もったいない！ : すしざんまい 本陣

その日は時間も遅く、どこも予約はしておらず、行く先が無かった。
久しぶりにふと浮かんだのが
すしざんまい本陣だった。

以前行った時は非常にいい職人がいて、なかなか素晴らしい時もあったことを記憶している。

カウンターのこの店は、予約ができる店ですしざんまいの最高級店である。

すしざんまいが旨いかとか、不味いかとか言っても、ここだけは職人が目の前のオーダーで力量を発揮して握っていた頃があったのは間違いない。

以前はクオリティに対してほかのチェーン寿司屋とは一線を画する誇りのようなものがあった。

しかし、今回はあまり自慢できる寿司ではなかった。

ネタは乾き気味だし、仲間の一人は「生臭い。」と言い出すほど。

反面、一人の友人は随分と酔っ払って、ご機嫌よく、「旨い、旨いよー。すしざんまい！こんないい店あったんだねー！」と大喜び。してはいたが…。

そりゃ、銀座の店と比べると遜色あるさ。
値段も8〜10分の一だもん。

いわゆる寿司屋のカウンターがあるすしざんまい。カウンターの内側にいるのは職人だけど、マニュアルは決まっていて、シャリを自分で仕込んだり、ネタに仕込みの仕事をしたりは許されないらしい。

均質性を求めないと、旨くいかないんだという事。

これからの研ぎ方は、ダウンサイドに落ちないように、ボーダーラインは設ければいいけど、アッパーに対しての上振れはむしろ許容しないと、客の舌の成長の方が早く、仕入れの安さ、ダンピングだけではダメだと思う。

ここからは独り言。

すしざんまい、スペインでマグロを蓄養したりして、取り組みは素晴らしい。

やはり、旨いものを食べ続けるにはサスティナブルな漁業やサスティナブル消費は必要で、メジマグロなど、幼魚を平気で食べさせる店は非売運動をしたいくらいだ。

でも、すしざんまいの凍結方式はしらないけど、おそらく空冷式急速凍結。

いくつかの実験に立ち会ったことがあるからヒントとして書くが、
CA○でもプロ○ンでも空冷方式での凍結には限界があってやはり結局は緩慢で、旨味は抜けて、クオリティは下がる。

どんな事をやったかは知らないけれど、ここのマグロもなんだか旨味が抜けている。

おそらくスペインでは旨いマグロを蓄養しているのだろうから、輸送の問題でこうなっているとしたら、もったいない。

輸送の問題なら、やはり技術大国日本には新しい世界最速の瞬間冷凍の仕組みが出てきているので、そんな技術を使えばもっとマグロのクオリティが良くなるだろうに。

また、クオリティにこだわっていたから伸びたチェーンだけに、効率だけを追求する均質マネジメントになると、他と同じになり、今まで持っていた伸びた原動力となっていたドメインが変わり、安いだけの店としての競争に自ら飛び込んで行ってしまっては、ピークアウトも近いかもしれないなー。

※上記の文章は飽くまで、matu4個人のメモであり、メモにまとめた感想です。

2012年の築地のマグロの初競りで大間産の269キロの本マグロを驚異の5649万円、
史上最高値で競りおとしたすしざんまい。
2011年の最高値金額で落札した板前寿司、久兵衛連合に競り勝って
昨年落札額を2000万円以上と大きく上回る。

どんなに史上最高値で競り落としても
名物の木村社長は「いつも通りの値段でお出しします。」とニュースでコメント。

なんと、奇しくも昨晩、ここで寿司をつまんでいた僕。
深夜からの寿司をつまみながらの打ち合わせだった。

昨晩食べた初競り前の年越しのネタ？の寿司も上手かったが、
本当は今日にでも行けばよかった。

銀座も築地も正月のせいもあってまだまばらな人影でも
24時間年中無休の営業店だから味わえる便利な寿司屋。
ネタの新鮮さだけならいろんな寿司屋が出しているが
CPで行くとここはすごい。

2000～3000円つまむだけでも立ち寄れる。
1階のカウンターもお勧めで、2階はよそいきのグレードの高い雰囲気で食べられる。
サービス料なんてたかが知れたもの、ぜひ、二階のカウンターで
駄目なら一階のカウンターでどうぞ。

それにしても今日食べれば、史上最高値のマグロが口に入ったはずだ。
んー残念（笑）

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すしざんまいっていうと「ああ、あのチェーン店。」という声が聞こえてきそうだ。
そう。そのとおりあのチェーン店のすしざんまい。

でも、この本陣の２階は少々違う。
サービス料を取るのだ！
あの、すしざんまいで!!

しかし、これがいい。
まず雰囲気がいい。塗りのカウンターでハレの日に使う方も多い。
それから、カウンターで目の前で握ってくれるし、何より廻っていない(笑)

ここでしばらく握っていた職人さんで何人か
この後、独立して銀座でお店を持ったような実力者も
止まり木のようにここで握っている場合もある。
そんなときは異常にラッキーだ。

それ以外でも、ここで握っている人はみんないっぱしの職人さん。

同じお店でも職人によってぜんぜんレベルが違ってしまうのが
ここで理解できたお店。