元気になりました : ICARO miyamoto

この日は、風邪の後少し体調をくずしていて、胃に優しいお料理が頂きたいと思っていました。
ワインもいつも赤から選ぶのですが、刺激の少ない白から選んで頂きました。
ブルゴーニュ、トマ・モレのシャルドネです。
おなじみの突き出し、ひよこ豆のパネッレとグリッシーニで、先ずは一口。
ミネラル感が有り、香り高く、しっとりとなじめる素晴らしい味。
シャルドネは、多分 今まで、良い物に当たった事が無く、少し敬遠していましたが、シャルドネのイメージを高めてくれたワインでした。


＊蒸しアワビ、マシュルームサラダ　肝のソース
アワビが柔らかく、良い旨味を添えています。

＊じゃがいもとたらの白子
コロッケ風まとめてに焼きつけられています。
千切りのじゃがいもと白子がからんで、食感も味も高めてているようです。
アラビアータソースは、しつこくない、さらっとした味で、良く合います。

＊カルボナーラ　スパゲッティ
生クリームに頼らず卵黄を活かしたローマスタイル。
卵黄の美味しさがクリーミーにからんだ素敵なパスタ。

＊豚バラとキャベツのカスレ
トウモロコシの粉を滑らか煮込んだポレンタが一番下に敷いてあって、その上に豚バラの煮込みが置かれています。
その上に、キャベツのトマトソース煮込みがかかっています。
カスレとは本来は鍋料理ですが、大きめのお皿に盛り付けて出され、頂きやすく、それぞれの味が全てからみあいます。
弱りめの胃にも、煮込みは優しく美味しく収まりました。

＊りんごのストゥルーデル　ジェラートそえ
ピザより薄い生地で、りんご、松の実、レーズンを巻いて焼いてあります。
オーストリアから伝わったそうですが、りんごの酸味が爽やかでジェラートの冷たさも良く、追加したグラッパにもぴったりでした。

体調をくずしていても、美味しさにひかれて、みな頂けました。
そして、元気になりました。
レストランの語源は、「レストア＝回復させる」から来ているそうですが、本当にいやされ、回復させて頂きました。
今日も、ありがとうございました。

いつもの突き出し。
ひよこ豆(チェーチ)をすりつぶし、サイコロ型にして揚げたパネッレと、硬くてさっぱりした塩味の美味しいグリッシーニ。
イタリアンでは、突き出しをストゥッツィキーノって言うようです。
出て来ると、ほっとする、こちらのお店ならではの味。
「また伺えました」の喜びと一緒に噛みしめます。

トスカーナのサンジョベーゼのワイン、軽めのフルボディとの事、フォンタローロ。
年がばれるけれども、おませだった私は、藁で包まれたボトルのキャンティ育ち。(ちょっと違法でしたけれども、両親公認だったので)
フランスやイタリアでは、日本みたいに水が飲めないから、水代わりにワインを飲むんだよと、呑兵衛の父は、喜んで飲ませてくれていました。
やっぱりトスカーナのワインが好きです。

牛モモ肉マリネ
北の地方の牛の塩漬けから作られるとの事。
塩漬けの仕方も、火の入れ方も分かりませんが、見事に赤く美しい牛モモ肉の薄切り。
冷たくてジューシーな、今の時期にぴったりの前菜。
こんなに美味しければ、冬の暖房の中でも、又 良いかもしれません。
付け合わせのひよこ豆も、合っています。

ポルチーニ入りオムレツ 黒トリュフかけ
チーズも入っていると思いますが、全てのミックスの味が素晴らくて、いつものようにお願いしています。
トリュフとポルチーニの香りのどちらもが利いていて、癖になってしまうお料理です。

ボロネーゼ　
これは、スパゲッティで作って頂こうかと思ったのですが、こちらの方が良いでしょうとのお薦めで、タリアッテレにして頂きました。
正解です。
幅広の麺は、ボロネーゼのソースと良く絡んで しっとりし、旨味が充分に楽しめます。

熊本産馬ヒレ肉の炭火焼き
カツレツか炭火焼きで悩んだのですが、今回は、こちらで。
生でも頂けるような馬肉ですから、安心のレア。
大好きなトスカーナのワインとぴったりの味。

