街のコスパのよいフレンチ : レ アール

突然かかってきた電話の主と近場でごはんを食べることに。。。

さて、どこにする？大井町？五反田？大崎？

ビルの中の店は空いてるだろうけど、やっぱり落ち着いて話ができそうな場所がいいな。。
じゃ、気軽そうなフレンチということで。。

電話をかけてみると、入れるという。。

五反田駅で待ち合わせ、中原街道をとことこと下る。
食べログの地図だと西五反田一丁目の交差点を越えてから
左に曲るような場所に目印があったけど、中原街道沿いに見えてくる「タケウチビル」の
看板の下を見ると鉢植えの木と電飾（古っ）があるので、そこが目印だ。

ドアを開けると左側がコートクローク、右側短い廊下の先にダイニングルームが見える。
冬場はコートを入り口付近で受け渡しするので、同じ時間に予約のお客さんが来ると
後から到着した人たちをちょっと外でお待たせする格好になってしまう。
土曜の夜のせいか、結構年配の人が多く、同じ客の立場だけど、気になってしまった。

さて、コートチェックを済ませて、席に案内される。
四角い部屋の壁際に６テーブルくらいとこじんまりして、テーブルクロスも上掛けは
ビニール素材と、カジュアルな雰囲気だ。

お食事前にお飲み物はいかがですか？と食前酒のメニューを渡される。
後でわかったけれど、お酒のメニューの最後のページだけを切り取り、
ビニールで覆ったちょっと定食やさん風のメニューだ。

食前酒の次はメニューだ。
ディナーはＡとＢそして、季節の特別、更にシェフのお任せ、
それぞれ　4千、5千5百、6千、8千円のコースと、アラカルトがある。
季節の特別は、冬が旬の三陸産牡蠣が生でもオーブン焼きでもいただけるので、
迷ったが、品数が多いので、前菜とスープ、メインとデザートのＡコースにした。
前菜も魚系・肉系の2種、メインも同様に2種から選べる。
私は魚・魚、「電話の主」は肉・肉と決まった。

メインにあわせて　グラスワインも頼む。
前菜の前にスターターとして公魚のフリッターが置かれた。
ぷくぷくと大きな公魚はあつあつでおいしい。食前酒の甘いキールになぜかよく合う。

サービスは二人の男性が行っているが、厨房は何人だろうか、皿の運ばれるタイミングは比較的
ゆっくりしたペース、しかし、待ちきれなくてイライラするほどではない。（会話が進んでいればね。）

前菜はまぐろのタルタルしょうが風味。「電話の主」は鴨胸肉のマリネ。
一口ずつ味見をしたが、「電話の主」いわく、まぐろのほうがよかった、と。
鴨のカルパッチョ風マリネもおいしかったけれど、それ以上にコクのあるタルタルで
フォアグラのコースを選ばなかった反省が吹き飛んだ。
これはおいしい。

お次はスープ。本日はメニューのムール貝のクリームスープがないそうで、オニオングラタンだと。
オニオングラタンスープって、カンタンのようであるけれど、店によってずいぶんと味が
違ったりするので、ちょっと楽しみだ。

正統派のスープボールに入ったそれは、、量もたっぷり。
前のタルタルがパンチの効いた味のせいか、何かひと刷毛足りない感じ。
丁寧に作られているだけにちょっと惜しい。

お次はメイン。今日の魚はカンパチのグリルの下にラタトゥイユを添えているという。
運ばれてきたカンパチは、切り身一切れがドーンとラタトゥイユの上に載せられている。
このあたり、すましたフレンチというよりは街の洋食やさん風で気取りがない。
周りにはこれまたタップリの香草が山盛りになっている。
皮はパリパリしておいしかったけれど脂の乗ったカンパチには、もう少し酸味の強い
ラタトゥイユのほうがあっているかもしれない。或いは香草のソース一本に絞るか、かなぁ。
ちょっと盛りだくさん過ぎて舌の印象がひとつにまとまらないのが惜しまれる。

そして、近くのテーブルに次々運び込まれる美しいデザートが、我々の席にも。。。
りんごのコンポートとキャラメルのムースだ。上にキャラメルのアイスも乗っていて
周りにウォルナッツがちりばめられている。
甘味を抑えたコンポートにキャラメルのムースとアイスを絡ませ戴くと実においしい。

最後にお茶を戴き、コースは終了。

お酒や水の注ぎ足しのタイミングなど、さりげないサービスは心地よいし、
Ａコースといえどもタップリの量など、味の多少のバラツキはあったもののコスパは良い。
「フランス料理」と銘打っているので、看板だけ見ると
ちょっと気後れする人もいるかもしれないけど、中はカジュアルだし、地元の人が何回も
足を運びたいような値段設定だし、街のフレンチとして使いやすいところがいいのではないかな。