして鴨出汁ベースのジュレにモリーユ茸を合わせたものなど、幾つかのバリエーションがある。他にもアサリや海苔という海のものと筍とアスパラガスという山のものを合わせたスープなども「森と海」のコンセプトの一つ。
初夏から始まる鮎のお料理も楽しみの一つ。「鮎の匠」と呼ばれる棚田氏が長野県飯田市で育てる天龍鮎を使われている。記憶に残るのはタヤリン。しっとりと仕上げられた鮎とポルチーニとを合わせ、頭と骨を焼いたものをチップスとして振りかけたもの。鮎の苦味、そして瑞々しさとカリカリ感とのコントラストを楽しむことができる逸品。また鮎のフリッターをそのままバンズに挟んでハンバーガー仕立てにしたものなども楽しい一品であった。
自分が通うようになったときに既に、そしてその後も常に、このお店のスペシャリテとして君臨するお料理が仔羊の藁包みローストである。藁に包んでじっくりと時間をかけてローストした仔羊はとてもジューシー。添えられるのはジャガイモなのだが、そちらも灰の中に埋めてじっくりと時間をかけて火を通したもの。このお料理は(少なくとも2021年5月の時点では)事前にオーダーしておく必要があるので注意されたい。
こちらのもう一つの特色は食材、特に日本の食材に対する意気込み。こだわりの生産者とのお取引を大切にされていて、緊急事態宣言の最中でも安易に休業せず、休業してもテイクアウトを拡充するなどして積極的に食材を買い付けていらっしゃった。
最後に、シェフはかなりコーヒーにこだわっておられるので、お嫌いでなければ、最後のお飲み物はコーヒーで〆るのがおすすめである。
<ワイン>
イタリアワインの品揃えはなかなかのもの。最近はリストを見ることがないので、リストも充実したものになっているのかは分からないが、自分は訪問する前に飲みたいワインの雰囲気を産地や年代などで伝えておく。訪問当日はドンピシャで「是非この一本を」と勧められることもあるし、候補を数本出してもらってその中から選ぶということもある。もちろんペアリングも充実している。
これ以上はないほど上質で居心地の良い空間
三度目の緊急事態宣言の最中のゴールデンウィークに訪問。
まずは新玉葱のスープからスタート、雲丹と海苔が加えられていて、お味しっかりながら上品にサラリと頂いた。
二品目は「牡蠣、森の香り」。こちらのスペシャリテだ。この日の牡蠣はジンで一晩マリネしたもので、その下に海水、大根、リンゴのピューレ、上に掛けられたジュレは天然の鴨とモリーユ茸を出汁に使ったもの、さらにその上にサマートリュフとモリーユ茸。
信州・宮田村「いぶき養鱒場」で7年間掛けて養殖されたサーモン。ホロホロ鳥の卵のスクランブルエッグ、ホワイトアスパラ、サーモンの皮をカリカリに焼いて砕いたものを振りかけて。
リゾットはヴェネツィア・スタイル。その上に24か月熟成のパルマ産生ハム。アスパラガスは秋田県の森田農園さんのものとか。生ハムの適度な脂身が素晴らしかった。
禁酒法の施行中だったのでノンアルコールのペアリングを頂いたのだが、実によく考え込まれたペアリングであった。お酒を飲めない人でも楽しめるお店なのだということを改めて認識した次第だ。
下記はベース投稿
<概要>
お料理のクオリティの高さ、ワインのセレクションの素晴らしさ、上品でありながら親近感のある接客、こじんまりと上品な内装・・・どれをとっても都心の名だたるフレンチやイタリアンに負けないレベルにあることは確実。それでありながらリーズナブルな価格。祖師ケ谷大蔵というロケーションをどう捉えるかがこのお店の評価を左右すると思うが、小田急線沿線の方には是非お勧めしたいお店。
<食事>
自分がこのお店に初めて訪問したとき(もう10年以上前のことかと思うが・・・)は、ピエモンテ料理を前面に押し出しつつ、プリフィックスでやられていて、ズッパの選択肢が豊富だった。しかも一番安いコースだと5,000円しないという驚きの低価格だった。二店舗目として「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」を上階にオープンさせ、そちらをカジュアル・ラインとして位置付けた関係で、こちらの店舗を高級ラインへとスイッチさせたのが2015年ころ。ピエモンテの山奥に居住するヴァルド派の郷土料理で仕立てたコースや、その時々の季節の食材を彩り高く供するコースなど、複数のコースを用意していらっしゃったが、その後に更にスタイルを改革され、今(2021年5月)は15,000円程度のコース一本で営業していらっしゃる。
ピティリアーノがオープンする前のこちらのお店のお料理にはもっとシンプルでローカルな感じのものが多かった印象だが、ピティリアーノができてからは随分と手の込んだ繊細なお皿が増えたと思う。最近は改装して店内すぐの場所にデリカテッセン「ラ・ポルタ・デ・フィオッキ」を併設させ、店内にはカウンターを設置してお客さんがライブ感を楽しむことができるスタイルに変更された。堀川シェフの絶えることのない向上心には頭が下がる。