時間などの関係でデザートは抜きと考えていたら、美味しいチョコレーズンを出して下さいました。
でも、ゆっくりと時間の取れるようにして伺って、デザートとグラッパも頂きたいと思います。

ストゥッツィキーノ(突き出し)から、ドルチェ(デザート)まで、いつも間違い無く美味しいのですから。
ごちそうさま。

イタリアのワインの名産地、フランチャコルタのシャンパン風スプマンテを頂きながら。
砂糖を加えないで作るオーガニック的製法のスプマンテをお願いしたら、スッキリとしながら泡も味も良い、好みの物でした。

蒸しアワビとマッシュルームのサラダ
コリッコリでありながら、硬くはなくて味の良いアワビ。
生のブラウンマシュルームも歯ごたえが有りながら、全く違う味と香り。
爽やかながら、それだけではない、官能的な感じがするのは、この違った二つがマッチしているからでしょう。
肝のソースが複雑な旨味をプラス。

ポルチーニのオムレツ黒トリュフかけは、大好きでしたので、また注文しました。
オムレツにはチーズがたっぷり入っていて、白っぽく見えます。
その上に黒トリュフ。
ポルチーニ、トリュフ、チーズが卵に抱き合わされて、素晴らしい味わい。
スプマンテが恋しているような、大人にとって、最高のオムレツです。
　
イカスミを練り込んだ タリオリーニ
今の時期にしか楽しめない野生的なアスパラソバージュは、西洋の山菜の感じ。
ほろ苦さを感じる緑の土筆のような形、可愛くも憎い美味しさ。
新鮮な生のホタテが添える潮の香りに、良く馴染む、主張し過ぎないイカスミ。
パスタその物の美味しさも引き立っています。

スプマンテは飲み終えて、赤ワインは、ネッビオーロ
とサンジョベーゼをグラスで楽しみながら、メインに進みます。

イベリコ豚炭火焼きマスタードソース
豚肉は、思った通りの火の入り具合で、旨味を引き出されています。
焦げ目のついたヤングコーンは、皮も髭も甘くおいしく。
付け合わせのじゃがいもも、ルッコラも、側にいてくれて有難うの相性。

この日はお腹も満ち、この先の約束も有りましたので、デザートは抜きでおしまいにしようと思ったら、素敵なサービスを頂きました。
干し葡萄を甘いワインにつけて、チョコレートでコーティングした手作りのお楽しみ。
これは、買えません。
こちらで頂かなくちゃ。

こちらでなくちゃ頂けない、素敵なお料理の数々。
やっぱり好きなお店と、確信出来ました。
ごちそうさま。

伺うのは、二回目でした。
やっぱり、こちらの落ち着いた雰囲気は好きです。
モダンに走る事なく、アットホームな感じを受けます。

先ずは、温かいひよこ豆のパネッレと、グリッシーニがお出迎え。
オーガニックのシャンパン、ルクレール ブリアンを頂きました。
製法上、最後にお砂糖を加えるシャンパンより、糖分が少ないのだそうです。
サーッと上り出る泡や 辛み酸味は少なく、少なめの泡ですが 深みの有る味わいで、お料理に寄り添っていました。　　

前回、メニューで拝見して、次には頂きたいと思っていた、「ウナギのマリネ　マントヴァ風」を頂く事にしました。　
こちらのシェフがイタリア修行の際に覚えていらしたそうです。
白ワインに浸けて冷やされたロール状の冷製前菜。
二人当たりで、ウナギ1本を使われる贅沢さ。
ウナギと言えば、蒲焼きを思うのですが、これも素晴らしいお料理です。
ウナギのお汁は、白ワインと共に煮こごりの様なゼリー状のソースとなって、ウナギロールの上に載り、味を高めています。

二つ目の前菜。
「サクラマスの軽い燻製　プラータチーズ添え」
真っ白い根アスパラガスのピュレも載って。
桜の咲き誇る中目黒で、こんなに美味しいサクラマスなんて、白とピンクの色合いも、タイムリーで素敵です。
チーズのかすかな酸味とピュレの旨味がマスの味を高めています。
しっとりした身とパリッと焼かれた皮のどちらもが、違った美味しさで楽しめます。

