こういうランチを頑張ってるランチと言うのですね♪ : DYNASTY

どんな業界にも経営方針や経営戦略が好対照な企業というのが存在するものです。
例えばトヨタと日産やホンダ、ソニーと日立など代表的な製造業を見ても、好対照さというのはハッキリ出てますよね。
そして、時代の変化、環境の変化と共にそれらの企業間の好不調、優劣が変化していくのもまた面白いところです。

ここは食べログですので、少し食べ物に近い話題にシフトしていきたいと思いますが、食品も含まれる流通業の世界では、私がその業界に興味を持ち始めた平成の初期の頃は、ダイエー、イトーヨーカドー、ジャスコ(イオン)、ニチイ(マイカル)が4強と言われてました。
その4強のその後の推移はご存じの通りで、変化はとてもドラスティックにやってくるというのが分かりますよね。
まさに、どのような経営戦略が時代の流れを捉えていたかが冷徹に結論付けられる形になったということかもしれません。

食品製造業の世界でも、例えば製パン業界のヤマザキ、敷島(パスコ)、フジパンの争いなどもその企業の特徴が出ていて面白いですが、こんな特徴争いは、食べ物の世界ではより個性が出やすく、外食チェーンなどでも優勝劣敗が繰り返されてきましたね。
いわゆる勝ち組チェーン、負け組チェーンということです。
そして、そんな構図を見てきたと思われる町の中小の個店飲食店にも、一定の方向性（個性）を打ち出すお店が見られます。
私は、そんな取り組みの中の一つとして、ランチ営業への取り組みということが挙げられるのではないかと思っています。

以前から、夜の部が主戦場の居酒屋さんが食材の有効利用等のためにランチに取り組むケースは以前からよく見られましたが、新型コロナ禍で特に夜の営業に規制がかけられる中ではランチにかける比重が相対的に高まってきたこともあり、ここ2～3年でランチ営業も単なる食材の有効利用目的ということだけでなく随分多様化が進んだように思います。
ここに来て、コロナ対策が緩和されたこともあって、多少状況の変化もありますが、基本的には私のようなランチ族には選択肢が増えて望ましい傾向にはあると思います。

この日のランチでお邪魔した当店はコロナ禍の渦中にオープンしたお店ですが（2021年7月オープン）、それだけにシャンパンの専門店にもかかわらずランチ営業も引っ提げる形でオープンしました。
と言うより、オープン時は緊急事態宣言中で酒類の提供が出来なかったこともあり、当然のランチ営業という選択肢だったのかもしれません。

当店は、公式HPによれば、2021年で創業丸100年となるシャンパーニュブランド「Champagne COLLET」（シャンパーニュ コレ）直営のダイニングバーとされています。
シャンパーニュ コレのメゾンは、シャンパーニュ地方のほぼ真ん中に位置するヴァレド ラ マルヌ地区にあるAy村にありますので、俄かには信じがたい気もしますが、シャンパーニュ コレのHPにも当店のことが"コラボバー"として紹介されていますので、間違いないものと思います。

当店の場所は不動前駅の目の前。
駅徒歩0分と言える好立地です。
この日は11時45分頃の訪店になりました。
店頭にはランチメニューの看板が結構派手に出ているほか、テイクアウトの販売コーナーもあります。
入店します。

店内は、入って正面左手に厨房に面したカウンター席が6席あり、右手にはテーブル席が15席セットされています。
店舗情報(当店は食べログ店舗会員)では25席となっていますが、ゆったり配置にした結果、若干席が間引かれているみたいです。

先客は誰もおらず、私はカウンター席に座ることにしました。
お店は厨房に男性2名、女性1名、ホール係に女性1名の布陣で、店の規模にしてはなかなか手厚い人員配置ですね。
接客はとても丁寧で鍛えられている印象です。

卓上にはランチメニューが置かれていますが、定番メニューが6種類あり、この他、壁メニューですが、週替わりのパスタメニューなどもあります。
定番メニューのトップメニューは、選べる惣菜3品プレート@950円。
これは壁メニューの日替り惣菜(この日は9品がラインナップ)から3品を選んで、これにサラダ、パンorライスが付くメニューです。
この他、オムハヤシ、タコライス、チキンオーバーライスが各@950円、『ドクターミート(注：半蔵門の「Dr.Meat 和牛博士のビストロ」のこと。)のローストビーフちらしが食べられるのは当店だけ』と銘打たれた絹のローストビーフちらしが@1,050円、和牛煮込みハンバーグが@1,200円となっています。

注文は、選べる総菜3品プレートにし、総菜は日替わりメニューから①カレー風味のひき肉炒め、②エビのラザニア、③白身魚とネギのタルタル和えをチョイスしました。
待つこと10分ほどで注文の品が運ばれてきました。
プレートの上には、総菜3種類とシーザーサラダとバゲットが3切れ乗っています。

総菜は小鉢に盛られていますが、思った以上に一品一品しっかりしたボリュームです。

カレー風味ひき肉炒めはキーマカレー風ですが、バゲットに乗せてカナッペ風にしていただきます。
たっぷりのひき肉にスパイスの香りが漂う料理で、とても美味しいです。
バゲットは3切れでしたが、このおかずだけで3切れ全部消費してしまいそうなボリューム感です。

エビのラザニアは、ロブスターをたっぷり詰め込んだラザニアで、これもボリューム感があります。
やや大味感は否めませんでしたが、そこがロブスターらしいとも言えるところで、エビの香りもしっかりするラザニアで美味しかったです。

白身魚とネギのタルタル和えは、白身魚のフライをタルタルソースで和えて青ネギを散らしたものですが、素材の味のバランスがとても良いですね。
これもなかなか美味しかったです。

シーザーサラダもトマト＆レタスの鮮度が良く、ドレッシングも美味しかったですし、食後にはメニューに書かれていなかったプチデザートまで出されました。
このプチデザート、りんご、わらび餅、桜餅の盛り合わせで、キチンとしたものでしたし、これで＠950円ならコスパ的にも文句ないです。

今回いただいたランチのクオリティなら他のメニューも大いに期待出来そうですし、ランチは決して片手間ではなく、これで客を引き付けようという意気込みが伝わってくるようでした。
駅前ではありますが、不動前駅周辺は平日ランチではなかなか客が集まりそうにないエリアということもあってか満席になるほどの混雑は無かったのですが、この日、私の退店（12時ちょっと過ぎ）と入れ替わりにサラリーマンの団体さんが入店してきましたので、やはり満足度の高いお店として近隣の方々には認知されているんだなという感じを受けました。

業態から見て、コロナ禍が落ち着いてきたので営業を夜の部にシフトする（ランチを止める）可能性もありそうな予感もしますが（また、食べログ会員店ながら現在予約機能を閉鎖しているように思われるのも心配）、これだけのランチが無くなるのはランチ族にとっては痛手ですので、ランチも出来るだけ長く続けてもらいたいですね。