「森と海」・・・山の土壌に含まれる成分が川を下って海に注ぎ込みプランクトンを育て、そのプランクトンが海の生き物を育てる・・・「海は森が育てるのだ」というコンセプト。自分が如実に変化を感じたのは2018年5月のランチ訪問のときだったが、このコンセプトに沿ったお料理が最近は多いように見受けられる。その代表格が「牡蠣、森の香り」という秀逸な一品で、主役である牡蠣が山や森の素材でサポートされるもの。初めて登場したときは、猪のスープにポルチーニ茸や西洋杜松の実などを加えたクリームソースに牡蠣を通したものだったが、それに野鴨をローストしたものを添えるというアレンジがされることもあったり、牡蠣をジンを使ってマリネして鴨出汁ベースのジュレにモリーユ茸を合わせたものなど、幾つかのバリエーションがある。他にもアサリや海苔という海のものと筍とアスパラガスという山のものを合わせたスープなども「森と海」のコンセプトの一つ。
初夏から始まる鮎のお料理も楽しみの一つ。「鮎の匠」と呼ばれる棚田氏が長野県飯田市で育てる天龍鮎を使われている。記憶に残るのはタヤリン。しっとりと仕上げられた鮎とポルチーニと合わせ、頭と骨を焼いたものをチップスとして振りかけたもの。鮎の苦味、そして瑞々しさとカリカリ感とのコントラストを楽しむことができる逸品。また鮎のフリッターをそのままバンズに挟んでハンバーガー仕立てにしたものなども楽しい一品であった。
自分が通うようになったときに既に、そしてその後も常に、このお店のスペシャリテとして君臨するお料理が仔羊の藁包みローストである。藁に包んでじっくりと時間をかけてローストした仔羊はとてもジューシー。添えられるのはジャガイモなのだが、そちらも灰の中に埋めてじっくりと時間をかけて火を通したもの。このお料理は(少なくとも2021年5月の時点では)事前にオーダーしておく必要があるので注意されたい。
こちらのもう一つの特色は食材、特に日本の食材に対する意気込み。こだわりの生産者とのお取引を大切にされていて、緊急事態宣言の最中でも安易に休業せず、休業してもテイクアウトを拡充するなどして積極的に食材を買い付けていらっしゃった。
<ワイン>
イタリアワインの品揃えはなかなかのもの。最近はリストを見ることがないので、リストも充実したものになっているのかは分からないが、自分は訪問する前に飲みたいワインの雰囲気を産地や年代などで伝えておく。訪問当日はドンピシャで「是非この一本を」と勧められることもあるし、候補を数本出してもらってその中から選ぶということもある。もちろんペアリングも充実している。
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頑張れ自分さんの他のお店の口コミ
店名 |
フィオッキ(Fiocchi)
|
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受賞・選出歴 |
2020年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店
2019年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店
2018年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店
2017年Bronze受賞店
The Tabelog Award 2017 Bronze 受賞店
イタリアン 百名店 2023 選出店
食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2023 選出店
イタリアン 百名店 2021 選出店
食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | イタリアン |
予約・ お問い合わせ |
050-5869-3535 |
予約可否 |
予約可 当日キャンセルの場合キャンセル料100%頂戴いたします。 |
住所 | |
交通手段 |
小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩4分 祖師ケ谷大蔵駅から293m |
営業時間 |
|
予算 |
¥15,000~¥19,999 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥20,000~¥29,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 QRコード決済可 |
サービス料・ チャージ |
サービス料10%、チャージ料なし |
席数 |
12席 (テーブル6名まで1席 カウンター6席) |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 店舗近くにコインパーキング有り |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり、車椅子で入店可 |
