ついに訪問が叶いましたが、まだ全面喫煙可能だった・・ : トゥジュール デビュテ

当店は、かつて何度となくトライしては休業の壁に阻まれて攻略出来なかったお店です。

不定休に加えて、HPやSNS等での情報発信も無いお店で、いわば「行ってみての勝負」だったのもなかなか攻略出来ない要因でした。

そうこうして利用出来ないでいるうちに、健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例が全面施行される令和2年4月を迎えることになりました。
当店は、休業の壁もありましたが、全面喫煙可能店だったことがネックになっていた面もあり、途中からはどうせなら完全禁煙になってから訪問した方がいいだろう、急ぐまいと思い始めていたことも事実です。

この日は、ベーカリー周りで五反田方面まで足を伸ばしたこともあり、かねて懸案の当店を攻略するチャンスに恵まれました。

予定通り午後一でパンを調達(@パン オ フゥ)した後で当店まで出向いてみました。
当店は、昭和61年の創業だそうですので、既にオープン後30年以上を経過しています。
店名のTOUJOURS DEBUTERはフランス語で、"TOUJOURS"は”常に”、”DEBUTER”は”開始”という意味だそうです。
英語で言えば、Always a Beginnerなんてことですかね。
初心忘れるべからずみたいな意味かもしれません。

当店に着いたのは、13時ちょっと前。
これまで訪れた際には、店の前にはシャッターが下りて、休業の看板が出ていたのですが、ついにこの日は営業している場面に出会えました。
地下にあるお店なので、薄暗い階段を下りて行くと左手に扉があってそこから入店します。
新型コロナウイルス対応で入口扉を開けているお店も多いのですが、当店は締め切っていました。

店内入ると正面に大きなバーカウンターが広がり、そのカウンターの後ろにテーブル席が2卓。
入って右手側はちょっと小部屋みたいな感じになっており、やはりテーブル席があります。
照明が落とされており、ジャズが静かに流れて、とても落ち着きのある雰囲気の店内です。

ところが、入店してまず見舞われたのがタバコの煙でした。
いい雰囲気の空間が台無しです。
もっとも、受動喫煙防止条例は、飲食店の屋内禁煙を義務付ける一方適用除外が設けられており、「従業員のいない飲食店」はこの限りでないんですよね。
親族は従業員に含まれないので、老夫婦で経営している当店の場合は適用除外に該当するということでしょうね。
ただ、これに該当しても法律、条令の趣旨を踏まえて完全禁煙にするお店も見られるのが世の中の流れですので、明らかにそれに反しているとは思います。

それでも、難攻略店だったこともあって、この機を逃してはと考えて思い切って利用することに決めます。
マスターはなかなか腰が低くて、ゆったり落ち着いた雰囲気を醸し出している方で、カウンター席に丁寧に案内してくれました。

席に着くとマスターがメニューを持って来てくれました。
トップメニューはブレンドコーヒー＠600円で、その他、カフェオレ、カプチーノ、ウインナーなどのアレンジコーヒーなどもありますが、ストレートコーヒーは元のメニューには記載されているものの、現在は提供していない様子でした。
スイーツではレアチーズケーキが有名なお店なのですが、ここは敢えて捻りを入れてガトーショコラ＠500円を注文。
ドリンクはブレンドコーヒーにしました。
セット割引等は無いので、1,100円の会計になります。

ブレンドコーヒーは、デミタスサイズとまでは言いませんが、小さめのロイヤル・コペンハーゲンのカップ＆ソーサーで提供です。
ブラジル、コロンビアをベースに7種類の豆をブレンドしてネルドリップで淹れたというコーヒーは、コクや苦味はそれなりにある一方、雑味がなくてまろやかな味に仕上がっています。
なかなか美味しいコーヒーでした。

ガトーショコラは、甘さはかなり控えめ。
ねっとりしたチョコレートらしさはありませんが、なめらかで軽めに仕上がっており、これはこれで美味しいです。
たっぷりのホイップクリームが味を引き立てています。
コーヒーとの相性もとても良かったですね。

そんなことで、コーヒー、ケーキには十分に満足できたのですが、やはり当店の場合は全面喫煙が厳しいです。
地下の閉鎖的な空間だけに逃げ道が無く、嫌煙派にはつらいお店ですね。
この空間で経営されている老夫婦の健康が心配になりますが、お二人とも愛煙家なのでしょうか？

早々に退散することにし、地上まで出てくるとちょっとホッとした気分になりました。
ふとお店の方を見ると、「喫煙可能店」のステッカーが貼ってあります。
これは、改正健康増進法デザイン対応ステッカーとして市販のものですが、もうちょっと目立つように貼り出した方がいいかもしれませんね。
仮に全面禁煙化すればガラッと評価の変わるお店と思われるだけにとても残念でした。