幸福という名のレストラン : レストラン ル ボヌール

この日私はhakiju hallにいた。
東京は風薫る雲ひとつないいい天気だった。
世界の歌姫　サンドリュ　ピュの日本初公演リサイタル鑑賞のためである。
ウィリアム＊クリスティ　トン＊コ―プマン　ルネ＊ヤ―コプスなど世界の名だたる巨匠に重用された彼女はある意味古楽界の名花である。
50枚以上のcdを出し、今も世界の第一線で活動してい.る。
その歌声は、感動ものである。
この日は連休の最終日。
明日には仕事が゛待っている。
開演時間は2時。
夜ゆっくりディナ―タイムなどとっていると最終の新幹線に間に合わなくなる可能性もある。
しかしとてランチタイムでも場所によってはせわしない時間構成になる可能性もある。
そこで、見つけたのがこのお店。hallから歩いて5分の場所なら、どんなことがあっても遅れることはあるまい。
しかもチケット呈示すると季節のシャンパンカクテルサ―ビスしてくれるという。
これはいいと思い時間の関係上食べてみることとした。
クラシックりサイタルとの関係上マリア―ジュ的にどうかかという懸念はあったが。
料理の感動はいまいちであったが。リサイタルの前座的存在としてはかなりがんばったと思う。
唯スタッフがいまひとつの感じがした。
見るからにアルバイトという感じである。
ここは残念な印象残ったのも事実。
休日のせいかあっというまに満席になってしまったので、すべての客に目がゆきとどかなかんったせいかもしれないが。
店内はゆったりと適当な音量でクラシック音楽が流れショパンの曲か多かった気がする。
気持ち的にはゆったりした雰囲気もたらしたが、サ－ビスの点でどたばたした感じて食事゛が始まったのは事実。
ランチタイムは3種類あり2520円*4200円*6300円のコ―スがあったが時間の関係上前者+ス―プのコースを選択した。
結論的に言えばそれが正解。
実際料理終わったのは開演5分前だった。
ト―タルでいえば、サービスはいまひとつ。
シェフの力量はまずまずのもので伝統的なフレンチ料理に対して日本の季節の旬菜をあわせて、ラ　キィジューヌ　フランセーズを得意とする。その意味では。現代フレンチ好きの方には訪問の価値はないと考えます。
まずチケットみせることで****柚子のシャンパンカクテル****いただくことになった。
柚子のジャムらしきものにシャンパンを混ぜるものだが、確かに柚子の香味はそれなりにかんし゜たもののそれにあわせるシャンパンはいただけない。
泡立ちもなくそれぞれの見事な融合というものが感じられない。
柚子とシャンパンのマリア―ジュとは思えない。シャンパンのサポ―ト力は弱いのである。いいシャンパンならうっとりするような滑らかな舌ざわりにいいのどご゛しに魅惑的な余韻があるのた゜がそれがない。確かにアぺリティフとして飲むならこの程度で良いかもしれないが、実際存在感はものたりなく感じられなかったのは事実。

***アミュ―ズ(3.6)***生ハムのカナッペ。生ハムにさらさらと雪のように舞い落ちるさらさらした粉チ―ズの相性はなかなかのもの。
生ハムの塩分を柔らかく丸く収める粉チ―ズのうまみはかみ締めるごとに両者の融合が、滋味深くしかもひとつの調和として優美に収斂していくさまはたいしたものと感じてた次第。洗練された旨味と野趣溢れる味わいの見事な調和。

****ズワイガニのサラダ(3.7)****
ず゛わいがにを丁寧にほぐしそこにアボガトを絡ませ、温泉卵。ソ―スは生クリーム系のソ―ス。上には季節の香草がちりばまれている。繊細な香草の香りが食欲を刺激する。臭みのないズワイガニの繊細な味わいが、森のバタ―といわれるアホ゛ガト゛や温泉卵の黄身の濃さといろいろなハ－モニ―を奏でる。それは今の世界を象徴しているように思えた。国益優先の外交しても世界はひとつ。あるいは地球はひとつしかないのた゛。その視点を見失ってはならない。それを訴えている一品のように感じ゛た。

****ム―ル貝のス―プ(3.*7)****
かのモンシャンミシェルのム―ル貝使用しているそうた゜。やや小ぶりだか゛、ぷりぷりで旨味が凝縮している。だしも良くてでている。にんにくのム―スがありそれを加えればそこは南仏の楽園、。しかしくわえなくても日本の楽園は十分に感じられる。

****鹿のロ―スト(3.7)****
蝦夷鹿ロ―ストに秋らしくしめじなどのキノコ類にソ―スは赤ワインにフォンドボ－。鹿のキュイソンはまずまず。鹿のうまみ感じられるものの良質であるが最高とは感じない。森のキノコたちの味わいも至極普通。ソ―スの味わいも伝統的な味わいであるがそれ以上で゛もなければそれ以下でもない。何か新しい感動が欲しいところだ。

****デザ－ト(3.6)****
巨峰の葡萄にヨ―グルトのアイスとラズベリ―とそのム―スとそのム―スの組合わせ。果実の酸味の強弱とさっぱりした酸味とほのかな甘味のヨ－グルとアイスの重層的なあじわい。美味いのだが感動的な美味しさにはいまひとつの感じは否めない。

あとにドリンク(紅茶かコ―ヒ―の選択)とお菓子がつくがまずまずの味わい。


その後のピュ女史の名唱の前にはいい前座としての価値は感じたのは事実。その意味ではいい時間過ごせたと思えた午後。