開花楼のもちもち麺を引き立てる濃厚ダブルスープ : 麺や 璃宮

(2012/03 再々稿)

錦糸町での所用ついでに、竪川端の「璃宮」さんへ。
照度を落とした店内は、学校みたいな一方向ベンチシート。
相変わらず面白い座席配置です。
前回訪問から３年近く経ったでしょうか、メニューを見ると「油そば」が加わっています。

思い切って注文してみた「油そば」(250g700円)。
丼には豪勢にいろいろな具が乗っています。
大振りで分厚いバラチャーシューが２枚、それに拍子木のようなメンマ、解したチャーシュー、揚げ玉、ねぎがたくさん、焼き海苔、たっぷりの花鰹、それに100円ブラスで追加した燻卵も。

浅草開花楼製の中太麺を丼を半分かき混ぜながら手繰ります。
きわめて濃厚な甘じょっぱい醤油タレを背負ってきて、麺の粉っぽい旨さが際立ちます。
これは、なかなか旨いものですね・・・・・

それに、解しチャーシューや花鰹、それに揚げ玉などが渾然一体となって開花楼麺に絡みつきます。
これらの具の絡んだ旨さと濃厚タレとがまたまた相俟って、油そば特有のまったり感を醸し出すわけです。
拍子木メンマは歯ごたえも良く、チャーシューは脂身も甘くて食べ応え満点。

別碗でスープも供されます。
ラーメンやつけ麺に通じる、濃厚魚介と豚骨のダブルスープ。
お店のスタッフの方が、スープに油そばをつけて食べてみてとアドバイスしてくれたのでやってみます。
スープの魚介の旨さが、タレの纏わり付いた油そばに、また違った旨さを与えてくれますね・・・・

濃厚魚介豚骨のつけ麺も、この手のスープにさしたる新鮮味を感じない昨今。
その点、この油そばは面白いかもしれません。
これから夏場にかけて、試してみる価値はありますね。


(2009/06 再稿)

錦糸町駅南口から南下し、京葉道路の下を潜ると見えてくる「璃宮」さんのお店。
12:40頃の訪問ですが、相変わらずの満席。
到着時には行列なしでしたが、直後、私たちの後ろにはたちまち列ができていました。

あらためて気づいたのですが、ここは食券じゃないんですね。
お店の女性スタッフがきちんとオーダーを取って、厨房へ伝える。
明らかに客とのコミュニケーションを意識していますね。
学校の教室のような一方向きの座席配置のことも、あらためてマスターに聞いてみます。
「壁伝いにコの字にすると、お客さんの動きとラーメンのサーブが錯綜してしまうから、きちんとお客さんと向き合うこういう配置にしたかった」と。
なるほど、やはり思うところあってのことなのですね。

今日はつけ麺を食べてみます。
大盛りはプラス100円(750円)で、普通の300gが400gに。
つけ汁は、相変わらず動物系と魚介が出会い、ドロッと濃厚。
節粉が焼き海苔の上に盛られ、混ぜるとさらに魚系の旨みが引き立ちますね。
もちもちの浅草開花楼の太麺との相性も良いですね。
ただ、感想は前回と同じく贅沢な話ですが、「旨いのは認めるけど、なんだかなぁ・・・」と。
「パーフェクトな顔立ちじゃ愛嬌がない」、とでも言いましょうか。
同行者は「もうひと味なんだよね・・・・」と言っていましたが。


(2008/12 初稿)

錦糸町界隈で一番人気のラーメン屋「璃宮」さんへお伺いすることに。
住吉の方向へ少し歩き、首都高ガードの下をくぐって、ちょっと分かりにくい場所にあります。
昼食時のピークちょっと前くらいでしたが、すでに5～6名の行列が。

初めてのお店でのオーダーは、定石の「ラーメン」を。
店内の造作は一風変わっていて、長椅子を並べ、お客さん同士が顔を合わせるテーブルがなく、かといって調理人と向き合うカウンターもない。
どうかとも思いますが、これはこれで、思うところあっての割りきりなのでしょう。

多少の待ち時間でラーメンが出てきました。
魚介系と動物系のダブルスープというだけあって、一口啜ると、極めて濃厚。
旨いですね・・・・・

ただ、最近はややもすると、この手のコクで「どうだ！」と迫られても、あまり響かない。
自分が歳なのか、それとも巷にこの手のスープが溢れすぎたのか。
旨いものを食わされて「飽きた・・」などというのもなんと贅沢な、酷い話だとも思いますが・・・。

シンプルな具、縮れて極めてもちもちした太麺。濃厚のスープに勝つだけの強い力を持つ麺で、茹で方も上手です。
この手のこってりしたラーメンとしてはかなり完成形に近いかと思います。
一見、一食の価値ありですね。