ドリンク | ワインあり、ワインにこだわる |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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サービス | お祝い・サプライズ可 |
お子様連れ |
お子様のご来店は中学生以上を推奨しております。 |
ドレスコード | スマートカジュアルをお勧めしております。 |
ホームページ | |
公式アカウント | |
オープン日 |
2000年10月2日 |
電話番号 |
03-3789-3355 |
備考 |
◆ ご予約受付時間:10:00~22:00 |
初投稿者 |
このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。
店舗情報に誤りを発見された場合には、ご連絡をお願いいたします。お問い合わせフォーム
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なんと前回訪問からほぼ1年ぶりになってしまったが、日曜日の午後6時半に2名にて伺った。カウンター形式になってからは一斉スタートとなったこちら、他のお客さんはご夫婦1組。ということで、前回同様、カウンターを4名でゆったりと使う。
コースの全体的な構成(流れ)はいままでと同じような感じなのだが、今回は(デザートを除いて)8品構成。前回は7品、前々回は8品、その前は7品・・・その時々によって品数が変わるという柔軟さは相変わらず。ちなみに、今回は諸般の事情(シェフが募っていたクラウドファンディングの支援御礼で頂いた席であった)もあって1品追加されていて、お料理9品+デザート2品。
まずはスパークリングで乾杯。チェルッティという作り手さんのアルタ・ランガ・ブリュット・キュヴェ・エンリコ・チェルッティ2018年。
1皿目:メニューには「馬」とあったが、馬肉のタルタル、冷たい前菜でのスタート。上には黒トリュフ。11月だというのに暖かい日だったのでとても良い。
2皿目:メニューには「息吹サーモン ブルスケッタ」とある。息吹サーモンはシェフが惚れ込んでいらっしゃるようで、すっかり定番。長野県宮田村で7年間掛けて育てられたマスである。これを藁で燻したもの、そしてそのイクラをマスカルポーネとクリームチーズとアイラウイスキーとで和えたものを炭火で焼いたパンの上に乗せたもの。藁のスモーキーさとアイラのスモーキーさを楽しむお料理。
3皿目:メニューには「帆立/ブルーベリー/ツルムラサキ」とある。シェフの「森と海」コンセプト(後掲ご参照)の一皿。ホタテの貝柱一つを丸ごとカツレツにしたもの。ホタテのヒモを白ワインで炊いてからピューレにして、そこにブルーベリーとヘーゼルナッツとフロマージュブランを足してソースに。付け合わせにツルムラサキを煮たものはハイビスカスの花の蕚(ガク)。
4皿目:メニューには「スズキ/茸/モロヘイヤ」とある。白ワインとベルモットでスズキを蒸したもの。焼いたトランペット茸やモロヘイヤなどが添えられていた。
5皿目:メニューには「鹿」とある。シェフのここ数年のスペシャリテであるお肉のスープ仕立て。この日は鹿肉。軽く火を入れた鹿肉、香茸、そして黒トリュフという秋を代表する食材たちの競演。カルバドスをスプレーして、最後にスープを掛けて仕上げる「しゃぶしゃぶ」のようなニュアンスの一皿。スープの出汁は鹿の骨と香茸から取ったもので、そこにシナモンとジュニパーベリーを煎じたものを追加してスープに仕立てている。
6皿目:メニューには「ポルチーニ」とある。爆発的に大きなポルチーニをシンプルに炭火焼きにしたものだが、味がとても濃厚で、食感もホワホワ。下の上でとろけるような感じであった。
7皿目:メニューには「蛸」とある。プーリア州のティエッラという鍋料理で、リゾットやパエリアに似た感じのもの。トマト、ジャガイモ、ムール貝を使うのがスタンダードのようだが、ムール貝の代わりに蛸を使っている。
8皿目:メニューには「スッポン」とある。パスタ料理である。スッポンを使ったパスタもシェフの最近のスペシャリテといっても良いかもしれない。スパゲッティと小松菜(これもスッポンのスープでしっかり炊いてある)をスッポンのスープで和えて、スッポンの炭火焼きをトッピングしたもの。
9皿目:メニューには「土佐赤牛の炭火焼き」とある。ジューシーを残す見事な火入れの未経産牛。付け合わせにジャガイモ。
10皿目:メニューには「洋梨」とある。洋梨で作ったグラニテのようなもの。チーズも選択できるので、自分はチーズを選択した。なんと6種類ものチーズ。
11皿目:メニューには「栗」とある。少し独特なモンブランであった(残念ながら詳細を覚えていない)
最後に小菓子とコーヒー。
