玉川上水のほとり、器も美しい一軒家レストラン : キッチンひだまり

　玉川上水 散策に付き合わされとりますショーパパっス。
　お昼を過ぎたので 食べログってたこちら キッチンひだまり さんで昼食を。

　玉川上水からだと目印がほとんどない、東橋が唯一の頼り。東橋から玉川上水に沿って斜めに住宅地に入ってく道があんだけどその道をまっすぐ進むと行き着ける。住宅地の本当、真ん中っス。
　最寄駅は三鷹台だろうけど 三鷹の牟礼、杉並の久我山あたりからだと徒歩圏内っスね。

　建物は、住居兼用だろうか。建物の前には塀のないイングリッシュガーデン風の庭が広がり、入り口までバリアフリーでスロープが伸びてる。車椅子でもベビーカーでもOKっスね。
　サンルーム風のテラス席もあってワンちゃんとも一緒に食事できるらしい、サキちゃんとも大丈夫かな？
　働いてる方の中には介護資格を持ってる方もいらっしゃるらしく 客寄せのナンチャッテとは大違い。
　　
　店内はほぼ真四角。ダークトーンで落ち着いたカラーリングでテーブルにあしらわれた一輪挿しが綺麗っス。
　間仕切などが全くないのはバリアフリーの一環だな。

　いただいたものは 本日の定食から
　子持ちカレイの煮つけ　蒸し料理　各￥870(ディナー￥1080)
　女性のオーナーさん (？)と従業員の女性の二人で切り盛り。俺たち入れて4組。まだ料理が出切ってなくてやや時間かかります。

　小鉢が小料理屋並みで定食と思えない。小松菜胡麻和え。玉ねぎとワカメの和え物。根野菜と鶏の煮付。味噌汁に香の物。
　これが共通。

　今野菜の煮つけは、大根とにんじんに味が染みて べっこう煮のような醤油と味醂の甘みが嬉しい。鶏ホロホロで 舌の上で解けるよう。
　玉ねぎとわかめの和え物は、マヨネーズ風味。マヨの酸味がうまく抑えられてて、ワカメの戻しも、玉ねぎの苦味もないっスね。コクと甘みが引き立って、肴としても通用します。
　
　小松菜の胡麻和え、食感を残して茹であげられた小松菜はやや苦みがあって歯応えくきくき、草の味、緑の味がする。

　直接 聞いて確認できなかったけど 地産の野菜を使ってるよう。無農薬とか地産の野菜っていうと何だか妙に 頭でっかちな感じがあるけど・・・あるけど、くやしいが、どれもうまいぞ。

　カレイ煮付から来ましたっスね。お腹には仔をたっぷり持ってて綺麗な照り。甘辛く煮つけられて身がほろっとはずれる。
　仔も 濃いもったり感があるけど、やはり魚は地場ではどうしようもない。魚の匂いがやや気になって 味付けはいいが、野菜に比べ やや劣るか・・・。
　
　蒸し野菜。
　にんじんもジャガイモも一から蒸してるようだ。たその為かにんじんは ややふかしすぎか、ジャガイモは蒸しが甘くやや硬さが残るのが残念。ちゃんと串で蒸かし具合を確かめてる跡があるし 時間差を設けてるみたいだけどもう少し時間とったほうがいいかも。

　これにつける味噌だれはなかなか優れもの。
　柚子の風味が 米味噌の甘さを引き立てて しょっぱ味が強い味噌だれにコントラストをつけてるっスね。

　ブロッコリー は 色鮮やかで 後乗せ。歯ごたえが残りこれでいいと思うっスね。
　カボチャは、程よくやや水っぽい感じあるが、ホクリ甘い。にんじんも甘さがよくわかる。

　ごはんが分搗きの玄米、白米から選べる。玄米が一人分しかなかったので 両方いただくことに。

　玄米ご飯は ふっくら炊き上がり、皮の部分も口に残らない。もう少し残してもいいくらい、見事なふっくらさ。
　白米も柔らかいが ふっくら、表面の照りもいい感じ。

　香の物は大根の漬物。
　歯ごたえが適度に残って 甘酸っぱく味が染み、そのままでもよし ご飯の供にもよし。

　味噌汁は味噌味薄めだが、鰹出汁がキリッと立つ。関西風の味噌汁の流儀。

　デザートにケーキセットもいただいてみたっス。
　井の頭のケーキ名人 赤津さんという方が作っているものらしい。

　マーブルケーキをいただいた。スポンジは硬め。だが口から水分を吸い取る感じじゃない。小麦の風味が先に来る感じ、卵、牛乳は主張しない。ひょっとすると牛乳は使っていないかもしれない。リッチではなく素朴な感じ。

　アイスに入った塩漬け桜が 春を感じさせてくれたっス。

　あと驚いたのが使う器。
　陶芸教室も開かれており、使う器も こちらで作られたものらしい。
　中に数点 特に目を引くものがあったので伺ってみると陶芸家の坂口健氏の作品らしい。これには絶句した。使っちゃうんだ！

　店内での写真も撮ったのだけど テーブルがあんまり片付いてない。
　今お客さんが来たら 見てくれ悪いんじゃねえかと思うんだが、上辺を繕う営業をしてないみたい。客に対するサービスの姿勢が大手や有名店と根本的に違ってるんだ。

　コッチも片付けが終わってなかろうが、大変だなあと思うくらいで 不快感など感じはしない。
　友人や親戚の家で食事をする感じ、だから本質部分を大切にした接客になるんだな。
　接客自体は 十分に丁寧な接客で、さらによそよそしさがなんか感じない。

　出される料理は いわゆる家庭料理の先にあるもの。
　研ぎ澄まされた 洗練された感じじゃないけど 奇をてらわず丁寧に真面目に作られてる。
　　
　家庭料理の先にある家庭料理と お仕着せでないもてなしの心に触れることができるだけでも 訪問の価値はあると思う。