蘇る「クレッセント」のクラシックコンソメ : ぎんきょう

芝にあった名店「クレッセント」。

惜しまれつつ閉店してしまいましたが、

「クレッセント」に長くいらした沖江展シェフが、

目白の「ぎんきょう」を経て、今はこちらで活躍して

いらっしゃいます。

あの「クレッセント」の技が忠実に再現されていて、

なおかつ、今は、シェフと息子さん、マダムの3名で

こじんまりとやっていらっしゃるので、

価格も良心的。

2度目の訪問です。


この日は、コースに加え、「クレッセント」の味を

忠実に再現したクラシックコンソメもいただきました。

本日のコース　メイン2品　6800円


１，アミューズ
　　バスク　ピエール・オテイザさんの
　　キントア豚の生ハムに、
　　アボカド、洋梨、トマトのマリネ、
　　富良野の有機栽培のセルバチコ

２，サラダ　ヴェール
　　プロヴァンスのオリーブオイルと
　　4種のフルーツビネガーのソースで。

３，冷燻製をかけた、瑞々しいスモークサーモン
　　美しい盛りつけで、しっとりとした上質な
　　サーモン。
　　ケッパーの蕾、リリプットを添えて。

４，宮古産牡蠣のコンフィ
　　3年飼育したという大ぶりでぷっくりとした牡蠣
　　真空で70度だそうです。
　　ケール、葱のロースト、牡蠣のジュで。

５，コンソメクラシック
　　1600円
　　エレガントなマイセンの器で登場
　　あまりに手間がかかり、コンソメ用の牛の調達も
　　大変だそうで、今では、ほぼ見かけなくなりましたが、
　　こちらのは、本当にクラシックで、清らかそのものの
　　コンソメ。

６，萩直送　甘鯛のウロコのパリパリ焼き
　　ソースは、なんと、キンキで取った
　　スープドポワソン、という贅沢さ。
　　セミドライトマト
　　モンサンミッシェルのムール貝と。

７，ラカン　ジェリーヌ鶏
　　プラス料金です。
　　珍しい鶏肉が入っているとのことで、
　　これをチョイス。
　　年間2000羽しか出荷できない鶏肉で、
　　6～8か月飼育。
　　野生のころの面影を残し、ツメが長く、
　　木の上で寝るのだそう。

　　これをストーブで、蒸し焼きに。
　　バニラと八角の香りを纏わせています。
　　甘い芳香に包まれ、肉の旨味がしっかり、
　　それなのに、肉質は柔らか。

デザートとお茶は別料金。

８，ぎんきょう特製　とろとろプリン
　　500円
　　本当に、究極にとろとろで、美味。

９，ベルベーヌのブレンド
　　680円

バゲット

お供は、
・サンペレグリノ
・赤ワイン
　Chateau Capbern 2018
　ボルドー　サンテステフ　　


沖江シェフと、「クレッセント」や、創業者、石黒さんの話で

盛り上がり、いい時間でした。

マダムの優しいサービスもお店の雰囲気を作っています。

「オザミ」で修行したという息子さんも頑張っていらして、

この「コンソメ」が受け継がれることを期待しています。


　　

芝の老舗フレンチ「クレッセント」が、昨年閉店しました。

あの立派な洋館ももう見られなくなると思うと、

残念です。

しかし、あのお味はここに生きています。

シェフは、「クレッセント」でソーシエまで務めた方で、

「クレッセント」のオーナーが変わったときに独立。

それが目白にあった「ぎんきょう」です。

銀杏の木があったことから、この店名。

3年前に目白は閉店。

昨年、東北沢駅から徒歩2分のこちらに、ひっそりと開業されました。

今回は、シェフとシェフの息子さん、そしてサービスは奥様と、

こじんまりとした家族経営。

シェフの技は、ますます冴えていて、

クラシック好きな私には、感動ものです。

しかも、こじんまりとされたせいか、

価格もものすごくリーズナブル。


本来は、「フレンチをもっと気軽に」という

シェフの思いで、アラカルトの提供ですが、

コロナのため、今は、コースになっています。

コースは、シェアコース　5000円。

取り分けて出していただく場合は、同じコースが6000円に

なります。


それでは、内容です。

１，アボカドのカクテル仕立て
　　仏バスク産シャルキュトリー添え

　　アボカドにオニオンをしのばせ、サラミと。

２，サラダヴェール
　　こだわりの仏産ヴィネガー
　　マリーナさんの作ったプロヴァンス産オリーブオイル

　　このオリーブオイルとヴィネガーがフレッシュな野菜に
　　よくからまり、美味。

３，冷燻製をかけた、瑞々しいサーモンフュメ
　　スペイン産リリプットを添えて

　　いい燻製加減で、久々にきちんと美味なサーモンフュメを
　　いただいた気分です。
　　リリプットは、ケッパーの蕾。
　　まさに、蕾の柔らかなやさしさを感じます。

４，北海道産　生シシャモの丸ごとコンフィ
　　大浦ごぼうのフリット
　　バルサミコソース

　　骨まで柔らかです。

５，山口県萩直送　天然クエのポワレ
　　軽いブールブランソース
　　ブールノワゼット

　　ぷりぷりのクエに、
　　王道のブールブラン。
　　ほのかな酸味で、飽きずに食べ進められます。

６，仏産　マグレキャナール　胸肉のロースト
　　赤ワインソース
　　スイスチャード、パプリカ、エリンギなどのグリル

　　薄切りにしたマグレキャナール。
　　盛りつけも美しい。

７，デセール
　　ここから別料金です。

　　＊自家製タルトポワール　フルーツ添え
　　　700円
　　＊自家製　宮崎産　完熟金柑「たまたま」のコンポート
　　　700円
　　上記をシェア。

バゲット


お供は、
＊赤ワイン　グラス
　Chateau Capbern Sanit Estephe 2013
エレガントで優しい飲み口のフルボディ
＊サンペレグリーノ


シェフもマダムも、とても気さくで、

これまでのお話をいろいろ伺いました。

若い人はすぐ辞めてしまうので、

シェフ一人でやろうと思っていたところ、

次男が自ら料理人を志すと言ってくれたそう。

しっかり、後継ぎもでき、

この味が世代を超えて受け継がれるのは、

とてもうれしい限り。

再訪確実です。