◯ニコラ・ベルガリオというピエモンテ州の作り手のミナイア2021年(グラス)
◯プーリア州の作り手であるモレッラのサレント・ウン・メーゼ・エ・メッツォ2021年(グラス)
◯ボトルで頂いたのはカステッロ・デル・テリッチオのルピカイア2000年
<概要>
お料理のクオリティの高さ、ワインのセレクションの素晴らしさ、上品でありながら親近感のある接客、こじんまりと上品な内装・・・どれをとっても都心の名だたるフレンチやイタリアンに負けないレベルにあることは確実。それでありながらリーズナブルな価格。祖師ケ谷大蔵というロケーションをどう捉えるかがこのお店の評価を左右すると思うが、小田急線沿線の方には是非お勧めしたいお店。
<食事>
自分がこのお店に初めて訪問したとき(おそらく2010年ころのことかと思うが・・・)は、ピエモンテ料理を前面に押し出しつつ、プリフィックスでやられていて、ズッパの選択肢が豊富だった。しかも一番安いプリフィックスコースだと5,000円しないという驚きの低価格だった。二店舗目として「ズッペリア・オステリア・ピティリアーノ」を上階にオープンさせ、そちらをカジュアル・ラインとして位置付けた関係で、こちらの店舗を高級ラインへとスイッチさせたのが2015年ころ。ピエモンテの山奥に居住するヴァルド派の郷土料理で仕立てたコースや、その時々の季節の食材を彩り高く供するコースなど、複数のコースを用意していらっしゃったが、その後に更にスタイルを改革され、2021年には(カウンターを作られて)15,000円程度のコース一本にされ、今(2022年2月)の時点ではディナーは税込18,700円一本、一斉スタートという形式でやっていらっしゃる。
ピティリアーノがオープンする前のこちらのお店のお料理にはもっとシンプルでローカルな感じのものが多かった印象だが、ピティリアーノができてからは随分と手の込んだ繊細なお皿が増えたと思う。最近は改装して店内すぐの場所にデリカテッセン「ラ・ポルタ・デ・フィオッキ」を併設させ、店内にはカウンターを設置してお客さんがライブ感を楽しむことができるスタイルに変更された。より良いお店づくりのために試行錯誤を重ねていらっしゃるイメージだ。堀川シェフの絶えることのない向上心には頭が下がる。
「森と海」・・・山の土壌に含まれる成分が川を下って海に注ぎ込みプランクトンを育て、そのプランクトンが海の生き物を育てる・・・「海は森が育てるのだ」というコンセプト。自分が如実に変化を感じたのは2018年5月のランチ訪問のときだったが、このコンセプトに沿ったお料理が最近は多いように見受けられる。その代表格が「牡蠣、森の香り」という秀逸な一品で、主役である牡蠣が山や森の素材でサポートされるもの。初めて登場したときは、猪のスープにポルチーニ茸や西洋杜松の実などを加えたクリームソースに牡蠣を通したものだったが、それに野鴨をローストしたものを添えるというアレンジがされることもあったり、牡蠣をジンを使ってマリネして鴨出汁ベースのジュレにモリーユ茸を合わせたものなど、幾つかのバリエーションがある。他にもアサリや海苔という海のものと筍とアスパラガスという山のものを合わせたスープなども「森と海」のコンセプトの一つ。
初夏から始まる鮎のお料理も楽しみの一つ。「鮎の匠」と呼ばれる棚田氏が長野県飯田市で育てる天龍鮎を使われている。記憶に残るのはタヤリン。しっとりと仕上げられた鮎とポルチーニとを合わせ、頭と骨を焼いたものをチップスとして振りかけたもの。鮎の苦味、そして瑞々しさとカリカリ感とのコントラストを楽しむことができる逸品。また鮎のフリッターをそのままバンズに挟んでハンバーガー仕立てにしたものなども楽しい一品であった。
自分が通うようになったときに既に、そしてその後も常に、このお店のスペシャリテとして君臨するお料理が仔羊の藁包みローストである。藁に包んでじっくりと時間をかけてローストした仔羊はとてもジューシー。添えられるのはジャガイモなのだが、そちらも灰の中に埋めてじっくりと時間をかけて火を通したもの。このお料理は(少なくとも2021年5月の時点では)事前にオーダーしておく必要があるので注意されたい。
こちらのもう一つの特色は食材、特に日本の食材に対する意気込み。こだわりの生産者とのお取引を大切にされていて、緊急事態宣言の最中でも安易に休業せず、休業してもテイクアウトを拡充するなどして積極的に食材を買い付けていらっしゃった。
最後に、シェフはかなりコーヒーにこだわっておられるので、お嫌いでなければ、最後のお飲み物はコーヒーで〆るのがおすすめである。
<ワイン>
イタリアワインの品揃えはなかなかのもの。最近はリストを見ることがないので、リストも充実したものになっているのかは分からないが、自分は訪問する前に飲みたいワインの雰囲気を産地や年代などで伝えておく。訪問当日はドンピシャで「是非この一本を」と勧められることもあるし、候補を数本出してもらってその中から選ぶということもある。もちろんペアリングも充実している。