下町洋食の奥座敷へようこそ。 : 洋食 あきら

いかにも下町らしい墨田区の住宅街。
路地裏へ路地裏へと入っていったところにあるのが、洋食のあきらさんと言うお店。
お店に入ると、とても居心地の良い、温かい空間に包まれます。

エスカロップ、カニコロ、メンチ。
大体こんなところを組み合わせて、1,000円代の前半でご飯とお味噌汁をつけて、したまち極上のディナーですね。

此処の人気メニューとも言えるエスカロップですけれど、早い話、デミグラスソースをかけたとんかつなんですね。
関西によくあるパターンだ。
それに、根室の奴はご飯にカツが載っていましたっけ。
でも、此処下町のエスカロップだって、ちょっとオリジナリティーのある逸品なんです。

まず、肉の厚みが違う。
エスカロップのカツは厚けりゃ良いってもんじゃありません。
カツに揚げて旨味を最大限に発揮するのは、大体1センチ位が限度だとどこかで読んだことがあるんですね。
それを地で行っています。

デミグラスには一手間加えているのか、手作り感が仄々と。
食べるとお肉の美味しさが溢れてきます。

カニコロッケは濃厚で、齧るとシャクッ！
メンチはめっちゃジューシー！

駅から少し離れているから、歩いて行くのはちょっとだけ面倒臭い場所だけれど。
下町観光のついでにでもお立ち寄り下さいませ。

(2012/03 再稿)

墨田区向島の路地裏にある洋食「あきら」さんへ。
ドアを開けると、いかにも近所の社交場のような使い勝手の、昔ながらの設え。
老舗というわけではないけれども、この場所でもう30年を超える時間を重ねてきた、味わい深さを醸しだしています。

調理場との仕切りカウンターに掲げられた、たくさんの洋食セットメニュー。
ご自慢のハンバーグや海老フライなどを組み合わせてサラダと盛り合わせた大皿に、皿飯と味噌汁。
奇を衒わない、なんだかホッとする昔ながらのきちんとした洋食のスタイルですね。
これでだいたい、1,000円、1,100円といった値段で食べて行けます。

捏ねたてをふんわりと焼き上げたハンバーグ。
つなぎとの配合、焼き方、絶品ですね。
ナツメグの香りが効いてくるのは、ランチ同様の仕上がり方です。

衣が立った海老フライ。
タルタルソースは、基本に忠実な手作りで、玉子の香りがふんわり。
齧り付くと、シャクッとした衣の歯ごたえに、身の厚い海老がプリッと。

カニクリームコロッケ。
割ってみると、いかにも手作りのベシャメルの色合い。
トロッとした口当たりとコクがたまりませんね。

チキンカツ。
これまた、齧ってみると肉汁を感じるジューシーさ。
肉そのものの良さももちろんですが、扱いの良さ、調理の上手さが光ります。

懐かしさに浸りながらも新しい発見があるのが、下町歩きの面白さ。
軒の間に天高く聳えるスカイツリーに、明かりが灯るのももうすぐです。


(2010/08 初稿)

東武伊勢崎線曳舟駅からも近い向島の路地裏。
隅田川に近いエリアにあって、お店の周囲は住宅と町工場が混在する典型的な下町風景が続きます。
さらに水戸街道を渡れば、昔ながらの向島花街の風情も・・・・
墨田や台東のエリアには、表通りや商店街ではない立地にも、「隠れた旨い店」が結構多いものです。

向島でも評判の洋食「あきら」さん。
お店のドアを開けると、いかにも常連さんに愛されているお店という雰囲気が。
一見して、古びた喫茶店のような店内。
棚にはワインだけじゃなく焼酎の瓶も・・・・

ここのランチは、重箱に入った日替わりランチ(750円)がリーズナブルで、おかずもいろいろでお得。
それにも増して魅力的なのが、飯・汁付きで1,000円の「本日のお勧め料理」として店内黒板に書き出された洋食メニューの組み合わせ。
カニクリームコロッケやハンバーグ、それにオムレツなどの単品メニューも人気です。
この組み合わせ、夜でも値段の変わらないメニューなのです。

ふわふわ「オムライス」(950円)。
３個分はあろうかという、とろとろ半熟の玉子をかき分けると、中からは新鮮な鶏肉や玉ねぎの入る、パラッと炒めたチキンピラフが。
手作り感のあるデミグラスソースと半熟状態の玉子が混ざり合い、最高の相性を見せてくれます。
ボリューム的にも、普通の男性の昼飯として申し分ありません。

｢エビ、ハンバーグ、チキンかつ｣の組み合わせ(1,000円)
まず、とても印象的なのが大ぶりで存在感のある海老フライ。
レモンを絞り、軽く塩を振って食べてみます。
海老を噛み切るとプリッとした食感、パン粉もしゃりっとしていて、絶妙な立ち加減。
揚げ仕事の良さが光りますね。
ハンバーグは、赤身肉の密度がしっかりとある感じでしょうか。
これも、噛むたびにしっかりと肉の味わいがあり、何より印象的なのは、ナツメグの風味。
カリッと揚がったチキンカツもジューシーで旨いですね。

昼時ならではの炊きたての飯、出来たての味噌汁。
それに、付け合わせの生野菜には、摺りおろし玉ねぎの旨い手作りドレッシングが。

食後には、ランチタイムのサービスで、淹れたてコーヒーで一息つけます。
こんな隠れ家でじっくり落ち着いて旨いものを食べて、また午後の仕事へ。
しっかりした洋食で鋭気を養えるこんなランチ、手軽に味わえる人は羨ましい限りですね。