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「呑川」で呑む その弐
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sequence
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呑川を渡ると住所は高級感を感じる久が原の地名に変わる。
しかし二丁目は高級住宅地には程遠く、家内工業の風景をいまだに残す一角である。
銭湯「久が原湯」の横に暖簾を掲げるヤキトン屋が「ととき」だ。
交通機関は路線のバスだけが頼りであり純然たる地元の店である。
創業30年から40年が経つと言う。今は2代目となる息子とその妹の御兄妹で店を仕切っている。
小生が足繁く訪れたのは初代親爺さんの頃、当時の勤務地から目と鼻の先であったゆえ。
初代は寿司職人上りの凄腕であった。自家製の塩辛、自家製の干物など。。。
そして肉の熟成は肉の旨みを最大限に引き出していた。
口に入れた時のきわどく危うげな熟成の匂いがなんとも良かった。
ある時は固くなった食パンを炭火でこんがりと色を付け、そのパンは息を吹き返し甘い味わいとなった。
市販のカレールーで煮込んだ賄いのカレーはじゃがいもがほくほくと旨いものであった。
こんな心暖まるサービスも嬉しく思い出す。
昔を懐かしみ久しぶりに暖簾をくぐる。では2代目の焼き物を味わおう。
まずはハツ、カシラを塩で2本づつ。
肉の熟成は、時勢を考えれば安全、安心が第一なのであろうか、まぁ普通の肉の寝かせ具合だ。
しかしながらその身は変わらずの大ぶりでほっとする。
店内の客層も若返った。往年のご老体たちは既に別世界で杯を交わしているのであろうか。。
檸檬のサワーを呷る。果実の檸檬半分を搾ったサワー。その提供は昔と変わらずだ。
焼酎は正味1合以上はある。だが搾りたての檸檬の酸味と香りで焼酎感が消え危険なグラスである。
そのグラスを4杯頂く。落とし穴に落ちた具合にすとーんと酔いが回る。
続いて、ハイボール用の冷蔵庫で冷やされたBlackニッカのストレートを2杯、あてはレバーとシロをたれで1本づつ。
レバーはしっかりと火が通っている。昔は暗黙のなま焼きだった。
次は1升瓶のまま冷蔵ケースで良く冷やされた日本酒。銘柄は信州の「松川」とやらを。
2代目が緑の1升瓶からビアタンにトクリトクリと並々と注ぎ込む。
すーっと吸い込めば、名も知れないこいつがまた、旨いのである。
「親父さん、元気にしていますか?」少々不安な気持ちで尋ねる。
「はい、元気ですよ」と娘さん。
聞けば、親父さん千葉で悠々と隠居生活を送っている。
ほっとひと安心。。。
『よかった、よかった』
酸いも甘いも知りぬいたちょいと哀愁を帯びた親爺さんの笑い顔が目に浮かぶ。