パスタは、
「じゃがいものニョッキ　お好きなソースで」
トマトソースにして頂きました。
イタリア人も誉めると言うニョッキ。
とても滑らかで、噛むごとにじゃがいもの甘味を感じ、爽やかに作られたトマトソースと共に楽しめます。
本当に美味しく、人生で最高のニョッキ。

「仔羊のロースト　アンチョビソース」
パリから来たと言う乳飲み子の羊。
私は、しっかり牧草を噛んだラムやマトンの匂いも好きですが、母乳しか飲んでない身には、ほのかにミルクの香りが有り、さらっと溶ける脂身も素晴らしいと思いました。
じゃがいもとアスパラガスの付け合わせまで、しっかり美味しく焼かれて。

デザートには、グラッパ。
私は高級ではない安酒の、グラッパらしい香りが好きと、お話したら、なんと料理酒のグラッパを持って来てくださいました。
私の好きなカストリグラッパの香りです。

ずっと高級なグラッパBertaも置いていらして、ちょっぴり頂いて、そちらの高貴な香りも確かめさせて頂きましたが。

デザートは、「ピスタチオのクレームブリュレ　リコッタチーズのジェラート添え」
中はしっとり柔らかく、上はパリッと焼かれたピスタチオクレームと、ジェラートの爽やかさが引き立て合っています。
グラッパで頂くデザートは、大人のお楽しみ。

全て美味しく、一皿ごとに微笑みが浮かぶお料理を頂きました。
このお店の人気に納得出来ます。
私は、こういうイタリア料理が頂きたかったのです。
本当に ごちそうさま。

このところ、イタリア料理のお店で、本心から良かったと思うお店と出合う事が、少なくなりました。
モダンな店内。
少量を きれいに盛られたお皿。
和食に近いような、フランス料理に近いような、イタリアンのイメージから離れたお料理が多くなった気がしていました。

こちらのお店、ずっと前から知ってはいて、伺いたいと思いながら、訪問は初めてでした。

モダンではありません。
懐かしいイタリア料理店の雰囲気。
どこか土の匂いのする台所に続いている感じがします。
久しぶりの感覚。

ひよこ豆の粉を揚げたパネッレが、先ず出されました。
大きめのサイコロのような四角。
フワッと柔らかく 暖かく、ほっと和みます。
　
細くて かなり長いグリッシーニは、始めからグラスに有りましたが、さっぱりと軽く、良い感じです。

トスカーナのネッビオーロの赤ワインを頂いて。
　
馬肉のタルタル
玉ねぎピクルスを載せたタルタルは、ただ生と言うだけでなくて、とても良い味付けがなされ、美味しいです。
馬肉のタルタルでは、今まででトップクラスの味。

ポルチーニのオムレツ　黒トリュフかけ
見た目は黄色くなくて白く、おろした黒トリュフが載っています。
オムレツのイメージじゃありません。
えっと思いましたが、これが頂くと、素晴らしいのです。
ポルチーニとトリュフの香りを堪能出来るお料理。

パスタ
タリアテッレ　ボロネーゼ
手打ちの、きしめんを少し薄く伸ばした感じのパスタです。
旨味の有るボロネーゼはは、鹿肉も入っているのかなと思いました。
少し野性的な持ち味です。

青森産バルバリー鴨のロースト　モストコットソース
モストコットとは、葡萄の果汁を煮詰めた物で、バルサミコ酢の元になる物です。
酸味は有りませんが、葡萄の美味しさに満ちています。
鴨は皮が良い具合に焼けていて、焦げ目のちょっとした苦味に甘味を含んだソースがぴったり合っています。

どのお料理も、おしゃれを打ち出す物でなく、実質的に本当な美味しさが有り、嬉しくなりました。

こちらの後に行く所が有りましたので、デザートは頂かずにお仕舞いにしました。
次にはもっとゆっくりして、デザートもグラッパなどで楽しんでみたいと思います。
全て美味しいお料理でしたから、きっとデザートも美味しいに、違い有りません。
また伺いましょう。